22日に書いた『アンネ・フランクとハアレツの記事』http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20140222で紹介したハアレツの記事を、外国の友人数名にも送りましたが、その一人であったアメリカ人のティムさんは、
“I hadn't heard that, but it is very sad. However, there are crazy and or hateful people all over the world and things like that are not unique to Japan.
I also find the Japanese fascination with Anne Frank very odd. I agree with the article in Haaretz that it seems Japanese people do not relate to the story in the same way that we in the west do. In the Haaretz article you linked was the following:
Matsui thinks Japan was neutral during World War II.
“The Germans fought the French and English and the Jews in Europe, and then America and Japan had a war later,” she said hesitantly through a translator..
(中略)
To me it seems Japan does not teach the history of World War II in the same manner or detail that we do here in the west. As a result the Japanese view the story of Anne Frank in a completely different context than we do in west.”
と書いてきました。
彼が記事から引用している部分は、アンネの隠れ家を訪問していた日本の女学生が、「ドイツはフランスと英国と対戦し、そのあと日米で戦争が起こった」とし、第二次世界大戦時、(欧州戦線に関しては)中立だったと考えている、と書いてあります。
(この女の子が、実際『中立』と言ったのではないと、私は思います。単に、「欧州で日本軍は戦わなかった」と言ったというのが自然かと。)
ティムさんはこれから、 「日本人が学んできた歴史が、欧米のマナーや内容と違うように感じる」 と言います。
私はこれに対して、
「今現在までは、日本人の第二次世界大戦についての歴史教育は大きく西側のものとはかけ離れているとは思わないけど(ただ、第二次世界大戦というくくりより、太平洋戦争というくくりで強調されているとは思う)、マスメディアや平和保護団体のなかには、「戦争被害者としての日本人」に焦点をあてているものが多いのは確かだと思います。
また、ドイツと違って日本は軍人以外の被害者に対する賠償をほとんど行ってこなかったり、さらに、カーティス・ルメイのような東京大空襲を指揮した人物の佐藤栄作元首相が勲章を授与しているなど、戦争被害者を馬鹿にした行為までしている、というようなことが、迷惑をかけた他国の被害者に対する反省をゆがめているところもあるかもしれない、とも思います。
別の観点で言えば、日本では、歴史の勉強さえ、テストの点をとるための暗記が中心で(しかも現代史にはあまり力を注いでいない)、ディスカッションや深く考えることをさせないという、問題だと感じています。」
というような返事をしました。
さて、ドイツの国民の補償について調べているときに見つけたウィキペディアに、こんなものがありました。
(ウィキペディアは、必ず詩も正しいことが書いてあるわけではないので、注意は必要です。)
ドイツの歴史認識
このなかに、
「1970年に西ドイツのヴィリー・ブラント首相がポーランドを訪問し、ワルシャワ・ゲットーの前でひざまずきナチスの犯罪に対して深い謝罪の姿勢を示したが、その一方で帰国後に「戦後のドイツ人の旧東部ドイツ領からの追放という不正はいかなる理由があろうとも正当化されることはない」とテレビで演説し、ポーランド側の加害行為をも批判している。ブラントはあくまでも「ユダヤ人迫害」について謝罪したのであって、第二次大戦やポーランドへの侵攻を謝罪したのではない。ブラントのポーランドに対する態度は、ナチスがポーランドに被害を与えたことは認めつつも、それは東部ドイツ領の併合とドイツ人に対する迫害により相殺されるというものであった。」
とありました。
前者はよく知られていますが、後者は知られていませんね。
また、
「ドイツでは1956年に、ナチスの迫害の犠牲者のための補償についての連邦法として「連邦補償法」が制定された。これは国家賠償とは異なり、ナチスの犯罪被害者に対するいわば個人補償である戦後補償として位置づけられている。ただし対象の大部分はドイツ国民か、当時ドイツ国民で後にドイツ国籍を離れた人間である。」
とあります。
日本人は「兵士以外の国民に対する補償をしてこなかった」「原爆について、口をつぐんできた」ということに対し文句を言ってきませんでしたが、本来はおかしなことだったと思います。(ただし、アジアに対する戦争責任逃れに使うのは異常。)