突然決まったのですが、11月の初めにパリ2泊フィレンツェ3泊の5泊7日で出かけることになりました。
これは、4月の旅行のときに例の元同僚H(『16年ぶりの再会』『異端児の孤独』参照)と「もし可能だったら、フィレンツェ近郊在住の社会学者D氏(『D氏』参照)のところに一緒に行こう」と話していたものが具体化したものです。
とはいえ、Hの業務スケジュールが現段階では固まらない為、その時期に彼が出張になってしまう可能性もあります。そうすると旅行は全くの一人旅。
そこでボローニャ市(フィレンツェから特急で1時間)に住むペンフレンドのロビーさんとフィレンツェで会う約束を取り付けました。
また、先日メールで話をしていた元同僚で先輩のK氏にもこの旅行について誘ったところ、彼も都合がつけばjoinする、と言ってくれました。
さて、このK氏と私は同じ部に所属したこともあったので面識はありましたが、同じ課で働いたことはありません。しかし何時も笑みを浮かべて明るいK氏は後輩達にもなかなか人気のある人物で、私も彼には好感を持っていました。そうはいっても同じ課で働いたこともないK氏に、私が連絡することはなかろうと思っていたのです。
その彼と連絡を取るきっかけとなったのが『ロシア』。
実はK氏ももう何年も前に職場を離れ、今はロシアの専門家として活躍しています。
この8月にグルジア軍とロシア軍の衝突がありました。これは北京オリンピックの開会日と重なったことや、そもそもが遠く離れた国で起こっている紛争などに興味を持つ人が少ないということもあって、日本の一般人の間で関心を持つ人は少なくなかったと思います。
しかし欧米ではこの紛争は一大事。アメリカとEUは先に手をだしたグルジアよりロシアを一方的に非難し、ロシアの態度も硬直。
メディアは一斉に「新冷戦の始まりか?」などと書き立てました。これは第三者的にみれば情報操作というのが想像できるのですが、これらのせいで西側に不安が広まりました。実際、私のペンフレンド達のうちの3人(マルタ、ドイツ、カナダ)も、ロシアに脅威を感じているとメールに書いてきました。
9月中旬になると株価に打撃を受けたロシアも態度を軟化。
海外のロシア専門家達と話し合い(ヴァルダイ会議)をした後、プーチン首相は「私達は新冷戦など望んでいないし、西側とうまくやって行きたいのだ。挑発しないで。」と表明。これをきっかけに、西側のメディアの中にも自分達の報道の仕方が偏っていたことに対して反省するコラムを載せたりするところもでてきました。
このヴァルダイ会議にK氏は出席していなかったとは思いますが、ただでさえ忙しいK氏、この時も日本とロシアの関係を憂いながら飛び回っていました。
こうした専門家達が、時として外交官以上に力を発することもあるのでしょう。