先々週は、訪問リハビリの看護師Tさんの月一度の訪問日でした。
彼女と話しているとき、好きな映画の話になり、Tさんが、「私『タイタニック』の映画、感動して4回も観に行ったんです。」と言いました。
お気に入りの映画でも、私が同じ映画を観に映画館に足を運ぶということはなかったので(付き合いで2回観に行くことになったことはあり)、その時は、「私の10歳上先輩で、とても仕事ができて尊敬していた女性が『トップガン』を何度も観に行っていって、意外だったんだけど、そこまでのめり込める映画があるって、すごいですね。『タイタニック』は、子供が生まれて以来初めて観に行った映画だったな・・。ファンは多いですよね。」とさらり。
私が『タイタニック』の映画について交わしたのは、、私のこの映画の評価自体はさほど悪くはなかったものの、①史実の大事故を悲恋を軸にしたこと、②映画の実験化(多分、エキストラなどCGを初めて使ってた映画だったと思う)、③映画の最初と最後の現代の探査船をわざわざ使う、という点で違和感があったからです。
まず最初の悲劇を悲恋物を軸にしたことについては、同じタイタニックを舞台にした映画でも、恋愛を描いたものもありますが、それはあくまで主ではありませんでした。
タイタニック (映画) - Wikipedia
私が見たことがあるタイタニック映画はおそらく3本。
キャメロン監督のもの以外には、
タイタニックの最期 - Wikipedia
SOSタイタニック/忘れえぬ夜 - Wikipedia
S.O.S. Titanic - Wikipedia
のうち2本(映画の区別つかず。)に観ている故、比べてしまいます。
今回の潜水艇の事故、今回の事故は、「単に金持ちの道楽が過ぎての悲劇」という論調の記事が気になります。
以下は2022年2月の記事ですが、今回事故でなくなった人には、「調査」として乗り込んでいた人もいます。アンダーラインの部分の、ラッシュ氏の発言のように、不謹慎な部分もたしかにあるのですが。
沈没したタイタニック号は現在“あるもの”に食べられている! - フロントロウ | グローカルなメディア (front-row.jp)
抜粋:
2021年にタイタニック号の調査に出た深海探査会社OceanGate社の遠征チームは、タイタニック号はさらに崩壊が進んでおり、特に劣化が進んでいるのは船首のほうだと報告。より壊れやすいマストは完全に甲板上に倒壊し、どんどん見分けがつかない状態になっていっているという。調査にあたったPH・ナルジュレ氏は、「一歩一歩、すべてが崩れていっています。来年にはきっと、何らかの変化が見られるでしょう」と語る。
OceanGate社のCEO兼創設者のストックトン・ラッシュ氏は、沈没しているタイタニック号について「赤やオレンジ、青や緑など、さびの色彩が本当に素晴らしい。浅瀬に沈んだ沈没船では通常見られないものです」とコメント。続けて、「タイタニック号のような色彩を持つことはあまりないのです」と、沈没したタイタニック号の知られざる一面を語った。
また、タイタニック号の周りには様々な深海生物がおり、サンゴはもちろん、奇妙なカニ、エビ、そしてグレナディアと呼ばれる膨らんだ目と信じられないほど長い尾を持つ巨大な深海魚が住み着いているそう。PH・ナルジュレ氏によると、「グレナディアはとても好奇心の強い生物で、潜水艦の近くまでやってきます」という。
ストックトン・ラッシュ氏は、タイタニック号は「深海のダイビングで最も訪問される沈没船のひとつ」であるにもかかわらず、研究者がまだ理解していない点がたくさんあると指摘。しかし、沈没したタイタニック号は非常に深海にあるため、技術的な問題でなかなか研究が進まないのだという。OceanGate社は、タイタニック号沈没の謎を解き明かすため、2022年にも再び調査にでることを自社のHPで発表している。
沈没当時1,513人が亡くなり、映画『タイタニック』でもその悲劇的な様子が描かれたタイタニック号。その犠牲を忘れないためにも、現在も様々な調査が行なわれている。
タイタニック調査は、米国にとってはDNA研究や宇宙探査にも関係するプロジェクトのようです。
キャメロン監督の『タイタニック』はその資金集めのためにも必要な映画だったのではないか、とさえ思ってしまいます。
今回の事故も、「単なる金持ちの道楽」ではない点をうやむやにしすぎるのはどうか・・・。
オーシャンゲートについての英文Wikipediaを、興味があればどうぞ。
OceanGate - Wikipedia
なお、犠牲者となったラッシュ氏の再婚した妻が、タイタニック号の被害者の玄孫であるとのことですが、それこそキャメロン監督の映画タイタニックの始まりと終わりに出てくる、ローズの子孫役(映画では、2000年にキャメロン監督と再婚した女優が演じています。
スージー・エイミス - Wikipedia
)
被害者のご冥福をお祈りいたします。
参考:
Stockton Rush - Wikipedia
ラッシュ氏の母方の祖父
Ralph K. Davies - Wikipedia
ラッシュ氏の妻の祖先は、こちらに書いたネイサン・ストラウスの叔父と叔母。
オットー・フランクとネイサン・ストラウス・Jr - Various Topics 2 (goo.ne.jp)
イジドー・ストラウス - Wikipedia
アイダ・ストラウス - Wikipedia
Isidor Straus - Wikipedia
こちらはタイタニックの被害者のDNA調査をしている学者さん。(被害者の特定)
Colleen M. Fitzpatrick - Wikipedia