「FTA(自由貿易協定、Free Trade Agreement)/EPA(経済連携協定、Economic Partnership Agreement)」が“流行”っています。
日本は、EUから「韓国はEUとFTA調印したよ。日本はどうするんだい?」とプレッシャーをかけられたり、現在もTPP(環太平洋連携協定、Trans Pacific Partnership)でも各国は無言(?)の圧力-菅首相などは大変乗り気です。
FTA締結に難色を示す代表格の農林水産省。
これは、同省の平成19年2月の資料『国境措置を撤廃した場合の国内農業への影響(試算)』ですが、、諸外国の安い農作物が輸入されることによる、国内の農業に与える損失を計上しています。(経済産業省などはこの数字を信頼していないでしょう。)
http://www.maff.go.jp/kanto/syo_an/seikatsu/iken/pdf/shiryo1-2.pdf
さて、農作物の話は別にしても、何故このような“流行”が出来上がってしまったのでしょうか。
それは、単純にいえば、どの国(の政府)も「関税撤廃,自由貿易で、自分の国の貿易が促進。割安のものも買える。現在の不況も上向くぞ。」と思っているからだと思います。
ここで、「儲ける国があれば、損をする国がある。儲ける国は政治交渉力の勝っていたり、人気のある商品をたくさん持っている国」と冷静に考え、自国が『負け組』になるというリスクを日本は真っ先に考えるべきなのに、極楽トンボのまあ多いこと。
私などは、現在の日本が下手に流行に乗っても、『良いカモ』にされるだけの気がしてなりません。
さて、上記に関連して、先週友人とフェアトレードの話をしていました。
http://www.iti.or.jp/kikan64/64nagasaka1.pdf
「農作物に関していえば、FTAを促進させるのであれば、フェアトレードも同時に促進すべき。これで、いくつかFTAの弊害(価格での競争→デフレ、食の安全が脅かされる、不作の時の買占め)も緩和されるか、とも思います。」
と言いました。
(おなじみスターバックスは、フェアトレードのコーヒー豆を使っています。
http://www.starbucks.co.jp/coffeecsr/fairtrade.html
フェアトレードは、同時にCSRにも貢献できます。)
フェアトレードは輸入の話ですが、輸出に関して、現場では「関税撤廃云々より、規格の違いが問題」と言う声があったりします。
また、もちろん、値段だけでは戦えない時代になっています。
『良いカモ』にされたとしても、『流行に乗ったつもりでいる、ポリシーのない、そして時代遅れカモ』なら、これは自己責任となってしまいます。