山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

癌になる。どうする?

2020-12-22 04:38:41 | 宵宵妄話

癌になりました。と言っても、今頃は傘寿の老人がそのようなことを話ししても、そりゃ大変!などと真面目に感じたり、同情したりする人など殆どいないのではないか。せいぜい、「あ、そう」と相槌を打って貰えれば上等というものだろう。そう、それでいいのだ。今の世の老人にはもはや癌など驚きの病ではなくなっている。これは見方を変えれば医療技術の進歩によるありがたい世であり、また一方では老人切り捨て心境の残酷な世となっているということでもある。

 さて、その傘寿の老人(=自分)が癌となった話です。いきさつを述べると、 もう10年くらい前からになりますか、市の健康診断を受ける際に、PSAという前立腺癌の予兆を示す血液検査があり、それをずっと続けていたのですが、当初は標準近い数値だったのが、加齢と共に上昇し始め、一昨年はとうとう10の大台を突破する状況となりました。それで、念のためにと1泊入院での生体検査というのをやって頂いたのですが、結果は異常なしということで一先ず安心したのですが、それから2年経って、今年の健康診断では、PSA数値は更に上昇し、何と標準値の3倍近くの12を超えるレベルとなったのです。放っておいて癌の為すままに弄(もてあそば)されることになっても癪なので、専門医に相談し、一応はMRIによる精密検査をしたのですが、明確にその有無を確認することはできず、癌の最終判断は、生体検査によるのだということで、再度の生体検査のための入院となった次第。そしてその結果、何箇所か採取した細胞の中の一つに、今度は癌があるとのが判明したというわけです。医師の話では、性質(たち)の悪い癌ではないとのことでしたが、癌の性質のことは自分には判らず、ま、そんなものかと受け止めた次第。あなたは癌で死ぬことはありません、と医師から2度ほど念を押されたのですが、これは患者がパニックなどを起こさないための慰めだと理解した次第です。

 前立腺癌は癌の中では最も生存率が高いということですから、手遅れでない限りは、まあ、大丈夫ということなのでありましょう。長い時間をかけてようやくほんの少し見つかったというレベルの話ですから、手遅れということではないでしょうし、自分的にはパニックなどとは無縁なのです。

 とはいえ、癌という病をバカにしているわけでも、或いはこの先に控えている「死」というものを軽視しているわけでもなく。それらの全ては当然のこととして受け止めなければならないという覚悟は決まっているのです。

 人生の最終章では死計即ち如何に死ぬかということが大きなテーマだと考え、その答えを「老計の中にあり」と見出し、我が老計はくるま旅による人生の宝物探しによって実現すると決め、今日までそれなりに道を歩んできたのですが、この頃は少し欲が出て来て、せめて卒寿(=90歳)迄くるま旅を続けたいと思うようになっていたところに癌が取付いているのを知ったというわけなのです。

 この後、癌とのどのような付き合いが待っているのか見当もつきませんが、自分としては癌とは戦うのではなく、極力宥(なだ)め賺(すか)して妥協し合って過ごしたいと考えています。ま、このようなことは軽いからこそ言えるセリフなのでしょうが、その思いは変わらず、病との付き合いは、それがどんなものであれ全て同じ考えでやってゆこうと思っています。

 人の終り方には様々なタイプやスタイルが用意されているのだと思いますが、多分自分の場合は、病というよりも循環器系の故障で命が終わりとなるという予感がしています。故障というのは病とは別の種類のもので、人間の場合は事故と同類ではないかと思っています。PPK(ピン・ピン・コロリ)というのもやはり同じものなのだと思います。

かつて死に方の理想をPPKと考えていましたが、今はそうではなく、予告死というのが最高と考えています。予告といっても自殺などではなく、あくまでも自然死での予告です。事故タイプの死に方では、予告は大変難しいのだと思いますが、そう決まったわけでもなく、これからは常時己の体調に耳を傾けてゆきたいと改めて思っている現在です。

コメント
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