Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

ユニクロとジェイクさん

2009年11月24日 | 人物

現在、価格破壊を引き起こしたというので槍玉に上げられているユニクロ。私個人としては、ユニクロ商品が売れるのは、必ずしも値段が魅力(そして値段に比べて品質が良いというお得感)なだけではなく、マーケティングをしっかりした成果とも思っているので、少し同情もしています。

ユニクロができた当初、置いてある商品のサイズ、色の豊富さ、品物の並べ方を見て思い出したのが、お馴染みイタリアのブランド、ベネトンです。

ベネトンはもちろんファッション性の高い商品もそろえていますが、たとえばセーターやTシャツなどはシンプル。そしてサイズも他の日本の商店よりも豊富。

日本には「若い人しか洋服を買わない」「皆、流行ものしか着ない」「MとLサイズがあれば十分」と思っているようなお店が多い中、こうしたお店は中年以上の人にもありがたいです。しかもバーゲン以外なら、ユニクロはベネトンよりずっと安い。

(もちろん洋服を買うにあたっては、値段をそれなりに出せば、デザインや色も気に入って、サイズもぴったりのものを手に入れることはできるでしょう。しかし、一張羅ならともかく、日頃の普段着にそんなにお金をかけられる人はそういないのではないでしょうか。)

また、ユニクロは店員さんの対応がしっかりしていること。これは確認できていませんが、店員さんの年収は900万円台というのを聞いたことがあります。製造費は外国で抑えて、サービス部門にはお金をかける-これが良いか悪いかはおいておいて、戦略自体は優れている思うのです。

そしてそれらの戦略勝利ゆえ、ユニクロは(今まで老舗や高級なものにしか存在しなかったはずの)『ブランド力』を付けました。

さて、マーケティングといえば、アメリカ人のジェイクさんはベンチャー企業家です。彼は今、アジアをターゲットにした企業を立ち上げるべく準備中です。

「この大不況のなか会社を興そうなんて、『気が狂っている』って君は思うだろう?実はそう思うのは君だけじゃないんだ。友人は皆そう言う。でも僕に言わせれば、不況の今こそがチャンスなんだ。だってライバルが少ないということだからね。」

そんな彼の言葉を聞いて私は「あなたを『狂っている』とは思わない。ただ『チャレンジャー』だとは思うけど。でも、今日本での新しいビジネス展開は、他のアジア諸国に比べて難しいかも。」と答えました。

(『狂っている』と思わない私でも、正直に言えば彼は『無謀な挑戦者』にしか見えませんでした。)

しかし、彼と話していて、彼の頭の回転の速さと視野の広さもですが、それに加えて彼の人柄を知るにつれ、「ひょっとしたら成功できるのではないか。」「成功して欲しい」といつの間にか思ってる自分がいます。

事業を立ち上げるに当り、準備期間中の今も、アウトソーシングで海外の安い労働者を使っている彼は、「僕は彼らを安い賃金で使っているという罪悪感を感じる。でも、同時に適正な生活を与えているという自負もあるんだよ。」と言います。

ビジネスはお金を生み出すものだけど、それは社長も従業員も、そして消費者も含めて、人をを幸せにするものでなくてはならない、というのが彼の哲学-「warm heart」。

そして当然と言えば当然ですが、用意周到で冷静な分析―「cool head」。

ユニクロ(ファーストリテイリング社)社長のように、機を読む力、着眼点の確かさ、アイディアマンであることが、ジェイクさんにも備わっていることを願っています。

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友人はボーダーレス

2009年11月21日 | 人物

「現在、何人と文通をしているんですか?」

先日、最近Japan-guide.comで知り合った日本人ペンフレンドのゆかりさん(私と同じ名前です!)から質問されました。

私は一体、何人と文通をしているのだろう・・・自分でもわからないのです。

現在定期的、もしくは頻繁に文通をしているのは、ドイツ人では、心理学者トーマスさん、主婦のビルギットさん、日本在住のラインホルトさん、イタリア人で未亡人のロビーさん、オランダ人の教師イルズさん。

不定期、もしくはごくたまにメールをかわすのは、昔から文通しているペンフレンドでは、ブルガリアの政府関連の仕事をしているベニーさん、フランス人の市長秘書アリーネさん、若い頃のイタリアのペンフレンドのリアーナさん。その他、アメリカのジェイクさんと韓国のCさんとはビジネスがらみの話をメインに

時々世間話をし、他にカウンセラー的に文通をしているイタリア人男性が一人、それと友人にペンフレンドとして紹介したタイの若い女性とはたまに挨拶を交わす間柄でもあります。そして彼ら以外にも情報収集を兼ねてメールのやり取りをする人が少し・・・。

彼らの場合、会ったことがある、ない、に関わらず、もう「日本人の友人」と変わらない感覚の付き合いなのです。信頼関係が出来上がれば、好きなときに、好きな話題で話ができます。

まあ、信頼関係ができても、本当に話すことに事欠くようになって、自然消滅的に終わった人も少なくありません。関係が終わるか、友人関係が続くかどうかは、基本となる興味の対象、考え方、感性が似ているかどうか、が一番関係しているような気もします。

さて、冒頭の質問をしたゆかりさんですが、欧州贔屓の私とは対照的に、英語圏―アメリカ、イギリス、オーストラリア贔屓です。彼女は、お料理やケーキ作りといった女性らしい趣味を持ち、ユーモアがあって大らか、しかも好奇心が旺盛という素敵な女性。英語大好き、海外文通が趣味、海外旅行が好き-細かい趣味の違いはありますが、興味の対象とリズムが似ているので、彼女と話しているととてもリラックスできます。

英語より当然日本語の文通の方が言いたいことをうまく伝えられて、英語では難しい話もなんでもできるメリットがあるということもありますが、もしゆかりさんが外国人で、英語で文通をしたとしても、たぶん前出の人々と同じような関係は築けると思います。

逆に言うと、英語で文通している私の外国人ペンフレンド達(ラインホルトさんと韓国、タイのペンフレンドとは日本語で文通)が日本語ができたら、もっと会話を楽しめるということですが、まあ、不自由さを乗り越えながらの通信というのも、違うメリットがあるのでしょう。

いずれにしても、相性の良い相手にめぐりあう努力は、文通に限らず、一生の課題にして行きたいと思います。人間は面白いですし。

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デフレ対策もグローバルに

2009年11月12日 | 経済

「日本に帰ってきたら本当に食べ物が安いと思う。フランスで昼を安く済ませようとてサンドイッチ1つ買っても3ユーロ(400円)するんだから。デフレの恩恵かな。」

先日、イタリアから来日されている社会学者のD氏(“D氏”参照)と、パリから帰国したH(“異端児の孤独”参照)と友人数人と東京丸の内のあるレストランで昼食をしたときに、Hがもらした言葉です。

このレストランは店構えも高級感があり、料理もそれなりなのに、コース料理はお昼とはいえ2000円以下からあります。

物価が高いと言われている日本ですが、欧米に比べたら外食産業はラーメン屋さんから高級レストランまで幅広く、更にお店で買うサンドイッチ、ハンバーガーも欧州で買うものの半額以下、というものもざらです。

値段はもちろん為替相場のよって変わりますが、それでも懐具合によって食べるものが選べるというのは日本の特徴の気がします。

とはいえこうした特徴は別にして、今回使ったレストランもですが、最近会合等で使うレストランで請求書を受け取って「え?間違えていない?」と思うくらい安く感じるのは、うれしくもあり、不安でもあるのです。

英国の雑誌エコノミストが考案した『ビックマック指数』で使われるマクドナルドのビックマックの値段。流石にビックマックが100円になったことはないと思いますが、日本に100円バーガーがあるのに対して、欧州でそういうものがあるとは聞いたことがありません。

これは私が目にしたものではありませんが、欧州で「値段が下がると、給料が下がります。」というような広告を流したりしたことがあったと聞きます。

マクドナルドの100円バーガーに関しては、マクドナルド自体は黒字になることが多く、従業員の給料が下がることはないかもしれませんが、周りの飲食店はお客を呼ぶ為に値下げをしないとやっていけなくなって、時に従業員の数や給料で調整・・・とうこともありえるでしょう。

今、昔バッタ屋といわれた100円ショップもいつの間にか表舞台に定着し、ユニクロなどはパリに出店。品揃えで勝負したり、「安かろう悪かろう」の常識を覆し「安いけど品質良」を実現させたり、とにかく『価格の常識』を混乱させています。

それに対抗して、周りのお店も値段を下げる。それが利潤を無視した価格設定となってしまうと、賃金カット、リストラ、はたまた倒産、という形となり、そしてその従業員達が今度はお財布の紐を締める結果になっています。

若者の車離れ、海外旅行をしたいと思う若者の激変、購買意欲の減少・・・。

これらの状態はもう「デフレ・スパイラル」と認められても良いと思いますが、経済学者も政府・官僚も、インフレに比べてデフレはあまり語ろうとしません。今、一部では業を煮やした人達が騒ぎだしていますが、それでも解決方法として「国債発行、貨幣の増刷」という声だけが目立って大きい気がします。

私は、お金を増やすより前に、「適正価格崩壊」にまず取り組まないと、いくらお金を増刷したり借金を増やしても無駄になってしまうと思っています。

デフレは日本だけではなく、他の先進国でも起こっています。そしてそれにはグローバリゼーションによる途上国の安い労働力も関係しているので、この賃金格差の部分をうまく生かしたシステム作りをすること無しには解決は難しそうです。

非現実的ですが、金融取引にかけようとしているトービン税のような国際連帯税を、この途上国の労力で得た利益に課す(その分を販売価格に上乗せ)取り組みなどを考えてみるのも、意味はあるかもしれません。

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Krishnamurtiを知っていますか?

2009年11月06日 | 人物

アメリカ人の友人から、Jiddu Krishnamurtiという、インド出身の思想家(1895-1986)のことを教えてもらいました。

Krishnamurti Fundation of America”のホームページから、彼の教えについて書いたものを貼り付けます。

このKrishnamurti氏はもともと神智学協会に属していましたが、1929年あたりから、「真理とは、宗教、宗派、どんなものから得られるものではなく、個人の心から生まれる」と悟った人です。

「宗教や政治、そのほかいかなるものに属さず思想は自由に。他人の見識は参考にはするけど、自分で考えることが一番。そして考えは固定しない。」と言う私の言葉から、友人はこのKrishnamurti氏のことを思い出したそうです。

海外の人と話していると、日本ではまず知ることのない偉人、賢人について教えてもらうことが多々ありますが、これをまとめて「新偉人伝記集」でも作りたいものだ、と思ったりします。

     以下協会ホームページから

"The core of Krishnamurti's teaching is contained in the statement he made in 1929 when he said 'Truth is a pathless land'. Man cannot come to it through any organisation, through any creed, through any dogma, priest or ritual, not through any philosophical knowledge or psychological technique. He has to find it through the mirror of relationship, through the understanding of the contents of his own mind, through observation and not through intellectual analysis or introspective dissection. Man has built in himself images as a fence of security - religious, political, personal. These manifest as symbols, ideas, beliefs. The burden of these images dominates man's thinking, his relationships and his daily life. These images are the causes of our problems for they divide man from man. His perception of life is shaped by the concepts already established in his mind. The content of his consciousness is his entire existence. This content is common to all humanity. The individuality is the name, the form and superficial culture he acquires from tradition and environment. The uniqueness of man does not lie in the superficial but in complete freedom from the content of his consciousness, which is common to all mankind. So he is not an individual.

Freedom is not a reaction; freedom is not a choice. It is man's pretence that because he has choice he is free. Freedom is pure observation without direction, without fear of punishment and reward. Freedom is without motive; freedom is not at the end of the evolution of man but lies in the first step of his existence. In observation one begins to discover the lack of freedom. Freedom is found in the choiceless awareness of our daily existence.

Thought is time. Thought is born of experience, of knowledge, which are inseparable from time. Time is the psychological enemy of man. Our action is based on knowledge and therefore time, so man is always a slave to the past.

When man becomes aware of the movement of his own consciousness he will see the division between the thinker and the thought, the observer and the observed, the experiencer and the experience. He will discover that this division is an illusion. Then only is there pure observation which is insight without any shadow of the past . This timeless insight brings about a deep radical mutation in the mind.

Total negation is the essence of the positive. When there is negation of all those things which are not love ? desire, pleasure ? then love is, with its compassion and intelligence."

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