Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

St.Ivesの二人

2009年06月27日 | 友人・知人

3月に、妹が「海外の文通相手が欲しいので、誰か紹介を」と言ってきました。彼女の家ではインターネットを繋いでいないため、japan-guide.comに、私が彼女のためのペンパル募集広告を出しました。

その広告を出してすぐ、在日パキスタン人の男性、ドイツの心理学者、マダガスカルの女性、在日オーストラリア人の男性等、様々な人からメールをもらったのですが、彼女がそこで選んだのは日本語も分かるパキスタン人の男性と、マダガスカルの女性。

ドイツの心理学者の男性トーマスさんは、書いてある内容が私の趣味や興味と非常に一致していたので、私が文通をすることにしました。

思ったとおり、彼とはとても気が合い、お互い忙しい時間を割いては意見交換をしていますが、日常的な会話を通して見え隠れするのは、彼と私が「人間の幸せとは何か」という疑問です。そして、彼は非常に自然や芸術、文学を愛します。

そして5月、あるひょんなきっかけで、私は英国のコーンウォール地方に住む英国人根付師のピーターさんとも友人になりました。

この男性は、コーンウォールのセント・アイブスというイギリス南西の海に面した芸術家の村に住んでいます。このセント・アイブスは、英国人陶芸家バーナード・リーチと共に濱田庄司が工房をもっていたところで、ピーターさんは彼らのことも研究しています。

ピーターさんは日本語は話せないものの、彼の日本に対する憧れは子供の頃から続き、そして若い頃、知人から嘗て日本大使をしていたというおじいさまのコレクション、江戸時代や明治の日本の根付を見せてもらってから、彼は根付師に転向したということです。

「イギリスとドイツ、住む世界や職業は違っても、二人は人柄や考え方が似ているな・・」そんな私は、そのうち機会があったら二人を結びつけようとたくらんでいましたが、まだお互いのことさえ、彼らに話してしていませんでした。

そんななか、今週初め、トーマスさんがメールに、「明後日からコーンウォールに旅行に行く」と書いてきました。

「まるで私のたくらみを察知したようだ」と私は興奮。いくら欧州内といっても、まさかトーマスさんが旅行先にコーンウォールを選ぶなんて!そしてセント・アイブスにも(当然ですが)行くといいます。

ただちにトーマスさんに返事、ピーターさんにメールを送り、二人を合わせる算段をしました。

結果は・・・残念ながら、今回ピーターさんが病気のため二人が会うことは叶いませんでした。しかし、これでお互いを知るきっかけができたし、Netsuke-sanと現地で呼ばれるピーターさんのことを、トーマスさんは何か聞いてこれるかもしれません。

ともかく、まだ私があったこともない何の繋がりもない二人の友人が、同時期に同じ村にいる、ということだけでも運命を感じます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

身体に優しい綺麗な色のアメ

2009年06月10日 | 雑感

先日Wall street Journal に、P.J.オロークという政治評論家が「ビッグ3が落ちぶれた最大の理由は、金融危機とか環境対応の遅れとか労組とかじゃなく、クルマとアメリカ人のロマンスが終わったから。自動車がわくわくドキドキの魅力を奪われ、洗濯機みたいに色気のない道具に落ちぶれたことが決定的にいけなかった。」と書いています。(前の要約文は毎日新聞の記事抜粋。原文は日本製品を元凶のように書いている。)

乱暴な意見だけど、これも一理あるのではないかと思います。

環境や売れることを考えると、省エネ、機能性の優れた上、コストを押さえた車が主流に。もちろん燃費は良くなった、エンジンも良くなったと消費者がありがたがる点も多いけれど、何か一つたりない・・・。それは夢、一種の遊び感覚でもあり、個性。

映画「アメリカン・グラフィティ」に出てくるような大型アメ車から、カブトムシ、今では大江戸博物館で飾ってあるものを見るくらいしかないようなスバルのようなクルマは「色気」がありましたが、今は大手メーカーはあまり「色気」には重点を置かない気がします。

これらのクルマのうち、大型アメ車などは確かに環境の敵。それが分かっていても、たとえば「身体に優しいノンシュガーで素朴なアメ」より、「合成着色料たっぷりで合成甘味料入りでも綺麗な色のアメ」を選びたくなるのと同じような愚かさを人間はもっていているのも事実。「身体に優しい綺麗な色のアメ」があれば問題ないのでしょうが、クルマではアメのようには簡単でない、というわけなのでしょう。

まあ、こうしたクラシックカーマニアはごく一部、といわれそうですが、クラシックカーまではいかない旧東ドイツの国民車がちょっと話題になった、というニュースも少し前にあったので、案外現在のクルマのような機能性重視より、「色気」を求める声は少なくないのかもしれません。

商品は本来消費者のニーズにあったものをキャッチして作り出されるのが本当ですが、競争が激しくなると、「色気」と「機能性・コスト」を天秤にかけ、「消費者が望む商品」を決めるのは作る側になることがあるようです。

消費者に「与えられた商品が自分達の求めていたもの」という錯覚を起こさせることは案外簡単なんでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ITERと第4世代核兵器開発

2009年06月07日 | 国際協力・プロジェクト

榊原英資氏が、「クルマは安全、健康、環境のキーワードすべてに反する。だから自動車の時代は終わった。GMの破綻はその象徴だと私は捉えている。」

「20世紀型はモノの民主主義の時代だった。21世紀は環境、自然、安全、健康に移って行く。これはある意味資本主義の成熟みたいなもの。」というようなことを言っていました。

私はこの自動車の話も極論だと思いますし、「21世紀が環境、自然、安全、健康に移って行く。これはある意味資本主義の成熟みたいなもの」というのを彼が本気で言っているとしたら、よほどおめでたい方だと思います。

「21世紀は環境、自然、安全、健康に移って行く」というのは理想とすべきですが、その動きは、それで利益を得られる人達がいるから発展させる、というのが事実に近いでしょう。

日、米、EU、露、中、韓、印の7ヶ国・地域が参加する「国際熱核融合実験炉(ITER:International Thermonuclear Experimental Reactorの略称。イーター」の建設が本格的に動き出したそうです。ITER機構では、6月5日に研究協力者の募集を開始しました。

http://www.naka.jaea.go.jp/ITER/iter/index.html

これは「環境、安全」に加えて「エネルギー問題」を解決するという名のもとに行われているプロジェクトですが、まさに上記の見本(利益を得られる人がいる)のような気がします。

ITERの安全面は強調されていますが、それに疑問を持つ人は多数。しかし、この問題以前に、核開発にかかわる問題(トリチウム拡散)も含んでいます。

ある学者が、日本へのITER誘致に失敗した後、こんなことを書いていました。

ITER本体を日本に誘致できなかったことはある意味残念だが、
ITER
誘致によって予算上も政策上も動けなかった我が国の核融合研究が復活した意義は大きい。」

下の文言は、フランス誘致するためにフランス人が書いたものだと思いますから、日本に不利にするために書いたものですが、そのなかで軍事利用についての危惧についてあげています。

「核兵器拡散情勢は数年前に比べ、はるかに複雑になり、今後は,熱核融合兵器技術、第4世代の核兵器の拡散問題へ、と質を変える。」

「日本には非核三原則があるので、核兵器は持たないはずである。しかし、核保有が潜在的状態から現実に移行するのは、民主的な決定過程には依らず、そこに技術があるからという事情が最もあり得る。」

確かに技術革新、協力-国家という枠組みを超えていく良い面もありますが、ITERがモノがモノのだけに、協力国以外にとっては権威にもなり、協力国同士であっても問題は出てきそうな気がしますので、これはしっかり注目していく必要があるように思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする