スペインのカナリー諸島のテルデ市に、憲法9条のモニュメントがあります。
全日本民医連のHPに、写真家の山本耕二氏の記事がありましたので、そのリンクと説明部分の抜粋を。
http://www.min-iren.gr.jp/syuppan/genki/2011/232/232-01.html
日本から遠く離れたテルデ市に憲法九条が掲げられているのには訳がある。
一九八二年にスペインはNATO(北大西洋条約機構)に加盟したが、スペイン全土で加盟反対の運動が盛り上がった。テルデ市は当時の市長、議会が反対を表明して非核都市を宣言した。
その後、市長となったアウレリーノ・フランシスコ・サンチャゴ氏は、日本国憲法第九条に示された「戦争放棄」を知って感動し、一九九六年、ついに「ヒロシマ・ナガサキ広場」をつくり、スペイン語の「九条の碑」を掲げた。落成式には、日本総領事や在留日本人も出席し、広島・長崎市長のメッセージも届けられた。サンチャゴ市長はさらに平和市長会議のメンバーとなり、二〇〇八年に開かれた九条世界会議の国際賛同人になったのである。
このモニュメントのことは、はるか昔にTVで見て知っていたのですが、ふと思い出し、「そういえば、スペインベゴーニャさんは、これを知っているのだろうか?」と思って、ベゴーニャさんに送りました。
以下は、『9条の会』の英語バージョンから見つけたものです。
ARTICLE 9 HONORED IN TELDE, LAS PALMAS IN SPAIN
Telde is the second largest city on the Canary Islands, Spain located between the European continent and the northwest coast of Africa. One of Christopher Columbus' ports on his first trip to the Americas in 1492, Telde has reflected on history, war and peace.
In the 1980s, a strong civil movement organized itself to call for the closure of US military bases in Spain. As the country was joining NATO, the city opposed the move by declaring itself a nuclear-free zone.
In 1996, with the support of both government and opposition parties, Telde inaugurated the Hiroshima Nagasaki Square. Located near the city's Secondary Education Center, which includes peace, solidarity, mediation and conflict resolution in its curriculum, the Hiroshima Nagasaki Square is a statement in favor of youth education for peace and for a nuclear-free world.
Inside the park stands a monument honoring the Japanese Constitution's renouncement to war and and its prohibition of the maintenance of any war potential. The full text of Article 9 is inscribed in Spanish.
In 2008, Telde joined Mayors for Peace - an initiative launched by the mayor of Hiroshima by which cities work at raising international public awareness regarding the need to abolish nuclear weapons and contribute to the realization of genuine and lasting world peace. As of October 1, 2010, membership stood at 4,207 cities in 144 countries and regions.
これを受け取ったベゴーニャさん、
「全く知らなかった。 こんな動画を見つけたけど、とても感激的だわ。」
と、2011年3月に、広島の被爆者の方々が現地にいらしたときの式典の動画リンクを送ってきてくれました。
Nueve supervivientes de Hiroshima visitan el municipio de Toledo
http://www.youtube.com/watch?v=Twgq52cNFes&feature
彼女には、このリンクの御礼とともに、少し前に読んだバルカン半島の洪水被害の地域(記事はセルビアのこと)で、約20年前まで殺しあったり、今も憎しみあっている国の人達が助けあう記事、
IPS (2014.5.21)
Balkans: Floods Reunite Former Yugoslavs
http://www.ipsnews.net/2014/05/balkans-floods-reunite-former-yugoslavs
も送り、
「平和を愛する人が世界中にいるのに、平和を維持することがこんなに困難、というのは、不思議だわ。」
と、半ば嫌味をこめての言葉で結びました。
9条が完全というわけではないし、戦争、人との殺し合いは、もう大昔からDNAにすりこまれている人間の性かもしれません。
しかし、少なくとも20世紀以降の戦争は、『武器商人(国も)』のためだけでなく、戦争で儲かる人達が言う『正義』に基づく戦争があまりに多く、命を失うのは、まったく無関係な人間。
「温暖化や環境」にも最悪(武器を作ったり、実験をしたりでどれだけ資源を使ったり、CO2を排出しているのか。)でも、これもOK。
進化した人間ならば、この不条理さに、気が付いてしかるべきだと思うのです。