3月に、妹が「海外の文通相手が欲しいので、誰か紹介を」と言ってきました。彼女の家ではインターネットを繋いでいないため、japan-guide.comに、私が彼女のためのペンパル募集広告を出しました。
その広告を出してすぐ、在日パキスタン人の男性、ドイツの心理学者、マダガスカルの女性、在日オーストラリア人の男性等、様々な人からメールをもらったのですが、彼女がそこで選んだのは日本語も分かるパキスタン人の男性と、マダガスカルの女性。
ドイツの心理学者の男性トーマスさんは、書いてある内容が私の趣味や興味と非常に一致していたので、私が文通をすることにしました。
思ったとおり、彼とはとても気が合い、お互い忙しい時間を割いては意見交換をしていますが、日常的な会話を通して見え隠れするのは、彼と私が「人間の幸せとは何か」という疑問です。そして、彼は非常に自然や芸術、文学を愛します。
そして5月、あるひょんなきっかけで、私は英国のコーンウォール地方に住む英国人根付師のピーターさんとも友人になりました。
この男性は、コーンウォールのセント・アイブスというイギリス南西の海に面した芸術家の村に住んでいます。このセント・アイブスは、英国人陶芸家バーナード・リーチと共に濱田庄司が工房をもっていたところで、ピーターさんは彼らのことも研究しています。
ピーターさんは日本語は話せないものの、彼の日本に対する憧れは子供の頃から続き、そして若い頃、知人から嘗て日本大使をしていたというおじいさまのコレクション、江戸時代や明治の日本の根付を見せてもらってから、彼は根付師に転向したということです。
「イギリスとドイツ、住む世界や職業は違っても、二人は人柄や考え方が似ているな・・」そんな私は、そのうち機会があったら二人を結びつけようとたくらんでいましたが、まだお互いのことさえ、彼らに話してしていませんでした。
そんななか、今週初め、トーマスさんがメールに、「明後日からコーンウォールに旅行に行く」と書いてきました。
「まるで私のたくらみを察知したようだ」と私は興奮。いくら欧州内といっても、まさかトーマスさんが旅行先にコーンウォールを選ぶなんて!そしてセント・アイブスにも(当然ですが)行くといいます。
ただちにトーマスさんに返事、ピーターさんにメールを送り、二人を合わせる算段をしました。
結果は・・・残念ながら、今回ピーターさんが病気のため二人が会うことは叶いませんでした。しかし、これでお互いを知るきっかけができたし、Netsuke-sanと現地で呼ばれるピーターさんのことを、トーマスさんは何か聞いてこれるかもしれません。
ともかく、まだ私があったこともない何の繋がりもない二人の友人が、同時期に同じ村にいる、ということだけでも運命を感じます。