ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

四合瓶おじさん

2013年01月01日 | その他

 例年ですと、元旦は昼から親戚宅で宴会ですが、今年は喪中のため、自粛しています。
 昼酒を飲まない元旦は、もしかしたら成人して初めてかもしれません。

 退屈で散歩に出かけ、元旦早々営業しているショッピング・モールに立ち寄りました。
 ここには、フード・コートがあります。
 私はフード・コートで飲食することは通常ありません。
 あまりに騒々しく、しかも出すものがことごとく不味いからです。
 私はフード・コートを餌場と呼び、蛇蝎の如く嫌っています。

 しかし、元旦ということで、人も少なく、静かで、しかも他に営業している喫茶店もないので、少し、フード・コートで休みました。

 ちらほら中高年男性が一人で酒を飲んでいる姿を見かけました。
 元旦早々何が悲しくてこんなところで独り酒を飲んでいるのだろうと思いましたが、人にはそれぞれ事情があります。
 もしかしたら家で飲むより気楽で良いのかもしれません。

 大抵は缶ビールか缶チューハイかワンカップを飲みながらたこ焼きや焼き鳥を食していましたが、強者がいました。

 日本酒の四合瓶をラッパ飲みしているのです。
 しかも、すでに空になった四合瓶が一本テーブルに置いてあります。
 つまみがまた驚きです。
 味噌ラーメン。
 味噌ラーメンを一本すすっては酒をラッパ飲みし、煙草などくゆらせてまた一本すすって、という具合。

 ラーメンというと通常存分に飲んだ後、小腹満たしに上がりで食うというのが定番ですが、その初老の男性は完全につまみにしていました。

 私のラーメン観を変える決定的な光景でした。
 同時に、何事も偏見の目を持って決め付けてはいけないと肝に銘じました。

 世の中は多様なもの。
 私の小さな常識や世間一般の常識など易々と乗り越える素敵な人が存在するのです。

 その初老の男性に、四合瓶おじさんと心の中で語りかけ、彼の一年が幸多かれと祈念しました。


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平成25年

2013年01月01日 | 社会・政治

 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 平成の御世も25年目に突入しましたね。
 初めてへいせいという音を当時の故小渕恵三官房長官の口から耳にしたとき、非常な違和感を覚えました。
 平成という文字を先に目にし、おそらくへいじょうひょうじょうだろうと思い込んだためです。

 へいせいという音がひどく軽薄な感じがしました。
 それはわが国がバブルの絶頂に向かって突き進んでいた時代の空気のせいかもしれません。

 あれから四半世紀。
 時代は大きく変わりました。

 わが国はバブル崩壊後、約20年もの長い不況に苦しみ、今もそれは続いています。

 自社対立の55年体制は崩壊し、新生党だの新進党だの日本新党だの新党さきがけだのと次から次へと新党が生まれては消えていきました。
 今も日本維新の会だのみんなの党だの、新しい党が議席を獲得しています。
 今や民主党の命運も風前の灯です。

 諸行無常、盛者必衰といった「平家物語」で語られる仏教的無常観を実感させられます。

 しかしそれでも、私たちはただ今現在の問題を片付けざるを得ず、仏教的無常観の世界に逃避するわけにはいきません。
 
 鴨長明「発心集」などの仏教説話では、さかんに出家を勧めますが、第一次産業に携わる人がみな出家してしまっては、人は食っていけなくなります。
 第二次産業や第三次産業も同じこと。
 誰もが出家してしまっては、人間の社会は回らなくなってしまいます。

 出家は形而上学的世界に逃避することを許された特権的な行いで、通常、人はおのれの精神上の問題を第一義に考えるのではなく、食うための生業を第一に考えなければなりません。

 切ないことですが。

 年が改まったからと言って何かが劇的に変化することはありません。
 去年の問題をひきずってどうにかこうにかやりくりしていく他はないでしょう。

 それでも、昨年の正月よりは、少しですが、日本社会が明るい方向に向き始めたような気がします。
 3年3ヶ月、なにがやりたいんだかさっぱり分からない烏合の衆が政権を握っていたせいで、全てが悪いほうへ向いているような気分でした。

 昨年、政権交代が実現し、早々に市場は反応して株が上がったり円が安くなったりしました。
 崩壊した外交を素早く立て直すべく、安倍総理は次から次へと各国首脳と電話会談し、自ら米国を訪問することを決め、中国やロシアには特使を送る予定だと聞いています。

 わが国が抱えている少子高齢化とそれに伴う労働人口の縮小と社会保障費の増大という根本的な問題が解決するはずはありませんが、とりあえず、今日より明日のほうが良いのではないかと期待せずにはいられません。

 今年がわが国にとって実り多い年となることを祈ります。

平家物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
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方丈記 発心集 歎異抄 現代語訳
三木 紀人
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