山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

SUN2号の製作に取組む

2021-04-06 05:40:08 | くるま旅くらしの話

 ここ半月ほどSUN2号の製作に取組んでいます。といってもその基本思想は「シンプル・イズ・ベスト」であり、ビルダーさんのような手の込んだものは端から無理だし、元々自分はものづくりには超弱くて、家事に必要な簡単な小物を作る際などには、何事につけて家内から半ば嘲笑気味の期待をされるばかりの貧困な技能しか持ち合わせていないので、とにかく凝ったものは目指さないことにして取組むことにした次第です。

 20年ほど前までは、全国にHMCC(=Hand Made Campingcar Club)という、キャンピングカーを手づくりで制作して、旅やアウトドアライフを楽しんでおられるグループ・組織があり、自分も何人かの知己を得て旅車の不備を助けて頂いたことがあるのですが、今頃は既成のキャンピングカーが人気を得て多種多様の車の出現で賑わっており、手づくりの世界はかなり力を弱めておられるようです。

もはや助けて頂ける環境はないのだと考え、老体に鞭打ち、無い知恵を振り絞って最低限の簡単なくるま旅の設備要件を満たすものを作ることにした次第です。

くるま旅のための車が備えなければならない最低要件を自分は次のように考えています。旅車に必要な基本要件は二つあり、その一は走行性、その二は居住性です。このうち走行性はベースとなっている車の性能に依存しており、自分でどうかできることは殆どありません。従って旅車を手づくりするというのは、その居住性をどう作り上げるかということになります。居住性については、欲を出せば幾らでもニーズが出てくると思いますが、一番の基本としては、①寝る機能(快眠・安眠が可能)が確保されていること ②身体に異常を来した緊急時に対応できるトイレがあること ③照明や機器の充電等に必要な電気設備が備わっていること、などが挙げられます。その他のものについては、旅のあり方を工夫することで対処可能と考えます。電子レンジなど無くてもありふれた鍋釜で調理は可能ですし、給排水等の設備などがなくても、飲料水さえ確保しておれば公共施設に迷惑を掛けることなく対処可能です。いざという時に必要なものさえ用意しておけば、その他は我慢するか、暮らしのスタイルを変えることで対処できるのです。

旅というのは元々アウトドアの暮らしが基本であり、在宅時と同じ要件を求めること自体がナンセンスなのだと思います。電子レンジや冷蔵庫など無くても生きてゆけるのです。ということで、自分の手づくりの中核は寝床をどう用意するかに最大の関心を注ぎました。

ところでベースとなる車ですが、いろいろ考えた末にニッサンのキャラバンNV350を選択しました。コストのことを考えると中古でもいいかと思ったのですが、恐らく家内の性分では見知らぬ他人がどのように使っていたかも判らぬ車では、必ず何処かに嫌悪感が残って、旅の楽しさを削ぐに違いないと考え、ギリギリの財力なのも省みず思い切って新車にすることにしました。これが人生最後の最大の買い物となりますが、少なくともあと10年くらいを生きるための励みの材料として活用すれば、決して無駄にはなるまいと考え決断しました。

あと10年くるま旅をするためには、あと10年、車の運転とそれに付随した行動が可能な身体を保持することが要件となり、今後の健康管理には一層の注力が必要になります。この後どんな病や怪我などが取り付き、飛び込んでくるのか想像もできませんが、どのようなことが起きようとも、悔いの残らぬ生き方をしてゆこうと固く決心した次第です。それを支えてくれるのがこの車なのだと考えることにしました。

ということで車を発注しました。やはり可能な限り居住空間が大きなものが良いと考え、スーパーロング(5230cm)、ワイド幅(188cm)、ハイルーフ(228cm)のタイプ(寸法はいずれも外寸)を選択しました。乗用ではなく貨物車扱いなので1ナンバーとなってしまうのには少し問題があるのですが、8ナンバー登録のための装備を付加する考えはなく、これは致し方ないと諦めるしかありません。

ということで只今寝床の製作中です。寝床は長さが180cmとし、幅は90cmと80cmの二つを用意することを考えています。車のカタログに掲載されているサイズからは、荷物室内にこの二つを配置することは十分可能なのですが、車の荷物室は低床のため、後輪タイヤの凸部があり、既製の折りたたみベッドなどは使えないため、手づくりが不可欠なのです。より詳しく荷物室のサイズや構造を知るために、事前に車屋に頼んで同型の車を使っておられる方を訪ねて、サイズの計測をさせて頂きました。

それをもとに考えたのは、木箱を作ってその上にベッドの枠木を載せ、その上に板を置き更に畳やマットレスを載せ布団を敷くというやり方です。二つのベッドのためには同じ高さの箱が6個必要になりますが、果たして本当に置けるかどうか判らないので、取り敢えず4個作って、あとは実車が納入されてから状況に合わせて脚などを製作することにしました。箱の高さは45cmとしました。このサイズでカットされた板がDIYの店に並んでいますので、それを活用することにしました。箱は、大きさが30cm四方の小型のものを3個、少し大きい45cm四方のものを1個としました。箱は釘などを使わず全てボンドによる接着のみで製作することにしました。これらの箱はベッドの台として使うだけだはなく、物入れとしても活用することにし、それぞれの箱に棚を作り扉を取り付けました。板の厚さは全て9mmですが、箱になっているので強度は確保されている筈です。ベッドの下の空間は着衣や用具類などの物入れに必要なスペースとなりますが、箱のレイアウトによって、空間のサイズが決まるので、それが判明したら適応する収納ボックス等を選んで配置する考えです。

また、ベッドの枠木ですが、この車は1ナンバーで毎年車検が必要となるため、固定してしまうと車検時に取り外すのが面倒なことになります。なので、取り外しが可能な簡易組み立て式にすることにしました。箱はそのままでは殺風景なので、カラーのシートなどを貼って、少し室内の雰囲気を変えられるようにしたいと考えています。

トイレはポータブルトイレしかありませんが、最近はかなり工夫され高度化されたものがつくられていますので、少し高額となりますが、それを用意することにしました。電気については、本当はサブバッテリーとアイソレーターを用意する必要があるのですが、今のところパソコンとスマホの充電以外の使用は考えていないので、今後TVなどがどうしても必要と思うまでは、当面はシガーライターにソケットを嵌めて500Wくらいまで変換が可能なインバーターで対処することにしました。

1週間ほどかけて、中学生になったような気分で4個の箱作りに取り掛かりました。図画工作の時間などを思い出しながら、あの頃以来少しも上達していない技能を叱咤しながら、どうにか製作を完了させました。あとは納車を待って、ニーズを確認しながら対応して行こうと考えています。

納車は今月末か来月初め頃となりそうですが、旅の方は直ぐに出掛けるのではなく、もう少しコロナ感染の推移状況を見てから決めることにしたいと考えています。可能ならば、最初の旅は東北の春を訪ねたいと考えています。もう山野草や山菜の時期は終ってしまっているかもしれませんが、縄文遺跡などを見ながら、東北エリアの初夏を半月ほど回って味わいたいものだと思っているところです。

先ずは、新しいくるま旅の出発に向けての準備の近況報告です。

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