ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

全童連

2013年01月24日 | 社会・政治

  類は友を呼ぶ、とか、類をもって集まる、という言葉がありますね。
 人間似た者同士で集まるものだということを示しているのでしょう。

 私も精神障害発症の際、自治体主催のうつの会というのに参加したり、地域の精神障害者が集まる自助グループに参加したり、障害者職業センターのリワーク・プログラムに参加したりして、同病相哀れんだものです。

 中学・高校・大学と、群れることを嫌い、クラブ活動やサークル活動に一切参加しなかった私ですら、心が弱ると同じ悩みを持つ者が集まる場所に吸い寄せられるように加わったというわけで、誠に人は似た者同士で集まることを好むものです。

 先般、全国童貞連合略して全童連なる奇っ怪な集団があることを知りました。
 その名のとおり、童貞であることが参加の条件で、童貞を失うと卒業ということになるそうです。

 なんでも全童連を立ち上げた現会長は、1999年、26歳の時に(今のところ最初で最後の)失恋をして、その痛みを和らげようとこの会を設立したそうです。
 現在40歳だそうですが、今もなお卒業できずにいるようです。

 本日現在1,000人を超す会員がいるそうで、ネット上に堂々と本名と顔写真を公開しており、出会い系サイトのバナーが張ってあったりして、なんだか怪しい雰囲気です。

 女性とお付き合いしたいというよりも、セックスしたい、というオーラがそのサイトには充満しており、これはなかなかしんどい感じです。

http://www.cherrybb.jp/member.php ⇒全童連のHPです。

 なんでも会員は4つのタイプに大別できるそうです。

 ①会長をはじめとする、あくまでも「童貞を捨てたい改革派」
 ②「童貞を捨てたい改革派」を否定し「恋愛は無理だから諦める」の2次元保守派
 ③「恋愛と女性をほとんど全否定」の保守新派
 ④「性欲が無くなれば楽ですよ」の解脱派

 誠に馬鹿馬鹿しいというか、阿呆な集まりです。

  そんなに女性と関係を持ちたければ、金を払えば若くてきれいな女性が笑顔で相手にしてくれる店がいくらでもあるのに。


 恋愛経験や性体験が無い者、あるいは極端に少ない者を小馬鹿にする風潮が広まったのは、バブル以降のような気がします。

 1970年代初頭くらいまでは、恋愛や婚前交渉は破廉恥な者がすることで、多くはお見合いによって吊り合いのとれた相手と結婚するのが当たり前とされてきました。

 それが今ではすっかりお見合いという風潮が廃れ、もともと破廉恥な者などそう多くは無いのに、時代が恋愛できない者を小馬鹿にするようになって、開き直ってこのような集まりができたものと想像します。

 人間100人いれば100通りの生き方があり、そこには当然異性との付き合いも、同性同士の関係も、100通りあるはずです。
 それをある一定の型を良しとし、そうでない者を小馬鹿にするというのは、まさしく差別の構造ですね。

 米国にも「40歳の童貞男」というコメディ映画があり、このような映画が作られること自体、差別的であると言わざるを得ません。

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 男女の間については極めて個人的なことで、他人が口出しするような筋合いのものではありません。

 しかしことが少子高齢化にストレートに繋がっているとすると、日本社会にとって由々しき問題です。

 わが国が抱える数々の内政問題は、少子高齢化が解決すればほとんど同時に解決してしまうと思われるからです。
 わが国における妊娠出産は、ほとんど結婚に伴うものであるため、晩婚化、非婚化はそのまま少子化につながってしまいます。

 そういう意味では、全童連の皆さまにも、素敵な出会いに恵まれ、少子化防止に役だって欲しいと願わずにはいられません。

 まぁ、子どもがいない私が言えた義理ではありませんが。

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駆け込み退職

2013年01月24日 | 社会・政治

 公立学校の教員や警察官などの地方公務員が、定年を待たずに2月末日で退職する者が大量に出ているようです。
 理由は簡単。
 人事院勧告により、地方公務員であっても、3月末まで勤めるより2月末で退職したほうが、概ね140万円も退職金を多く貰えるからです。

 不思議なことにもっと条件が悪い国家公務員には、そのような動きはほとんど見られないとか。
 総務省の担当者は、個々の判断なのでなんとも言えないが、国家公務員に早期退職者が少ないのは不思議だと述べていました。

 特に担任を持っている公立学校教員の早期退職に批判が高まっています。
 教員にはとくに高いモラルが求められ、お金のために児童生徒を犠牲にするようなことがあってはならない、と言うわけです。

 しかしそれはお門違いというものです。

 教員であっても警察官であっても、第一義的には生活の糧を得るため、つまりお金欲しさに働いているわけですから、1か月余計に働いただけで140万円も損をするとなれば自己防衛に走るのは当たり前のことです。

 老後の生活を考えると、お金は少しでも多いほうが良いでしょうから。

 むしろ、日頃偉そうなことを言っている先生が、お金のために簡単に早期退職してしまうのだ、と児童生徒に知らしめることは、教育的効果も期待できます。

 つまり、教員であろうと警察官であろうと、人は損得で動くものであり、崇高な理念のために動くのではない、という冷厳な社会の現実を知らしめることができるということです。


 それでなくても、一時期、運動会で順位を付けないとか、学芸会で全員主役の群舞劇とか、まるでこの世に競争は存在せず、競争は悪であるかのような教育が行われてきました。

 しかし社会の基本は競争であって、それを否定することは児童生徒に詐欺を働くようなものです。

 それにしても愚かな政策だと思うのは、なんだってまた2月末までこれまでどおりの退職金が適用されるのか、ということです。
 これを3月末までとしておけば、こんなことは起こらなかったものを。


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ドリーム・ホーム

2013年01月24日 | 文学

 昨夜は香港の殺人劇をDVDで鑑賞しました。

 香港は英国領であった当時、映画産業が盛んでした。
 ブルース・リーやジャッキー・チェンやトニー・レオンなどのスターを生み、ジョン・ウ―やウォン・カーウァイなどの名監督を輩出しました。

 しかし、1997年に英国は香港を中国に返還。
 中国は香港を特別行政区とし、それまでどおり表現の自由を認めると表明しましたが、香港映画界は急速に衰退してしまいました。

 政治が文化にどれだけ強い影響を与えるかを思い知らされましたね。

 昨夜観た「ドリーム・ホーム」、1991年、1997年、2004年の時制を倒錯させながら、時代の波に翻弄される香港の若い女性が狂気の大量殺人に走る姿が描き出されます。

 1991年、香港返還を数年後に控えた香港政府は海岸沿いの老朽化した団地を取り壊し、住民に引っ越しを迫ります。
 そんな中、海が見える団地で育った少女は、漁師の祖父や、海沿いに住みたいと言う祖母や両親の願いを叶えるため、いつかベイ・エリアに家を買うのだと決意します。

 不動産バブルが高騰する中、ベイ・エリアのマンションの値段は急騰。
 大人になった彼女は昼は銀行で働き、夜はデパートで働くなど、マンション購入のための貯蓄に励みます。

 そしてやっと、念願のベイ・エリアのマンション購入契約を結ぼうというその日、売主はまだ値が上がると判断し、契約金額を5割増しにするよう要求します。
 絶望する女性。

 そこで彼女が取った行動がぶっ飛んでいます。
 そのマンションに現在住んでいる住人を、片っぱしから殺害していくのです。
 それも血も涙も感じられない残忍な方法で。
 そのような事件が起きれば、マンションの値は急激に下がるだろうと踏んだわけです。

 案の定、売主は大幅な値下げに同意。
 マンションが買えると思った主人公に、予想外のニュースが飛び込んできます。
 不動産バブルがはじけ、不動産の値段が暴落していると言うのです。
 呆然としてそのニュースに聞き入る殺人鬼。

 彼女は家が欲しい鬼と化していたのです。
 しかももう、祖父母も両親もこの世の者ではないというのに、約束を果たそうとして怖ろしい犯罪に手を染めてしまったのです。

 かなりストレートな残酷シーンが満載ですが、基調に流れる殺人鬼の悲哀が、観る者の胸を打ちます。

 ホラーというか、人情ホラーというか、ジャンルにはまらない、不思議な映画でしたねぇ。

ドリーム・ホーム [DVD]
ジョシー・ホー,イーソン・チャン
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