yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

蛍の光 窓の雪

2009-01-11 08:02:35 | 文化

一一、蛍の光 窓の雪

書(ふみ)よむ月日重ねつつ<o:p></o:p>

いつしか年もすぎの戸を<o:p></o:p>

あけてぞ今朝(けさ)は別れゆく<o:p></o:p>

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二、とまるも行くも限りとて<o:p></o:p>

かたみに思ふ千()よろづの<o:p></o:p>

心のはしをひとことに<o:p></o:p>

さきくとばかり歌(うた)ふなり<o:p></o:p>

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「蛍の光」は別れの歌として誰でも知っている歌で、このメロディーは世界に広く普及しているように思われます。原曲はスコットランドで生まれました。この曲は明治初年に伊沢修二によって日本に紹介され、「小学唱歌集」の中に採り入れられました。「蛍の光、窓の雪」の歌詞を創ったのは国文学者の稲垣千頴(いながき・ちかい)でした。<o:p></o:p>

 中国の史書「晋書車胤伝」によれば、官吏を志す車胤と孫康という二人の青年がいましたが、夜、本を読むために必要な灯の油を買うことができないほど貧乏でした。車胤は数十匹の蛍を集めて絹の袋に入れて灯とし、孫康は窓辺に雪を積みあげてこの雪の明かりで本を読んだと言うことです。この故事から、苦労して勉学に励んで志を果たすことを「蛍雪の功」と言います。日本語の歌はこれを引用しており、卒業式などの別れの時には決まって唱われてきました。<o:p></o:p>

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さて、この歌の原曲の生まれたスコットランドは、歴史上、多くの偉大な人物を生んできました。その中から一人だけ挙げよとスコットランド人に聞けば、躊躇することなくロバート・バーンズ(1756-1796)が選ばれるそうです。ロバート・バーンズはこの国では誰にも敬愛される詩人です。バーンズは単に詩人というにとどまらず、人々に勇気を与え、祖国への愛情をかき立たせてくれる偉大な存在です。これはバーンズの生誕を祝う「バーンズ・ナイト」と言う行事が今でも盛んに行われていることからも窺えます。この行事はバーンズの誕生日の1月25日前後に行われ、スコットランド国内にとどまらず、世界中どこでもスコットランド人のいる所ではスコッチウィスキーを飲みながらバーンズを讃え、最後に全員で「オールド・ラング・ザイン」を合唱する事になっています。なお「Auld Lang Syne」は「遠き昔」と題されたバーンズの詩です。<o:p></o:p>

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昔馴染の忘らるべきや、心に思い起こさずに。<o:p></o:p>

昔馴染の忘らるべきや、また遠き昔のことの。<o:p></o:p>

いざ遠き昔のために、君よ、<o:p></o:p>

いざ遠き昔のために 我等友愛の杯をとらん、<o:p></o:p>

いざ遠き昔のために。<o:p></o:p>

     バーンズ詩集 中村為治訳  岩波文庫より<o:p></o:p>

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コメント
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