先日、職場(シルバー人材センター)で75歳位の会員Cさんと話をしていました。
彼のその日の仕事は広場にある蒸気機関車の掃除。
お話好きの彼と私は良く喋ることがあるのですが、戦争の時の蒸気機関車の想い出話を一通りした彼は最後に、「こうしたお仕事の時に声をかけてもらえるので、とても皆さん(センター職員)に感謝しています。」と笑顔で言いました。
私は彼の担当ではありませんが、彼に行く仕事が、こうした比較的楽しめる仕事だけでないことを知っているので、「でも、Cさんは養豚場の掃除など、あまり人がやりたがらない仕事まで進んでやってくださっているので、こちらこそ感謝しています。」と労ったところ、彼は続けます。
「私は昔ある人に、『歳をとったら、人が嫌がる仕事を進んでやりなさい。』と言われて、それってとても大事なことだなと思ってそうしようと決めているんですよ。こういう仕事を引き受けて、人様のために役立っていると思うし、それに若い人達がこういう仕事をしないで、他の仕事ができるからね。ワークシェアリングですよ(このワークシェアリングという言い方はちょっと違う気がしますが・・・)。」
と彼は使い慣れない言葉を使ったのが恥かしかったのもあってか、ちょっと照れて笑いました。
シルバー人材センターには、良い仕事(例えば技術系、事務系)の場合、若者の仕事を奪ってしまうという側面があります。そして、あまり人がやりたがらない仕事(掃除、雑務等)の場合は、普通の仕事をしたくても見つからない高齢者に嫌な仕事を押し付ける、という側面があります。
後者の仕事の中でも、ほとんどの会員さんが嫌がる仕事を引き受け、その仕事のことも楽しそうに語るCさん。(「養豚場の仕事を始めた時、最初は3Kどころの話ではない、と思ったけど、養豚場をきれいにすると豚ちゃんが喜んでくれるのがわかる。コブタは可愛いよ。」とこの仕事にうれしそうに語るのは彼だけ。)
あとで、23歳の男性職員D君にこの話をしたところ、私同様、彼も大変感激していました。
D君といえば、この職場において、孫のような存在の好青年(センターには会員以外にも職場にも高齢者がいる)。
「この職場にきて、60代の人達が若く感じてしまう・・。」同世代と年齢の感覚がずれてきていることをチラッとぼやいたこともありますし、悩まされることもあるようですが、こうしたCさんのような人達がいるせいでしょうか、いつも楽しそうに仕事をしています。