Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

感性を失わずに

2009年01月26日 | 国際・政治

イスラエル軍は、オバマ大統領の就任にあわせ(?)ガザ撤退、そしてハマスも停戦宣言しました。

前回のブログに書いた、ギリシャの港からイスラエルに商船で運ばれているはずの大量の武器の行方は気になるものの、停戦は歓迎すべきことです。

イスラエル軍による攻撃が始まってから、欧州でも、アメリカでも、実はイスラエル国内でさえ、「無辜なガザの住民の大量殺戮」に対する大小さまざまな抗議デモがありました。

爆撃の収まった今もなおイスラエルを非難するデモは行われ、イギリスでは、BBC放送局はじめいくつかのメディアが、ガザ地区の人々への緊急支援のチャリティの呼びかけの放送を見合わせたことを受け、また新たな批判の声がでてきています。

BBC放送などがチャリティの放送を断わったのは、彼らが「パレスチナ人へのこのチャリティが、果たして公平で、効果的なものなのか」という疑問からのようです。

彼らには、「イスラエルとパレスチナ、中立でなければならないから、片方の為にだけ動けない」という論理があるのかもしれません。

しかしまあ、ガザでの
1300人の死亡者のほとんどが罪もない民間人で、生き残った人達だって、家を失い、電気やガスも届かない、食料も不足している状態です。

これは流石に人権擁護団体でなくたって「馬鹿言ってるんじゃないよ!」と啖呵を切りたくもなります。今回は、イギリスの政府の要人も何人かBBCに再考を求めたり、苦言を呈したりしています。

最近、現在政府関連の仕事をしている知人と会いました。

「国際情勢などは、国内の新聞だけを読んでいるだけではあまり分からないし、入っても一方の情報しか入らないから、インターネットや海外の新聞からの情報を仕入れて分析しているけど、情報を多く仕入れるほど、ストレスがたまってしまう。」

そうぼやく私に向かって、彼は頷きながら言いました。

「国際政治が、そもそも理不尽なものだからね。」

『国際政治』に振り回される仕事をずっとしてきている彼は、情報を通したものではなく、実際もっと直接的に理不尽を感じ、どうしようもないジレンマに陥ることもあるのでしょう。

「そうだけど、せめてその『理不尽さ』を『当たり前』として考えるようにだけはなりたくない・・かな。」

私がつぶやいた独り言が聞えていたのかいなかったのか、知人はゆっくりコーヒーをすすりました。

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戦争を歓迎する国

2009年01月12日 | 戦争・紛争

イスラエルの攻撃で、命を落とすパレスチナの人々の数が900人近くに上っています。

先日行われた国連安保理の停戦決議を棄権した米国はそもそもイスラエルが行っている“大量殺戮”には理解を示していますが、それは単に「ハマスも悪い」という平等意識からだけなのでしょうか。

金融危機の深刻さが明るみになった9月、アメリカ政府は、イスラエルに対し、1000のバンカーミサイルを売ることを決め、これがイスラエルに届けられたのが12月の初め。

更にアメリカは現在もイスラエルに何百トンもの武器をギリシャの港からイスラエルに向けて輸送しようとしていますが、この大型商船の入札はイスラエルのガザ空爆前に行われているようです。

ちなみに、この巨大な商船でなければ運べないほどの“荷物”は1月下旬に2回に渡ってイスラエルに届く予定です。

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=11730

当然、イスラエルもアメリカもガザの攻撃を止める気などさらさらないのでしょう。

それにしても、アメリカはもちろんですが、それ以外の国連安保理の常任理事国(イギリス、中国、フランス、ロシア)もすべて海外に武器を売って儲けている国々です。安保理が「世界の平和と安全の維持に対して重大な責任を持つこと」を目的とした機関ということを考えれば、これらの国が常任理事国であること自体が偽善的です。

まあ、安保理が満場一致で停戦を支持したとしても、当事国が受け入れなければ戦争は終わらないので、安保理決議にはあまり大きな期待はしていませんが・・・。

世界各地で抗議デモが起こっていますが、そうした間にもガザで亡くなる人は増えるばかり。やるせない気持ちになります。 

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『公』もカバーする市民の力

2009年01月04日 | 人物

昨年の経済危機のあおりを受けて職を失った多くの非正規社員達。私の周りにも未だに「非正規社員自己責任説」を説く人もいたりするのですが、非正規社員達に対する企業の非人道的扱い、政府の対応の遅さについては皆批判的です。

さて、昨年暮れからNPO主催で「年越し派遣村」という者が企画され、年末年始に職や家を失った人達に物資や寝るところを提供するほか、生活保護申請などの相談にのるなどの活動を日比谷公園で行っています(15日まで)。

途中、利用者があまりに多くてテントが不足したため、実行委員会が厚生労働省に掛け合って、同省の講堂を宿泊施設として提供するよう要請。同省もそれを承諾したというのですから快挙です。(「これだけ活動が注目されているので、断ったりしたら大変だ」と思って受諾したのか、それとも「公である自分達が何もしなくて恥かしい」という反省からだったのかは置いておいても、NPOが一つの省庁に譲歩させたということは素晴らしいと思います。)

そんなニュースを見ていて気分をよくしていたところ、一通のメールが届きました。

A  HAPPY NEW YEAR!

 シキホール島の原田(ダーマン)です。おかげさまで島に来て5年、たくさんのお客さんが日本からヨーロッパ、北欧からオーストラリアから訪ねてくれるようになりました。うれしいことにリピーターの人も増えています。「地球の歩き方 フィリピン版」にシキホール島が掲載されVILLA MARMARINE ビラ マーマリンも大きく載っています。もっともっとお客様が増えそうです。

 シキホールズ エンジェルのボランティア活動も順調です。皆様に支えられて今までに28校の学校に80のトイレと6つの水施設を援助できました。また、よさこいソーランやドッジボール、折り紙を教えたり、映画を上映して回っています。島を走ると方々で「ダーマン!!」のかけ声がかかるようになりました。これからも、シキホールズ エンジェル(シキホール島の天使)になるようにがんばっていきたいと思っています。

皆様にとっても最高の1年になりますように南の島から祈っています。”

メールの送り主は元小学校教諭で、JRC(青少年赤十字)でボランティアをされていた原田淑人さんことダー先生。現在はフィリピンのシキホール島でリゾートを経営しながら、フィリピンの子供達のために活躍中です。

(詳しくは彼の著書『ダー先生は落ちこぼれ』

http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/4-8355-6737-4.jsp

そしてリゾートのホームページをどうぞ。

http://www.marmarine.jp/

派遣村主催者もダー先生も、そうして以前『ノブレス・オブリージュ』でお話したウイリアムさんもそうですが、こうした一市民達の活動がこれから増えていく気がします。

会議に明け暮れているお役人達も、彼らのような愛情や行動力(気付き、考え、動く)を見て触発されることを願います。

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グローバリゼーションと関税見直し

2009年01月03日 | 国際・政治

インド人の経済学者であり預言者でもあるラビ・バトラ氏がひそかに注目されているようです。

彼は優れた経済学者でもあるのですが、「預言者」という顔が邪魔をして胡散臭く見られているようです。しかし、1996年の松下政経塾の第一期生の岡田邦彦氏(現早稲田大学大学院客員教授)が彼と対談しているのを読むだけでも、バトラ氏の理論は遜色のないものであることがわかります。色眼鏡を捨てて、是非読んでみてください。

http://www.mskj.or.jp/chinika/9602cnk3okada.html

バトラ氏は1978年出版の著書『資本主義と共産主義の終焉』で、今回の金融危機についても予測しています。

彼は1950年から75年にかけて日本が実践してきた「終身雇用制度」「収支バランスのとれた国家予算と貿易収支」「(自国の農業、産業を守る)保護、規制」が優れていたものであったことを力説します。

貿易に関し、彼は関税についても言及しています。

最近この経済危機にあって、保護主義に傾く国がでてきているようです。たとえば、自国の自動車産業保護の為に自動車の関税率を上げたロシアだけでなく、インドも鉄鋼の関税を上げましたが、これからもそれに続く国がでてこないとも限りません。

こんなに世界的に景気が悪くなってしまっては、どの国も輸入制限をして自国の産業を保護し、内需の拡大や雇用の確保を狙うのは自然の流れだと思いますが、これは国の内外から反発を受けます。

「1930年、不況のため関税を大幅に引揚げたアメリカに対し、各国が報復的に関税を引揚げたことで輸出入が激変し、これが大恐慌に繋がった。歴史を学ばなければならない。」

「自由貿易の終焉か?」という声もあり、各国本音は関税を上げたくてもできないでいる、というところなのかもしれません。

しかし、この経済危機の最中はもちろん、逆にことが起こる前から、もうすこし規制、保護主義的動きがあるべきだったのではないか・・・私にはそう思えてなりません。

1930年はもちろん、1975年当時に比べても、世界はグローバル化によって大幅に状況が変わってきているのです。「世界が一つの国」になっているのならともかく、(EUという枠組みはできましたが)実際は違うのですから昔の論理が100%当てはまりません。

関税をすべて引揚げるというのは言語道断でしょうが、ある程度の見直し、これはこの経済危機をきっかけに、もう少しなされていくべきだと思います。

日本においては、自給率を上げる必要がある、農作物の関税(米国平均5%に対し、日本は11%と高いけれど、欧州の19%は米国の4倍弱です。)など特に。

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