山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

春の旅、模索中

2014-03-16 19:49:57 | くるま旅くらしの話

 あと二週間も経つと、そろそろ桜の開花のニュースが飛び込むようになると思いますが、今月に入ってからは、四寒二温と思えるほどで、寒さの方が上回っている感じがします。予報では、来週あたりから本格的な暖かさが見出せるようになるらしいですが、何しろ杉の花粉はまっ盛りだし、ヒノキの花粉も本番に向けて活動を開始しているらしいので、今しばらくは冷静な頭で春の旅を考えるのも難しそうです。

 我家では、間もなく2世帯住宅同居の倅夫婦に、初めての孫が生まれるというので、今は嬉しい緊張の中にあります。昨年の春に挙式して、もうそれだけで存分に満たされた気持ちでいたのですが、新たな生命が加わることになり、これ以上嬉しいことはありません。無事に生まれて来てくれるようにと、2月からは酒を飲むのも止めて、何時呼び出しがかかっても大丈夫の体制を作っています。孫が生まれたら、酒の風呂にでも入って、祝杯を上げたいものだと思っています。月末頃が生誕予定なので、間もなくその時がやってくることでしょう。と、いうわけで、益々春の旅のことを考えるのが途切れがちになってしまっています。

 でも、そろそろどこへどんな旅をしようかと思いを巡らす必要があります。私どもの春旅は、基本的に東北方面へ花や新緑、山菜などを訪ね求めることにしているのですが、3年前の大震災以降、足がすくんだような感じになって、ずっとご無沙汰しっ放しとなってしまっています。被災からの復興もままならぬ方や場所がまだまだたくさんあるのに、ノーテン気分で旅をするなどとんでもないという様な意識がどこかにあって、ずっと自粛・自戒していた感がありました。復興のためには、却って現地を訪れて何がしかの貢献をすべきではないかという気持ちもあるのですが、葛藤の独り相撲をし続けてきました。でも、今年は何とか足を踏み出したいと考えています。

 春というのは、北国に行くほどその素晴らしさを実感できるように思っています。北国の季節といえば、四季とはいうもののその実態は冬と夏に偏っており、春と秋は冬と夏の変化の通過点のようなもので、その短さゆえに生命(いのち)の濃淡がはっきり出るように思うのです。春は閉ざされていたあらゆる生命(いのち)が一斉にそれを漲(みなぎ)らせて活動を開始する時期であり、秋は活動を終えた生命(いのち)が静かに眠りにつく前の一瞬の輝きを放つ時であるように感ずるのです。

 だから、春の旅は北国に行くのが本命であり、正解なのです。私にとっての北国といえば、それは東北地方の各地ということになります。北海道も勿論素晴らしいのですが、夏の季節にそれを満喫しようと考えているので、春にはなかなかそこまで行く気が起きません。ずっと東北で満足しています。

さて、その東北春旅ですが、今年は5月の連休前あたりから2~3週間くらいかけて、花と大自然の新緑を訪ねての旅が出来ればいいなと思っています。初めて東北の旅をした十数年前の原点に戻っての感動をもう一度味わいたいと思います。行ってみたい場所が無数にあるので、なかなか絞り切れません。花と自然ということになると、どうしても日本海側と中央山岳地帯が中心となってしまい、大地震の被災地側はなかなか思い浮かびません。実際出掛けてみないとどうなるのか分らないのですが、今年は復路には必ず太平洋側を通るコースを考えるようにしたいと考えています。まだ残っているであろう惨状を、この目でしっかり確認しておきたいと思うからです。

今、漠然と考えているのは、花は三春の滝桜を出発点として、久しぶりに山形県の置賜(おきたま)エリアの桜回廊めぐりをしてみたいということです。ここには長井市の伊佐沢の久保桜を初め、名木とうたわれる何本かの一本桜があります。今までにも何回か会いに行っていますが、もう五年ほどご無沙汰していますので、今はどうなっているのか、それぞれの姿を確認したいものです。角館や弘前の桜などにも会いたいと思いますが、短い期間なので、全部というわけにはゆかないかもしれません。

それから、一つの企画としてずっと温めているのに「へのへのの旅」というのがあります。これは、岩手県から青森県に亘って、一戸から九戸まで(四戸は無い)、それに遠野を加えて、「と=戸」の付く九つ(ここのつ)の自治体が残っているのですが、これらの地をじっくりと訪ねて見たいという企画なのです。8年ほど前に、その下見というつもりで、各自治体をざっと回ったことがあるのですが、かけ足だったので、中途半端なままに終わっています。これをより充実させて、新しい旅の仕方にチャレンジしてみたいのです。

この探訪の仕方として、一応事前に各自治体の関係資料を揃えておき、本番の現地へ行った時は、先ず役所や役場に行き、その自治体が外部に人に何を知ってほしいか、何を見て欲しいかなどの質問をし、参考資料などを頂いてから、幾つかの場所を選んで訪ねるという方法を考えています。観光だけではなく、史跡やイベントなども知った上で、その土地の歴史や特徴をモノにしたいという思いです。いつもは通過するだけの場所であっても、足を留めて訪ねれば新しい発見や出会いがあるに違いありません。このような旅のスタイルも面白いのではないかと思うのです。

この他に「重伝建」(=重要伝統的建造物群保存地区)という国の文化財として指定されている場所が幾つかありますが、東北には数が少なく、その殆どは探訪済みです。でも、チャンスがあれば再訪してもう一度その地の昔を偲んでみたいと思っています。また、「重要文化的景観」というのもあります。景観が文化財に指定されるというのは珍しく、東北では4カ所しかありません。その内の一つである岩手県一関市の本寺の農村景観は見たことがありますが、それ以外は見ていませんので、このテーマでの探訪にも是非チャレンジしてみたと考えています。

くるま旅も開始してから15年以上が経過し、そろそろこの辺で残されている人生の時間を過ごすための、ある種の転機となるような切っ掛けや出会いが欲しいなと思っています。今までの旅のスタイルをそのまま継続しても、決して不満などは無いのですが、欲張りなものですから、ついそのようなことを考えてしまっているこの頃です。それにしても、昨年は夏の北海道行も果たせず、秋の旅も短かったので、かなりフラストレーションが膨らんで来てしまっています。この春にはそれらを一掃して、老化を止めるパワーを獲得したものだと考えています。

コメント
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