Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

ロナルド・ドーア氏の分析

2024年03月01日 | R.Dore

先日、このブログ記事を読み返していました。

ロナルド・ドーア氏と"Various Topics" - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

抜粋:

さて、ところで実は私は来年の3月にトモエさんと一緒にイタリアに行く予定です。そのときにもしご都合があったなら、ドーア氏を再訪させてもらおうと思っていたこともあり、イタリアでのドーア氏の密着取材をした話が書いてある、故柳原和子さんの『さよなら、日本』(株式会社ロッキング・オン発行)を読んだところでした。

この本なかに、

「日本、というより日本人、個々の日本人を見つめるのが私の趣味であり、意味のある行為だと考えています。これから合理的な世界を作り上げていく上で、個人が国籍を離れて世界を見つめなくてはならない。」

というドーア氏の言葉が紹介されていました。

著名な学者であれば、世界各国に友人・知人がいてもそれは当たり前であると思いますが、ドーア氏の場合、とにかくその層が幅広い-実際に繋がりがなくとも、私が話す一般の人々-息子から、生活保護者から、職場の同僚、主婦仲間、議論仲間、海外の友人達-の様子や意見を大変興味深く聞いてくださったり・・・。

このブログの題名”Various Topics”、実はこれはドーア氏が以前にくださったメールの表題”Various”を取ったものです。それだけ真面目な話からくだらない話まで興味を持ってくださるドーア氏。

私は彼の主張すること全てに頷けるわけではないですが、それでも彼の言うことに頷けることが多いのは、著名になろうとも、実際の世を見ることに重点をおき、それぞれの立場の人たちに関心を持ち続け耳を傾ける-“初心”を忘れない学者だから、ということがあると思います。

 

この記事の太字部分、

「日本、というより日本人、個々の日本人を見つめるのが私の趣味であり、意味のある行為だと考えています。これから合理的な世界を作り上げていく上で、個人が国籍を離れて世界を見つめなくてはならない。」

を何度も見返しながら、「今のアカデミアにドーアさんのような視点を持った人がいるのだろうか?」と喪失感と危機感に襲われていました。

そして久しぶりにドーアさんのことを検索したところ、以下の動画を発見。

 

上村泰裕「自由と平等をつなぐ連帯――ロナルド・ドーアの福祉社会学」 (youtube.com)

上村泰裕のホームページ (nagoya-u.ac.jp)

 

私はドーア氏を知ったのは21世紀に入ってからであり、彼の分析や提言は「線」でとらえず、「点」で捉えてきているせいもあって、彼と意見を異にすることは多いです。

なので、この動画を観るだけでは、私同様、観る人によっては、ドーア氏の言っていることを正しくとらえない可能性はあるとは思いますが、それでも多くの人に見てもらえたら、と思います。

 

参考:

「R.Dore」のブログ記事一覧-Various Topics 2 (goo.ne.jp)

の中から:

新日本型経営を - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

日本企業の強み - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

ロナルド・ドーア氏の訃報-Dulwich Boysが愛した日本 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)


それ以外:

フィンランドでベーシックインカム導入検討 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

21世紀のユートピア - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

続21世紀のユートピア-ロボットとベーシックインカム - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

パナソニックの「職場運動会」 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

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「ピーナ小母さんの店」と理想郷

2023年04月18日 | R.Dore

前回の記事では、亡くなった私の「師」の一人について書きました。
彼は生涯現役で、若者のために、日本の為に、飛び回っていました。

彼の生涯は平均年齢でいえば短かったですが、年齢を重ねても、若い時のままのエネルギッシュさ、知的好奇心、信念を失わずにいられ、(たぶんK氏の規格外のパーソナリティに振り回されることがあっただろうけど、そんなK氏を理解する)ご家族や友人に恵まれた、「幸せな人生」を送られたと思います。

 

私には「師」が3人いる(いた)と思っていますが、別の一人がロナルド・ドーアさん。

彼も生涯現役(最後の数年は研究もされていなかったですが。)ですが、いちおう「引退」ということで住んでいたのが、イタリアのボローニャ県の山中の村。

 

イタリアの田舎に流れる時間の贅沢さ - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

抜粋(津軽通信さんのブログ(柳原和子さんの引用含む)より):

ところで、日本でも有名な社会学者のロナルド・ドーア(イギリス)は、引退後イタリアに住まいを移しています。その場所は、このボローニャから南に30キロ行った、グリツアーナ・モランディという小さな村です。

彼は、午前中までの仕事が終わると、昼下がりには、いつものバー「ピーナ小母さんの店」に出かけるのが日課です。そのバーには、アル中の老人、運転手のフランコ、カストロ髭の男などの常連客が集まり、ビールを飲み、トランプをして、政治談義に耽るとか。また、政治から一転して、新しいイタリアの料理法、ブドウのでき具合、痴話喧嘩、愛のもつれなど、庶民生活の細かな話がとめどなく繰り広げられるのです。

このグリツアーナ・モランディ村では、15世紀から変わらぬ家並みが残っています。昨日と同じ今日がまた終わると、またいつもの同じ明日が始まっていく、そんな村です。明日、昼になりシェスタになると、村一軒のバー「ピーナ小母さんの店」にいつもの顔ぶれが集まり、お喋りがいつものように始まり、そこにドーアも又加わるのです。

以上の話は、柳原和子「日本学者R・ドーアの戦後50年」(中央公論、95年7月号)からの引用ですが、何度このエッセイを読み返しても、イタリアのたゆとうような時間のリズムがうらやましく思えるのです。

どうやら、イタリアはイタリアであり、昔からちっとも変わっておらず、人がなんと言おうがこのイタリアン・スタイルがいいということのようです。マフィアが捕まろうが、首相が変わろうが、経済がおかしくなろうが、一人一人はシェスタを楽しみ、バーでのお喋りに耽り、政治談義をする。そして、夜は家族でディナーを囲んで、平安な時間を持つ。つくづく、うらやましい時の過ごし方を思うのでした。

ときには、誰かが60年代のカンツオーネを歌う。ドーアは、何時もその話の輪に加わり、つたないイタリア語でお喋りを楽しむのです。

ドーアは、戦後すぐの日本に来て、農村に入りフィールドサーベイをした根っからのフィールド派です。日本語をあやつり、ごはんとみそ汁を食べて、村民らと酒を飲み、農地改革前後の日本の農村の変化を分析した学者です。その彼が、今はイタリアにいて、70歳の人生を楽しんでいるのです。

 

この『ピーナ小母さんの店』は、半分がバール、半分がレストラン。

お店の経営者の代も、お客も変わって行っても、約10年前にここを訪れた時の印象はおそらくドーアさんが越してきた時と変わらなかったと思います。

Bar Trattoria Pina - Pizzeria, Grizzana Morandi - Recensioni del ristorante (restaurantguru.it)

 

「ダイバーシティ(多様性)」と反対である(ドーアさんもそうですが、外国人の移住者は増えています。)この村で、学歴も世代も違う人たちが自然に集まって痴話喧嘩から政治談議をする村を安住の地としたイギリス人のドーアさん。

ドーアさんも、社会学者として著名になったから、好きな土地に移住できたということはあるけど、こういう考え方もできないでしょうか。

「社会学の研究を続けた彼が見つけた「理想郷」がイタリアの山村にあった」と。

山中のドーアさんの家には、職人さんに作ってもらった 和室が一つありました。

 

D氏 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

戦争責任の所在 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

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梅下村塾の提言は日本の為?・ロナルド・ドーア氏から学んだこと

2019年10月30日 | R.Dore

前々回の記事で、鈴木寛氏を応援する星槎グループトップの動画を載せましたが、星槎グループ関連で私は以下の記事を書きました。 

HPVワクチン過激推進派と星槎グループ・星槎グループと日本科学技術振興財団
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/c63ed2591dd1f606c2dd8db26bbf5e57 

そしてこの記事の続きとして、「Fourm 21 梅下村塾」もとりあげました。 

日本科学技術振興財団理事の榊原定征氏・「満州人脈」~「梅下村塾」
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/5f7a7d3336e58401cd8329810435ca3f

この梅村下塾が出版した本を現代が宣伝(序章の抜粋と執筆者リストを10ページにわたって掲載)していましたが、ご覧ください。 

『その手があったか! 「ニッポンのたたき台」』 ~民管理職39人のタスクフォースが考えたニッポンを鍛える55の提言
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/38251

 「日本の未来のため」といって、政策提言グループができあがってきていますが、その構成員が政権べったりであったり、一見庶民の味方のようである団体でありながらその活動を自分の為に利用しているような人達であったり、希望を持てそうなものが見つかりません。 

いろいろなグループを見てきているうち、私が個人的にお付き合いさせてもらった政治提言者たちさえ、「本当に裏がないのだろうか?」と感じることになってきた私です。 

とくに、国際協力やリーダー育成の部門で活躍する方々、そして日本に提言し続けてきたロナルド・ドーア氏に対してさえ、「彼らは、“脅かされず、踊らされず、踊る人”なのか?」と(お世話になった相手に大変失礼とは思いながらも)、疑問に思う事さえありました。

(ドーア氏については、彼の彼の原発事故や核兵器に対する考え方に対する違和感- 

ロナルド・ドーア氏のコラム、核アレルギーと脱原発派
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/396522c0deabfc864a86db684c25394d 

ロナルド・ドーア氏と新著『日本の転機』
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/be134c3826bd81ba6bf3a574ea096aa0 ) 

流石に彼が誰かの為に信念を曲げて意見を作り上げることはないとは思えど、防衛や原発とはあまり関係がないはずの彼がこれらに対し論じることがどうしても理解はできませんでした。) 

私が「あなたの為に」「日本の為に」と声を大きくする人達やそれを報道するメディアの偽善に過敏になったのは、原発事故後がきっかけだったのか、HPVワクチン被害に群がる人のネットワークから気が付いたことがあったからなのか、それとも、そうした偽善があまりにも多くなったせいなのか。 

「尊敬する人」をも疑うことさえあるようになったのは、悲しいことではありますが、たぶんドーア氏はあの世で許してくれていることと思います。

 ドーア氏と非情に親しかった、稲上毅氏のドーア氏と追悼文をどうぞ。

人間の偽善を見抜くユーモアの感覚
─ドーア先生のご逝去を悼んで
稲上 毅
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2019/01/pdf/001-002.pdf

 “「社会をよくする」と公言するエリート集団や享楽主義者の資本家、彼らに群がる人達”が本当に日本を良くできると、ドーア氏は思っていなかったことでしょう。

偽善者が増えた世界は、偽善を見抜く人が減ってしまったから。

ドーア氏の意見には同調できないものはあったとしても、彼が日本人でなくてイギリス人であったとしても、今も私たちは日本のためにも彼から学ぶことは多いと思います。 

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ロナルド・ドーア氏の訃報-Dulwich Boysが愛した日本

2018年12月05日 | R.Dore

家の方は先月下旬に引っ越しも終わったものの、玄関ポーチを壊して配管工事のやり直しがあったりバタバタしていましたが、残すところ、外構工事だけ(もちろん、片づけもあります)になりました。 

10月の家の引き渡し後から新聞をまとめて読めるようになったのが、先週末。

新聞を見ない日もあったため、とんでもないニュースを見落としてしまっていました。 

とんでもないニュースとは、私にとって著名な社会学者というよりも、伯父のような存在であった、ロナルド・ドーア氏の訃報。 

各社新聞(日、英、米)の主要新聞では11月13日となっていましたが、彼がボローニャの病院で亡くなったのは11月14日(ご家族に確認済。ただし、ご自宅で意識がなくなったのが13日~14日の真夜中、病院で確認されたのが14日ということかもしれません。) 

家のごたごたが住んでから、彼とご家族のもとに伺おうと考えていた私にとっては、大変ショッキングなことでした。 

半月以上たってから彼のご家族にお悔みの言葉を送ったところ、ご家族からは、 

「彼の死は覚悟はしていたものの、悲しみは癒えず、落ち着かない状態です。

彼はよく、「自分の人生は満ち足りている。それはアカデミックな分野のみならず」と言っていましたが、人々は彼の暖かさと寛容の精神を忘れないのではないか、と思います。

そう、あなたが言う様に、彼は私たちの心の中で生き続けることでしょう。」

そして最後に、「日本は彼にとって spiritual homeでした。」 

というお返事をいただきました。 

このドーア氏が亡くなる数か月前には、SOASのDulwich Boys の1人であったヒュー・コータッツィ元駐日大使もお亡くなりになりましたが、後年彼らが心配し続けることになった日本。 

彼らが日本を心配しながら亡くなることになってしまったのは残念ですが、彼らを弔うためにも、真の意味で日本を愛し、真の日本らしさをこれ以上失わせないようにしていこうとする人を陰ながら応援していこうと思います。 

「(従来の)日本」とは、まさに、ドーア氏と同じ「“暖かさと寛容の精神”がある国」であった、そう考えます。 

カテゴリ― R.Dore
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/c/8f55c1aed6f835cc16ee49b3cc20a316 

参考: 

ドーア氏にとってはむしろ批判的と思われる産経系のサイトが、何処よりも長いと思われるドーア氏の追悼記事を書いてくださっていました。 

Japan Forward
Ronald Dore、Major Figure in British Post War Studies on Japan, 93
https://japan-forward.com/professor-ronald-dore-major-figure-in-british-post-war-studies-on-japan-93/

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SOAS出身者たちにとって今の日本は

2016年02月22日 | R.Dore

先のブログで2月1日のSOASのイベントのビデオを紹介しましたが(※)、これを見ながら(英語が苦手、特に聴く、話すが一向に向上しない私にはほとんど聞き取れていませんが・・)、

「パネリストの方々は、長年日本をウォッチ、日本とかかわってきているわけですが、彼らの中で現在の日本は魅力的な国なのだろうか」
と、不安になりました。 

政治に関していえば、一昨年『幻滅』という表題で本を出版されたドーアさんは言わずもがな、コータッツィ元駐日大使、Laura Hein氏などは安倍政権の対外外交には批判的です。http://chikyuza.net/archives/48794 

この政治および経済の話を抜きにして、日本は今も彼らにとっては「日本について研究したい」と好奇心を掻き立てられる国なのでしょうか。
文化、景観から日本人そのものまで。 

例の一つが日本人女性。 

ドーアさんは、日本の魅力は「日本女性」に見つけていたと話し、会場の笑いをとっていましたが、彼はあれは半分本気だったと思います。 

それは、ドーアさんが「オリエンタル美女が好き」「男性に逆らわない大和撫子に憧れる」と言うことではなく(前者はそうかな・・・)、彼が接してきた日本人女性たちには、「「知的、芯が強い、気配りもできて優雅な人」and/or「暖かく、思いやりを持った柔らかい人」が多かったのではないか、と思うからです。 

今もドーアさんはそうした日本人女性の友人、知人を持ち(私自身は「知的、優雅さ」に欠けますが、)、日本にやってくれば、レストランで、駅で、そうした女性と言葉を交わすことはあるでしょう。 

しかし近年ドーアさんが日本で見かけてきた女性には、外見はスマートで物腰も丁寧であっても、マニュアルどおりにしかしゃべらない女性、はたまたコスプレ並みのお化粧をしたお人形のような女性、スマホから目を離さない女性などが、増えていたのではないか、と思います。 

1人1人話してみたら面白い人もいると思いますが、そこまで相手に対して興味が沸かない。

文化についても。 

1950年代に日本に初来日したドーアさんや、1980年代初めに駐日英国大使として来日したコータッツィ卿は、「「日本はすごい」「「外国人は日本が好き」と言いながら日本のアニメや漫画、オタク文化を日本の魅力としてアピールする今の日本」をどう思っているのでしょうか。 

(もっとも、日本政府がサブカルチャー発信プロジェクト名として付けた“クール・ジャパン”は、1996年に英国が作った“クール・ブリタニア”が元祖だったようです。

名は似せても、英国と違って、日本は「大人の国」としての歯止めがかからなかったわけですけどね。 

クール・ブリタニア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%82%A2 

http://www.murc.jp/thinktank/rc/column/search_now/sn091019 ) 

彼らの本音を伺いたいです。 

ロンドン大学SOAS100周年記念イベントの動画
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/f201805fcc0ed690b5c5de52bfa9b1a7 

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ロンドン大学SOAS100周年イベントの動画

2016年02月22日 | R.Dore

昨年12月にロンドン大学SOASの100周年記念イベントのお知らせをしましたが、

Dulwich Boys and Beyond; 100 years of Japanese studies of SOAS University of London
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/74427243c3a7ab1fd9d07788c46dd6a0 )

そのイベントの動画を貼り付けます。 

Dulwich Boys and Beyond, 100 years of Japanese studies of SOAS University of London
https://www.youtube.com/watch?v=HMxb_my-HhM 

ロナルド・ドーア氏外の卒業生として、

ヒュー・コータッツィ元駐日英国大使
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%A3 

ロンドンモシモシ寿司の創設者でオーナーのキャロライン・ベネット氏
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3+%E3%83%99%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88-1686321

http://www.moshimoshi.co.uk/about.htm

などもパネリストとして参加しています。

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『Cantankerous Essays: Musings of a Disillusioned Japanophile』の目次

2015年08月21日 | R.Dore

ロナルド・ドーア氏の新著
Cantankerous Essays: Musings of a Disillusioned Japanophile
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/db33a238bd7823374ca62b5817a1eac6
参照。※英国では発売済。日本では8月30日発売。電子版有。 )が、一昨日手元に届きました。

現在英語と格闘中ですが、まずは目次だけご参考まで。 

Chapter 1:
The return of the near-native

※項目省略
(2014年夏と秋の日本滞在日誌。対話を通しての意見や感想もあり。) 

Chapter 2:
The social conditions for economic performance and the Piketty boom

※項目省略 

Chapter 3:
OPMF, Central Bank conservatism and financial economics

※項目省略 

Chapter 4:
Japan and China : Collision course

※項目省略

Chapter 5:
Japan and North Korea

※項目省略 

Chapter 6:
A new beginning?

※項目省略 

Chapter 7:
The New Cold Wars 

・The ending of the Cold War
・The Putin era
・The counter bloc
・What are the United States’ goals in region?
・MAD and Medvedev interlude.
・Good fences make good neighbours ;
 The problem of buffer states
・Ukraine
・Crimea
・Round number 3
・States and nation-states
・Conclusion 

Chapter 8:
Friends, allies and enemies

Chapter 9:
Human progress…?

※項目省略 

本をざっと拾い読みをしたあと、ドーア氏に、「日本語バージョンも出版してくれるとよいのですが・・」と伝えましたが、読み進めるうちに、「第一章に登場している人たちは、まさか自分の話が出ているとは思っていなかっただろうから、ちょっと無理かな」と思えてきました。 

(とはいえ第一章の日本の滞在中の話、ウィットに富んでいて面白いです。) 

参考:

Welcome to Japan, Alien!(ようこそ、外国人(!?))
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/f7af4f9494da772e03657720296929ba

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"Cantankerous Essays: Musings of a Disillusioned Japanophile" by Ronald Dore

2015年08月08日 | R.Dore

D氏こと、ロナルド・ドーア氏の新著〈洋書)の紹介です。 

Cantankerous Essays: Musings of a Disillusioned Japanophile
(Rnessance Books)
http://www.amazon.co.jp/Cantankerous-Essays-Musings-Disillusioned-Japanophile/dp/1898823197 

レビュー:
http://www.uhpress.hawaii.edu/p-9388-9781898823193.aspx

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ロナルド・ドーア氏の新著『幻滅』を読んで

2014年12月10日 | R.Dore

先に本を紹介しておきながら、まだ本を手に入れていなかったため遅れましたが、ドーア氏の新著の『幻滅』を読み終わりました。 

私は昔から、読書感想文、イヴェントの感想文などが苦手なため、ドーア氏に送ったメールを編集して貼り付けてしまいます。 

「ロナルド・ドーア様 

『幻滅』を読ませていただきました。
『幻滅』というより、『ロナルド・ドーア回顧録』という方がピタリとしますね。

私は、・・・・・に興味があったこと、・・・・いたため、ドーアさんの本に登場した人々の名前はなじみがありましたが、こうした人達と縁があったり、知識がある人でないと、読み進めるのはちょっと難しいところはあると思いました。(もちろん、逆に言えば、縁がある、知識がある人達にはありがたがられます。)

とはいえ、ドーアさんが「序にかえて」で

「全く主観的に、自分の「日本」という存在・国・イメージに対する感情の移り変わりの歴史。大変な日本びいきだった若い頃の私から、最近日本政府ばかりでなく、体制派というような官僚、メディア、実業家、学者などのエリート層の人たちにも、ほとんど違和感しか感じないようになった経過をたどってみたいと思う。」

と書いてらっしゃるように、現在は、「あたりさわりがないことしか言わない」エリートが増えすぎていて、書こうにも、特出すべき人がいなさすぎ、というところがあるのでしょうか。 

(中略) 

 ところで、先日、negative voteの話を書きましたが、反対意見の人が、「negative voteを導入したら、良きにしろ悪しきにせよ、『目立つ』候補者ほど排除される危険が多く、凡人的政治家が有利になる」と言っていました。

(これは、私のイタリア人の友人が、「negative voteを導入したら、まともな政治家の落選させられてしまう」というのと同じ発想ですね。) 

選挙では行われないnegative vote ですが、実生活で、『目立つ』ことや、発言が、出世に響く日本。エリート・アカデミアは日々、”疑似negative vote”を恐れ、一般人たちは、「えせ賢者」になりたがって、ブログやツイッターで他人の意見(多数派が主)発信する人達が増え・・・結果、メダカの群れのように、皆が同じ方向に向かう・・・という現状は、日本特有のものなのでしょうか。 

本の話に戻りますが、「付録」ではありますが、GRIPSでの講演記録「三権分立-「民尊官卑」時代の民主主義」も興味を持って読ませていただきました。 

ゆかり」 

さて、メールの末尾でふれた付録1の「三権分立-「民尊官卑」時代の民主主義」。 

「・・・・・民主主義の思想が貫徹していた先進国では、三権分立というモンテスキューの処方箋がそのまま実行された国はほとんどありませんでした。たとえば、イギリスでは、政府の執行権と国会の立法権の境界線は、今でもいたって曖昧です。三権におのおのの同等な権威を与えているのは、ほとんどイタリアの憲法だけで、日本の憲法では、三権のうち国会が、政府、裁判所より優勢であるべし、とはっきり規定されています。

それでも、はっきりした分立でなくても、往々にして国会は、新しい法律を審査し、政府の執行権施行を討論する場所となったのですが、権限として政府の提案する法律を阻止すること以外に、執行権に侵入することはできませんでした。司法権となると、裁判所は、政府の執行権の行使が、法律にかなっているかどうかを判断する権限しかなくて、政府の施行権自体を規制しないのが普通ですが、その点、国によって大きな違いがあります。 

・・・・・代表民主主義の黄金時代でも、モンテスキューの三権分立から逸脱する国は多かったのです。しかし、モンテスキューからヒントをとれば、司法権を行使する裁判所の独立性が、執行権にも立法権にも優越する存在であることは、満足な政治体制の必須条件です。」 

というのに続いて、官僚と政治家、元来のメディアの意義についても書かれています。 

ドーア氏の憲法に関する意見や、最後の「あえて余計なアドヴァイスを提供します」についてはあまり肯定的にとらえなくとも、これは、政治に興味がある人なら、一読してほしいな、と思います。 

(本文は、一般人(特に若い人)では読んでいて挫折する人がいるかもしれません。が、それを乗り越え、知らない名前は流し読みにするなど自分なりの方法で最後まで読めば、(その方や著者には失礼ですが)得られるものは少なくないと私は思います。) 

参考:
『外国人日本学者が書く戦後の日本』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/31f3c24c7b1e905d9fd745cef760be28 

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外国人日本学者が書く戦後の日本

2014年12月05日 | R.Dore

欧米の知日家、親日家による、戦後の日本の社会 and/or政治についての本は、ドナルド・キーン氏(多数)、ジェラルド・カーティス氏(『政治と秋刀魚――日本と暮らして四五年』(日経BP社、2008年))などのものがあります。

本ではないですが、オーストラリア人の方のグレゴリー・クラーク氏もご自分のHP http://www.gregoryclark.net/に書き綴っています(Life Story。ただし、これは英文のみ)。 

先月、『ロナルド・ドーア氏の新著『幻滅』』http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/0f0805f9d16bde7483aeca9fa254d6c5)で、ドーア氏のものは既に紹介させてもらっていますが、本の目次のコピーを入れて再度紹介します。 

幻滅
外国人社会学者が見た戦後日本70年
(藤原書店)
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=1415

日本をどう見てきたか――序にかえて 

第一部 親日家が歓迎される時代――1950年代
 1 占領下の日本
 2 日本の社会の中へ――日本びいきの時代(その一)

第二部 占領「終焉」から安保闘争まで 1952-60
 3 自信をとり戻す日本
 4 日本の農村的ルーツを知り始めた時代

第三部 安保からオイル・ショックまで 1960-73
 5 高度成長の時代
 6 親日家ドーアの当時の雑想――日本びいきの時代(その二)

第四部 オイル・ショックからプラザ合意まで 1973-85
 7 官僚国家から市場国家へ
 8 本を真剣に考える

第五部 プラザ合意から橋本内閣の誕生まで 1985-97
 9 民愚官賢、民弱官強の最後の時代
 10 建設的(?)批判者となった時代

第六部 新自由主義の浸透からアベノミクスまで 1997-2013
 11 新自由主義、アメリカ化から逆戻りの兆し?
 12 幻滅

 〈付録1〉三権分立――「民尊官卑」時代の民主主義
 〈付録2〉やまと屋の犬 

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ロナルド・ドーア氏の新著『幻滅』

2014年10月16日 | R.Dore

1950年、神戸に初来日をして以来、山梨の農村、東京の下町の住人たち、そして丸山真男、加藤周一ほかの学者たち、政治家たち等、広く、深い交流をしてきたドーア氏の本が、11月に出版されます。(当初の予定より遅れたようです。)

藤原書店
幻滅』
一外国人社会学者の戦後日本観 

戦後まもなく来日し、「知日家」社会学者として邦訳された著書も多い著者が、戦後七十年を経た今の日本をどう見るか。依然としてどこよりも暮らしやすい国、しかし中国、韓国ほかの近隣諸国と軋轢を増す現在の政治、政策には違和感しか感じない国、日本。一外国人だからこそ言える、これからの日本人への痛烈なメッセージ。
 

http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=1415&zenid=f21649ee756b77fae500dec22d3bdb4e

 (個人的には、題名にちょっと不満がありますが、楽しみにしています。)

この本の前に、こちらの本を読むとよいかもしれません。 

『日本を問い続けて 加藤周一、ロナルド・ドーアの世界』 (岩波書店 2004
 

なお、英語ですが、ドーア氏の2003年のインタビューの動画があります。 

こちらもついでに紹介します。
 

Interview with Professor Ronald Dore 

http://www.youtube.com/watch?v=5DPR3ThmgBM

Interview of Ronald Dore by Alan Macfarlane. Filmed by Sarah Harrison, 31st March 2003 

Discussion on whether Japan and the West will converge. The economic structure and "Americanization" of Japan.

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『NHK知の巨人たちー丸山真男と政治学者たち』と民主主義

2014年07月20日 | R.Dore

昨夜、NHKEテレで、『知の巨人たち・第三回・丸山真男と政治学者たち』を放映しました。

http://www.nhk.or.jp/postwar/program/schedule/ 

http://www.nhk.or.jp/postwar/

 

先月、来日中のロナルド・ドーア氏を訪問した時に、机の上にNHKの人に名刺がおいてありました。

 

その名刺を見て、 

「短期間の滞在でも、NHK受信料って、徴収されるんですか?」 

ととんちんかんなことを聞いた私にドーア氏は 

「NHKが丸山真男の番組を作るということで、NHKからインタビューを受けた」 

と教えてくれました。

 

この日、数日前に転んでしまったということで、目の下にアザを作ってしまっていたドーア氏の心配と、その後のお喋りに熱中して、NHKの番組の話はあまり聞いてこなかったのですが、少したってから思い出して検索してみて、NHKが『知の巨人たち』という番組を制作していることを知りました。

 

残念ながら私は第一回目の『湯川秀樹と武谷三男』は見逃してしまいましたが、第二回目の『鶴見俊輔と思想の科学』、そして今回の『丸山真男と政治学者たち』の、ともに見応えがあり、考えさせる番組になっていました。

 

(安倍政権になってから余計「政権の犬」呼ばわりされるようになったNHKの良心的な人達のレジスタンス的番組ともいえるかもしれません。)

 

ご覧になられていない方は、第三回目の再放送(2014726日(土)午前000分~午前130分(金曜深夜))、第4回目『司馬遼太郎』(2014726日(土)午後11時~翌030分、再放送201482日(土)午前000分~午前130分(金曜深夜))がありますので、是非ご覧ください。

 

以下、今日ドーア氏の送った感想メールの抜粋を貼り付けます(若干編集)。

 

「ロナルド・ドーア様

 

昨夜、NHKの『知の巨人たち』第三回を拝見しました。

 

先月末、ブレア元首相と小泉元首相をこき下ろすことを書いてきたスロベニアの友人に、

 

「かつて私が最悪と思った首相は、小泉でした。彼は「自民党をぶっ壊す」といいながら、日本の大切なものを壊しました。

 

しかし、今、最悪と思えるのは、安倍首相。彼は小泉と同じ路線で進むと同時に、民主主義をも破壊しました。」

 

と返事をしました。

 

民主主義については、イタリアの友人が「今、本当に民主主義国家と言える国があるのか」と言って慰めてくれましたが、昨日の番組を見て、 

「民主主義を壊しているのは、政府ではなくて、国民の方なのだ」 

と、思いました。

 

そして、「民主主義国家」というものは「理想」でしかなくて、これは追い求めていくことに意義があるのだと。

 

(丸山真男は、東大紛争のときの態度などで、ダブルスタンダード的な批判も受けましたが、私は彼のあの態度には一貫性があったと思います。

 

「自分たちの権利を勝ち得るための破壊行為」は民主主義精神あってのことと思えないですし、あれは『対話』をする状態にはなかったと思います。対話を重視した丸山真男は、同時に単なる『(暴力的)対立』は結果を伴わないことをも意味してきたのだと思います。)

 

(後略)

 

ゆかり」

 

さて、蛇足になりますが、丸山真男ですが、ウィキペディア 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E5%B1%B1%E7%9C%9E%E7%94%B7 

には

 

30歳の時に、大学助教授でありながら、陸軍二等兵として教育召集を受けた。大卒者は召集後でも幹部候補生に志願すれば将校になる道が開かれていたが、「軍隊に加わったのは自己の意思ではない」と二等兵のまま朝鮮半島の平壌へ送られた。」

 

と書いてありました。

 

この時は、脚気のため一度除隊。しかし除隊して4か月後にまた召集をされ、広島の陸軍船舶司令部に配属。広島原爆では被ばくもしていますが、これについてあまり語らなかったそうです。 

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Welcome to Japan, Alien!(ようこそ、外国人(!?))

2014年06月16日 | R.Dore

週末は、現在来日中の英国人社会学者D氏の滞在先に友人達と夫ででかけてきました。

D氏はご高齢であるにもかかわらず、今もひとりで世界各地を飛び回っています。

世界各国にご友人や知人も多いとはいえ、しばらく滞在先に自炊しながら1か月以上滞在することもざら。

ただし、普段はご家族がしてくれていることを一人でするとなると・・・冷蔵庫の中身をチェックすれば、消費期限済のものがあったり、焦がした料理が残っていたり。

オマケに、通販で買った椅子が組み立てられずにおいてあったりして、部屋についた途端、椅子組立チームと化した男性陣は大奮闘(この組立椅子。男3人が格闘してやっとなんとか組立てられる代物でした。)。

キッチンを整理している女性陣とD氏は、「もう、これは捨ててしまいますよ!」「いや、捨てないで」などというやり取りをしたりして、本当にひとり暮らしの父親を訪問した息子、娘達になった気分でした。

さて、ところでこの日は久しぶりにD氏とお話できたのですが、その中の一つが『外人』と『外国人』のニュアンスについてでした。

日本語は堪能、本も日本語で書くD氏(英語で書いたものを、日本語に翻訳してもらったこともあったそうですが、そちらの方が神経を使うようでした。)、書いているものに『外人』という単語を使いたかったそうなのですが、出版先に『外国人』と改めさせられてしまったということにちょっと不満そうでした。

(D氏はこの『外人』ということば、自嘲、皮肉を込めたユーモアを込める為に使いたかったようです。)

そこで私が、 

「『外人』という言葉は確かにちょっと問題ありでしょうね。

そういえば、昔、成田空港での出入国管理のブースの案内で、外国人専用がAlienになっていて評判が悪くて変わりましたよね。Foreignerに変わったんだったか。

 

イメージとして、私の中では、『外人=alien  『外国人=foreigner という感じでしょうか。

 

しかしまあ、EUの出入国管理のブースのEUNon-EUに倣って、日本も、Japanese, Non-Japanese にすればよいのに。」

 

というと、D氏が、英国では、外国人のブースには、Others となっていると教えてくれました。

 

世界各国の飛行場がどのようになっているのか調べることはできませんが、それでも以下のサイトなどを見ても、出入国ブースでalienはもちろん、foreignerもあえて使わないでもよさそうな気がします。(※今はまた変わってNon-Japaneseになっているかも。) 

 

アルコムワールド 

alienforeign(er) 

http://alcom.alc.co.jp/questions/show/9583

 

最近、外国の友人達と、日本の江戸、明治維新についての話をしていましたが、日本の外国人に対する感覚って、『鎖国』という歴史があるなかでちょっと特異なのかな、とも考えてしまいました。

 

(『鎖国』イコール異国人が少ないという物理的理由と合わせ、心理面でも。)

 

そういえば、昔は外国人(白人)を見かけると、「外人だ」と騒ぐ日本人の子供もいましたが、欧米などでは、日本人を見て、「日本人だ」(アジア人として見分けがつかなくて)「中国人だ!」という欧米人の悪ガキはいても、「外人だ!」というのはいませんからね。 

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日本企業の強み

2014年04月10日 | R.Dore

 息子も新社会人になりました。

息子の就活は一昨年12月にスタート、しかし苦戦し、彼がここの内定をもらったのは昨年9月。

高校時代も大学(※ともに超難関レベルではない)とも比較的上位にいられた息子にとって、初めて挫折を味わうことになった就活であり、そしてまた、大学院進学にも未練があったこともあり、複雑な就活でもありました。

そんな息子が、研修を終えて帰ってくると、上司から、数か月間、ある資格の研究生として学びに行くように言われたと言って、嬉しそうに報告してくれました。

この資格はすぐに取れるものではないので、「それは取れれば万々歳だけど、その科目を学んで、今後に生かしてもらうことが目的だ」と、上司に言われたそうです。(とはいえ、言われた方はありがたく思い、一層資格獲得を目指すでしょう。)

この話を聞いた後、たまたま別件で英国人社会学者のD氏にメールをすることがあったので、最後にこの話を書き添えました。 

D氏は、息子の幸運を喜んでくれて、 

「社員にお金をかけてトレーニングさせるということ、これは日本企業の強みですね」 

と言い、そしてちょっと遠回しな言い回しでありましたが、息子が勉強をさせてもらったところで、すぐにその資格(知識)をもとに転職をしてしまった場合」のことに触れてきました。

 

これに対し、私はD氏に、 

「社員・職員教育にお金をかけてくれるクラシカルタイプの職場は得てして居心地がよく、その恩恵を被った日本の若者たちでそこを去ろうとする人は少ないでしょう。そして、そのことは、経営陣もよくわかっているので、なにかしら誓約書を取る必要もなく、双方の『暗黙の了解』で成り立っているんだと思います。」 

と返事をしました。

 

さて、社員教育-今でもある程度の大きさの職場であれば昔から現在まであると思いますが、その研修の中身や質はどうでしょう。

 

もうだいぶ前から雇用側は買い手市場。新入社員選びも「知識、資格を持っている」というのを前提に選ぶので、あまり教育に時間をかける必要もなくなったでしょう。

(語学に関しては、内定が決まった学生に「入社前までにTOEIC800点以上取得を義務付ける」などというケースもあるでしょう。)

 

そして、終身雇用制が一般的ではない欧米の会社が『転職するかもしれない社員のためにお金と時間を使っていられない』というのと同じで、日本も転職率が高くなっている現状(日本の転職は残念ながらステップアップのための転職というより、ブラック企業に見切りをつけた転職が多いかも・・・。)で、社員・職員教育の教育はその職場でしか通用しないようなことの教育がほとんどになっていないでしょうか。

 

そもそも今は、非正規労働者が、正規労働者と同じような仕事を平気でさせられるようになっていて、彼らの場合、ほとんどは実務的なことを短い時間で教わるくらいなのではないか、とも思います。

 

私が新人だった80年代初め、非正規労働者は一般的ではなく、雇用側は今の就活生が入社前に取得を求められているような知識、能力は、入社後、実践を経験させながら、研修や通信教育、時に留学などさせ(留学制度が昔からあったところは、まだ今も続いてあるでしょう。)身につけさせてくれました。

 

この80年代の形式は、景気が良い時代だったからこそ、できたことかもしれません。 

そして、各々が身に着けられる能力、資格などについては、学生時代に身に着けておくのも、就職後に職場からの研修で身につけるのも、表面上は大差ないかもしれません。

 

また、欧米式のように、「ステップアップとしての就職」をし、「一つの会社でずっと働き続ける」ことを思わない就活生が一定数いるのも事実でしょう。

さらに言えば、「就職してまで勉強させられるなんていや。」と思う人も、これまた一定数いると思うので、必ずしも、80年代のような日本企業型の社員教育が良いかどうかは一概に言えないと思います。

 

ただ、こうした社員・職員教育をしてくれる企業や組織には、「その企業、組織の新人」である前に、「学生から社会人となったひとりの若者」としてサポートし、研修では身につかないマナー、コミュニケーション術、ときに、業務に直結しないことでも、時間を割いて教えてくれた上司や先輩がいる、という傾向があるのではないか、と思えるのです。

 

D氏がいう、「社員にお金をかけてトレーニングをさせること、これは育てること、それは日本の強み」というのも一理ありますが、そしてまた「社会人を上司や先輩が損得なしにサポートする」というのは日本以外ではあまりないことで、これこそ日本の強みになっていたのではないか、と思います。

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『知日派』と『親日派』

2013年10月31日 | R.Dore

外国人の日本を研究していたり、政治に関わっている人たちの紹介文には、親日派(家)の~もしくは、知日派(家)の~ と書かれていることが少なくないと思います。

今年初め、あるインターネットのディスカッションフォーラムで、私の知人の外国人学者が、

「私は『親日派』ではなくて『知日派』だ。『親日』という言葉は、ドナルド・キーン氏のような人に使うもの」

と書いているのを読みました。

その彼に対して、口の悪いオーストラリア人の学者が、

「いや、世間は君もしっかり『親日家』に分類しているだろう。」

と、書いていました。

このトピックのやり取りで私が感じたのは、

「『親日派(家)』という言葉は、外国人有識者にとっては、『知日派(家)』と言う言葉より、(主に政治や経済)学者として格下とか、おめでたい感じがあるのだろうか」

ということ。

つまり、彼らには「『親日家』というのはあまりに情緒的すぎ。私は日本を研究対象としてみているんだ」という一種のおごりがあるようにも感じました。

このディスカッションを読んだ私は、意地悪にも、

「日本語で『知日家』というと、単にJaponologist, Japan expertと訳されることが多いでしょうが、漢字には「日本のことを観察研究して(特に政治や社会面で)を良く知っている」と、保護者的、もしくは教師的なニュアンスがあります。

『親日家』は、”Japanophile”でよいと思いますが、『知日家』のすっきりする英訳があったら教えてください。」

と質問。

彼は、私の嫌味に気が付いたようで、

知日家=日本と言う運命共同体の一員でもなく、日本に関する知識が部分的であるのに、日本人にああしろ、そうしろと余計なお世話を焼く人。Interfering busybody

と返事をくれました。

先週久しぶりに彼と会うことができたのですが、彼は自分のことを『知日家』と言うのをやめ、『親日家』を使うようにしたようでした。

これは単に心境の変化だったのかもしれませんが、思わずにやり・・・。

さて、とはいえ『親○家』という言葉、これも本当はどうなのでしょう。

先ほど[情緒的」と書きましたが、単にそれだけではないのは、『親米』『親中』『親ロ』と書けばわかると思います。

日本の政治家や有識者に対して使う『親米』には「米政府の言いなりの人たち」と言うニュアンスがあり、『親中』には「売国奴的」ニュアンス、『親ロ』にも一種の偏見を含んだニュアンスがあるように感じることがあるからです。(使われる側は親しくしてくれる分には別に構わない。ただし、米国政府要人の『親日家』となるとピュアとはいえないかも。)

今回調べていて、韓国・朝鮮では、この『親日派(チニルパ)』というのが、「(主に占領中の)日本に協力してきた人」という意味があるのを知りました。

親日派 / Chinilpa

http://en.wikipedia.org/wiki/Chinilpa

これに対し、一般的日本通の人を『博日派(バギルバ)』、『知日派(チイルバ)』と呼ぶそうです。

日本も、『博日派』と言う言葉なり、もう一つ言葉を作れば、外国人有識者も悩まなくてすむことでしょう。

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