イスラエル軍は、オバマ大統領の就任にあわせ(?)ガザ撤退、そしてハマスも停戦宣言しました。
前回のブログに書いた、ギリシャの港からイスラエルに商船で運ばれているはずの大量の武器の行方は気になるものの、停戦は歓迎すべきことです。
イスラエル軍による攻撃が始まってから、欧州でも、アメリカでも、実はイスラエル国内でさえ、「無辜なガザの住民の大量殺戮」に対する大小さまざまな抗議デモがありました。
爆撃の収まった今もなおイスラエルを非難するデモは行われ、イギリスでは、BBC放送局はじめいくつかのメディアが、ガザ地区の人々への緊急支援のチャリティの呼びかけの放送を見合わせたことを受け、また新たな批判の声がでてきています。
BBC放送などがチャリティの放送を断わったのは、彼らが「パレスチナ人へのこのチャリティが、果たして公平で、効果的なものなのか」という疑問からのようです。
彼らには、「イスラエルとパレスチナ、中立でなければならないから、片方の為にだけ動けない」という論理があるのかもしれません。
しかしまあ、ガザでの1300人の死亡者のほとんどが罪もない民間人で、生き残った人達だって、家を失い、電気やガスも届かない、食料も不足している状態です。
これは流石に人権擁護団体でなくたって「馬鹿言ってるんじゃないよ!」と啖呵を切りたくもなります。今回は、イギリスの政府の要人も何人かBBCに再考を求めたり、苦言を呈したりしています。
最近、現在政府関連の仕事をしている知人と会いました。
「国際情勢などは、国内の新聞だけを読んでいるだけではあまり分からないし、入っても一方の情報しか入らないから、インターネットや海外の新聞からの情報を仕入れて分析しているけど、情報を多く仕入れるほど、ストレスがたまってしまう。」
そうぼやく私に向かって、彼は頷きながら言いました。
「国際政治が、そもそも理不尽なものだからね。」
『国際政治』に振り回される仕事をずっとしてきている彼は、情報を通したものではなく、実際もっと直接的に理不尽を感じ、どうしようもないジレンマに陥ることもあるのでしょう。
「そうだけど、せめてその『理不尽さ』を『当たり前』として考えるようにだけはなりたくない・・かな。」
私がつぶやいた独り言が聞えていたのかいなかったのか、知人はゆっくりコーヒーをすすりました。