28日から30日まで横浜で行われた「第4回 アフリカ開発会議(TICAD)」が閉幕しました。このなかで福田首相はアフリカ向ODAや民間投資を倍増することなどを表明。さらに様々な形でアフリカをサポートすることを約束しました。
アフリカについては、食糧危機、エイズや他の感染症などのように人命を脅かすものから、人材育成、農業開発、貿易、投資、環境問題などの面で、先進国の資金や技術支援が必要なことは確かだと思います。
しかし、先進国の支援が必ずしも純粋とはいえません。最近先進国が競ってアフリカ援助に乗り出した背景には、アフリカに埋まる原油やレアメタルなどの資源目的という部分もあるからです。それでもアフリカの国々としてはこうした援助をありがたいと思ってくれているので、その点はお互いに打算的であってもよいのでしょう。
(ただし国民の血税を使って出したODAが、一部の人間達が潤うだけで一般人に恩恵をもたらさないこともあること、また、この中でも有償援助は結局は貧しい国に借金を負わせることであって今までもこれでいくつかの問題も出ているので、より慎重であって欲しいです。)
今月半ば、世界銀行グループが主催している”Lighting Africa” http://lightingafrica.org/index.cfm?Page=Home のコンテストで、(主にはアフリカ出身の)ハーバード大の学生達の「地中にいる微生物による発電」が賞金をとったという記事を読みました。
この発明が実用化すれば、装置は低コストの上、単純なので現地での生産も可能と言う優れもの。欠点は電力が弱いことと言いますが、ただランプ代わりに使うだけならOKでしょう。
今年受賞したのはハーバード大のこのグループだけではなく、他に15団体が受賞し、研究に当てるべき賞金を得ています。
世界銀行などの融資は「本当に相手国の民間人のためにのみの融資なのか」と考えさせるものも正直ありますが、この“Lighting Africa”のような形は、「世銀ならでこそ」と存在の意義を感じます。
それにしても、Lighting Africaのメンバーにざっと目を通す限り、この中ではわずかに日本の企業2社があるだけです。
「資源獲得のために露骨にアフリカに擦り寄っている」と叩かれる中国、そして中国のように目だって非難はされないものの、やはり中国と同じように支援や協力を餌にアフリカに擦り寄るインド、この二カ国の企業・団体の名前はメンバーリストのなかにいくつか見つけることができます。
「日本人にとってアフリカは遠い国」そんなことを言っていた、アフリカ援助にかかわる仕事をしていた友人がいました。そんな心理的にも地理的にも遠い国に近づこうとするのなら、まずはこうした地味なところにも目を配るべきだと思います。
「日本はアフリカの資源と同時に、常任理事国入りのアフリカの票を得る為の点稼ぎをしている」
お金をかけるだけでは、そう思われてしまうことも仕方ないかもしれません。