京都アニメーション事件は、本来は京都アニメーション、および被害者やそのご家族が主になる話です。
いくら京都アニメーション社長が「代理人」として任命したとしても、彼が京都アニメーションやその被害者たちを管理するようになっているようにしか、私には思えません。
たとえば、亡くなった被害者の実名公開ですが、本当に最初に公開された10名の被害者以外の25名のご遺族は、実名公開を拒否していたのでしょうか?
BuzzFeed Japan(2019年8月27日)
弁護士は「大変遺憾」と怒り。京アニの死亡した25人の実名が公表され
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190827-00010004-bfj-soci
アニメ界の仕事をしているだろう方のTwitterでこのようなツイートがありましたが、こちらの方の方が、被害者の方々、ご家族にとっては、「代理人」になってほしい方ではないでしょうか、ね。
京アニ社長は葬儀が終わったら実名公表すると言っていたが、代理人就任後、ご家族に配慮して公表はしない方針に転換。就任直後の事なので、この時点でご家族には面会していない。後に財団設立に動く。実名公表に反対する遺族がいると発表するが、体調を崩して休んでいたため、代理人は面会していない
(https://twitter.com/mazy_3anime/status/1166970061526986752)
京アニ社長:葬儀後に公表。お別れ会したい
府警:公表は原則
京アニ代理人:一部遺族が反対
警視庁:公表には遺族の承諾が必要
マスコミ:公益性から公表を
遺族:名前を忘れないで
遺族が府警に公表の申し入れをした事実はありますが、拒否の申し入れした事実は確認できません。
京アニ代理人のみ。
(https://twitter.com/mazy_3anime/status/1166967084980436992)
報道各社様へ 京アニ事件の実名報道に際して、配慮のお願い。 報道が犠牲者の功績を伝える事はとても大切な事である。故人が、どんな作品に関わり、どんな仕事振りだったのかを伝える事は、故人への追悼になる。そこにプライベートや家族間の話は必要ない。
オイラが、アニメーターとの関わり合いで知ったのは、必ずしも家族間が良好という訳ではないという事。アニメーターである事に反対していた親族もあるだろう。そうした事は、遺族の方は知られたくない話だと思うので、家族の話は、出来るだけ触れないで欲しい。
取材に協力的なご遺族の話には耳を傾け、ご遺族の方が伝えたい事を親身になって聞いてあげて欲しい。 そうでない方は、生前の仕事振りの紹介に留め、深入りしないであげてください。 取材は、彼らの赤裸々な実生活よりも、輝かしい功績を伝える事に徹して頂きたいと願います。
(https://twitter.com/mazy_3anime/status/1167035369017106432)
京都アニメーション代理人が、なぜ最初の10名の実名発表は批判せずに、残りの25名の実名発表に対し(葬儀終了後であるにもかかわらず)「遺憾」とまで言ったのでしょうか?
(「遺憾」なのは、むしろ打撲程度で助かった社員を何度もメディアに登場させていたことだと、私は思います。これはご遺族を慰めはせず、却っては残酷。)
この25名の方々のご遺族すべてが実名を公表されたことを「遺憾」と思っているわけではなさそうですのに。
そもそも「公開されて遺憾」という言葉は、代理人弁護士が言うのではなくて、“実名公開をしてほしくなかったご遺族”が発すべき言葉ではないのでしょうかね。
実名公開で問題なのは、マスコミが押し掛けたりすることが一番。
被害者を弔う気があるのなら、マスコミ対策を徹底してもらって、実名公開をしてもご遺族に迷惑を掛けないようにする方法を取るべき―なので、葬儀終了後の実名公開はそんなに非難することとは私には思えません。
私の疑問は、この代理人弁護士は、どうして最初の10名の発表の時は何もコメントしなかったか、ということ。
最初と後の発表での違いは、アニメ界では有名な監督の方たちがいたかいなかったか、ということもあるのか・・・言いにくい言い方ですが、先日公開された死亡者の方は、前の10名ほどネームバリューがある人はいませんでした-非情な言い方ですが、25名の名前をはっきりさせなかった方が、「京都アニメーションのダメージを大きく見せられる」という部分があったのではないか、そんなふうにも受け取ることは可能なのです。
とはいえ、まさかそんなことで代理人弁護士は実名公開を渋っていたわけではないとは思いまたいのですが、とにかくこの方の一番の関心は寄付集めのようなので勘繰りたくなってしまいます。
朝日新聞(2019年8月29日)
京アニ事件、個人被害額40億円超 ふるさと納税活用も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190829-00000069-asahi-soci
京都アニメーション第1スタジオで起きた放火殺人事件で、京アニの代理人の桶田(おけだ)大介弁護士は29日、死傷した京アニの社員・役員の個人の損害額は労災補償などを差し引いても少なくとも40億円を超えるとの見通しを明らかにした。
寄付が総額いくら集まるのかわかりませんが、40億以下になろうとも、それ以下の場合もご遺族や負傷された被害者の方々に優先的に支払うようにする―その辺を明言すれば、代理人弁護士不審も和らぎます。
(京都アニメーションの方々の若い方の年収は低いので、労災額を除いた補償も微々たるものをご遺族に提示することにならないか、心身共に後遺症を負ってしまった被害者たちへの支援もきちんとなさるのか-マスコミにはこの辺をチェックしてほしいと思います。)
追記:
ところで、当初この建物にいたのは74名と報道していましたが(代理人弁護士が指示したのか?)途中から「社員は70名」と訂正されました。
残りの4名は非正規社員ということで除外したのでしょうか。もしそうなら、身体に傷を負わなくとも精神的ダメージは大きいはずなので、彼らを除外するのはどうか、と思います。
また、この4名が非正規社員だろうが、外部者であろうが、無傷だった彼らは1階にいたはず。青葉容疑者が火をつけた経緯もわかっているでしょうから、その点でも、彼らをはじくのは止めていただきたいですね。
関連:
京都アニメーション放火事件-京アニが依頼した弁護士
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/eeeff81ba864ba3916da8833cfb2e48b
京都アニメーション放火事件-「京アニ放火事件の犠牲者」の「英霊化」と100億円
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/ecb6bb8eadb29107054cd3c4b4057d8b
京都アニメーション放火事件-一階から二階に駆け上がった男性社員と手押し火災報知器を押した女性社員
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/94e1c0a70d9d2d1172197e3c2479d137
京アニ寄付税軽減-「犯罪支援の不公平さ是正」と「クラウドファンディング等(最大20%?)の手数料チェック」を
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/a64d2c708b8049bc2833c63404f13f37