アルジェリアのテロ事件、犠牲者最後の遺体が無言の帰国を果たし、一応の区切りがつきました。
これからアルジェリア政府には事件の全容解明を求めなければなりませんが、期待できませんねぇ。
もともと日本のプラントはアルジェリア軍が護衛していたとか。
いかに強力なテロリストといえども一国の正規の軍隊が守る施設に攻撃を仕掛けるというのは相当なことで、アルジェリア軍の中にテロリストと内通していた者が存在すると見られているようです。
アルジェリア政府にとって、それは否定もしくは隠蔽したい不都合な真実でしょう。
それが事実ならアルジェリア軍は世界中から信頼されなくなります。
しかしそれを隠蔽すればなおさら信頼されないというジレンマに陥り、アルジェリア政府は事件の幕引きを急ぎたいというのが本音でしょうね。
わが国のプラントが狙われた理由の一つには、わが国が米国と軍事同盟を結んでいることが挙げられるでしょう。
理由がそれだけなら、やむを得ないといわざるを得ません。
しかし米国そのものではなく、英国などのわが国以外の同盟国でもなく、この日本が狙われた理由があるとすれば、それは深く追求し、防止策を取らねばなりません。
推測ですが、わが国の防衛意識の薄さがあるのではないかという気がしてなりません。
わが国は世界で最も安全な国の一つと言われ続けてきました。
また、世界の紛争勃発に際しては、平和憲法を盾に、我関せずとばかり世界平和維持への貢献を怠ってきました。
いわば一億総平和呆けとも言うべき、ある意味幸せな、浅い眠りのような状態を生き続けて来たことがテロリストに付け込まれたのだとしたら、これは重大な問題です。
わが国だけが危険極まりない世界情勢から逃れていられる道理はありません。
平和を祈念するだけでは平和は維持されるはずもなく、テロリストや敵対する国家がわが国に手を出すことをためらうような力を涵養することだけが、人間という好戦的な生き物が支配する世界で生き残る術だと言えます。
悪魔の論理によってしか平和が維持されないという冷厳な事実を思う時、私は深いため息をつくしかないのです。
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