早朝から思春期の特殊能力を持った双子の悲劇を描いた「ザ・プロジェクト」を鑑賞しました。
裕福な家庭に育った一卵性双生児の高校生。
彼らは気味が悪いほどそっくりで、しぐさや行動パターン、思考パターンも似ています。
彼らには共通の悩みがありました。
恐怖の感情を感じることができないのです。
彼らが手を固く握って念じると、他人の行動をコントロールすることができます。
そこで彼らは、あるプロジェクトを開始します。
他人の行動をコントロールして自殺に追い込み、それをビデオカメラにおさめるのです。
その都度、彼らは絶望します。
恐怖を感じることが出来なかったからです。
双子がさかんに口に出す、「感じるか」「いや、感じない」という会話は、双子の絶望の深さを感じさせます。
しかし双子の一人に恋人が出来たことから、プロジェクトは破綻していきます。
その破綻の過程で、双子の家庭の秘密、双子の幼少期からの悪行が暴かれていきます。
客観的にみれば、悪魔のような双子です。
しかし彼らの目線に立てば、「妖怪人間ベム」が発する「早く人間になりたい」にも似た、切ない願望があるのです。
ラスト、彼らは悲劇的な形で感情を取り戻します。
超能力者の孤独感、恋人の出現とそれに伴う双子同士の関係性の悪化、両親との関係性といった思春期特有の絶望感がうまく描かれています。
これに火事で妻を亡くすという痛ましい経験をした黒人刑事が絡んで、物語に重層性を加えています。
一見の価値ありです。
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