本日のJBpressより:
フェイスブックやツイッターに及ぶ米政府のスパイ活動
安全保障の名の下にやりたい放題は許されるのか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34644
米ワシントンで今、興味深い訴訟が進行している。
昨年末、米政府が秘密裏にツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の情報を監視し、集積していた事実が発覚したのだ。
連邦政府機関の1つである国土安全保障省(DHS)が税金を使ってSNSに対し、いわば「スパイ活動」を行っていたのである。
昨年12月、民間の電子プライバシー情報センター(首都ワシントン)という団体がこの事実をつかみ、同省を相手取って訴訟を起こした。
同省はその事実を認め、同センターは情報公開法を使ってDHSが集積した3000ページに及ぶ情報を公開させた。
今年2月現在、フェイスブックの利用者は全世界に約8億4500万人、ツイッターは昨年6月段階で3億5000万人に達している。対象は米国内の英語サイトだが、世界中に及んでいる可能性もある。
同センターがつかんだ情報では、DHSはソーシャルネットワーク上で交わされる書き込み情報だけでなく、投稿者の個人情報も集積していた。さらにSNSだけに収まらず、ウェブマガジンやブログにも手が及んでいる。
しかもDHSは省内でこのスパイ活動を行っていたわけではない。外注していたのだ。外注先は防衛宇宙複合企業のジェネラル・ダイナミクス社である。情報は政府内だけでなく、民間に流れる危険性を秘めている。
同社は軍需産業で6位に入る大手で、ウェブサーフィンが得意な技術者を多く抱え、膨大な情報をまとめ上げられる技術力を買われて契約が交わされた。米政府が同社に支払った「スパイ活動」予算は昨年だけで1150万ドル(約9億2000万円)に上る。
(中略)
同時に増え続ける利用者によって、SNSで交わされる情報が間違いなく一つの社会勢力になっている事実に、政府はある種の脅威を抱いてもいる。ジャスミン革命が好例であり、「ウォールストリートを占拠せよ」の運動もSNSなくしては展開できなかった。
ただ米政府は監視という名の「スパイ活動」を、安全保障という名の下で過去何十年と継続している。中央情報局(CIA)と国家安全保障局(NSA)の名前をすぐに想起されるかもしれない。
CIAが人間を使った諜報活動(ヒューミント)に力を入れる一方、NSAはエシュロンなどの通信傍受システムを駆使した諜報活動(シギント)によって現在も国内外から情報を入手している。
筆者もワシントンに住んでいる時に、電話を盗聴された経験がある。様子がおかしいので電話会社に調査を依頼すると、数日後に「どこの政府機関がやっているかは申し上げられない」という答えが返ってきた。
「私は何もすることができないということですね」と問い返すと、担当者は「そうです」と言うだけだった。
米政府は盗聴のプロと呼んでも差し支えない。それは伝統でさえある。だがこうした監視行動、いや「スパイ活動」が着実にフェイスブックやツイッター、さらにブログまでを侵食している事実を我々は知るべきである。
米国には優れた点も多いが、こうした悪しき習性も並存しているのだ。
私のこのブログでさえ、なぜかイリノイ大学のサイトにリンクされてしまっていたり、Google検索の関係で奇妙なことがあったり知りました。
『監視下に置かれた気分』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110501
『プライバシーは二の次』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20091025
※Googleについては『類似ページ』の項目はなくなりましたが、この会社はプライバシー・ポリシーの改定で今もめていますね。