Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

敵の敵も味方の味方も”味方”にならない世界-I君が栄転しても喜べない理由

2015年11月30日 | 国際・政治

昨日はスペインで四半世紀過ごしてきた日本人女性Eさんと会う事になっていたついでに、日本で研修中の20代の欧州人男性I君もお誘いしました。

このIさんは来月帰国することが決まっていますが、帰国後はしばらく本国でゆっくりし、その後は国際機関で働くことになりそうです。

もしそうなると、英語、フランス語、スペイン語の他アラビア語でできる彼、中東やアフリカに派遣、もしくは出張することが出てくるのではないかと思います。 

彼の国際機関勤務が決まったとしても、今は素直に喜んであげられません。 

【BBC】敵の敵は“敵”? シリアでは誰が誰と戦っているのか
https://www.youtube.com/watch?v=JRcDD3Dkv7M
 

ISの地下壕を発見 アメリカ製弾薬の箱も
https://www.youtube.com/watch?v=9DQ1LIcIdNo 

JBpress
シリア・アサド政権打倒で第3次世界大戦の危険性も
米下院議員が米政府の中東政策を痛烈に批判
By 堀田佳男氏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45385 

(前略) 

CIAがアサド暗殺を計画 

 11月19日、共和党オースティン・スコット下院議員と超党派で、米政府によるアサド政権打倒の活動を中止させる法案を提出したのだ。ガバード議員はオバマ政権が中央情報局(CIA)を使ってアサド政権を転覆させる動きをつかんでいた。 

 オバマ政権誕生以来、米国は特殊部隊の増員をしており、正規の陸上軍を派遣する代わりに少数派の特殊部隊による作戦を取るようになってきている(「世界の警官から秘密警官へ、米国の恐ろしい急変ぶり」)。 

 CIAは2013年以来、1万人以上の反政府勢力に軍事訓練や武器の提供をしてきたとの情報があるが、効果は上がっていない。ガバード議員は「米国が予算をつぎ込めばつぎ込むほど効果は逆」と述べているほどで、オバマ大統領に中止を直訴する形となった。

 ガバード議員はハワイ州出身で下院軍事委員会と外交委員会のメンバー。イラク戦争に2度従軍した経験がある帰還兵で、軍事問題を専門にしている。 

 CIAやその他の諜報機関、さらに特殊部隊による秘密裏の軍事活動は議会から承認を受ける必要はないが、ガバード議員は軍事委員会に所属していながら報告を受けていないと述べる。 

 「米国はいまシリアの2つのことを同時進行させているのです。1つはイスラム国や反政府勢力を叩くこと。彼らへの空爆は大きな効果を上げていませんが、議会が承認したことです」 

 「もう1つがアサド政権を倒すということです。本当にアサド政権を倒した場合、シリアはイスラム国や反政府勢力によって支配されてしまいます」 

 「難民問題はいま以上に拡大し、人権問題はさらに悪化し、世界にとってはこれまでにない脅威となります。米議会はアサド政権打倒を承認していません。いや政権打倒は違法なのです」 

(後略)

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サマンサ・スミスとアンドロホフの手紙・「KGBだから」「CIAだから」ではなく

2015年11月28日 | 人物

「プーチンはKGB出身だから・・」と彼が極悪非道のように言う人がいます。
しかし、父ブッシュ元大統領について、「ブッシュは元CIA長官だから・・・」という人はいません。 

さて、KGB出身といえば、私が知っている限りではアンドロホフ書記長がそうでした。 

1982年、このアンドロホフ書記長に、当時10歳か11歳だったアメリカの少女が手紙を書き、そしてそれに対し、アンドロホフは返事を書きました。 

手紙の翻訳は、ウィキペディアから貼り付けさせてもらいます。

ウィキペディア
サマンサ・スミス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9 

信愛なるアンドロポフ書記長殿、 

私の名前はサマンサ・スミスで10歳です。新しく書記長にご就任おめでとうございます。私はロシアとアメリカが核戦争に突入してしまうのではないかと心配でなりません。あなたは戦争をしますか、しませんか?もししないのであれば、どのように戦争を阻止するつもりなのか教えていただけませんか?この質問には答えていただかなくてもいいのですが、でも、なぜあなたが世界征服をしたいのか、それか世界でなくとも我が国を征服したいのか知りたいです。神様は我々が平和に暮らせるようにこの世界を御造りになられました、戦うためではありません。

敬具 

"サマンサ・スミス"

 

信愛なるサマンサへ、 

私はあなたの手紙を受け取りました、それは、あなたの国や世界中の他の国から届いた多くの手紙と似た内容のものでした。 

あなたの手紙から察すると、あなたはとても勇気があり正直な女の子だと思います。あなたの同胞マーク・トウェインが書かれた『トム・ソーヤーの冒険』に登場するトムの友人、レベッカを思い出させてくれました。この本は我が国でも多くの少年や少女に愛されています。 

あなたの手紙では、我々の国の間で核戦争が起きてしまうのではないかと心配していますね。そして、我が国がそれを阻止する手立てをとっているかどうか尋ねています。

これらの質問は考える人間にとって最も重要なものの一つであり、私は真剣に、そして誠意をもって答えたい。 

サマンサ、我々ソ連の人々はこの地球上に戦争が起こらないように努力しています。これはソ連人民の願いであり、我々の建国の父レーニンが教えてくれたことです。 

ソ連の人々は戦争というものがどんなに悲惨なものかよく理解しています。42年前、世界征服を企んでいたドイツのナチス軍が我々の国を攻撃し、多くの市や町を破壊し、ソ連の何百万人という尊い命を奪いました。 

この戦争は我々の勝利に終わりましたが、当時、我々はアメリカと共に連合国の一員として、ナチス侵略者から多くの人を解放すべく、アメリカと共に闘いました。これらの事実はあなたも歴史の授業で習っていることでしょう。そして今日も我々は平和に暮らし、地球上の国々-近隣諸国からアメリカのように偉大な大国とも-ビジネスをしたり協力関係を築きたいと考えています。 

アメリカと我が国は核兵器を保有しています。核兵器とは瞬時に多くの人々を殺すことのできる恐ろしい兵器です。しかし、我々はこの兵器の使用を望みません。このため、ソ連は、世界中のどの国に対しても、核兵器の先制使用を絶対にしないと宣言しています。また、我々は核兵器の生産中止を提案し、さらに世界中の核兵器を破棄(非核化)する方向を考えています。 

このことがあなたからの二つ目の質問「なぜ我々が世界、またはアメリカに対して戦争を起こそうとしているのか」に対して充分な回答になっていると思われます。我々もそのような状況を望んでいません。我々の国民も-労働者から農民、作家やお医者様も、大人も子供も、政府関係者も、誰も、その大小問わず戦争を望んでいないのです。 

我々は平和を望んでいます。我々は現在、例えば麦の生産、建物の建設や開発、本の執筆や宇宙への飛行等他のことで忙しく働いています。我々は我々と世界中の人々のための平和を望んでいます。そして何よりも子供たちやあなた、サマンサのための平和を望んでいます。

あなたの両親の許可が頂ければ、あなたに是非我が国に来ていただきたく招待します。この夏が一番良いでしょう。そうすれば、我々の国を直に見て理解できるようになると思います。

我々の同胞とお会いになり、海辺にある国際子供キャンプ(アルテクキャンプ)を訪れてみてください。そして、ソ連の人々がいかに平和と友好関係を望んでいるか、ご自身で判断してください。 

末筆ながら、手紙をくれたことに感謝を申し上げ、あなたの人生が素晴らしいものでありますようお祈り申し上げます。 

"ユーリ・アンドロポフ" 

1983年にサマンサは両親と共にアンドロホフの接待客としてモスクワ滞在し、その後も両国の親善に尽くしました。
しかし、彼女は1985年に飛行機の墜落事故で死亡しました。
(この事故を暗殺と疑う人もいたようですが、真相はわかりません。) 

・・と、このようにロシアの美談を書いていると、「親ロシア、反米」と言われそうですね。 

まあ、実際私は米国政府が「正義漢ぶって世界を思いのままにしている」という部分は嫌いです。

しかし、「ロシアは善、アメリカが悪」とも思いませんし、ついでに言うと、「KGB出身だから危険」「CIA出身だから危険」というのもどうか、と思っています。

KGBについてはあまり知らないので例をあげることができませんが、CIAだったら、たとえばジェームズ・アングルトンのような人物がいたかと思えば、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3
この彼を左遷したウィリアム・コルビーのような人もいました。
https://en.wikipedia.org/wiki/William_Colby

(英語しかありませんが、このコルビー氏、CIA在任中も情報公開などを行い(彼の後任が父ブッシュ)、CIA長官を退いたあとは、核廃絶や軍事費削減を提唱してきまいた。彼も、1996年にカヌーの事故(?)で亡くなっていますが・・・。)

結局は”人”により、その彼らも、(世界に対する)功罪があり、完全に「善」「悪」と分けることはできないのではないかと思います。

それにしても、やはり世界各国、「平和」のために動く人は暗殺されたり、事故死、不審死・・・ですね。 

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スウェーデンのオロフ・パルメ首相を暗殺したのは誰か?

2015年11月27日 | 歴史の教科書に載らない偉人

スロベニアの友人から、彼が尊敬するというスロベニア唯一の政治家、France Bucarが亡くなったというメールをもらっていますが、それについて返事ができないまま1か月以上がたってしまっています。 

Wikipedia
France Bucar
https://en.wikipedia.org/wiki/France_Bu%C4%8Dar 

大統領や首相ならともかく主要国の政治家についての日本語の情報はほとんど見つからないでので、ちょっと時間がかかってしまいます。 

ところで、主要国以外の政治家、政治、出来事について、インターネットが普及している今だから、友人達と話題にしあったり、(英語バージョンしかないにしても)情報を容易く手に入れられるようになりました。 

だからこそ、自分たちがどれだけ物事の一部だけしか見ていないことを思い知らされるし、そして同時に、彼らに気が付かされて、「ああ、こんな素晴らしい人達がいたのだ」と感動したり、希望を持たされることがあります。 

以下は、モーガン君の国、スウェーデンの元首相ですが、日本人でどれだけの人が知っているでしょうか。 

ウィキペディア
オロフ・パルメ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%A1 

スウェーデンの今 

あれから20年(1)パルメの外交
http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/5c0c761db347b051c3e5d8c178719001

あれから20年(2)パルメの内政
http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/6f0ae5f4e95c3b34f15e5cb4fa5c1c25
 

このオロフ・パルメ首相は、1986年に暗殺されていますが、その事件を追ったフィルムです。(参考として紹介。真実はわからない。)

Who killed Olof Palme?
https://www.youtube.com/watch?v=d0LMSnKV6dc 

「スウェーデンの今」さんが、上のブログの冒頭で、 

「スウェーデンには、人々から慕われてきた人は短命でこの世を去ってしまう、というジンクスがあるのだろうか。第2代事務総長として国連の発展に不可欠な役割を果たしたDag Hammarsjöldは、コンゴ内戦の調停のさなかに、飛行機事故でこの世を去った。人々から広く愛されていた女性外務大臣Anna Lindhは2003年のユーロ国民投票の直前に、ストックホルムの老舗デパートNKで刺殺された。」 

と書いていらっしゃいますが、これは「その人物を不都合だと思うグループ」が存在するということでしょうね。 

「人々に嫌われる大物政治家」は、そうそう命を落とすことはないでしょう。

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Dear Everyone-

2015年11月27日 | Peace

Dear Tim,
Dear Claudia,
Dear Begona,
Dear Morgan,
Dear Juha,
Dear Tomaz,
Dear Diego,
Dear Liana,
Dear Luigi,
Dear Fabio,
Dear Aline,
Dear Angelique,
Dear Akiko,
Dear Sachie,
Dear Kuniko,
Dear Asako,
Dear Satoko,
Dear Maki,
Dear Mikiko,
Dear everyone, 

For you-

Video that will change your life. I have no words left.
https://www.youtube.com/watch?v=PT-HBl2TVtI 

I think we need “white paint” and “paintbrushes” now. 
Don't you think so?

Best regards, 

Yukari

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ISに向かう若者たち・「大義名分」と「平和共存」

2015年11月26日 | 国際・政治

ハフィントンポスト(2015年11月24日)
【パリ同時多発テロ】実行犯4人が育ったベルギーの街の現実
http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/25/belgium_n_8645474.html?utm_hp_ref=japan


[ブリュッセル 23日 ロイター] - ハリド・ベン・ラービは他の欧州の若者と似たような享楽的なライフスタイルを送り、モレンベークのモスクに行くこともめったになかった。 

モレンベークは、ベルギー首都ブリュッセルのなかでもモロッコ系ムスリムを中心とした移民が多く暮らす地域で、ベン・ラービの他、パリ同時攻撃の実行犯3人が育った場所である。 

行儀の悪い若者にすぎなかったベン・ラービが冒険と栄光に魅せられて過激派組織「イスラム国」の戦闘員へと転じたのは、過激なイスラム教指導者の説教のせいではない。他の若者がドラッグや犯罪に惹きつけられるのと同様に、スラム地区にありがちな幻滅感のせいだと、近所の人々や地元のソーシャルワーカー、イスラム教指導者らは指摘する。 

モレンベークやその他の地域に住む家族は、自分たちの子どもが、シリアでの武勇伝を流布する怪しげな説教師やソーシャルメディア、そして地元の聖戦ネットワークによる影響を受けてイスラム国に勧誘されたことに気づき、ショックを受けることが多い。 

べン・ラービは、生活には困らない、映画好きの「普通の若者」だった。だが昨年のある日、彼はシリアでの戦闘に参加するために姿を消し、1月にベルギーに帰国した。23歳だった彼はカラシニコフ銃を手に警察署襲撃に参加して射殺された。 

(後略) 

11月22日に書いた
イスラム過激派テロは宗教テロか?-日独赤軍派との共通点
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/d819671185670094357d04bbd53b28b6

で、私は「現在のところ、イスラム過激派は宗教テロではなくむしろ赤軍派(レジスタンス気分)に近い」というようなことを書きましたが、欧米から中東に向かう若者には疎外感や満たされなさから自分の帰属先、理想郷を求めたり、「ゲームや麻薬と同じ高揚感がほしい」、「自分を阻害した人、社会を破壊したい」「自分が優位に立てる場所にいたい」という、パーソナリティ障害を持ってしまった人達も多いでしょう。 

(日本では、貧しい環境にいたと思えない元北大生が「内定がもらえない」不満もあって、イスラム教に改宗してイスラム国に向かおうとした事件がありました。
本能を失いつつある現代人
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/14a660604d784dff8118e8d1370c87e9) 

彼らはつまるところアメリカの無差別銃乱射事件の犯人と似たようなものなのに、それを認めることなく、「イスラム恐怖症大合唱」は鳴りやみません。そして、イスラム教徒たちはますます孤立感を持ち、仕事を得れず・・・。 

中東の空爆もテロを作り出しますが、こうした悪循環もテロリストを作ります。 

ところで、私が時々覗く欧州在住日本人のブログで、このようなものがありました。 

不注意な異邦人
大義名分
http://deerwife.blog.fc2.com/blog-entry-426.html 

今井真緒子の器用貧乏暇なし日記
平和共存
http://maoko-imai.blog.so-net.ne.jp/2015-11-14

偶々二つとも題名は四字熟語でした。

「大義名分」と「平和共存」-
「大義名分」を掲げるのがテロリストと一部の国の指導者たちの共通点。「平和共存」という言葉を避ける(嫌う?)というのも、両者に共通するようです。

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パリテロ後-第三次世界大戦勃発を防ぐために

2015年11月25日 | 国際・政治

パリのテロ事件以降、イスラム恐怖症を煽るメディアがやはりでてきているのですね。

ハフィントンポスト(2015年11月22日)
イスラム恐怖症を煽る報道がエスカレートしている。これは終わりにしなければいけない。http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/22/islamophobia-mainstream-media-paris-terrorist-attacks_n_8626560.html?utm_hp_ref=japan 

Fair Organization
Once Again, Media Terrorize the Public for the Terrorists
http://fair.org/home/once-again-media-terrorize-the-public-for-the-terrorists/ 

西側はマララ・ユスフザイさんを救済し、彼女にノーベル平和賞まで与えながら、ナビラ・レフマンさんは無視。ナビラさんのことをCNNやFoxは当然報じない。 

ハフィントンポスト(2015年11月25日)
"もうひとりのマララ"、「なぜ私たちを殺すの?」 米ドローンに"誤爆"された少女が訴える
http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/21/nabila-comes-to-japan_n_8616310.html?utm_hp_ref=japan
 

パリでは自分達の町は永遠であることを確認し合っています。 

BBC (2015年11月24日)
パリに捧げられたヘミングウェイ名作 市民の間で人気に
ttp://www.bbc.com/japanese/video-34907418
 

ヘミングウェイを読むのもよいですが、カミュの本も開いてほしい。
フランス人が自分の国をパラダイスと思うように、「パラダイス」とはいえないかもしれないにしても、自分達が愛した町を、自分達の国が破壊している現実も知り、そこで失われる無垢の人達の命や、国を出なければならなかった人達がいることにも気が付いてくれたなら。 

パリのテロ以降、マリやチュニジアの襲撃事件、ロシア軍用機をトルコが撃墜、各地でテロ予告・・・事態がますます悪化しています。 

しかし、10年前より、賢くなった人が増えているのだと、信じたいです。 

(蛇足ですが・・・ロシア軍用機を撃墜したトルコは、ISと戦うクルド戦線なども爆撃するという行為をしていますが、「トルコのエルドアンは実はISと一緒になって、オスマン帝国をもくろんでいるのでは?」と一瞬考えたりしてしまいました。
まあ、それはないにしても、ちょっと理解できない部分はありそうですね。 

AFP (2015年1月27日)
大統領のお気に入り?甲冑姿の儀仗兵が物議かもす トルコ
http://www.afpbb.com/articles/-/3037543 

映画『アラビアのロレンス』でも観ると何か見えてくるかも。) 

参考: 

「私は正義を信ずる。しかし正義より前に私の母を守るであろう」と言ったカミュのジレンマ
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/3ba9c08cb4f62c9261bc427b55de3769
 

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イスラム過激派テロは宗教テロか?-日独赤軍派との共通点

2015年11月22日 | 国際・政治

フランスのラジオで、オウム真理教の地下鉄サリン事件についての言及があったと、友人から聞きました。 

これを聞く少し前、私は911にテロ事件に遭遇したアメリカのティムさんと、テロ警戒レベルが(今まではされたことがなかった)レベル4に上げられたスウェーデンのモーガン君と、イスラムとテロについて話してきていましたが、そのなかで、 

「1972年に、イスラエルのテルアビブの空港テロの実行犯には日本赤軍の3人の日本人がが実行犯に加わっていました。彼らはすべてイスラム教徒ではありませんでした。それを今回思い出しました。」

と書いたのですが、今回のパリとテロ事件、これは私には、宗教テロというよりも、70年代の日本の赤軍、そしてドイツの赤軍派テロに近いものがあるように思えています。 

この1972年は、ドイツの赤軍も、パレスチナに同情してミュンヘンオリンピックのイスラエル選手に対するテロを起こしました。 

日本赤軍、ドイツ赤軍は、(正義のレジスタンス気取りで)アメリカやイスラエル、帝国主義の打倒を目指しましたが、彼らの行為は世界の人々に「共産主義は怖い」「アメリカや西側政府は正義」という感情を植え付け、結果的には赤軍派の面々が憎んだ相手にプラスの結果をもたらしただけでした。 

(なお、テルアビブの空港のテロ事件での死傷者73名のうち8割が巡礼で訪れていたプエルトリコ人。プエルトリコでは日本人を敵視する人達が増え、当時プエルトリコ在住の日本人は苦労したようです。) 

日本赤軍は2001年に解散、ドイツ赤軍は1998年に解散。

(ついでに言うと、イタリアにも赤い旅団という極左テログループがありましたが、彼らは1972年に解散。むしろ、彼らはCIAのグラディオ事件などで犯人に仕立てられてきました。) 

ご存じのように、日本赤軍も解散した2001年から、イスラム過激派の動きが激化しだしました。 

アルカイダやISのように、CIA、サウジアラビア、カタールが大元を作り上げただろうとするグループですが、それに賛同して入隊する人達は、赤軍派の面々と同じ(レジスタンス気取りから、大義名分を作ってうっぷん晴らしをする人まで様々でしょうが。)。 

先の話に戻れば、フランスのラジオが、オウム真理教のテロ事件に言及したのは、地下鉄などの化学兵器を使うことに絡めてでしょうが、もし、「宗教テロ」という面で共通性を訴えていたなら、それはちょっと違うぞ、と思います。 

(ただ、このまま泥沼化していけば、(今は一部のカトリック教徒とイスラム過激派しか唱えない)「ユーラビア構想(欧州をイスラムが支配)」を唱えるイスラム過激派が増えていくかもしれません。そうなると彼らは「宗教テロ」「宗教戦争」となって、もう手に負えなると思います。

イスラム教を侮辱したりむやみに怖がったり、武力で解決しようとすることは、その危険を加速させるだけにしか思えません。)

参考: 

ドイツ赤軍を描いた映画「バーダー・マインホフ・理想の果てに」予告編
https://www.youtube.com/watch?v=YdZ93YLzra8
 

ウィキペディア
日本赤軍
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%B5%A4%E8%BB%8D 

ウィキペディア
ドイツ赤軍
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%B5%A4%E8%BB%8D 

ウィキペディア
赤い旅団
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E3%81%84%E6%97%85%E5%9B%A3 

イタリアテロ事件とグラディオ作戦・主犯容疑者に日本国籍を与え匿った日本政府
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/429cd85503fa73320327e78720e661eb
 

オマケ: 

CLEAR AS MUD: Middle East Policy Confusing?
https://www.youtube.com/watch?v=ls_S6K_XaEk 

どっちに転んでも恩恵を被るのは軍需産業・・・ですね。

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旧宗主国とアフリカ・グローバリゼーションの条件

2015年11月21日 | 国際・政治

マリでまたテロ事件が発生しました。 

そして、ブルンジでは、政府がベルギーに反旗を覆しました。 

BBC(2015年11月20日)
アフリカのブルンジの与党・ベルギー人に退去勧告
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-34876777-bbc-int 

アフリカ中部のブルンジで治安が悪化するなか、同国与党のCNDD-FDDは19日、旧宗主国であるベルギー国籍の市民に国外への退去を勧告した。同党はベルギーが反大統領派を支援していると非難している。

ベルギー政府も先週、ブルンジ国内の治安悪化を理由に、「どうしても滞在しなくてはならない」場合以外は出国するよう自国民に求めていた。

ベルギー政府によると、ブルンジに滞在するベルギー人は500人ほどだという。

ブルンジでは、今年4月にピエール・ヌクルンジザ大統領が3期目を目指す意向を示して以来、反対派との対立が激しくなっている。すでに少なくとも240人が対立の犠牲となった。

現地で取材するBBCのロバート・ミシガロ記者によると、空港では大勢が出国する気配はいまのところない。ミシガロ記者は、CNDD-FDDによる今回の発表がブルンジとベルギー二国間関係の緊張をさらに高めると話す。

国連の安全保障理事会は先週、ブルンジで激しさを増す武力抗争を非難する決議を全会一致で採択した。フランスが提案した決議は、国連の平和維持部隊の派遣に道を開く内容となっている。

ブルンジの憲法は大統領の3選を禁止しているが、同国の憲法裁判所はヌクルンジザ氏の3期目就任を認めている。1期目が普通選挙ではなく議会による選出であるためカウントされない、というのがその理由だ。

7月の選挙では、ヌクルンジザ氏が票の70%を獲得して再当選した。 

私はいかなる場合もテロを非難します。 

しかし、一方、アフリカにおいて、何の権利があって欧米がその国の運命を左右するのだろう、と不思議に思います。過去を反省することもない。 

(アフリカについては)日本人が学校で学ぶことは少なくて、そして大人になってからもアフリカのニュースは欧米からの視点のニュースばかりです。
(これは、中東、中南米、中央アジア等についてもですが・・・) 

欧米の思いにならない政権の国は、「○○の北朝鮮」「独裁国家」と呼ばれ、その政府がいかに非民主的、時に残虐さをアピールされますが、関心をもって注意深く見れば、「実体はだいぶ脚色されている部分があるのでは?」「欧米から国を守るためには仕方がなかったのではないか?」と思うようになります。 

「中東の北朝鮮」と呼ばれる赤道ギニアもそうですが、悪名高きジンバブエさえも。 

私は「反グローバリスト」というわけではないですが、「各国(特に主要国)が世界の一員としての責任を持つ」ということ、そして、「人々が世界のことに関心をもって、公平に見ようとする」ことをしない限り、グローバリゼーションは、世界を破綻に導くだけなのではないか、と危惧します。 

ジンバブエといえば、こちらもどうぞ。

ジンバブエ、最悪の独裁といわれるムガベ政権と
欧米植民地主義の負の遺産
[橘玲の世界投資見聞録]
http://diamond.jp/articles/-/71245 

アフリカ諸国との格の違いを見せつけられたジンバブエ
http://gigazine.net/news/20120310-zimbabwe-us-dollar/ 

関連: 

フランスのマリ軍事介入とウラン
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/d0ad90c0eebc5a434920117488c548af 

ルワンダはルワンダに終わらず
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/27f926adcba6b111a72e26858805b648 

映画『U.N.エージェント』と『ホテル・ルワンダ』を
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/e87e5bef8b21f1adcc11da001ce239c0

南アが核放棄した理由
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/855cd9d5d738ecf954615c064230ec6a 

日本人にとってのアフリカ、心温まるウガンダの子供たちの動画
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/79138766149b8834857c2e9a5f247815 

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イスラム教徒の青年が作ったインタビュー動画 in NY

2015年11月20日 | Peace

イスラム教徒の青年が、金髪のかつらをかぶって非イスラム教徒の装いをし、「イスラム教徒についてどう思う?」とニューヨークでインタビューをして回ります。 

(インタビューを終えた後に、自分がイスラム教徒であることをインタビューした人に告げるオマケあり。) 

英語ですが、字幕もあるので比較的わかりやすいのではないかと思います。 

I hope many people watch this video!!! 

How New York reacts to a muslim , Amazing Reactions
https://www.youtube.com/watch?v=GEvojpq-1HE

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フィリピンAPECへの抗議デモ

2015年11月20日 | 国際・政治

フィリピンの反APECのデモ-日本でも英米でもデモを報じるメディアが少なく、デモを報じてもデモ隊の主張を取り上げていなかったりしていたり。
(英国のガーディアン紙はデモを取り上げていても、反APEC、反アメリカのスローガンについては触れていなかったのが、意外でした。)

フィリピンのデモがニュースとして面白くないのか、それともメディアの自主規制が働いているのか・・・。

BBC(2015年11月19日)
反APECデモ 首脳会議会場近くで警官隊ともみ合う
http://www.bbc.com/japanese/34865025
 

(前略)

デモ参加者らは、APECメンバーが形成する貿易圏が貧しい国を搾取しているとして、APECの仕組みを破棄するよう求めている。デモのリーダーのひとりであるレナート・レイエス氏はAP通信に対し、「APECと帝国主義的グローバル化は豊かな国を利しただけで、フィリピンのような発展途上国をさらに貧しくした」と語った。

騒動やテロなどを防止するためマニラ市内にはすでに数万人の兵士・警官が配置されていた。 

現場から――BBCニュース、リコ・ヒゾン記者(マニラ)

大きなプラカードを掲げたデモ参加者は「APECをつぶせ」「アメリカを倒せ」といったスローガンを唱えていた。

警棒や盾を持った数百人の警官がAPEC会場に近づけないようにしていた。

群衆を散らすため放水砲を装備した車両が配置され、警察はダンス音楽を大音量で流し、抗議の声をかき消そうとした。

(後略)

動画です。 

APEC首脳会議への抗議デモ、最終日も
Protest on final day of APEC summit

https://www.youtube.com/watch?v=34zo-rPJmKU

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ニューズウィーク『パリ同時多発テロを戦争へと誘導する未確認情報の不気味』 by 川上泰徳氏

2015年11月18日 | 海外ニュース・できごと

911の時の教訓からか、本当に危機が迫っているのか、西側メディアの報道が少しづつ変わっているように感じます。 

ニューズウィークは、もともとIS報道に関しては、客観的、フェアな記事を掲載してきていますが、先に紹介した酒井啓子氏のコラムに続いて、川上泰徳氏のものも、これも思い切ったものだと思います。 

ニューズウィーク(2015年11月18日)
パリ同時多発テロを戦争へと誘導する未確認情報の不気味
By 川上泰徳氏
http://www.newsweekjapan.jp/kawakami/2015/11/post-3.php 

パリ事件の前日のベイルート連続自爆テロ 

 フランスで約130人の死者を出した同時多発テロ事件の前日に、レバノンの首都ベイルートで連続自爆テロがあった。死者43人。私はその時、取材でベイルートにいた。ベイルートのテロは、南郊のシーア派地区を狙ったものだった。発生から3時間ほどの間にイスラム国(IS)による犯行声明がインターネットで出た。 

 現場は、シリア内戦にアサド政権支持で参戦しているシーア派組織ヒズボラの拠点がある場所であり、犯行声明でも「ヒズボラの拠点」と明示していた。現場から中継するレバノンのテレビでは、ヒズボラが標的になったということは強調されなかったが、犯行声明では特定していた。もちろん、死者負傷者は一般市民であり、ヒズボラ支持者とは限らない。無差別テロである。 

 パリの同時多発テロはさらに暴力的だった。レストランで銃乱射、競技場での爆発、コンサート会場での人質事件と立て続けに起こった。時間が経過するにつれて、死者が増えていった。ベイルートのテロに比べれば、何が標的なのか分からない全くの無差別的な殺戮だった。 

テロを喜ぶイスラム過激派系サイトのツイート 

 驚いたのは、事件が動いている時から、イスラム過激派系のツイッターアカウントで、「パリ攻撃万歳。今日は長い夜になる」などという攻撃を祝い、喜ぶようなツイートが次々と流れたことだ。「#パリは燃えている」というアラビア語のハッシュタグもできた。

 その中に、「パリ市民よ、あなたたちは自分の子供たちが殺されたことに衝撃を受けている。同じことを、あなたの軍隊がシリアの地で行っているのだ」というツイートがあった。殺戮と同時進行で、市民の無差別殺害を正当化しようとするアラビア語の文章を読みながら、救いのない気分になった。 

 私がツイッターの過激派サイトを開いたのは、ISによる犯行声明が出るかもしれない、と思ったからだった。しかし、未明になっても声明は出なかった。翌14日の昼ごろ、オランド大統領が「イスラム国による戦争行為だ」と宣言した。犯行声明も出ていないのに、イスラム国がやったという証拠があったのだろうか、と思っていると、しばらくして、ISの犯行声明が出た。 

犯行声明とは思えないISの声明 

 12日のベイルートの自爆テロでも出た青地に白抜きのアラビア語の文章など体裁は同じだった。ISの公式声明である。第1段落はコーランの一部の引用で、第2段落は「神が祝福する攻撃」など称賛や祝福の文章、第3段落でやっと具体的に襲撃について触れている。

 しかし、内容は「カリフ国の戦士がつくる敬虔な8人のグループが、自動小銃と爆弾ベルトを身に着けて、選別された標的を攻撃した。その一つは、ドイツとフランスの試合が行われていた試合場で、そこにはオランド(仏大統領もいた)......」などと、テレビが報じていることをただなぞっているだけだった。当事者しか分からない事実らしいものは何も見当たらない。声明は襲撃を礼賛、祝福しているだけで、とても犯行声明とは呼べないというのが、私の評価である。 

このIS声明では、ISが実行したという決め手にならない。オランド大統領は「ISによる戦争行為」を宣言しても、事件とISの関係について決め手となるような材料が示されたわけではない。にもかかわらず、大統領の宣言を受けて、フランス軍は14日からイスラム国への報復的な空爆を開始した。 

現場で発見されたシリア旅券を巡る疑問 

 その前後に、自爆した犯人の近くから、シリアのパスポートのパスポートが見つかったという報道が出てきた。後から捜査当局筋の情報として、そのパスポートの指紋や写真が名前のものと一致せず、真正の旅券ではない可能性があるという報道も出ている。 

 そもそもシリア人の自爆犯が偽のパスポートを持って攻撃に出るだろうか。イラクやシリアという国境も認めず、シリア政府も認めないISの戦士が、身分証明書であるパスポートを死ぬ時に身に着けるだろうか。私たちは「自爆テロ」と呼ぶが、本人たちにとっては「神の敵を倒すジハード(聖戦)のために命を捧げる殉教作戦」である。神のもとに旅立とうとするものが、パスポートを身に着けていくだろうか。それも偽物のパスポートを。 

(続きはリンクからどうぞ。) 

私は、今回のテロについて、今もなお「なぜ、メジャーなところを狙わなかったのだろうか?」という疑問をずっともっています。 

この説明として「サンドニやパリ10区11区あたりだと警備が甘い」「この地域だと移民がたくさんいるので、目立ちづらい」というものが挙げられていますが、これらは「銃撃や爆破をするけど、自分は生き残るつもりでいる場合」ならばそれで説明がつくのですが、自分の命を捨てるつもりであれば、むしろ観光客も多い中心や、裕福層が済む地域を狙うのではないか、と思うのです。 

川上氏が違和感を持った「ISの声明とオランドの発表のずれ」については、私はどうだったのかわかりません。が、いずれにしても早々のISの犯行発表、犯人情報、好材料がが次から次へでてくるというのは、3月のジャーマンウィングス航空機事故の時の副操縦士のことを思い出させます。

そして、テロ後のオランドのあまりに手順の良い行動。「シナリオができていた」と言ってもおかしくない気がするのですが、そう思う人は少ないのでしょうか。 

多くの人が亡くなる事故やテロでは、政府発表に対し、疑問を挟むことを自粛させる空気ができあがってしまいます。仮に疑問を挟むことが許されても、大抵の場合真実は明かされることはない。

せめて今、「テロに屈しない」という言葉で新たな犠牲者を出すことが、本当に良い事なのか、「新たな犠牲者を出さないことを優先する」ということが「テロに屈することなのか」を、多くの人に考えてほしいと思います。

良心的メディアには、今は本当に頑張っていただきたいです。

さて、テロとは違いますが、ジャーマンウィングスの事故にちょっとふれたので、検証している記事もついでに。 

Global Research (2015.5.11)
The Germanwings Crash: Claims of Co-Pilot ‘Suicide Rehearsal’ More Fantasy Than Fact
http://www.globalresearch.ca/the-germanwings-crash-claims-of-co-pilot-suicide-rehearsal-more-fantasy-than-fact/5448686

この事件も謎が多いままですね。 

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パリのテロと友人達・冷静な分析を始めた欧州のメディア

2015年11月18日 | 国際・政治

私のフランスの友人達のうち、パリおよび近郊に住んでいるのは2名。 

パリ近郊に住む友人の方は、ちょうどテロが起来た時間とほぼ同じ時間帯に私にメールをくれていたため、無事は確認できました。 

パリの左岸に住む友人の安全確認はちょっと時間がかかりましたが(彼女は英語が苦手なうえ、問い合わせメールがたくさん届いているだろうと、現在米国に住む彼女の弟さんに確認)、こちらも、彼女や家族、友人達に被害はなし。 

今年3月に書いた
欧州旅行に乗り気になれない理由、そして観光客激減のパリ
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/9feadb9e034c0edda96d60f686c13910
に登場してもらった、N氏のご子息はこの日サッカーを観に行こうと思っていたものの、仕事が忙しくてそれを断念して、無事。 

今回、フランスの友人達には、テロの被害者に対するお悔やみのメールを送りましたが、それ以上のことは書けませんでした。 

それは彼女たちがテロに対して強いショックをうけているからでもあり、そのうえ、オランド大統領の戦争宣言(実は中東アフリカをフランスは戦場にしているわけですが・・・)でフランスが今より一層危険にさらされる道を選んだということからでもあります。 

パリ在住の友人の弟さんからのメールの末尾の、
”Hope all is well on your side of the world.”
という1行を見て、彼への返事もどう書こうかとしばらく考えてしまいました。 

さて、現在私がフランスの友人達にお悔やみ以上のことを言えないのには、もう一つ理由があります。
それは、私が現在オランドがしようとしていることに批判的であり、もしかしたら何気なく書いた言葉にそれが現れてしまうことがあるかもしれない、ということ。

現在の日本や米国でのニュースを見ているかぎり、私のような意見をタブー視する人が増えてきている気がし、もしかしたら平和主義的だった友人達も敏感になっているかもしれない、と思うからでもあります。

しかし、一部の欧州メディアの客観性とフェア精神は、不滅のようで安心しました。 

IB Times(2015.11.17)
パリの同時多発テロ、空爆だけでは解決できない(Swiss.Info)
http://jp.ibtimes.com/articles/1610021 

パリの同時多発テロのショックから立ち直ったスイスのメディアは、16日付けの新聞で冷静に分析を展開した。大半が「テロを撲滅するには、シリア空爆などの軍事介入だけでは解決できない」と書く。さらに各紙の編集長は、「フランス及び欧州各国は、対イスラム国空爆に加わる有志連合の再定義を含む、息の長い本当の意味でのテロ対策を考えていくべきだ」と主張する。各紙の論説を拾った。 

 スイスの多くの新聞が、米英仏などのシリアへの軍事介入の「効果」に疑問符をつける。「敵は確かにイスラム国(IS)なのだろう。しかしフランスも加わる有志連合による空爆は、ISをシリアやイラクから追い出すには有効ではない。たった一つの解決策は、政治的な解決であって、それはアサド大統領の退陣だ。それが根源的な『悪』を断ち切ることになるだろう。ただし、悪という吸血鬼が新しく餌食を見つけるまでの間の解決だが…」と、フリブール州の日刊紙ラ・リベルテは書く。 

 チューリヒのターゲス・アンツァイガー紙も、ISによる西欧でのテロは軍事的な問題ではなく、政治的な問題なのだと言う。「2001年の9・11後の米国によるイラクへの軍事介入が、(歴史のアイロニーだが)ISの誕生を促した。だからこそ、戦争という美辞麗句を使う、ないしはそれを実行に移すには慎重でなくてはならない」 

フランスはすでに戦争に突入している 

 オランド仏大統領が「フランスは同時多発テロで戦争に突入した」と発言したことを受け、ル・タン紙は「フランスはこの13日に戦争に突入したのではない。この国は、アフガニスタンやシリアで、また11年にはリビアで戦争に参加し、13年には西アフリカのマリで軍事介入をしている。こうした軍事介入(戦争)こそが、フランスの旧植民地が抱える癒えない傷を背景としながら、イスラム過激派に対しフランス本土を、そしてその首都を、テロの標的にするよう差し向けている。空爆をさらに強化することは、解決には十分ではない。絡んだ暴力の糸を解いていくのは容易ではない。テロに対する勝利は、息の長い戦いになる」 

 左派の新聞のル・クリエはさらに強くこう言う。「空爆によって民主主義を押し付けようとするのは、限界がある。特に湾岸戦争のときのように、帝国主義的意図を内包してこうした空爆を行う場合はなおさらだ」 

解決策は? 

 では解決策に何があるのだろうか?「イスラムの国々の権力者たちは、単に今回のテロを糾弾するだけではなく、テロリストたちがどこにいるのか探し出す手段を講じるべきだ。また非難から逃れて今なおテロリストたちに資金援助を続けるサウジアラビアやカタール(この2国を挙げるだけにとどめるが)に対し、圧力をかけるべきだ」と論じるのは、トリビューン・ド・ジュネーブ紙だ。 

(後略)

フランスに住んでいる一般の人々、世界中の一般のイスラム教徒、フランスやアメリカの空爆を受けている国、ガザの人々、皆、誰も殺し合いなど望んでいない、「平穏な毎日」がほしいだけ、だと思うのですが・・・。

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ニューズウィーク『パリとシリアとイラクとベイルートの死者を慎む』 by 酒井啓子氏

2015年11月17日 | 国際・政治

オランド大統領や彼に賛同する人々、一般イスラム教徒をもテロリスト扱いする人々の面前で、読みあげてほしいコラムです。

ニューズウィーク(2015年11月17日)
パリとシリアとイラクとベイルートの死者を悼む
By 酒井啓子氏
http://www.newsweekjapan.jp/column/sakai/2015/11/post-948.php 

(前略) 

 パリでの惨事のあとに中東諸国で飛び交うツイッターやコメントのなかには、パリでの事件と、その前日に起きたレバノンでの爆破事件を重ねあわすものが多い。まさに「中東のパリ」とかつて呼ばれたベイルートの、にぎやかな商業地区二箇所で同時に起きた事件で、43人の死者と200人の負傷者を出した。シーア派イスラーム主義組織「ヒズブッラー」の支持基盤地域を狙ったものだったが、ここ数ヶ月激化している、「イスラーム国」とイラン革命防衛隊やヒズブッラー、イラクのシーア派民兵集団「人民動員組織」の間の抗争を反映したものだ。 

 ベイルートもパリも、「イスラーム国」との戦いの延長で、テロによる報復にあった。だが、その二つは受け取られ方の点で、大きく違う。 

 ひとつは、ベイルートでの事件が、欧米メディアのなかでかき消されていることだ。英インディペンデント紙の報道によると、「イスラーム過激主義の動向を懸念している国」リストのなかで、フランスとレバノンは同率2位(67%)である(1位は「ボコハラム」の攻勢に悩むナイジェリア(68%)だ)。中東の出来事だって、パリと同じく「被害者」として扱われてしかるべきなのに、という思いが、中東諸国だけではなく世界に広がる。アメリカの歌手、ベット・ミドラーは、こうツイートしている。「パリの事件も悼ましいが、ベイルートでの犠牲者も忘れてはいけない」。 

 ふたつ目は、フランスが「イスラーム国」との戦いに深く関与していることが覆い隠されていることだ。ベイルートで起きていることは「イスラーム国」の周辺として波及しても当たり前だが、遠いフランスは理不尽なテロに巻き込まれただけ、と思う。それは、違う。フランスは、堂々と「イスラーム国」との戦い(実際にはアサド政権のシリアとの戦い?)に参戦している。参戦して空爆でシリアの人々の命を脅かしているのに、フランスの人々は戦線から遠いところにいる。だったら遠いところから近いところに引きずりだしてやろうじゃないか――。犯人が劇場で、「フランスはシリアで起きていることを知るべきだ」とフランス語で叫んだのは、そういう意味ではないか。 

(中略) 

「イスラーム国」には誰もが頭を痛めている。なんとかしなければと、思っている。だが「イスラーム国」の「テロ」にあうと欧米諸国はいずれも、自分たちの国(と先進国の仲間)だけを守ることが「イスラーム国=テロとの戦い」だと線を引いてしまい、他の被害にあっている国や社会との連帯の声は、聞こえない。自国の利益を追求するのに、「テロとの戦い」という錦の御旗を利用しているだけだ。 

 そして「テロとの戦い」と主張してやっていることは、ただ攻撃と破壊だけである。攻撃のあとにどういう未来を、平和を約束するのかへの言及は、ない。反対に、同じ被害者である難民を拒否し、「テロ」予備軍とみなす。 

 「テロとの戦いで国際社会は一致する」というならば、その被害者すべてに対して、共鳴と連帯の手を差し伸べるべきではないのか。そうじゃなくとも、まずシリアやイラクやレバノンで紛争の被害にあっている人たちに対して、「被害者だ」とみなすことが大事ではないのか。もっといえば、自分たちの国の決定によって「被害者」になる人たちがいることに、目をつぶらないでいる必要があるのではないのか。 

 少し前まで私たちと同じように、普通に学生生活を送り、家族や友人と外食を楽しんでいた、「生きること」を楽しんでいた人々を、どうか国際社会が「被害者」から「テロ予備軍」に追いやってしまいませんように。

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テロを呼ぶオランド大統領・真の文明人とは

2015年11月17日 | 国際・政治

オランド大統領、1月のテロに続いて、今回のテロの後も大張り切り。まるで、911の後のブッシュ大統領のようです。

ブッシュと違うのは、「またフランスや欧州でテロが起きる」ということをアピールしていることでしょうか。

テロの多くが無垢の人に命を奪いますが、それは無垢の人達の命が失われることから始まります。
911でも、パリの被害者は無垢の人達。そして同時に、中東やアフリカで誤爆、巻き添えで亡くなる人達も無垢の人達。

この中での非欧米の人の命をまた奪おうとしているオランド大統領は、自分がテロを呼び寄せることを公言しているのです。(「シリアを空爆すればテロはなくなる」なんて思う人は誰もいないでしょう。)

文明人なら、「人間は平等で、命はかけがえのないもの」と教わってきたはずだ、と思いますが、これは一部の人によって塗り替えられてしまう。 

レバノン人、ジョーイ・アイユーブ氏http://wwf.panda.org/how_you_can_help/volunteer/volunteer/volunteer_stories/madagascar/toliara_coral_reef/joey_ayoub/
が、彼のブログでこう書いています。

HUMMUS FOR THOUHGT
A Politically Incorrect Blog by Joey Ayoub  
Beirut Paris
Nomember 14, 2015
http://hummusforthought.com/2015/11/14/beirut-paris/ 

(このブログの本文と日本語訳は、『村野瀬怜奈の秘書課広報室』で紹介されています。http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-6756.html) 

このブログ記事によせられたコメントには、以下のものがありました。 

I realised this a long time ago. I don’t know how often I have heard British news reports that prioritise one British life lost over hundreds of ‘others’: headlines like ‘hundreds of people are feared dead in a landslide, no Britons were involved’. 

The heart breaking photos of Aylan Kurdi moved many British people to action, but still refugees are turned away from Britain. Imagine if that had been a British child! The outcome would be very different! 

Our empathy with our fellow human beings is dulled by the sickness of Nationality. It seems that the less someone is ‘like us’, the less we care. 

「自分達と同じ仲間以外への関心、共感性が薄くなる」ということは、残念ですが、これは全人類共通すると思います。(メディアも人々の関心がないことを扱わない、ますます関心がなくなる・・・の悪循環。)

しかし、自分と違うコミュニティ、国が違う人、人種が違う、罪なき人々が殺されることを知れば、普通は殺された人々一人一人の人生、家族、友人、生活について思いをはせられる人間は少なくないはずです。いえ、「少なくないはずです」というより、それが文明人の証である思うのです。 

逆にいうと、文明人とは言えない人間が、自分達より劣っていると思う人達の人間性を否定し、奴隷にしたり、植民地にしたりしてきたわけです。

今でこそ、奴隷も植民地も(形の上では)ないですが、その代わり、その国を破壊し、多くの罪もない人達の上に爆弾を落とす。 

今回のパリのテロを受け、オランド大統領は、
「フランスは戦争状態にある。しかし、われわれは文明同士の戦争に関与しているわけではない。なぜなら、こうした暗殺者らはいかなるも代表していないからだ」
とも言っていますが、ISだけでなく、自分たち自身が文明人でないことを自覚してほしいものです。 

シリアはじめ中東やアフリカでどれだけの人を殺せば気が済むのでしょうか。
911の後、イラク戦争に反対したシラク大統領時代にはフランスにテロなど起こりませんでしたが、オランド政権はこの一年で大きなテロを2回も呼びこんでしまいました。

(テロがおこると勇ましい姿をアピールして支持率を上げるオランド大統領ですが、本当にフランス国民はそれでよいのでしょうか?) 

テロを根絶する第一歩は、一人一人が真の文明人として、世界で起こっていることを見つめること、そして、人間、人種、宗教、国籍が違っても、その人達には自分達と同じように血も流れていれば、感情、自尊心、そしてその人達の人生があることを忘れないこと、ではないかと思います。

 オマケ: 

文明人である人達の映像(そうでない人もいますが・・・) 

"HIJABI TERRORIST EXPERIMENT" in Germany [Social Experiment]
https://www.youtube.com/watch?v=hHuMONF5aYA
 

ドイツの街角で、わざと若い欧米系女性がイスラムの女性を罵しり、周りの人の反応を見るものです。英語字幕付き

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Blind Trust Project in Finland, Sweden, US and India・イスラム過激派はイスラム教徒の敵

2015年11月16日 | Peace

2015年2月に、カナダで行われたBlind Trust Projectを紹介しました。 

Blind Trust Project in Canada
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/fe089a60fe2b6efa03a20fccfc417938 

今回は、フィンランド、スウェーデン、アメリカ、インドのものを紹介します。 

Social Experiment: I am a muslim, hug me if you trust me (フィンランド)
https://www.youtube.com/watch?v=-3FMGZD3BV4 

Blind Muslim Trust Experiment - Stockholm (スウェーデン)
https://www.youtube.com/watch?v=W5DwStbT6rg 

Blind trust social experiment || NEW YORK(アメリカ)
https://www.youtube.com/watch?v=K3_eGgPTtos 

A Blind-folded Muslim Man From Mumbai Asked For Free Hugs. Watch How People Reacted.(インド)
https://www.youtube.com/watch?v=qIROq2znCoA 

イスラム過激派(およびそれを指揮している者たち)には関係がないのでしょうが、テロで被害にあった人達の中には、イスラム教徒や、上のビデオでハグをした人達も含まれている可能性もあります。

また、テロで犠牲になった方々やご家族ご友人の比ではないとはいえ、今回のようなテロ事件は、直接的な被害にあわなかったイスラム教徒たち、そしてイスラム教自体に大きなダメージを与えています。

そして、今回のテロは、移民受け入れを断ったり、中東での空爆激化の口実となるでしょう。 

(イスラム過激テロリストは、一般のイスラム教徒を苦しめています。これでメリットを得る人達もいますが、それが一般のイスラム教徒でないのは確かです。 )

以下のテレグラフの記事、そして、若い女性や子供も自爆犯に無理やり仕立てられている話もついでに。 

Telegraph(2015.11.15)
"Not in my name" - Muslims speak out against Paris attacks conducted in the name of Islam
Muslims have taken to Twitter to say "#IAmAMuslim and I condemn the Paris attacks" in order to show solidarity with France and that Islam is a religion of peace
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/france/11996902/i-am-a-muslim-paris-attacks-social-media.html 

Matome Naver(2015年1月12日)
酷すぎる・・・自爆ベストを着せられテロ犯にさせられる少女たち
http://matome.naver.jp/odai/2142103199934367901
 

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