Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

スペインにある9条の碑、そして思うこと

2014年05月29日 | 社会(歴史・都市計画含む)

スペインのカナリー諸島のテルデ市に、憲法9条のモニュメントがあります。

全日本民医連のHPに、写真家の山本耕二氏の記事がありましたので、そのリンクと説明部分の抜粋を。

http://www.min-iren.gr.jp/syuppan/genki/2011/232/232-01.html 

日本から遠く離れたテルデ市に憲法九条が掲げられているのには訳がある。

 

 一九八二年にスペインはNATO(北大西洋条約機構)に加盟したが、スペイン全土で加盟反対の運動が盛り上がった。テルデ市は当時の市長、議会が反対を表明して非核都市を宣言した。

 

 その後、市長となったアウレリーノ・フランシスコ・サンチャゴ氏は、日本国憲法第九条に示された「戦争放棄」を知って感動し、一九九六年、ついに「ヒロシマ・ナガサキ広場」をつくり、スペイン語の「九条の碑」を掲げた。落成式には、日本総領事や在留日本人も出席し、広島・長崎市長のメッセージも届けられた。サンチャゴ市長はさらに平和市長会議のメンバーとなり、二〇〇八年に開かれた九条世界会議の国際賛同人になったのである。

 

このモニュメントのことは、はるか昔にTVで見て知っていたのですが、ふと思い出し、「そういえば、スペインベゴーニャさんは、これを知っているのだろうか?」と思って、ベゴーニャさんに送りました。

 

以下は、『9条の会』の英語バージョンから見つけたものです。

 

ARTICLE 9 HONORED IN TELDE, LAS PALMAS IN SPAIN

 

Telde is the second largest city on the Canary Islands, Spain located between the European continent and the northwest coast of Africa. One of Christopher Columbus' ports on his first trip to the Americas in 1492, Telde has reflected on history, war and peace.

 

In the 1980s, a strong civil movement organized itself to call for the closure of US military bases in Spain. As the country was joining NATO, the city opposed the move by declaring itself a nuclear-free zone.

 

In 1996, with the support of both government and opposition parties, Telde inaugurated the Hiroshima Nagasaki Square. Located near the city's Secondary Education Center, which includes peace, solidarity, mediation and conflict resolution in its curriculum, the Hiroshima Nagasaki Square is a statement in favor of youth education for peace and for a nuclear-free world. 

 

Inside the park stands a monument honoring the Japanese Constitution's renouncement to war and and its prohibition of the maintenance of any war potential. The full text of Article 9 is inscribed in Spanish.

 

In 2008, Telde joined Mayors for Peace - an initiative launched by the mayor of Hiroshima by which cities work at raising international public awareness regarding the need to abolish nuclear weapons and contribute to the realization of genuine and lasting world peace. As of October 1, 2010, membership stood at 4,207 cities in 144 countries and regions.

 

これを受け取ったベゴーニャさん、 

「全く知らなかった。 こんな動画を見つけたけど、とても感激的だわ。」 

と、20113月に、広島の被爆者の方々が現地にいらしたときの式典の動画リンクを送ってきてくれました。

 

Nueve supervivientes de Hiroshima visitan el municipio de Toledo 

http://www.youtube.com/watch?v=Twgq52cNFes&feature

 

彼女には、このリンクの御礼とともに、少し前に読んだバルカン半島の洪水被害の地域(記事はセルビアのこと)で、約20年前まで殺しあったり、今も憎しみあっている国の人達が助けあう記事、

 

IPS (2014.5.21) 

Balkans: Floods Reunite Former Yugoslavs 

http://www.ipsnews.net/2014/05/balkans-floods-reunite-former-yugoslavs

 

も送り、

 

「平和を愛する人が世界中にいるのに、平和を維持することがこんなに困難、というのは、不思議だわ。」 

と、半ば嫌味をこめての言葉で結びました。

 

9条が完全というわけではないし、戦争、人との殺し合いは、もう大昔からDNAにすりこまれている人間の性かもしれません。

 

しかし、少なくとも20世紀以降の戦争は、『武器商人(国も)』のためだけでなく、戦争で儲かる人達が言う『正義』に基づく戦争があまりに多く、命を失うのは、まったく無関係な人間。

 

「温暖化や環境」にも最悪(武器を作ったり、実験をしたりでどれだけ資源を使ったり、CO2を排出しているのか。)でも、これもOK。

 

進化した人間ならば、この不条理さに、気が付いてしかるべきだと思うのです。 

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『ロミオとジュリエット』と″Roman Holiday″

2014年05月26日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

先日から、ベゴーニャさん(スペイン人)、クラウディアさん(イタリア人)が、ひょんなきっかけで『ロミオとジュリエット』について話をしだし、そこから『シンクロニシティ』や『悲恋もの』についての話になっていきました。

『ロミオとジュリエット』はシェークスピアでおなじみですが、この大元は伝承話やギリシャの古典。

1530年にこれを物語にしたルイジ・ダ・ポルトは、ウーディネ(Udine)での自分の悲恋話とこの伝承話を重ね合わせ、舞台をベローナに移して、これを書き上げました。Luigi da Porto ウィキペディアhttp://en.wikipedia.org/wiki/Luigi_Da_Porto ) 

また、スペイン版ロミオとジュリエットと呼ばれる、『テルエルの恋人たち』という話もあるそうです。 

これは貴族の悲恋ものという点では『ロミオとジュリエット』と重なる部分がありますが、内容は大きく変わります。

が、この話も、スペインでの悲恋の実話を元にしてあります。

 

さて、ロミオとジュリエットを、これを現代に移して作られた映画が、『ウエストサイド物語』。

 

「悲恋話より、ハッピーエンドに終わる恋愛映画の方が私は好みだけど、この『ウエストサイド物語』、そして『ローマの休日』は、私の大好きな映画です。」 

と、私はこれを書いたのですが、ここで私に疑問が発生。

 

オードリー・ヘップバーン初主演のこの『ローマの休日』ですが、実は原題は、“Roman Holiday”なのです。 

日本語のタイトル名を英語に訳すなら、“Holiday (Vacation) in Rome”。

 

Roman Holiday”ですと、これは『ローマ式休日』という意味になり、その古代ローマの時代には休日に奴隷たちを戦わせて楽しんだことから、“Roman Holiday”は、『他人の犠牲においての娯楽を楽しむこと』という意味を持ち、それはまた『楽しいスキャンダル』となったりすると聞いたことがありました。

 

が、この辺、私は本当にこれが現在も英語圏の人達に浸透しているのかどうかわかりませんでした。

 

なので、アメリカ人のティムさんに、 

「“Roman Holiday”について、私たちに説明してくれません?もともとはバイロンの詩からできた言葉のようですが・・」 

と振ったところ、彼は以下のように説明してくれました。

 

There is completely different expression "Roman Holiday" that is similar to the German "Schadenfreude".  In this case it meant during the time of the Roman gladiatorial games there would be public holidays.  However, similar to profiting from others misfortunes in schadenfreude, this meant people didn't work because people were going to be killed or hurt in the games.

 

It is from Byron's, "CHILDE HAROLD'S PILGRIMAGE" 1812-1818 

http://www.gutenberg.org/files/5131/5131-h/5131-h.htm

 

CXLI.

 

He heard it, but he heeded not?his eyes 

Were with his heart, and that was far away; 

He recked not of the life he lost nor prize, 

But where his rude hut by the Danube lay, 

THERE were his young barbarians all at play, 

THERE was their Dacian mother?he, their sire, 

Butchered to make a Roman holiday? 

All this rushed with his blood?Shall he expire, 

And unavenged??Arise! ye Goths, and glut your ire!

 

(なお、アメリカ人のティムさんも、この言葉とバイロンの詩の関係は今回初めて知ったようでした。)

 

ところで、この映画の題名、 

イタリアでは、“Vacanze romane”と原題の直訳になり、スペインでは、“Vacaciones en Roma”と、日本のタイトルと同じようになるようです。

 

追記:このあと、「ローマ(Rome)とロマ(Roma)」、そして「ジプシーを現す言葉としてのロマ(Roma)と国名ルーマニア(Romania)の関係」について、話が進んでいますが、これはまた別の機会に書かせてください。

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『ゲシュタポ・地獄の追跡ホロコーストの子供たち』、知識人だったムッソリーニの過ち

2014年05月18日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

現在、GYAOで、第二次世界大戦時、欧州各地からのユダヤ人の子供がオーストリア、クロアチア、スロヴェニア、イタリアを経由してスイスに逃げ延びた史実を元にしたイタリア映画(もとはTV映画)を配信しています。(無料。64日まで) 

『ゲシュタポ・地獄の追跡ホロコーストの子供たち』 

前編 http://gyao.yahoo.co.jp/p/00938/v00258/ 

後編 http://gyao.yahoo.co.jp/p/00938/v00259/

 

この映画の題名はおどろおどろしいですが、原題に基づいた英語の題名は『Hidden Children』。

 

映画はもちろん脚色が大いに加えられ、恋愛とコメディの要素も含んでいたりするし、出演者皆が皆(ドイツ軍将校まで)イタリア語をしゃべるという、ナチスドイツを扱った映画では異色の映画です。

 

正直に言うとこの映画、「映像や出演者(なぜか主人公はドイツ人俳優。吹き替えかもしれませんが、彼もイタリア語を話しています)は良いと思うけど、ストーリーは都合良すぎるし、映画としてはどうかな?」と思ってしまいました。

 

一番違和感を覚えたのが、出てくるイタリア人が逃げていくユダヤ人を身を張って助けたり、「イタリア人は人種差別をしない誇り高き国民」というようなことも言ったりする場面があったりするところ。

 

「これって、イタリアの国粋主義者が作った映画?いつの映画?」 

と、いぶかったりもしてしまいました。

 

しかしながら、映画の描写は行き過ぎだとしても、ムッソリーニが元々ヒトラーの人種隔離政策に批判的で、1934年にはこんなことを言っていたのも確かなのです。

 

彼らの言う人種はどこにいる?アーリア人とやらがどこにいる?それは何時から存在した?そもそも存在するのか?空論、神話、あるいはただの詐欺か?…我々は既に答えを知っている。「そんな人種は存在しない」と。様々な運動、物珍しさ、麻痺した知性…。我々は繰り返すだろう。「そんな人種は存在しない」と。

ただ一人、ヒトラーを除いては。

 

そして後に、ドイツとの友好関係保持のためイタリアもユダヤ人に対して人種法を制定しましたが、ファシストのなかでもこれが評判が悪かったのも事実。

 

さて、ムッソリーニですが、日本や世界で思われているほど、本国イタリアでは『犯罪人』扱いはされていません。

 

ムッソリーニは、鍛冶屋の息子として生まれ、乱暴者ではありましたが成績優秀、向学心もあり勉強家。(一般的な意味での)教養も深く、多くの国内外の政治家、知識人、芸術家たちとも親交を深めてきた人でした。(彼のこうした面はチトーと類似。残念ながら器が違ったんですね。)

 

「もし、イタリアが加わっていなかったら、ドイツは戦争に勝っていたかもしれない。こんどは日本とドイツで組もう」 

などと、イタリアの無能さを揶揄するジョークがありますが、実はイタリア人にしてみれば、 

「ムッソリーニがナチスドイツと同盟を結ぶという過ちを犯さなかったのなら・・」というところでしょう。

 

ところで、この映画で、ユダヤの子供たちがドイツの支配下の土地から脱出し、最初にたどり着いたイタリア支配下の土地が、現在のスロヴェニアの首都リュブリャナでした。

 

この映画を観てから、旧ユーゴスラビア、特にスロヴェニアに注目していろいろ調べていたのですが、偶然にも、一昨日、スロヴェニアの40代後半の男性から文通申込みのメールが入ってきました。

 

(私は欧州出身か、欧州に興味がある同世代の新しいペンフレンドの募集広告を、japan guideに載せていましたが、このペンパルサイトでスロヴェニアの人と知り合うことができるとは期待していませんでした。)

 

「何かに強く興味を持つと、それについて情報を持っていたり、同じ興味を持っている人と近寄ってきてくれるものだ」 

と改めて思います。

 

・・・話がいつも脱線してしまいますが、もし戦時下のイタリアに興味がある人は、映画をご覧ください。 

(子供が多く出てくるためか、あまり残虐な場面は出てきませんので、ご安心を。) 

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英訳できない外国語のイラスト化30

2014年05月16日 | 異文化

ここのところ、「本当に嫌な世の中になってきたな・・・」と思うことが多いです。

そんな気分を吹き飛ばしてくれる、面白い記事のリンクをアメリカ人のティムさんが、私、イタリア人のクラウディアさん、スペイン人のベゴーニャさん他に送ってきてくれました。

Bored Panda 

30 Untranslatable Words From Other Languages Illustrated By Anjana Iyer       http://www.boredpanda.com/untranslatable-words-found-in-translation-anjana-iyer/

これは、「英訳できない外国語の単語をイラストで表したもの」です。

このなかのイラストの色使いがレトロ調(杉浦非水のもので、似たような色使いのものがあります。)で、ちょっと楽しめますので、どうぞ。

しかしながら、イラストはともかく、取り上げられている日本語の単語、「なんでこれを選ぶの?」というものや、説明に違和感があるものもあったりします。

紹介されている日本語の単語には、『木漏れ日』『バックシャン』『あわれ』『積読』『教育ママ』『あげおとり』『わびさび』というのがありますが、『バックシャン(英語のbackとドイツ語のschoen)』 はもう死語に近いでしょうし、『あげおとり』なんて、私は聞いたことがありませんでした。 

(『あげおとり』は2012年のイギリスの新聞でも、「翻訳できない言葉」として紹介されていたようです。しかし、現代に使うことはないと思うんですが・・・ね。)

 

これは、イタリア語、スペイン語の単語も同様らしく、クラウディアさんは、 

As for the Italian ones, the meaning of GATTARA is correct, but I was surprised about CULACCINO because the common use is different. It is true that it can also have that meaning, but usually with CULACCINO we mean the ending part of a salami or a sausage. 

と、CULACCINOについて訂正し、

 

ベゴーニャさんは、 

About the Spanish word, I still wonder why they selected "friolero"...WHYYYY?!?? xD 

と、「なんでこの単語?」と不思議がりました。

 

更にベゴーニャさん、 

「ゆかり、わびさびの説明が、これではわからないから説明してくれない?」 

と私に質問。

 

うーん、難しいことを・・・。

 

さて、イラストや言葉と言えば、 

先々月、フィンランドのペンフレンドのユーハさんが送ってきてくれた、外国語についての漫画のリンクも貼り付けましょう。

 

http://imgur.com/QFm6SCE

 

これは、フィンランド語の複雑さを自虐的に描いた漫画ですが、Japan-ball君にも登場してほしかったです。

 

なお、この漫画の作者に他意はないと思いますが(とはいえ、北欧人のなかでドイツ嫌いの人もいるのも事実)、ドイツの友人達に送れないと思って、皆に送らずにいたものでした。が、アメリカ人、イタリア人、スペイン人には問題がないので今回思い出して送ったあものですが、多言語に囲まれている彼らにとっては、面白かったようです。 

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ドラえもんの米国進出、ポップカルチャーの日本化

2014年05月11日 | 異文化

ドラえもんは、アジア、中南米、中東、欧州ではイタリアやスペインなどで放映されていますが、「のび太は弱虫でドラえもんを頼ってばかり。ドラえもんものび太を甘やかしている。これは米国の子供たちに悪影響を与える」と言われ、米国では放映されてきませんでした。

今回、ドラえもんが米国で放映されるようです。

Japan Today (2014.5.11)
Japan to export Doraemon to U.S.                                 http://www.japantoday.com/category/entertainment/view/japan-to-export-doraemon-to-u-s

米国も少子化で子供を過保護にする親も増えてきているということも聞いたことがありますから、『ドラえもん』を観て文句を言う親や教育者の心配もいらなくなったということでしょうか。

ま、『教育に悪影響』と言ってはいても、実際には単に「視聴率が取れないだろう」ということで放映を見送っていただけでしょう。

ところで、昔は、「欧米では女性やキャラクターに『可愛さ』というものは求められない。」ということが言われ、日本およびアジアの好みの違いていましたが、今や欧米でも、サンリオのキティ、大きな目をしたロリータ風の女の子が出るアニメが大人気。

そしてこれはまあマニアックな人限定かもしれませんが、可愛い系アイドルのコンサートに、50代くらいの小父さんまでが嬉しそうに駆けつけたりしています。

欧米の人の好みが、日本の漫画、アニメの進出によって日本化したのか。

Globalization イコール Americanization というのが実態と思うことが多いですが、漫画、アニメ、キャラクターに関しては、Japanization が優性なのかもしれませんね。

蛇足ですがもう少し。

スペインのベゴーニャさん、昨年東京に滞在したときに、「姪たちのお土産に、ポニョ(宮崎アニメのキャラクター)の絵が付いたバックを買ったの。とてもかわいいわよね?」と言っていて、ちょっと答えに窮しました。

私も彼女と同じくジブリファンではありますが、トトロ以降の宮崎アニメの小さい女の子のキャラクターの外見は、ちょっと蛙に似ていて、日本的可愛さとは違うように思っています。 

(メイや千尋はそれでも可愛いと思えますが、ポニョは日本人では苦手な人がいるかも。)

 

これ、宮崎駿が、海外に進出するための、計算だったのでしょうか。

 

ポニョのバッグの話をしたすぐあとに、ベゴーニャさんが、スペイン版リカちゃん人形のNancyの写真を送ってきてくれました。

 

一種の可愛さはあるのですが、『頭が大きく、手足も太く、キャベツ人形(米国で流行った赤ちゃんドール)を思わせる姿の人形』、宮崎アニメの小さな女の子に通じるものがあります。(10年前くらいから、人形の目が大きくなっているようです。)

 

Nancyのメーカー、Famosa のホームページ から

http://www.famosa.es/en/famosa-dolls.html

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The Last Resort (ラスト・リゾート)

2014年05月08日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

70年代に『ホテルカリフォルニア』他、多くの曲をヒットさせた、イーグルス。

彼らの歌に、『ラスト・リゾート』というのがあります。

最近山形地域おこし協力隊の若者田口比呂貴さんhttp://hirotaguchi.net/ とメールで話をさせてもらっていますが、彼のブログやメールを読みながら、なんとなく頭に浮かんだ曲でした。

Eagles-The Last Resort
http://www.youtube.com/watch?v=p4zR9r9olOg 

(これは、buyakga1946という(おそらく)アメリカ人の女性が作ったyoutubeですが、歌詞の内容にそったスライドが使われています。)

 

その時は単純に、都会の現代的生活を離れ、山奥の過疎地で、山菜を採ったり、捕った熊をありがたく食する彼を頼もしく思い、そしてまた「地域の人からも段々野性味が帯びてきたよう な目でみられます。」と書いてきた彼をちょっと茶化すつもりで送った曲でしたが、改めて聴いて、これは本当に奥が深い良い曲だと思いました。 

 

この歌について、グレン・フライはこう言っています。

 

「この曲の主題テーマの一つは、人間は、暴力、混沌、破壊といった自分たちが遠ざかろうと逃げてきたものを、実は作り続けていたということ。」

 

そして、ドン・ヘンリーは、

 

「学生の時に勉強した自然に関するあらゆる文学的テーマについて考えていた・・・自然界に内在する畏敬の念を起させる美と霊性、そして文明とか進歩とかがもたらす、そういったものへの容赦ない破壊活動。」

 

(イーグルス・ベストコレクションの小冊子より)

 

この曲の筋は、アメリカインディアンが住んでいたアメリカを、欧州から来たキリスト教徒たちが自然を破壊しながら、自分たちが『パラダイス』と呼ぶものを作り上げていったことを歌っています。

 

キリスト教徒たちの利益となるためのあらゆる流血や破壊は正義とされてしまい、そうしてできたものに群がる人達がそれを『パラダイス』と思い込み、そして、この土地で信仰されてこなかったキリスト教(本来は、平和や友愛のシンボルだったもの)がこの国を支配する。

 

しかし、これは、アメリカ建国やキリスト教徒のことについての批判だけでなく、実は今も世界中で行われている自然破壊、「正義の名のもとに行われている一見紳士的な形をした蛮行」に対する批判にもなります。

ドン・ヘンリーは、曲についてのインタビューの最後にこう言っています。

 

「この曲は、宇宙のあらゆるものは結びついており、人間のあらゆる行いには結果があり、結末がある、という古来よりの考え方を再確認している。」

 

追記:題名の、The Last Resortのなかのresort は、『リゾート』『保養地』という意味のほか、『頼みの綱』という意味もあり、The Last Resortは、『最後の手段』とも読み取れます。 

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独断のNATOパートナーシップ協定に調印ー安倍首相の積木遊び外交2

2014年05月07日 | 国際・政治

なお、安倍首相にとって、NATOのパートナーシップ協定締結は第一次安倍政権時からの悲願でありました。

これは、武器輸出三原則をぶち壊しとワンセットでもあったでしょう。

 

が、これはおいておいて-日本はつい最近まで、中国に対抗するためもあってロシアに擦り寄っていました。それがいきなり、「NATOとパートナーシップ協定締結。」と態度を変えることほど、ロシアに日本に対する不信感を持たせることはないでしょう。

 

ロシアは、北方領土に軍事基地を置くという案、直ちに決行されるかもしれませんし、北方領土返還も無理、ガスパイプライン構想もぽしゃるでしょう。

 

日本は、なぜフィンランドやスウェーデンのような賢さを持てないのでしょうか?

 

『ウクライナ情勢を収めるために』 

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20140414

 

フィンランドとスウェーデンは、NATO未加入でオブザーバー国です。 

今回、米国から危険を煽られていましたが、自国が中立を壊すことで良い結果をもたらさないことを知って、動いていません。 

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独断でNATOパートナーシップ協定に調印ー安倍首相の積木遊び外交1

2014年05月07日 | 国際・政治

ハッフィントンポストに載っていた、56日のロイター記事です。

安倍首相、NATOとの新連携協定に調印                                          http://www.huffingtonpost.jp/2014/05/06/abe-nato_n_5276101.html?utm_hp_ref=japan

[ブリュッセル 6日 ロイター] - 欧州歴訪中の安倍晋三首相は6日、北大西洋条約機構(NATO)本部を訪れ、海賊掃討作戦、災害対策、人道支援などの分野でNATOとの連携を強化する新たなパートナーシップ協定に調印した。

安倍首相はNATO加盟28カ国の大使を前に講演。講演後のNATOのラスムセン事務総長との共同記者会見で、ウクライナ情勢を引き合いに出し、脅しや強要による現状の変更は容認しないと述べ、こうした姿勢は欧州とウクライナだけでなく、東アジアを含めた世界全体に適用できるとの考えを示した。

ウクライナ問題については、ロシア、およびウクライナの政党が今月25日に予定されるウクライナ大統領選挙の正統性を認めるよう要請。同時に、危機の解決に向け、ロシアとの対話を行うことも重要との立場を示した。

NATOは非加盟国であるウクライナに対する軍事介入は行わないとしているが、NATOに加盟する東欧諸国への配備は強化するなどの対策はとっている。ラスムセン事務総長は、同盟国の防衛と保護に向け、NATOは必要に応じて追加措置をとると述べた。 

安倍首相は集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の変更を目指しているが、ラスムセン事務総長は、日本が平和維持に向け積極的な役割を果たすことを可能にするこうした動きを歓迎するとの立場を示した。

NATOとのパートナーシップ協定、これ、国会審議されてのことなのでしょうか?

憲法も自分が勝手に変えてもよいと思っている安倍首相ですから、これくらいのことは別に「自分の好き勝手」にやってよいと思っているのでしょう。 

なお、この記事の大元はこちら。 

日本語版は、非常に端折られています。

 

Reuters (2014.5.6) 

Japan, worried about China, strengthens ties with NATO 

http://www.reuters.com/article/2014/05/06/us-nato-japan-idUSBREA450RT20140506

 

(Reuters) - Japanese Prime Minister Shinzo Abe, concerned about China's rising military spending and disputes with Beijing over islands in the East China Sea, signed a new partnership agreement with NATO on Tuesday.

 

The accord, signed by Abe and NATO Secretary General Anders Fogh Rasmussen during Abe's visit to NATO's Brussels headquarters, will deepen Japan's cooperation with the Western military alliance in areas such as counter-piracy, disaster relief and humanitarian assistance.

 

After addressing ambassadors from the 28 NATO nations, Abe drew a parallel between the situation in Ukraine, where Russia has occupied and annexed Crimea, and Asia, in an apparent allusion to a standoff between Beijing and Tokyo over tiny uninhabited islands in the East China Sea known as the Senkaku in Japan and the Diaoyu in China.

 

"We will not tolerate any change of status quo through intimidation or coercion or force. This is not only applicable to Europe or Ukraine. This is applicable to East Asia and it is applicable to the whole world," Abe said at a joint press conference with Rasmussen.

 

Abe urged Russia and Ukraine's political parties to recognize the legitimacy of Ukraine's May 25 presidential election, which the West sees as crucial to help stabilize Ukraine after weeks of worsening violence that Western officials accuse Russia of helping to stir up.

 

"At the same time, in order to resolve this problem, we have to have dialogue with Russia," Abe said.

 

NATO has said it will not get involved militarily in Ukraine but it has reinforced security in eastern European members of NATO that are worried by Russia's renewed assertiveness.

 

In addition to steps it has already taken to deploy more planes, ships and troops to eastern Europe, NATO would "not hesitate to take further steps if necessary to ensure effective defense and protection of our allies," Rasmussen said.

 

BOLSTERING SUPPORT

 

Abe, who made his first visit to NATO headquarters in 2007, has long been interested in strengthening Japan's relations with the U.S.-dominated Western alliance.

 

Analysts say Japan's aim is to increase diplomatic support over its security concerns, particularly China's military buildup and North Korean missile launches and nuclear tests.

 

"Japan does not actually expect NATO to play a direct military role in the Asia-Pacific region, but it does expect allies to share perceptions and approaches," Michito Tsuruoka, a senior research fellow at Japan's National Institute for Defense Studies, wrote in a paper for the NATO Defense College last year.

 

Tension between Japan and China spiked last year when Beijing announced an air-defense zone over a wide area including the disputed islands.

 

Abe told NATO ambassadors he believed Japan should play a more active role in defending the freedom of overflight and navigation.

 

With its operations in Afghanistan coming to an end and Russia flexing its muscle, NATO is now expected to refocus on its core mission of defending its territory, a trend that may not be welcome to Japan and other partners outside NATO's area.

 

Abe's priority has been to revive a long-sluggish economy, but he has also pledged to strengthen Japan's military and boost its security profile to meet what he says is a threat from China's rapid military buildup.

 

Abe also aims to lift Japan's ban on collective self-defense, which means helping an ally under attack, to bolster security ties with the United States.

 

Rasmussen said NATO welcomed Japan's steps "to become a pro-active contributor to peace".

 

"We share interests in countering piracy, countering terrorism. We share interests in disarmament," he said.

 

(Reporting by Adrian Croft; Editing by Ruth Pitchford)

 

尖閣諸島とウクライナ問題を同列にした上で、 

"At the same time, in order to resolve this problem, we have to have dialogue with Russia,"

なんて安倍首相は言っていますが、こうした、考えなしの変わり身外交(蝙蝠外交以下)、いかにも素人っぽい。

 

まるで積木を積み上げては壊しを繰り返すがごとく・・・北方領土返還、エネルギー問題、積み上げてはぶち壊す。費やしたお金と時間、まったく『実』にならないばかりか、裏目に出そうです。

 

安倍首相のビジョンを聞いてみたいです。

参考:『ウクライナ情勢を収めるために』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20140414

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2012年春に出会った歴史好き"変なオジサン"

2014年05月04日 | 人物

2年前の春、ドイツのペンフレンドのトーマスさんと友人Rさん、そして息子の4人で根津・谷中を散策しました。

お昼を済ませたあと、次に向かったのが寛永寺。 

満開の桜に囲まれたこのお寺、平日で人が少なかったこともあって、私たちはゆっくり、写真をとったり、おしゃべりをしながら楽しく過ごしていました。

 

この最中、Rさんと私が二人でお寺の説明が書かれた看板をみていると、背後から大きなため息をつく60代後半くらいの背広姿の男性、〝オジサン″が。

振り向いた私たちのところに彼は近づいてきて、「今日はとんでもない日だった」と東北訛りで嘆きました。

Rさんと私顔を見合わせ、一応「どうなさったのですか?」と尋ねると、彼は自分が元文部省の役人で、今日は『なんでも鑑定団』の石坂浩二に講義をするはずだったけど、ドタキャンされて今帰るところだと、悔しそうな顔。

 

「来年の大河ドラマは『新島八重』。私も監修するんですよ。」と言い、 

「ご説明しましょうか?」と、寛永寺のこと、上野周辺のお寺のこと、徳川家のことなどを、「これは知っていますか?」「今は、学校でこういうことも教えない」という言葉をはさみながら、説明をしだしました。

 

そこへトーマスさんと息子が。

 

不審そうな顔をしている二人に事情を説明した私、オジサンに向き直り、 

「彼、ちょうどドイツから旅行にきているんです。彼にも是非説明をしてあげてください。」 

オジサン、とんでもない、と手を振りながら、 

「いや、私はドイツ語はちょっと・・・」。

 

「いや、英語で大丈夫です。」と私。 

「いやー、昔はできたんですけど・・・今は英語ももう忘れてしまっています。」とオジサン。

 

ま、これで私たちはオジサンとお別れか・・と考えていたんですが、オジサン、再び講義(?)をはじめてしまいました。 

(「時間がかかりそう」と思ったのか、トーマスさんと息子、「また別のところで写真をとる」と言って、離れていってしまいました。)

 

オジサンの話、トータル30分くらいだったか。

 

彼の話はそれなりに興味深かったのですが、ただ彼はまくしたてるようにしゃべるので、唾液が飛んでくる。引っかからないように気を付けていたものの、ついには大きな唾液が私の顔にかかり・・・私が叫んだため、彼は話すのをやめ、謝りました。

 

「それでは、もうそろそろ」と顔を拭きながら言う私に、オジサンは、「徳川の家系図のコピーを国会図書館でとってきたのがあります。今日は、話を聞いてもらえて、良かった。気分がすっきりしました。差し上げましょう。」と、かかえていたカバンから資料を取り出しました。

 

しかし生憎Rさんも私も、別に資料をもらうほどの歴女でもないので断ると、「ああ、いいんですか。」と資料をしまい、 

「今日は本当にあなたたちに会えてよかった。ドタキャンで本当に嫌な気分だったけど、こうしてたくさん話ができて・・・ありがとう。」

 

こうして、私たちはオジサンと別れました。

 

このオジサンの説明は、一部分怪しいところがあったようですが(実は、このあと谷中霊園に4人ででかけ、谷中霊園を案内する年配のボランティアさんの説明も受けました。この説明のなかで、オジサンが言っていたことと違うところがあったので、ボランティアさんに確認しましたが、その説明内容から、ボランティアさんの方に分があるように思いました。)、それでも本当によく知り、日本や歴史を愛している様子でした。

 

帰宅してから、ネットで伺った名前を検索してみるも、わからなかったので、 

「あのオジサンは、いったいなんだったのだろう。」 

とわからぬまま2年。

 

そして昨夜ちょうど寛永寺のことを調べようとしていて、このオジサンのことを思い出しました。

 

それで、(失礼ながら)「寛永寺、変なオジサン」で検索。

 

-驚いたことに、この方のことをブログで書いている方がいらっしゃいました。 

そして、そのブログには、このオジサンが、Rさんと私にしたのと同じように、 

「石坂浩二にドタキャンされ」と言い、いろいろ説明をしてくれる話が書いてありました。

 

が、このブログ主さんの場合、説明のあと、博物館に行くための会員登録が必要と言って、1440円の支払いを求められたそうです。 

オジサンにサインをもらったり、写真もとらせてもらったので、サイン、顔写真とも公開。

 

そして、彼女のブログには、 

「私もそのおじさんに会った」というコメントが多数寄せられていて、その ほとんどが、国会図書館でコピーしてきたという資料を1500円くらいでオジサンから買ったものの、ネットで彼が嘘を言っていたことを知り、「詐欺だ!」と憤慨している人のコメント。

 

詐欺・・・

 

コメントを寄せている人の中には、オジサンを見つけ問い詰める場面をブログや動画にアップしている人もいるようですが、ブログ主さんのように会員登録費用をだまし取られた場合以外は、どうなるのでしょうか?

 

オジサンは、石坂浩二のドタキャン、文部省役人と、作り話をしてはいますが、歴史が好きな人にとっては貴重な情報をもらえた人もいたのではないでしょうか。

 

そして、国会図書館でコピーしてきたという資料、値段は実際コピー代より高いかもしれないけど、本物であれば手間賃を考えれば妥当なのではないか、と思います。

 

Rさんと私に対して、オジサンはコピーを無理に渡そうとも、売りつけようともしませんでしたので、いらなかったら断ればよかっただけだと思います。

 

もちろん、彼がやっていることは、非難されるべきことでしょう。

 

しかし、彼がこうしたことをしている第一の理由は「人に尊敬される歴史家気分を味わいたい」ということ、そして第二には、「歴史の話で盛り上がりたい」ということであって、「お金」自体はついでの様なものだったのではないか、という気がします。

 

コメントのなかには、「あんなに詳しいのだから、詐欺ではなくて、ガイドをすればよいのに」というものもありました。

 

が、彼がいくら歴史知識があろうと、ガイドに彼を雇ってくれるところがないのを、彼はわかっているのでしょう。ボランティアとしての活動、これは、やはり経済困窮者の場合難しい。

 

このオジサンのこと、荻原悦雄さんという方が書かれているものがありましたが、私も彼と同意見です。

 

『侘助』(拙著)上野周辺散策 

http://okinaogi.gunmablog.net/e323706.html

 

オジサンは、今も上野周辺だけでなく、皇居や増上寺付近にも出没しているらしいです。

 

※このオジサン、もしかしたら、二人いるかもしれません。 

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白隠慧鶴の句、『たこあげ』と『いかのぼり』

2014年05月03日 | 異文化

アメリカ人のティムさんから、日本語と仏教について学ぶ友人の勉強の手助けをしてほしい、とメールがありました。

この友人は、白隠慧鶴(はくいんえかく)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%9A%A0%E6%85%A7%E9%B6%B4という江戸中期の禅僧に興味を持っていて、彼が書いた、書や絵に興味を持っているということです。 

今回彼女が知りたいというのは、白隠の『布袋烏賊図(布袋様が凧になっていて、小さな人達がこの凧を揚げている絵と詩)』のなかの俳句の漢字とひらがな。ティムさんはその絵と、本で見つけたというローマ字と英訳を貼り付けてきました。

 

Romaji: 

Unu ga mama ni 

yarunu ga ika no 

inochi kana

 

English: 

You can't just do 

anything you want -  

it's a squid's life

 

「ローマ字では『うぬがままに やるぬがいかの いのちかな』って書いてあるけど、『うぬ』って何?『やるぬ』というのは『やらぬ』の間違いだろうけど・・・『いか』というのは英訳ではsquidになっているから『イカ(烏賊)の命』?凧からタコ(蛸)っていうならわかるけど、なぜイカ?」

 

と、まずイカに絞って調べてみると、面白いことを発見。

 

『たこ(凧)上げ』というのは、明治初期まで関西地方では『いか(紙鳶)のぼり』と言っていたらしいのです。

 

と、ここまで調べたものの、私はギブアップして、〝歩く百科事典″こと、友人Tにティムさんのメールを転送。

 

流石物知りT、即座に、 

「『己が儘に遣らぬが烏賊の命かな』かな。字から見てyarunuyaranuの誤記でしょう。」 

と返事をくれました。

 

(なお、『己』という文字は『おのれ』と読むとき自分のことを差しますが、これが『うぬ』となると、『自分』という意味のほかに、『きさま、てめえ、おまえ』という、べらんめえ口調の二人称として使われるということもあるようです。)

なるほど、それでこの俳句の英訳はこうなっているわけです。

 

You can't just do anything you want -  

it's a squid's life

 

「なんでも思い通りにはできないよ。イカもすきにやるさ。」って感じでしょうか。

 

こうして友人Tの回答をティムさんに送り、一件落着。 

外国人の友人達の質問、いつもながら新しい発見をさせてくれます。

 

さて、イカに話を戻せば、白隠は静岡生まれなので、彼が日常的に凧上げのことを『いかのぼり』と呼んでいたか、『たこ上げ』と呼んでいたかはわかりません。 

が、この句に『たこ上げ』ではピンとこなかったのは確かでしょう。

 

Tにもお礼のメールをしながら、

 

「『たこ(凧)上げ』と『いか(紙鳶)のぼり』。 

後者の方が自主性があってよいですね。 

タコ(蛸)は地底に潜っていけど、イカ(烏賊)は水中を泳ぎまわったりするから、それぞれ末尾が「上げ」「昇り」と違うのか・・。 

ま、私は『イカ』になります。」

 

と、追伸に入れておいたら、

 

「イカはいわばジェット噴射で遊泳するからね。 

大きいものは海中では無敵の存在でしょう。」 

と返事が。

 

うーん、無敵じゃなくてもよいんですけど。 

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NHKスペシャル『女性たちの貧困』を観て

2014年05月01日 | 福祉・医療

 428日に放映された、NHKスペシャル『女性たちの貧困』http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0427/、見逃したので、昨夜の再放送を観ました。

このなかに登場していたネットカフェの3部屋に二年半暮らしていたという19歳の長女、14歳次女と母親の映像・インタビューは、インパクトが強かったせいで、ネットではよく取り上げられていました。

昨晩の放映中、テロップで「姉妹は430日現在、保護施設に入所しました」と出ていました(長女は18歳以上になっているのですが、養護施設に入れるのでしょうか?)が、次女が半年間も中学校に行っていなかったのに、学校側および行政側、本当に彼女たちのことは何も知らなかったのでしょうか?

それにしても、11,900円の部屋×3名×30日=月171,000円を払い、それぞれスマフォを所有。でも、食事は11食で、食パンを姉妹で半分こ。

アパートを借りるのに、敷金礼金が払えないからと説明していますが、私には何か狂っているとしか思えませんでした。

また、ネットカフェも、本来こうした『居住空間』としてしまうことが法的に認められているのかなど(しかも、住民票までこの住所に移せるという!)、正直にいうと疑問のオンパレードでしたが、こうした『嘘くささ』が今は現実になってしまっている、ということでしょうか。

さて、上記はおいておいて、一つ気になったのが福島の24歳の女性。

大学を奨学金で卒業。留学もしたという彼女、就職が決まらず、学生時代にしていた飲食店のアルバイトを卒業後もしているといいます。彼女に残ったのは500万円半ばくらいの奨学金返済の借金のみ。 

そして、彼女と同じ大学だった友人も出てきますが、友人が就職したのはカラオケ店で、お給料は手取り15万円、ボーナスなし。

 

他の大学の同級生も状況は似たようなものだと言いますので、申し訳ないけど、この女性が通った大学、「果たして奨学金を使ってまでして行く大学であったのか?」と疑問を持ちました。

 

大学費用と留学費用合わせて借金が500万円半ばで済んだくらいだとすると、留学だって数週間もしくは3か月程度の短いものでお遊び程度のものにしか、私には思えなかったのです。

 

(彼女の年齢が24歳ということを考えると、1年間くらい行った可能性もなきにしもあらずですが。しかし、今時「英語が少ししゃべれる」だけでは就職ができないのは、常識です。)

 

私は「奨学金で大学に行く」という若者は、親のすねをかじって大学に行く学生がほとんどの日本において、貴重な存在であるとは思いますが、今の時代、国公立のトップクラス、医学部、もしくは技術系で就職先が確実、という大学や学部を選ぶのでなければ、安易な気がします。

 

(経済的に難しいけどどうしても大学に行きたい、という場合、高校を卒業して2年間くらい働いてから大学に行ったり、夜間大学という手もあると思います。)

 

さて、この番組では、他に休みには自給の良い東京でガテン系の仕事もしながら資格(保母?)を取って貧困から脱出しようとする大学生の女の子、中学卒業と同時に一家の大黒柱として働かざるを得なかったけどお金をためて専門学校に通い保母になろうとするアルバイトの女の子、公的支援を受けながらやはり保母を目指す幼子を抱えたシングルマザーなどの取材もしていました。

 

親が貧しいと子も貧しい-『貧困の連鎖』。これは女性だけでもなく男性もそうですし、そして、最近の現象かといえば、そういうわけでもありません。

 

戦前であれば、女の子は身売りされたりすることもあり、男の子は養子や丁稚奉公に。

 

高度成長期は、一部の優秀な子は奨学金(返済なし)などで上の学校や留学をしたりする人達もいたと思いますが、大抵は高校さえ行けずに、手に職をつけたり、家業を継いだりするしかありませんでした。

 

それに対し、今の貧困層には『昭和30年代前半の、ごはんを満足に食べられないがテレビを持っている一家』のごとき人達もいたり(昭和30年代、実は米国などでは、娯楽がない貧困層のテレビ普及率が高かったといいます。が、米国の慈善団体によって、一日一食レベルの家族はいなかったでしょう。)、「大学を出れば就職できる」と甘い夢を見て現実を観ようとしない若者もいたり、ちょっと同情できない人達もいます。

 

しかし、昔と違ってほとんどの子が最低高校まで卒業するなか、家庭の事情で中学で学業を断念しなければならなかったり、中学さえも半年の休学状態の子供の気持ち、昭和30年代の子供たちと比べどれだけ辛いものか。

 

また、それを救わない行政や社会が「資格を取れが人並みの生活ができる」と彼らに信じ込ませ、借金までさせて夢を見させたりする残酷さ。(もちろん、就職できる人もいると思いますが、絶対ではない。)

 

このNHKスペシャルを見ての感想、私は辛口に書きましたが、「きれいごと」「偽善」を言う社会はうんざりです。

国も真剣に取り組み、貧困層と呼ばれる人達も反省し、もう少し賢くならないといけない時だと思います。

 

(福祉は、「言ったもん勝ち」というところがあります。本当に困窮している母子家庭のお母さん、しつこく行政の窓口やNPOなどに相談に行ってください。) 

コメント (4)
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