Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

FTAは流行、フェアトレードも流行らせて

2010年10月31日 | 武器輸出・TPP・モンサント・農薬

「FTA(自由貿易協定、Free Trade Agreement/EPA(経済連携協定、Economic Partnership Agreement)」が“流行”っています。

日本は、EUから「韓国はEUとFTA調印したよ。日本はどうするんだい?」とプレッシャーをかけられたり、現在もTPP(環太平洋連携協定、Trans Pacific Partnership)でも各国は無言(?)の圧力-菅首相などは大変乗り気です。

FTA締結に難色を示す代表格の農林水産省。

これは、同省の平成192月の資料『国境措置を撤廃した場合の国内農業への影響(試算)』ですが、、諸外国の安い農作物が輸入されることによる、国内の農業に与える損失を計上しています。(経済産業省などはこの数字を信頼していないでしょう。)

http://www.maff.go.jp/kanto/syo_an/seikatsu/iken/pdf/shiryo1-2.pdf

さて、農作物の話は別にしても、何故このような“流行”が出来上がってしまったのでしょうか。

それは、単純にいえば、どの国(の政府)も「関税撤廃,自由貿易で、自分の国の貿易が促進。割安のものも買える。現在の不況も上向くぞ。」と思っているからだと思います。

ここで、「儲ける国があれば、損をする国がある。儲ける国は政治交渉力の勝っていたり、人気のある商品をたくさん持っている国」と冷静に考え、自国が『負け組』になるというリスクを日本は真っ先に考えるべきなのに、極楽トンボのまあ多いこと。

私などは、現在の日本が下手に流行に乗っても、『良いカモ』にされるだけの気がしてなりません。

さて、上記に関連して、先週友人とフェアトレードの話をしていました。

http://www.iti.or.jp/kikan64/64nagasaka1.pdf

「農作物に関していえば、FTAを促進させるのであれば、フェアトレードも同時に促進すべき。これで、いくつかFTAの弊害(価格での競争→デフレ、食の安全が脅かされる、不作の時の買占め)も緩和されるか、とも思います。」

と言いました。

(おなじみスターバックスは、フェアトレードのコーヒー豆を使っています。

http://www.starbucks.co.jp/coffeecsr/fairtrade.html

フェアトレードは、同時にCSRにも貢献できます。)

フェアトレードは輸入の話ですが、輸出に関して、現場では「関税撤廃云々より、規格の違いが問題」と言う声があったりします。

また、もちろん、値段だけでは戦えない時代になっています。

『良いカモ』にされたとしても、『流行に乗ったつもりでいる、ポリシーのない、そして時代遅れカモ』なら、これは自己責任となってしまいます。

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ボス猿不在の国

2010年10月29日 | 国際・政治

20061月に私が友人Tに送ったメールを読み返していました。

これは小泉政権下の共産党のことを話していたときのものです。

T 様

常識というものが個人個人は勿論、時代によって違うように、イデオロギー、価値観というものもこれが絶対に正しいとか、不変であるというものもないでしょう。

70年代に長髪にベルボトムが流行りましたが、その時それを「かっこいい」と感じたのと同じレベルで、政治家も選ばれ国の動向が決まっていく。ファッションの流行は服飾メーカー、デザイナー達が流れを作るだけで成り立ちますが、政治の場合は下地が必要で、たとえばヒトラーが受け入れられたのは国民が不況に苦しみユダヤ人を逆恨みしていたという下地があったからです。

そういった時代の流れに左右されずに常に自己主張し続ける頑固さは、共産党の強みであり、弱みであるのだろうと思います。また、私も彼らのなかの非寛容さを感じていますが、それは実際彼らが非寛容であるというよりも、見る側の問題なのかもしれません。

昨年見ていた「テレビタックル」で元議員(社民)の田嶋先生が「小泉政権は少数派の意見は全く無視なんだもの。」と言ったところ、民主の原口議員が「それが民主主義なんだから当たり前じゃないですか!」と言い、田嶋先生もそれに納得してしまう場面がありました。多数決で決めることが基本だとしても、「少数意見」をも視野にいれるところに民主主義のよさがあると思っていた私は「!?」。

共産党を支持しない私でも、時々彼らのほうがまともに思えることも多いです。

共産党が日本で議席を増やしたり自分達の運動を大衆に受け入れてもらうなら、皮肉なことに従来の共産党らしさを捨てることが近道である気がします。生真面目さやひたむきさを前面的に出すことをやめ、「明るく健全なイメージを作り出す(赤旗新聞なんて資金源のための発行であったとしても、聖教新聞と紙一重の気がしてしまう)」

「有名人やジャニーズ系のアイドルを使って注目を浴びる」「党の名前を変える」などのイメージチェンジをはかることが一番。「党の名前を変える」以外は小泉政権がやっている手法と同じですが。

イデオロギーより人気(多数派になること)、人気がある者のイデオロギーが受け入れられる世の中だから、これからもタレント議員や有名人知事が続々出てくるでしょう(それは他の国でも同様)。勿論、国自体が変わるにはタイミングが必要だとはいえ、「倫理」、「哲学」、「歴史」を学ぶことなく「人気」で長になれる。識者達がこぞって批判しようが、なったもん勝ち。タレントでもまともな人がいないわけでもありませんが。

こららも「政治力」というのでしょうが、所詮、体格が良くて喧嘩が強く雌に人気がある雄が去る山のボスになり、すべてを取り仕切るのと人間は同程度ってことですね。

現在は何処の党も単なる赤組、白組、青組、黄組・・・となってしまっている気がします。

また、自民党から民主党に政権が変わり、『「倫理」、「哲学」、「歴史」を学ぶことなく「人気」で長になれる。』時代から脱したのだとは思いますが、その結果日本は『ボス猿』不在の国となってしまった感もあります。

これが今一番大きな問題だと思います。

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『100年インタビュー、社会経済学者 ロナルド・ドーア』案内

2010年10月28日 | R.Dore

D氏こと、ロナルド・ドーア氏の90分インタビュー番組が、

1028日(木)20002130

1030日(土)10001230

114日(木)12301400

NHK・BS hi (Ch3) で放映されますので、よろしかったらご覧ください。

100年インタビュー、社会経済学者 ロナルド・ドーア』

ゲストは、イギリス人の社会学者、ロナルド・ドーアさん(85)。60年にわたって独自の視点で日本を見つめ、農村や企業に息づく、共同体的な、助け合いの精神に触れる。まさに、それこそが、発展を続けた日本型資本主義の原点だったと分析する。激変する日本社会、複雑化する世界情勢において、日本人が自覚すべきもの、進むべき方向についてうかがう。聞き手は、三宅民夫アナウンサー。

番組案内: http://www.nhk.or.jp/hyakunen-i/

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『マーサの幸せレシピ』とマスカルポーネ

2010年10月18日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

昔観たドイツ映画『マーサの幸せレシピ』(2001年ドイツ)が現在GYAOで配信されているので、また観てしまいました。

この映画は私のお気に入りの一つです。

以下は感想ですが、すでに映画を観ている方か、ストーリーを知ってもよい方だけどうぞ。

人付き合いが苦手な“(オーナー曰く)町で2番目の”シェフ、マーサ(マルティナ・ゲデック)は、姉の事故死をきっかけに小学生の姪のリナ(マクシメ・フェステ)を預かるようになります。

母親の死のショック以前に気難しい子供リナ。そんな姪に振り回されているだけでもパニックなのに、レストランのオーナーはマーサに相談なく、イタリア人マリオ(セルジオ・カステリット)を雇ってしまいます。

私生活の変化、自分中心に回っていたはずの厨房の変化、それに加えてリナを預かっている責任感と「リナの父親を探しださなきゃいけない」という重圧で、マーサは大混乱。

マーサは、拒食症、潔癖症、過呼吸症候群の症状があり、大変スクエアな人間です。

映画の始まり、途中、そして最後の場面で、彼女がセラピストにカウンセリングを受けている場面がでてきますが、この二人の会話がミソ。

最初はマーサが一方的に敵視していたマリオ-厨房で音楽を大音響で流し踊りながら料理、1時間遅刻しても悪びれない、平気で嘘もつく(これは料理を口にしないマーサにパスタを食べさせる為でしたが、彼女にとっては『嘘』は許しがたい)-そんな彼は単なるお調子者ではなく、マーサとリナの間に入って不器用な二人の気持ちをほぐし、仲良くさせてしまいます。

マリオがレストランに来た当初、「厨房にシェフは二人もいらない」とセラピストに怒りをぶつけ、呆れたセラピストが「どうせ彼(マリオ)は長く(レストランに)いないだろう」と諦めた調子で言うと、「あら、案外優しいのね」と言っていたマーサ。

中盤では、「ナポレオンの料理人は、フランスにマスカルポーネがなかったので自殺した」とセラピストにつぶやきます。

“マスカルポーネ”とは、イタリア原産の塩分の少ないクリームチーズで、これはティラミスやリゾットの材料として使うほか、塩分の高いゴルゴンゾーラ、ブルーチーズなどと混ぜて使うことが多いといいます。(単独では味が薄い)

マーサとリナの間だけではなく、厨房内での雰囲気を滑らかに変えたマリオはまさに“マスカルポーネ”。マーサはこの時それに気がついたのでしょうか。

(まあ、気がついていたとしても、自分に”マスカルポーネ“がどれだけ必要か、彼女が気づくのは映画の終盤。)

さて、実は映画も見直すことで一回目では気がつかなかったことも見えてきますが、この映画もそう。

たとえば、リナが何度か「父親は見つかるか」とマーサに訊く場面がありますが、前回見たときと違って今回は、「実はリナは、マーサに、『あなたの父親を絶対探し出すから』という回答ではなく、『私と一緒に暮らしましょう』『私はあなたと暮らしたいの』と言ってほしかったのだろう。」と気がつきます。(単なる私の解釈です。)

普通の子供だったら「顔も見たこともない父親ではなく、マーサと暮らしたいの。」と直接訴えられたでしょうが、気難しくプライドの高いリナは口が裂けてもそうは言えません。そもそもリナはマーサが自分を愛しているのかどうかもわからない。

そしてマーサのほうもリナの気持ちが分りません。

リナと離れ離れの生活に我慢できなくなって、ハンブルクから車でイタリアにリナを連れ戻しに行く時でさえ「あの子は戻るかしら」と不安がるマーサ。

「明るく太陽の出ているイタリアにいて、暗く凍てつく寒さのドイツを恋しがらないわけがないさ」と答えたマリオのユーモアにも気がつかず、「酷いことを言うのね」と彼女はむっとします。そして「マーサ、リナは君が好きだ」とマリオに教えられて始めて安心するのです。

“マスカルポーネ”は、マーサやナポレオンの料理人だけでなく、人にとって、なくてはならないものだと思います。

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梅ちゃん2

2010年10月15日 | 友人・知人

先週は梅ちゃんのお誕生日でした。

(『梅ちゃん』は、こちら参照

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20071119

彼女は93歳になりました。

彼女と私は、今はもうときおり電話で話すだけですが、電話からの様子だと彼女は相変わらず活動的-『敬老の日』に高齢者施設で入所者に、保育園で子供達に、と手品を披露したり、そしてコーラスグループでも活躍中。

さて、そんな梅ちゃんから、面白い話を聞きました。

手品では、玉子を筒に入れて何かに変えるものがありますが、冒頭に梅ちゃんは、

「はい皆さん、玉子はあたためると、何になりますか?」と質問するそうです。

昔は決まって「ひよこ!」「にわとり!」という子供達の声が返ってきたそうですが、最近は、「茶碗蒸し」「ゆでたまご」という答えが子供達から返ってくるそうです。

さて、話が変わって、一人暮らしの梅ちゃんを気遣って私が言った言葉、

「一人暮らしってわからないように、男物などの洗濯物などを干しておいてくださいね。」

に対しては、

「昔ね、職場にいた男性が『○○さん、僕の靴とステテコをあげるから、これを干したり、玄関においておきなよ。』って言ってくれたことがあったの。それでそれを干したり、玄関に置いたりしていたら、近所で『○○さんに“オトコ”ができた』って噂が広まっちゃって・・・。すぐ靴もステテコも捨てちゃった。」

「それから、甥が出張の帰りに一晩泊まったときも『若いツバメができたのでは・・』と思った人がいたみたいで参っちゃった。“バアさん”になった今は、そんなこと言われる心配もないんだけどね。」

という返事。

今、都市部ではスーパーで売っている玉子しか知らない子供達がほとんどで、「玉子→あたためる→ひよこ」という発想を素直にもてる子も少ないかもしれません。

私は都会育ちですが、幼稚園のころ「玉子を茹でて、ひよこになったりしていないだろうか」と不安に思って、ゆで卵を剥くこともできないときがありました。

(もっとも、私は「海で鯵の開きはあのままの形で泳いでいる」と思っていたくらいのオオボケものでした。)

ステテコと靴、“ツバメ”に関してですが、(もちろん土地柄もありますが)今は昔ほどご近所にも関心がなくなりました。

変な憶測をもたれた時代、梅ちゃんには煩わしいことではあったと思いますが、これはこれで、無関心がはびこる今より幸せだったのかもしれません。

時代の移り変わりは、こんなちょっとしたことで、実感したりします。

私の2倍近くの歳月の変化を経験してきていて、楽観的な梅ちゃんからすれば、もう変化も慣れっこ。驚くことはあっても、それを楽しむ余裕もあります。

「ファジィに生きること、これが長く楽しい人生を送る秘訣の一つ」、梅ちゃんから、もう一つ教わった気がしました。

最後に、梅ちゃんから送られてきた、『簡単レシピ』をいくつか抜粋して貼り付けます。

お試しあれ。

1.明太子とろろごはん 

明太子をほぐして、すった山芋と混ぜ合わせ、ゆずの香りをつけて、あつあつのご飯にかけ、上にきざみ海苔をおきます。これならちょっとのご馳走で、お客様の時や、お酒にも結構です。

2.和風カリカリベーコン

トーストや目玉焼きに付け合せるカリカリベーコンは、大根おろしと一緒にすると、ご飯のおかずにも美味しいです。カリカリにするには、弱火でじっくり炒めます。塩気があるのでお醤油は控えめに。

3.ご飯のおともに

キュウリやナスのぬか漬けや京菜などの塩漬けが少し古くなり、すっぱくなってきたら、細かく切って水洗いしてぎゅっとしぼります。

これをごま油で炒め、一味唐辛子とたっぷり炒りゴマと混ぜ、仕上げに醤油を一たらしします。あつあつのご飯にどうぞ。

4.ちから天うどん

お餅をサイコロに切って、細きりの人参や玉葱などと混ぜて、かき揚げを作ります。これをうどんやおそばのカケに乗せます。

力うどんと天ぷらうどんを一緒に食べているようで、ボリュームがあり、美味しいものです。 

5.オレンジ葛湯

片栗粉や葛粉を、熱湯ではなく、100%のオレンジジュースを熱くしてときます。酸味が強くなりますので、好みでお砂糖を。夏の疲れがとれる、ほっとする味です。

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NHK教育『一週間de資本論』のデータについて番組担当者からの説明

2010年10月12日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

930日放送の『一週間de資本論④』について、101日に“NHK教育『一週間de資本論④』のPEWのデータは間違い”という記事を書きました。

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20101001

この件に関して、番組スタッフの方から説明がありましたので、抜粋を貼り付けます。

今回のデータについてご説明させていただきます。

確かに、ご指摘の通り、紹介されたのは、PEWリサーチの「Views on Trade」のデータです。これを、番組内では、出演者のT氏の訳に従い「自由貿易を支持するか?」という問いに対する調査結果としています。データ自体を取り違えていたわけではございません。・・・紛らわしい表現になってしまい、申し訳ございません。また、紹介すべきだったのは「Views of the Free Market」のデータだったのではないかという御意見、その通りだったかも知れません。その点は、私の力不足だったと思います。

番組で使った表のタイトルは『自由貿易を支持する人』としていたとのこと。その点は私の記憶違いだったようで、失礼しました。

(スタッフへは、「表のタイトルがあやふやなのですが、番組の内容を考えると本来紹介すべきものは・・」と前置きして意見しました。)

ただし文中でスタッフも認めてくれているように、いずれにせよ番組では、Views of the Free Marketのデータを(も)紹介すべきだった、と思います。

(いくら『日本』がここでの焦点ではなかったとしても、)日本でもFree Market支持者が2010年のデータでは43%と過半数を割っていることを、番組では隠してしまいました。

しかし、テロップを流しての再放送はもちろん、こうした偏った資料を使った番組の再放送はそのまま。(再放送の予定があるみたいな記事をどこかで見ました。)割り切れません。

※番組の対談者のM教授が、番組でこのデータを使うと知ったのは、収録間際であったということでした。

それにしても、T氏がViews on TradeのTradeを「自由貿易」と訳し使っていることは、私には違和感があります。

アンケートのFull questionは、"What do you think about the growing trade and business ties between (survey country) and other countries?"です。

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若手英語教員を税金で留学させるなら、優秀な学生に留学を

2010年10月10日 | 教育

本日の読売新聞に、以下のような記事がありました。

英語の先生を米留学、小中高の若手1~2年 (読売新聞 1010()1838分配信)

 日米両政府は、日本の小中高校の若手英語教員を米国に留学させ、語学能力向上を図るプログラムを創設する方向で検討に入った。

 菅首相は日米同盟「深化」の一環として、安全保障政策と経済活動に加え、文化・知的・人的交流の拡大を掲げており、11月中旬のオバマ米大統領来日時に正式合意したい考えだ。

 小中高の若手英語教員を1~2年間、米国に派遣する案などが浮上している。1000人を派遣し1人当たりの経費を年1000万円と試算すれば、日本政府は、年100億円程度の予算措置が必要になる。

 英語教育では現在、外務、文部科学、総務省と地方自治体が協力し、英語を教える米国などの青年を日本の学校に招く「語学指導等を行う外国青年招致事業」が行われている。ただ、同事業は政府の「事業仕分け」で「見直し」と判定され、外務省の2011年度予算概算要求では10年度当初予算比14%減の1・3億円にとどまった。新たな語学プログラムの創設には、財源の確保が課題となる

この記事を読んで、思わず唸ってしまいました-

小中高の先生を、一人1000万円かけて米国に留学させたとして、どれだけ成果があるのでしょうか。

もちろん留学することで『生きた英語』を多少は身につけることはできるでしょうが、留学した先生の中で上達のばらつきもありますし、仮に英語能力が大幅に改善したとしても、英語を母国語としている人たちと同等になれるわけでもなし、生徒への英語教育が大幅に改善されるとも思えません。

(留学した教師には留学終了時にテストをさせ、基準の英語力を身につけられなかった人から留学資金を返済させるくらいのことをしないと、完全な税金の無駄遣いになってしまいそうです。)

また、上記の記事には、「菅首相は日米同盟「深化」の一環として、安全保障政策と経済活動に加え、文化・知的・人的交流の拡大を掲げており」とありますが、学校の先生の人的交流より、将来を担う優秀な学生達が人的交流を行い、人脈を作るのが筋であると思います。

そしてまた、人的交流促進は、なぜアメリカだけでなければならないのでしょうか。

イギリスが世界の中心だった時代でさえ、当時の政府はイギリス以外、いろいろな国に優秀な日本人を留学させました。

今の政府には、ビジョンがあるように思えません。

(このプログラムが実現すれば、結果米国第一主義者の育成ができ、お金も落としてもらえるので、オバマ大統領は歓迎することでしょう。)

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フィンランドの友人が出会った日本人

2010年10月06日 | 友人・知人

「僕が知っている二人の日本人について話すと前に約束したね。

僕が初めて会った日本人は、タケウチアキラさんという(当時)65歳前後の元建築家。

若い頃にフィンランド人の建築家アールトから深い感銘を受けた彼は、アールトの研究をしたくて単身フィンランドにやって来たんだ。おそらく、たびたび日本に残してきた家族の元に帰っていったのだとは思うけど、とにかく彼は自分の長年の夢を叶えた。

彼が当時トゥルクにいたのは、トゥルク大学ではアールトの講座があった為。

もちろんアールトの書物や記録は当然フィンランド語で書かれたものばかりだったから、研究の為にタケウチさんはフィンランド語を何年も勉強し、僕が会ったころの彼のフィンランド語は流暢だった。

君には想像できるかい? ただ研究のために、家族のもとを離れ、言葉も分からない土地で一人住むことを。僕らは彼を心底尊敬していたんだ。これほどの情熱を持つ続けられる人も、なかなかいないからね。

僕が彼に最後に会ったのは、もう10年も前だけど、僕は決して彼を忘れない。

もう一人はソフトウェアデザイナーの、サクライコウジさんという、当時30歳の男性。彼は僕の職場で6ヶ月間研修をし、そのあとスウェーデンに移っていった。

僕は彼がトゥルク空港に降り立った時のことをよく覚えている。彼と奥さんは、本当に不安気だった。その日は冬の真っ只中で、たくさんの雪が降り積もり、それはそれは寒い日だったんだ。おまけに1日に数便しか発着しないトゥルク空港は、混雑した空港に慣れている彼らにすればとても辺鄙に思えたことだろう。

僕は彼らが慣れるまで、案内係をすることにした。

最初に大きなスーパーマーケットに案内した時、コウジ夫妻は驚いた。そのスーパーマーケットは12,000平方メートルの広さで、日中であったにもかかわらず、客は数人しかいなかった。巨大なスーパーマーケットに数人の客というのが物珍しかったみたいだった。

それにしても、その店で豆腐を見つけた時の彼らの喜びようといったら!

君も豆腐は良く使うかい?

コウジはアメリカに留学していた時、寿司レストランでアルバイトをした経験があるそうで、彼らの家のディナーに招かれたときなどは、奥さんと一緒に、そばや寿司、照り焼きチキンを振舞ってくれた。

流暢な英語を話した彼の、ユーモアのセンスは最高だった。

その彼と最後に会ったのももう10年くらい経っているけど、どうしているのだろうか。」

以上は、約年前にフィンランドのペンフレンド、ユーハさんから貰ったメール抜粋の訳です。

このユーハさんと私の文通は彼の仕事が忙しくなって、2年前に途切れてしまいました。

しかし、昨日また再開したので、ふと、彼から来たメールを読み返していました。

ユーハさんは現在トゥルクには住んでいないので、タケウチさんの消息も、そして(ユーハさん自身が転職をしていることもあって、)サクライさんの消息もわかりません。

しかし、今私がユーハさんというフィンランド人と友人でいられるのは、彼らの強烈な思い出がユーハさんにあって、彼が日本人のペンフレンドを探そうと思ったことから。

私にはまったく縁がない、タケウチさんとサクライ夫妻。会って、お礼でも言いたい気分です。

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NHK教育『一週間de資本論④』のPEWデータは間違い

2010年10月01日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

昨夜観たNHK教育の「一週間de資本論」のなかで、米国のPEWリサーチのデータの「自由市場(注、“市場経済”となっていたかもしれません)を是とする人」の比率を紹介していましたが、表示されていた数字が自分の記憶にあるのと大分違って非常に高かったので(例えば、日本は72%、一番高いものは93%と紹介されていましたが、本当の数値は日本43%、一番高いもので84%)不思議に思って調べ直してみました。

なんと番組の表の数字は「貿易(海外とのビジネスによる関係強化)を是とする人の数字」が使われているようでした。

NHKの進行役アナウンサーも、「(肯定派が)こんなに多いんですね」と語りながら紹介していましたが、なんとズサンなことでしょう。

番組には学者さん二人もでていましたが、気がつかなかったのでしょうかね。

正確な数字はこちら:

Views of the Free Market 2010

http://pewglobal.org/database/?indicator=18&mode=chart

番組ではこちらの数字を紹介:

Views on Trade 2010

http://pewglobal.org/database/?indicator=16&mode=chart

※ 10/12に続く http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20101012

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