yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

哲学

2017-04-25 05:50:00 | 文学
カントは、「自分の哲学」を持ってはいけないというようなことを書きました。自分の哲学
を持つと、それに拘束されて自由な生き方ができなくなることを懸念したようです。

 一方、東大教授で哲学者の野矢茂樹先生は、哲学について次のように述べています。
「たまたま立ちつくしたところから始め、茫然と立ち止まったところで一休みするというのも、哲学のふつうのあり方なのである。」
哲学とは人があたりまえのようにやってきたことの意味を考え、堀り下げ、人として生きるために本当に大事なことを探すこと。ただし、誰も一つの場所からそれを見通すことはできない。だから扉だらけの家のように、どこから入ってどこから出てもいい、そんな風通しのよさが哲学には必要だ。哲学者の「語りえぬものを語る」から。 

鷲田清一  朝日新聞 「折々のことば」より
コメント
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