Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

可愛い軍事ロボットを作る理由

2014年08月30日 | 武器輸出・TPP・モンサント・農薬

「ドラえもんのアニメがアメリカに上陸したのも、これと関係しているのではないかな」って気さえしてしまいます。

ニューズウィーク(2014829日)
軍事ロボットはキュートに
by シャノン・パラス(科学ジャーナリスト)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2014/08/post-3373.php


1年前、物理学者のダニエル・ゴールドマンからビデオが送られてきた。砂をかき分けて進む骨格だけの模型を撮影したもので、タイトルは「世界初のカメの赤ちゃんロボット」。

 ゴールドマンは、ジョージア・ウミガメセンターの協力でこのロボットを製作。目的は、ウミガメが前足を使って進むメカニズムを調べるためだった。

 もっともこの研究には別の目的がある。開発資金の一部を出したのは、米陸軍研究所のマイクロ自律システム・技術(MAST)連合。世界初のカメの赤ちゃんロボットの子孫は、米軍で活躍するかもしれない。

 MASTは08年以降、生物の動きを模倣した小型ロボットの開発研究に年間約700万ドルを投じている。例えばカリフォルニア大学バークレー校のロバート・フィアリング教授はその資金で、多足型の超小型ロボットを研究。尾を利用して急旋回できるテイルローチや、回転する3本の足で動き回る1STARなどがあり、大きさはどれも小さなネズミほどだ。

 ペンシルベニア大学のビジャイ・クマル教授は、動物の集団行動を軍事ロボットに応用するプロジェクトに取り組んでいる。

 軍隊が、愛らしいロボットに求める役割は何なのか。MASTのブレット・ピエカースキ局長によると、兵士の「仲間」だ。いずれは重さ100㌘ほどの手乗りサイズで、作業パンツのポケットに入れて持ち運びできるようになるだろう。

(中略)

 道具だけど「けなげでかわいい奴」。そんなロボットが今後、軍事システムに組み込まれていくのは間違いない。

 私たちは、軍の資金に支えられた世界に生きている。インターネットの基礎となった通信ネットワークARPANETも、米国防総省の高等研究計画局(ARPA)の資金で生まれた。ARPAは防衛先端技術研究計画局(DARPA)に発展し、ロボット開発に力を入れている。

 ただし私が最終的に気になったのは軍の関与よりも、自分自身の感覚だ。この記事を書くために私は1週間、MASTの資金で開発中の6足型ロボット「RHex」のビデオを見続けた。後方宙返りをし、ボールを追い掛け、雪の中を動き回る姿から目を離せず、いずれこれが兵器になるという事実は頭からすっかり消えていた。

 そう、キュートな動画や小ネタが氾濫する世の中では、「軍隊の影」は簡単に忘れられてしまうのだ。

前に、『アトム、ウラン、コバルトという名のキャラクターが愛された時代』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110417

に、

この子供向ヒーロー達の名前は、核や放射能(原爆、原発)に関係する名前で、エネルギー源は核融合ですが、考えてみればすごい(恐ろしい)ことです。

当時拒否反応を示した人たちがいなかったのでしょうか、ね。いたとしてもこれをアニメで放映した1963年から1966年には、アトム人気のせいもあって、人々にとって原子力でイメージするものは「原爆」ではなく「夢の世界を実現するもの」に変わっていったことでしょう。

と書きましたが、(特に実体がない漫画やアニメ等の)キャラクター、ヒーローとならんで、「かわいらしさ」は、人を洗脳したり煙幕になったりもすると思います。

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(新)素敵なペンプレンド達・海外文通をしてみては?

2014年08月27日 | 友人・知人

嘗て、『素敵なペンフレンド達・海外文通をしてみては』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20121214
でペンフレンド達をリストアップしましたが、残念ながらメールの返事がこなくなったり、双方でメールを書かなくなくなってしまった相手もいるので、整理の意味で―

まずは私の海外のペンフレンド達で、レギュラーベースでメールを交わしている人達です。彼らとは時々メールを皆でシェアしています。

アメリカ人、ティムさん
40代男性。日本語習得中。政治、経済、教育、近現代史の話が好き。日本のアニメファン。)

スペイン人、ベゴーニャさん
50代女性。芸術全般、伝統文化・芸能、歴史に興味あり。食べることが大好き。スペインと日本の橋渡しを目指す。来日5回)

イタリア人、クラウディアさん
50代女性。日本語習得中。日本のサブカルチャーと伝統文化、絵画、本、映画好き。社会、人間に興味あり。)

スロベニア人、Tさん
40代男性。歴史、伝統文化、武士道を愛す。社会派。来日多数。)

そして、最近また一人増えたのですが、

フランス人、Mさん
50代女性。日本語独学中。日本の伝統文化に強い興味を持ったことから、日本語の勉強を始める)。

不定期でメールを交わしている人達。

イタリア人、リアーナさん(50代女性)
イタリア人、ルイジさん (30代男性)
イタリア人、ファビオさん(40代男性)
フィンランド人、Jさん(40代男性)
ドイツ人、ブルクハルトさん(60代男性)
イギリス人、ピーターさん(50代男性)

※海外の友人でも、メル友ではない人は除外してあります。

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教養のシッポ2

2014年08月26日 | 教育

『リカちゃんハウス症候群』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20140813
『教養のシッポ
1
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20140819

を書くと同時に、海外、国内の友人・知人達に「あなたにとって、教養とは?」というものを聞いたり、ディスカッションをしてきました。

教養に含める科目の様なものは、広義と狭義で違うので、意見が分かれたりもしましたが、最終的にほとんどが言わんとしているのは、
「なんだかんだ言っても、教養は人生を楽しむためのスパイス」
 

回答のなかで印象に残ったのが、スペインの友人の、 

culture という単語には、「養殖、栽培」って意味もあるわよね」

 

という言葉と、フィンランドの友人の、 

「芸術を学ぶってことは大切。なぜかっていうと、芸術はただ一つの世界共通語」
 

また、これは日本人の20代の男性にその質問をした時の返事ですが、これも本質だと思えるので、紹介させてもらいます。

 

「自分の好奇心の幅を広げる心持ちと、他人の好奇心をつついてあげられる心意気。」
 

さて、一般的に言う教養ですがそれは確かに頭を柔らかくすると思うし、知らないだけで知れば面白いものもあると思うので、今関心を示さない人達、特に若者に一寸でだけもまず覗いてほしい、と私はやはり思います。

 

そうはいっても、「教養がある、ない」ということと「人の上下」は基本的に関係ないとも思います。

 

それは、「スポーツにほとんど興味がなくて、クラシックに詳しい人が上」といっているのと同じで、ナンセンス。

(この勘違いが、もしかしたら、『箔付けのための教養』『教養アレルギー』を生んでしまったのかな、って気もします。)

上の「教養って何?」の答えを見て、(狭義でも広義でもよいので)『教養』というものについて考えるきっかけにしてくれたら、うれしいです。

(個人的には、『広義の教養』というのは心を豊かにし、興味の幅を広げられ、異文化、異世代の理解に役立つ―自分の言葉で語ることができる源となるものすべてについていえると思います。) 

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武器商人とお仲間たちの倫理観※ブログ引っ越しの際文章後半消滅

2014年08月25日 | 武器輸出・TPP・モンサント・農薬

先日の『Police Militarization』のコメント欄に、以下のように返事を書きました。

先週、ニューズウィーク日本版でこの件が取り上げられていました。 

『黒人射殺事件で見えた警察の軍隊化』
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2014/08/post-3362.php

 

このなかには、

 

「犯罪率が近年で最低水準に下がるなか、警察は大量の武器を獲得し、何かにつけてSWAT(特殊部隊)投入などの手荒な手法を採用している。米自由人権協会(ACLU)によれば、1112年のSWAT出動の79%が家宅捜索だった。

 

過剰捜査は悲惨な結果を引き起こしている。10年のデトロイト市警のSWATによる家宅捜索では家屋に特殊閃光弾と防弾盾で突入。家にいた7歳の女の子が警官の銃をつかもうとして銃弾の犠牲となった。

 

 SWATが出動するのは、黒人とヒスパニック(中南米系)が住む地域に偏っている。具体的には、SWATによる捜査対象者の半数が黒人とヒスパニックで、出動件数の68%が麻薬捜査だった。麻薬捜査の実に6割で強行突入が行われ、死傷者まで出している。

 

 警察は新型の武器や車両に夢中だ。ニューヨーク・タイムズが述べるように、「SWATの活躍で、警官の格好や警察の自己イメージは変わった。警官募集ビデオには、警官が発煙弾と自動小銃を手に突入する場面が満載だ」。警察に武器という「おもちゃ」を与えれば、彼らは当然それを使って「遊ぶ」だろう。」

 

とも書いてありました。

 

前に日本でも、「原発をテロから守るために、原発警備員に機関銃を」などと言っていた民主党時代の内閣官房参与もいましたが、自民党も民主党もバックには重工業産業界がくっついています。

 

日本では今のアメリカのようなことは起こることはないでしょうが、海外輸出だけでなく、国内でも理由をつけて武器の需要を増やしたりしないように、国民の監視が必要ですね。

 

さて、タイミングよく(?)今朝のウォールストリートジャーナルには、こんな記事がありました。

 

ウォールストリートジャーナル (2014825日) 

オピニョン 日本企業が武器輸出で世界に追いつくためには?

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204431804580112421673795544?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst

 

安倍晋三政権は今年、日本の防衛産業に課されてきた厳しい輸出規制を緩和した。物議を醸したこの決定により、三菱重工業など日本企業が大きな利益を受ける時代がくる可能性がある。ただ、うまく進めなければ大きな問題にぶつかることになろう。

 

 日本では1967年に国会が武器輸出を制限して以降、ほぼ半世紀にわたり企業が海外で武器を販売することが禁じられてきた。1976年にはこうした制限が実質的な全面禁止となったが、国内では三菱などが着実に成長を続ける自衛隊向けにヘリコプターや戦車、戦艦、戦闘機、航空機エンジンなどを生産していた。

 

 日本製の軍事機器は、例えば米国製よりもしっかりとした造りで、技術の信頼性も高く価格も適正だと評価されている。とはいえ、米国やロシア、フランス、さらに韓国や中国などの企業が支配する海外市場を、日本企業は傍観するしかなかった。

 

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教養のシッポ1

2014年08月19日 | 教育

ソレを「ある?」と聞かれて「あります」と答えられる人が何人いるだろうか。「ある」と言うと嫌味だけど、「ない」と言い切るのも少し寂しいような。あるいは、「私にはありますよ」と言った時点で、ソレが「ない」ことになるのでは。そもそも、ソレの定義は何なのか。

わかりにくい書き出しですみません。でも、「ソレ=教養」って非常に難しいテーマだと思いませんか。人によって見方が違うし、だいたい「キョウヨウ」なんて口にするのすら恥ずかしい。下手に書けば「偉そうに」と言われそうだし、欧米の事情を紹介することで「西洋かぶれした輩(やから)だ」と思われるのも困る。

こんな文から始まる、Asahi Globeの特集(郷富佐子記者、築島稔記者による2009年、イタリア、米国、日本での聞き取りを使った特集)がありました。

「教養」のシッポはつかめるか?(全5回)

[1] ソレって「ある」?、それとも「ない」?
http://globe.asahi.com/feature/090126/side/01.html

[2] 読むべき1冊はなにか?
http://globe.asahi.com/feature/090126/side/02.html

[
第3回] 「多様性」と「他文化理解」
http://globe.asahi.com/feature/090126/side/03.html


[
第4回] シッポはつかめたか?
http://globe.asahi.com/feature/090126/side/04.html

各地で聞いてみた。「教養って何ですか?」

http://globe.asahi.com/feature/090126/side/05.html


「教養」というのは、一般的に、「芸術や文学の嗜みや興味があり、知識が豊富であること」というようなイメージがありますが、教養って、そんなに単純なものではないと思います。

いくら絵画、クラシック音楽を愛そうと、本を読もうと、博士号をとろうと、語学が達者だろうと、それで「教養がある」ということにはならないでしょう。

以下、特集の最後、「各地で聞いてみた。「教養って何ですか?」」にある回答からいくつか貼り付けます。

「高校時代までのように本を丁寧に読めば身に付くものではない。自分だけの意見や視点を外へ伝えるために必要なもの」
(イタリア、スクオーラ・ノルマーレ・スペリオーレ3年、21歳)

100年、1000年たっても変わらない価値観。それを身につけるためには好奇心と異文化への柔軟性が必要」
(イタリア、スクオーラ・ノルマーレ・スーペリオーレ学長)

「頭脳への投資。知り、理解し、考えたことを相手に伝えられること。そのためにはコミュニケーション能力が必要」
(イタリア、中部ピアチェンツァの古典高校校長)

「幅広い分野の新しい知識に興味を持ち、学びたいと思う姿勢」
(英国グレシャム・カレッジ学長)

「異なる学問の分野や文化をばらばらでなく、結びつけて考えられる力。それによってより大きな全体図が見えるからね」
(英国、グレシャム・カレッジ聴講生、30歳)

「新しい考え方にオープンで、最も重要で逆説的なのは、自分の知識が足りない、と認識していること」
(米国、ハーバード大2年、19歳)

「興味のあることを吸収して、いろいろな状況に対応できること。自分のいる世界を外から見られること」
(米国、ミドルベリー大3年、20歳)

「不確実さを楽しんで、人生に対して新しい答えを持てるよう、絶えず新しいものの考え方を歓迎すること」
(ハーバード大エクステンションスクール生、27歳)

「精神の筋肉を鍛えること。人間を理解し、自分の文化とともに他者の文化も正しく理解していること」
(米国、ミドルベリー大学長)

あなたにとっての、教養って何ですか?

私は上記の言葉には皆頷きながら読みましたが、この中の5番目(グレシャム・カレッジ30歳)については、強く共感します。

物事も知識も、1点だけ見ているのと、10点を見ているのとは見解は変わってくるし、たとえば、一見何の脈絡がないと思っていたものとの関連を発見したときの喜び、そしてそこから物事をより深く知ることができます。

これは、古典を原著で読んだことがなくとも、クラシック音楽が苦手な人でも、感じたことがある人は少なくないのではないでしょうか?

逆に言うと、このような「シナプスの刺激を体験できない人」は、結果、「人間力」「思考力」が鍛えられない人、ということで、いくら難しい書物を読んだり、知識があっても、その人にとっては、それらは「教養」ということになっていないと私は思います。

言い換えれば、教養とは「引き出しを持ち、それを活用(人と共有も)できる力」とでもいいましょうか。

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Police Militarization(警察の軍事化)

2014年08月16日 | 海外ニュース・できごと

米国の警察が軍隊並に武装化されてきた…という話は前からあったと思いますが、今回のファーガソンでの非武装の黒人の若者が警察によって射殺されたことよりも、それに反対するデモ隊に対する警察の写真を見て、ショックを受けているアメリカ人たちがいます。

ファーガソンのデモでは、ニュースレポーターを逮捕したり、催涙ガスをアルジャジーラのクルーに浴びせかけたということもあったそうです。

毎日新聞 (2014816日)
<米国>黒人抗議デモ拡大 背景に「警察の軍隊化」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140816-00000026-mai-n_ame

 【ニューヨーク草野和彦】米中西部ミズーリ州セントルイス近郊ファーガソンの警官による黒人青年射殺事件で、黒人らの抗議デモが拡大したことについて米メディアは、重装備の警官隊がデモに過剰対応したことも要因と指摘している。2001年9月の米同時多発テロ以降、連邦政府の支援で警察が軍隊並みに武装化されてきたことが背景にあり、今回の事態は「9・11後遺症」とも言えそうだ。

 「昨夜は一人の逮捕者もいなかった」。15日、事件現場近くで記者会見した州警察高速道路パトロール隊のジョンソン隊長が強調した。州知事の指名で、14日夜からデモ対応の責任者となった地元出身の黒人警官だ。デモ参加者と一緒に歩き、市民からは抱擁と歓声で受け入れられた。

 地元警察のそれまでのデモ対応は、装甲車が出動し、防護服でガスマスクをした警官隊が攻撃用ライフルで参加者を威嚇。火炎瓶攻撃には、催眠ガスやゴム弾で反撃し、市民の一層の反発を招いた。

 米メディアによると、こうした装備の購入には政府機関からの助成金が使われている。国土安全保障省だけでも03~12年、テロ対策の装備費や訓練費として、セントルイス地域の警察など法執行機関に8000万ドル(約82億円)以上を支給した。

 また国防総省は1990年代から、余った軍備品を警察などに提供していたが、アフガニスタン戦争(01年~)、イラク戦争(03~11年)を受け、その規模も拡大。地方の警察に対しては「めったに起きないテロの脅威をはるかにしのぐ規模で、装備や資金が投入されてきた」(ニューヨーク・タイムズ紙)のが実態だ。

(後略)

米国および軍需産業が盛んな国は他国への軍事介入をしたがったり、内戦に口をはさんだりしますが、「正義のもとに」を使いながら、軍需産業は大儲け。

戦争がなくなると、同盟国に押し付けるだけでなく、武器を国内の警察等にも売ることは「想定内」。
(チトー政権下の旧ユーゴスラビアでは軍需産業が盛んでした。内戦ぼっ発は、これとは無縁でない気がします。)


国民を守る警察が国民に武器を向けることは、「想定外」だったのでしょうか。

ところで、私が見落としただけかもしれませんが、日本でのファーガソンの事件の扱い(日本語版の米国のニュースなども)で警察の武装化について触れているものは、毎日のこの記事だけだったかもしれません。

コメント (6)
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リカちゃんハウス症候群

2014年08月13日 | 教育

私が幼かった頃、持っていた着せ替え人形で遊ぶとき、筆箱をナプキンで包んでベッドに見立て、消しゴムのまくら、ハンカチの掛布団。カーペットはタオル。テーブルはお菓子の箱・・・等々、いろいろ知恵を使って遊びました。

そのうち父が『リカちゃんハウス』なる、バッグを娘達に買ってきてくれました。

このバッグをあけると、ファンシーな小部屋に変身。ソファーやテーブルのミニチュアもあります。

当初はこれをたいへん喜んでいた私や姉妹ですが、すぐに飽きて、再び家具や布団を自分で工夫して遊びだしました。

外国製のミニチュア家具、箱庭などは、幼かったときから私には魅力的にうつりましたが、発泡スチロールで作られたようなソファーなどより、筆箱や空き箱の箱で遊ぶ方が楽しかったからです。

 

さて、どうしてこんなことを思い出したかというと、ここ数年、気になることがあるからです。

 

それは、日本において読書好きは昔に比べて減っていないと思うのですが、若い人で、『ベンチャー企業の社長や有名人の哲学書』の類ばかり読んでありがたがっている人が増えていると感じることです。

 

(これは、実は若い人に限って言えるわけでもなく、たとえば、自分と同じ意見を言う人を信望し、その人達が書いた本やウエブサイトをバイブルとするような人は、中高年にもいるようです。)

 

それは、出来合いのリカちゃんハウスで遊ぶのと、ちょっと似ているな、と思います。

読んだ意見を自分の意見のように言えば、ちょっと格好よいかもしれないですが、オリジナル性がなく、画一的。

 

また、以前、「外国に興味がある」「外国人の友人がほしい」と言って、英語を一生懸命勉強していた大学生の男の子と話したことがありますが、 

「語学の上達は、話すことがあってのこと。世界共通となる、文学、芸術、映画のことは、ある程度知っていると、話題もつながりやすい。」 

という話をしたところ、彼は、

 

「日本のアニメや漫画、ポップカルチャーは凄い。今は、国際的に有名な絵画、本を知らなくても、日本のサブカルチャーの話で海外と盛り上がれる」と、大真面目に持論を展開しました。

 

彼が言っていることと「リカちゃんハウスで遊ぶことと一緒」という話は関係がないようですが、大変勿体なく思える点では同じです。

 

リカちゃんハウス的なもの、テレビのヒーローもの武器の模造品で遊び、そしてテレビゲーム三昧だった子たちと、60年代に子供だった私の年代と、価値観、考え方は違っているのは仕方がないことでしょう。

 

が、世界共通の常識となることに無関心で、自国のサブカルチャーや自国のベストセラー、他人の哲学しか語れない人は、能力ややる気が空回りしているようで、残念だな、と思います。

 

以下、『エコロジカルインテリジェンス』(by川上武氏)さんが書いてくださっていることに、私は同感です。 

リンクと抜粋を二本貼り付けさせてもらいます。

 

(川上さん、承諾を得ていませんが、すみません。)

 

若者よ、本を読め- それは《古典》だ。 

http://samuraicolumn.blog109.fc2.com/blog-entry-95.html

 

(抜粋)

 

「今後の日本が迎えていくであろう社会においては、深い思考力が必要になるはずですが、それには歴史、人類の考えてきた思考の歴史-哲学思想、社会経済政治問題に対する深い理解を得るための、社会科学系の勉強がこれまで以上に重要なものになるはずですが、これまた政府の政策からして手薄状態で、現在の教育をうけている子供たちは、世界に進出していく際には、正直犠牲者となるはずです。」

 

「世界の教育状況を見渡してみて感じることは、哀しいことに、二極分化が今後ますます加速していくだろうと言うことです。 オルテガが言及した《大衆》という群集と、人類の知的遺産をしっかりと受け付きながら、次の知的ステップへと発達していける人々に、これまで以上に急速に二分化していると思います。 一方では、まともに考えられない大衆という群れと、しっかりと考えられる人々の群れに分かれていくと思います。哀しい事実ですが。 」

 

音楽や絵画や写真を聴いたり見たりすること教養の基礎です。 

http://samuraicolumn.blog109.fc2.com/blog-entry-99.html

 

(抜粋)

 

「ところで、最近の子供たちと話をしていて気付くことは、趣味らしい趣味も特にない子が多いような気がします。 思春期時代でしたら、誰でも音楽などを聴いているかと思いきや、そうでもないようです。暇なときは何をしているかと聞けば、ボッーとしていたり、ネットでゲームをしたりしている子が目立ちます。洋楽などを聴いていたり、洋画などを見ていたりする子は、珍しい部類ではないでしょうか。 


 
クラシック音楽など学校でも指導すると思うのですが、これまたほとんど有名な作曲家の名前すら知りません。有名な画家の名前などまず無知です。
 
日本の学校教育では、音楽や美術は、情操教育の一環として指導していたようですが、この分野においても、最近の子だもたちは、一部の専門的な指導を受けている特殊な子供たちを除けば、無知蒙昧の状態にあるのではないでしょうか。そんな感じがします。

ヨーロッパでは、自由七科とは、人間を無知蒙昧の奴隷状態から解放し自由にすることから、このような呼び方がされてきたわけです。ですから、現在でも、ヨーロッパの伝統的な大学、教育ではこの自由七科いわゆるリベラル・アーツが大切にされているのです。リベラル・アーツを軽視してきたのは、戦後の日本の大学が駄目になった大きな原因です。 リベラル・アーツなどを芸術などと訳したり、その程度に理解しているから、教養などという、人としての基本的素養ができないのです。」 

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売買春を奨励する英エコノミスト誌ーアングロサクソン資本主義者たちの本音

2014年08月11日 | 経済

エコノミスト誌も、地に落ちたものです。

JBpress (201489)
売買春:個人の選択に委ねよ
(記事:英エコノミスト誌の翻訳)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41452

インターネットにより、売買春はより手軽で安全なものになりつつある。禁止しようとしている各国政府は、考えを改めるべきだ。

街頭に立って客を探す売春婦。売春婦をひっかけようと車を流す男たち。胸や尻の写真が貼り付けられた電話ボックス――。その破廉恥さは、各国政府が昔から売春の禁止、あるいは認可された売春宿や「売春容認地域」への囲い込みを試みてきた理由の1つにすぎない。

 この問題に関しては、「ニンビー」(地域エゴ)的な心情を持つ人々が、売春をする女性は罪人だと考えるピューリタン、さらには売春婦は犠牲者だと考える世間知らずの慈善家と結託している。

 だが、現実はもっと複雑だ。確かに売春従事者には、人身売買や搾取、暴力に苦しめられている者もいる。こうした犯罪の加害者については、その罪を裁き、刑務所送りにしなければならない。だが、男女を問わずこれに従事する多くの者にとって、性労働はその名の通り、単なる労働だ。

(中略)

各国政府は、この機会をとらえて政策を見直すべきだ。部分的にせよ全面的にせよ、売春を禁止する措置は、当然予想できることだが失敗に終わっている。特に売買春の根絶には全く役立っていない。米国では、ネバダ州を除き、売春は法律で禁止されているが、やや古い数字によれば、その取引金額は全米で年間140億ドルに上るという。実際にはそれ以上であることはまず間違いない。

 より最近の数字によれば、売春自体は合法だが売春のあっせんや売春宿が禁止されている英国の場合、売春ビジネスを国内総生産(GDP)に加えると、最低でも53億ポンドの増加になると推計されている。

 さらに、売春の禁止はおぞましい結果をもたらしている。社会の辺縁で生きる被害者には法の正義を求めたり法に守られたりすることが少ないため、売春婦に対する暴力が看過されてしまうのだ。性産業が一部合法化され、その極めて限定的な合法部分がとかく注目されがちなオランダやドイツといった国は、セックスツーリズムの問題に悩まされている。

 売春の禁止がうまく機能しないことから、先進諸国は新たな施策を実施する道を探っている。これはすなわち、売春ではなく、買春の違法化だ。この制度は1999年にスウェーデンがいち早く導入し、ノルウェー、アイスランド、フランスがこれに続いた。カナダも同様の方針で法律の改定を進めている。

 欧州議会は、欧州連合(EU)全域での「スウェーデンモデル」の導入を求めている。米国でも、推進派が同様のアプローチを取るよう声を上げている。

(中略)

2003年から2009年にかけて、屋内での売春が当局の意図しないところで合法化されたロードアイランド州では、レイプの報告件数と淋病の発症数が急激に減少した。

 各国政府の好むと好まざるとにかかわらず、売買春のオンライン化は進んでいる。政府がその変化を妨げようとすれば、悪影響が生じるだろう。実際、売買春の根絶という非現実的な目標のせいで、現代の奴隷制(多くの活動家には売春目的での不法移民と一緒くたにされている)や児童売春(児童のレイプを助長する金銭授受と表現するほうが適切だろう)といった真におぞましい問題から当局の注意が逸らされている。

 各国政府は、このような犯罪の抑止と処罰にこそ重点を置くべきだ。そして、成人が双方の合意のうえで売買春を望んでいるのなら、オンラインで安全かつ内密にことを進めるこれらの人々に干渉するべきではない。

7,8年前、零細~中小規模の法人の顧客がメインの会計事務所の仕事を少しだけ手伝ったことがありました。

このとき、顧客であるホテルで未成年の売春が行われていたという情報が警察に寄せられたとのことで、売上伝票のチェックを依頼されたことがあります。

当時は忙しかったこともあって、ついつい、 

「なんでこんな時に・・・。 

売春より政治家たちがしていることでも捜査すればよいのに。売春・買春、買春者の奥様や恋人にとっては裏切りだけど、本人同士が割り切っているのであれば、これは商取引でしかないのでは。」

 

なんて言ったりしていました。

が、その後、昔身近だった人々(海外出張に行くような仕事をしている人達)が、出張先で、買春、もしくは接待で女性をあてがわれる(この場合、断る人がほとんどであると信じたい・・)というようなことが当たり前に行われていたということを耳にしたこと、若い女性、子供をだましたり誘拐したりして、売春を強要する組織のことを知り、考えが180度変わりました。
 

組織的犯罪に巻き込まれて売春をしていない人達だって、生活のために売春、もしくは風俗産業で働いているのであって、喜んでその仕事に従事している人は本当に一握りだと思います。
 

「春を買う人がいるから、人身売買組織という犯罪があるのだということ(買っているのはエコノミスト記者のなかや、取材先に少なくないでしょう。)」さえ分からない輩には、前述のことなどわからないでしょうね。
 

そして、このエコノミストの記事を書いた人は、生活保護を申請にしにきた若い女性に向かって職員が「春を売りなさい」と言っている場面を目にするようになっても、違和感は持たないことでしょう。
 

(筆者とこの記事を載せたエコノミストは、橋下徹以下の気がします。)
 

参考:

 

タイ人女性との苦い想い出、橋下市長の従軍慰安婦発言 

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20130514 

橋下氏慰安婦発言、そしてウクライナの女性親子を助けたイタリア人家族の話 

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20130516

先進国に未だ存在する奴隷、スウェーデンとオランダはどちらが『高度な民主主義国家』か? 

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20130729 

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「歴史上の人物で好きな人は?」に答えられない日本人

2014年08月08日 | 異文化

「歴史上の人物で、あなたのヒーロー、ヒロインは誰ですか?」
こんな質問をスロベニアのペンフレンドTさんから受けました。

Tさんは日本の戦国時代のファンでもあるので、「伊達政宗、武田信玄、源義経」をあげました。

そんな彼は、日本で織田信長に人気が高いことを知っていて、
「織田信長は自分が知っている限りでは残酷でわがまま。日本人のヒーロー像って、自分が考えるものと違うのか。」
と不思議に思っているようでもありました。

それに対して私は、

「日本の武将など特段好きな人はいませんが、好きではない武将としては、信長、秀吉、平清盛がいます。これはあなたと同じでしょう?

信長が日本人に人気があるのは、日本人が強いリーダーを求める傾向があること、彼が早死であったこと、あの時代にあって一際個性的、身分で人を見ることをしなかった、・・・と言われていること、などのための気がします。

そして、「信長が好き」という人が多い(小泉元首相なども、「信長」が好きで、「信長気取りでした。」)ので、それにつられて・・・ということもあるのではないかと思います。
信長のほかに、坂本龍馬なども上位にあがりますね。

私は、ヒーロー、ヒロインという人はいないですし、日本の歴史上の人物で取り立てて、という人はいないのですが、たとえばイタリアのイザベラ・デステ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%86

など、女傑と言われた人達(他、エカテリーナ二世、マリア・テレジア等)が素晴らしいと思います。」

と答えました。

「あなたにとって、ヒーロー、ヒロインは?」という問いは難しいので、「あなたが好き、尊敬する歴史上の人物は?」と形を変えて、アメリカ人のティムさん、スペインのベゴーニャさん、イタリアのクラウディアさんに質問したところ、ティムさんはジョージ・ワシントンをあげ、ベゴーニャさんはイザベル1世、クラウディアさんは「昔ローマ皇帝、Marcus Aureliusが好きだった」と答えてくれました。

しかしまあこの質問、家族と日本人の友人4名に振ってみるものの、皆そろって名前があげられません。

息子に同じ質問を小学生のときにしたら、「平賀源内」とすぐ返ってきたのに、今はノーコメント。
今回も、唯一回答してくれたのは、友人が質問してくれた彼女のお嬢さん(高校、大学を海外で過ごし、今は社会人)だけ。

これは私も周りの日本人がたまたまそうなだけかわかりませんが、そうであっても、日本人って、こういう質問に答えるのが苦手な人が多い気がします。
もちろん、歴女の我が姉のように、聞けばすぐ答えがかえってくる人もいると思いますが。

これは英語が全く話せないわけでもないのに、完璧な英語じゃないと人前で話すのを恥ずかしがって一言も口にしない人が日本人に多いのと、根は同じではないでしょうか。

また、「本当に一番好きな人はだれかを答えなくては」と生真面目に悩んだり、「どういう人の名前を挙げればCoolか」(=結果、人気ランキング上位の信長と竜馬、もしくは大河ドラマの主役の名を挙げる人が増える)と考えてしまう場合もあるでしょう。

ベゴーニャさんのイザベル1世好きは前から言っていたので確かなんですが、ティムさんとクラウディアさんについては、「本当に一番か」と聞かれると、そうではないと思います。

「本当に1番」を答えることより、「会話の成立、発展」が彼らには大切。

今回、「本当に思いつかない」「私は歴史は苦手なの。質問する相手を間違っているわ」と言ってきた日本人の家族、友人の返事を聞きながら、ちょっと残念に思ってしまった私です。

(歴史的人物というのは観方によって悪人にも善人にもなるので、答えづらいということは理解しつつも、その条件は外国人の友人達にとっても同じ。)

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田母神氏と行くイスラエル国防視察団(ガザ殺戮視察団では?)中止を!

2014年08月06日 | 国際・政治

今朝の東京新聞に、「ガザ攻撃の非難の中 田母神氏とイスラエル国防視察」という記事があって、目を疑いました。

ネットで調べてみると、福岡県郷友連盟のHPに以下のような案内が。 

http://fukuoka.goyu.jp/archives/2014/07031155.html

 

 日本において、いよいよ集団的自衛権行使について閣議決定がなされました。

 

 中東では不安定な国々が争っていますが、その中でも三千年以上の流浪の民族が近年建国したイスラエルの国防に学ぶところが多々あると思います。

 

 つきましては田母神俊雄団長(元航空幕僚長)のもと、自衛隊のOB並びに民間の防衛問題にご興味のある方を誘ってイスラエル国防視察団を下記の通り計画しております。

 

 まだ最小催行人数に達しておりませんので、皆様の積極的なご参加をお願いいたします。

 

http://fukuoka.goyu.jp/archives/2014/08051712.html

 

まずお願いからです。現在最小催行人員に4名達しておりません。  追加募集を8月8日(金)まで延期いたしますので、参加を検討されている方は、この場で参加表明をお願いいたします。 

 

今回の国防視察団旅行の最終判断は主催者が今月8日(金)にイスラエルの情勢と参加人員を考慮して実施することになりました。

 

  現在、外務省が出しているイスラエルの渡航情報はガザ地区及びその境界地区を除いて渡航可能となっております。

 

ガザで多くの2000人近くのパレスチナ人がイスラエルによって殺されているとき、こんなツアーを催行する―ガザの犠牲者を冒涜しているし、下手をすれば日本人がイスラエル政府の味方だととられかねないと思います。

(イスラエル政府にも利用されるでしょうし、日本人がテロに巻き込まれる可能性もつくります。)

 

田母神氏は「イスラエルは反中」と言ってお気に入りのようですが、田母神氏、ツアー主催会社、参加者、そして外務省、無責任すぎます。

 

そして田母神氏とツアーとツアー参加者は、ガザ空爆されるのを、ポップコーン片手に観に行く人間となんらかわりありません。

 

「イスラエル国防視察団」?「イスラエルガザ大量殺戮視察団(応援団)」の間違いではないでしょうか。

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バーナード・リーチとバハイ教

2014年08月05日 | 人物

先日、スペインのベゴーニャさんのお嬢さんとメールを交わしていました。

美術史を大学で専攻している彼女は、おばあ様、そして母親であるベゴーニャさんの影響もあってか、日本の絵、工芸品、寺院も大好きです。

そんな彼女に、

「東洋と西欧のアーティストの架け橋ともなったような、現代のバーナード・リーチになってね」 

とメールの終わりに書きました。

 

さて、このバーナード・リーチはご存じでしょうか。

 

イギリス人の彼は、1887年香港に生まれ、出産時に母親を亡くしたため、当時日本に暮らしていた父方の祖父母のもとで幼少期を過ごしました。

 

その後、10歳にイギリスに戻るものの、学友から中国人の別称でからかわれ、いじめにも会いました。彼は外見はイギリス人でありながら、中身はもう東洋人といってよかったのかもしれません。

 

そんな彼が20歳の頃に通ったロンドン美術学校で、留学中の高村光太郎に出会い(リーチが小泉八雲の本を読んでいたのがきっかけだったらしい)、2年後には日本に再び渡り、上野に住み、そこで柳宗悦(生涯の友)はじめ、白樺派の若者たちと知り合いになりました。

 

その後陶芸家となり、人間国宝となった陶芸家の濱田庄司とともにイギリスの南西部にある芸術家の村、セントアイブスに窒をもつことになります。

 

そして、生涯、欧米の陶芸家を育てていきました。

 

と、簡単に話せばこんな感じですが、詳しくはこちらをどうぞ。

Online ジャーニー 

東西の融合をめざした旅人 

バーナード・リーチ 

前後編

 

http://www.japanjournals.com/index.php?option=com_content&view=article&id=565:2011-01-24-16-09-31&catid=66:great-britons&Itemid=105

 

http://www.japanjournals.com/index.php?option=com_content&view=article&id=574:2011-01-24-16-09-31&catid=66:great-britons&Itemid=105

 

さて、このリーチですが、今回改めて見てみて、彼が、50代にバハイ教の信者になったというのに気が付きました。

 

バハイ教というのは、19世紀半ばにイランから生まれた宗教ですが、これはカルト宗教ではなく、戒律がなければ儒教に近いのではないでしょうか。 

(それにしても、19世紀半ばに、しかもイランでこんな現代できてもおかしくない教義が生まれるとは驚きです。)

 

ウィキぺデイア バハーイー教 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%BC%E6%95%99

 

抜粋:

 

この他宗教を排除しない寛容な思想の影響もあり、相手を改宗させる目的での布教活動は禁止されている。

 

人類の平和と統一を究極の目標とし、真理の自己探求、男女平等、一夫一婦制、科学と宗教との調和、偏見の除去、教育の普及、国際補助語の採用、極端な貧富の差の排除、各国政府と法律の尊重(暴力革命の否定)、アルコールや麻薬の禁止などの教義、戒律を持つ。

 

さらに、『うろー』さんという方のウエブサイト 

http://uro.sblog.jp/modules/tinyd7/content/index.php?id=3 

の説明によると、

 

バハイ国際共同体は1948年以来、国連NGO(非政府機関)としては最も多くのスタッフを擁する機関として、平和問題、人権問題、経済・社会問題、環境問題などの面で積極的に活動をつづけてきている。現在、ニューヨークとジュネーブの国連内部に事務局を置き、その他の諸都市の国連機関にも代表を送っている。

 

バハイ国際共同体は、つぎのふたつの機関の諮問機関として意見を述べている。 

・経済社会理事会(ECOSOC 

・国連児童基金(UNICEF

 

と書いてあります。

 

イランでは実質禁止されている宗教ですが、今の時代だからよけい注目を浴びるかもしれません。

 

Wikipedia Bahá'í House of Worship 

http://en.wikipedia.org/wiki/Bah%C3%A1'%C3%AD_House_of_Worship

 

バハイ教であろうと私は宗教には一切入信するつもりはないですが、宗教と宗教の対立が激しい現在、民主的な国中心にここの信者は増えていってもおかしくないと思います。 

(それにしてもバハイ教、儒教と同じように、哲学、論理だけに留めておいちゃいけないのでしょうか、ね。)

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他者感覚

2014年08月01日 | 雑感

 「他人の痛みを感じられる人間になってください」
このセリフ、高校の卒業式に学年主任が卒業生に送った言葉です。

その学年主任は私にとってそんなに近い存在ではなかったのですが、18歳の私に大きく印象を残しました。

その頃の私は、「人が嫌がることはしない」というのはすでにモットーにしていましたし、「人の不幸や悲しみに同情して泣く」という体験もしてはいました。が、「他人の痛みを感じられる人間」という言葉は、当時の私には新鮮に聞こえたのです。

これ、たとえば感じるのは「痛み」でなくても「喜び」でもよいし、それを「相手の立場にたつ」ということに発展させてもよいと思います。

これがいわゆる丸山真男が言ってきた『他者感覚』なんでしょう。

さて、『他者感覚』について、ヘッドハンターの兼本尚昌さんという方がビジネスにおいての視点で以下のものを書いています。

ヘッドハンター兼本/ビジネスウォッチ
コミュニケーション能力について(他者感覚をもっているか)
http://headhunter.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_39ed.html


抜粋:

今回は「他者感覚」であるが、この意味は常に交渉相手の視線、立場、状況を意識してコミュニケーションとれるかということをさす。 「できる」といわれるビジネスマンはこの「他者感覚」に優れた方が多い。 逆に、「他者感覚」がない、もしくは弱い方で、「仕事ができる」という人には出会ったことはない。当然、これは本人の自己評価とは全く関係ないといえる。

 では「他者感覚」とはなんなのであろうか。 実は、これは具体的にネガティブ・リスト化してみると分かりやすい。 例えば、お互い初めて同士の打ち合わせをする場合の調整作業の際などがそうだ。「他者感覚」のない方の場合、打ち合わせ場所、時刻、リクエストが相手の状況を全く考慮せずに調整を進める場合が多い。ひどいケースの場合、日程を打診されているにも関わらず連絡もせず、いきなり当日になって連絡してくるケースもある。(それすらない、というケースもあるが、これはもう論外といえる)

実はこれを読んでふと思い出したのが、実は先日読んだ、MATCHAの鳥井さんのブログ。

隠居系男子
時間を守るという最低限のルールを守れなければ、「その次の次」へは進めない。
http://inkyodanshi21.com/lifestyle/5226/


「時間を守る」ということも、やはり、相手の立場に立つから自然にできることだと思います。
つまり、
『他者感覚』を持っている人はマナー、エチケットは自然に身に付いて、反対に、他社感覚を持っていないほど、エチケットが守れないということなのでしょう。

そういえば、『他者感覚』が大きく欠落している人は、自己愛が強くて攻撃的だったり、自己中心的、それか逆に無気力か、どれかだったことに気が付きました。

これ、対個人に限らず、対国についても言えますね。

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