ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

TATARI

2010年10月18日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜、DVDで「TATARI」を観ました。
 
 1930年代に人体実験を繰り返した魔の精神病院。
 そこで大火災が発生し、五人だけが生き残ります。
 そして現代、閉鎖された精神病院でパーティーをやるからと、五人が招待されます。
 そこで起こるお化けの仕業とも人間の仕業ともつかない虐殺事件。
 最初は呪われた館を利用した殺人事件なのかと思わせといて、しっかりと幽霊が出てきます。
 遊園地のお化け屋敷のような他愛もない映画です。
 怖そうなしかけはありますが、怖くありません。
 ちょっと子どもだましのような。

TATARI タタリ [DVD]
ジェフリー・ラッシュ; ファムケ・ヤンセン; テイ・ディグス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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寝て曜日

2010年10月17日 | その他

 日曜日の一日、よく寝ました。
 朝は九時に起きて飯を食ってリビングで新聞を読んでいたら、そのまま爆睡。
 11時半に起きて、近所の定食屋でカキフライ定食を食い、DVDを借りて帰ったのはよいけれど、観るのが億劫でまた4時半まで爆睡。
 今、6時。
 さきほど夕飯の買い物から帰ってきました。
 くっちゃあ寝の繰り返し。
 休みの日にしかできない贅沢ではありますが、なんとなく一日を損したような気分。
 明日以降、今日の爆睡が功を奏して、元気はつらつになると良いんですが。
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高齢ニート

2010年10月17日 | 精神障害

 発言小町というサイトで、驚愕の質問が寄せられていました。

 48歳、独身男、両親と同居。過去、恋人はおろか同性の友人すらできたことがない、酔って母親に暴力をふるう。仕事は家でやっている雑貨屋の手伝いだが、実質なにもしていない。
 45歳以下の彼女を作って、同性の友人もつくって、将来は社会に出て働きたい。でも今はまだ無理。どうしたらいいんでしょう。
 
 概略こんな感じでした。

 詳しくはサイトをご覧ください。
    ↓
 
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/1107/274241.htm?o=0&p=5

 当然、回答は厳しいものばかりでした。

 しかし私は、そのままで良いのではないか、と思います。48歳といえば普通は老後の過ごし方なんかを考え始める年。
 その年までできなかったことが突然できるようになるとは思えません。
 それなら、両親の面倒を見る体制を整えて、両親が亡くなったら今度は自分の老後を考えて、雑貨屋の仕事に精を出すほかありますまい。
 ニートや引きこもりの高齢化が問題になって久しいですね。
 現実に40代後半の方が悩んでいます。
 私には良い回答ができません。
 一人で生きていく覚悟を持って何事にもあたる必要があるのではないでしょうか。


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モンスターズとモンスター

2010年10月16日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 ハリウッドで活躍する日本人、光武監督のホラー「モンスターズ」をDVDで観ました。

 自分が通う高校で銃乱射事件を起こした高校生。
 その犠牲になった女子高生の父親が、犯人を拉致し、復讐のため拷問する、という単調なストーリーです。
 モンスターズ、と複数形になっているのは、犯人と、女子高生の父親、二人ともがモンスターだと言いたいのでしょう。
 正直言って退屈でした。
 謎もなければ恐怖シーンもなく、耽美的なシーンもありません。
 こんなの作ってるとハリウッドから追い出されちゃうよ。

 何の関係もありませんが、女性同性愛者で、パートナーの心をひきとめておくために金目当ての殺人を繰り広げた売春婦を描いた「モンスター」は異様な迫力がありました。
 逮捕後、法廷で元は愛し合っていた女同士がののしりあう様は圧巻です。
 しかも実話だというから驚きです。
 こっちのほうがお勧めです。

モンスターズ [DVD]
光武蔵人,ディーン・シモーン,カイル・イングルマン,ボニー・ミューヘッド
マクザム
モンスター プレミアム・エディション [DVD]
パティ・ジェンキンス
松竹

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叱咤激励?

2010年10月15日 | 社会・政治
 大分県日田市役所の55歳の主幹(課長補佐級)が仕事の打ち合わせをしていた女性職員の下半身に触ったことが発覚し、主幹は停職三カ月の処分を、上司の部長と課長は訓告処分をくらった、とのことです。
 事件から発覚まで、一年以上たっていたそうです。
 その間被害者の女性は、事件を表沙汰にして、不利益を受けないか悩み続けていたようです。
 痛々しいかぎりです。
 主幹は「魔がさした」と言っているようですが、一年以上女性職員に謝罪することもなかったのですから、大したことではない、と思っていたのでしょうね。
 
 この手の事件は、ほとんどがそうですね。
 セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント、さらにはネグレストや児童虐待、ドメスティック・バイオレンス。
 加害者は叱咤激励のため、とかスキンシップとか、しつけとか、相手のためを思ってしたこと、などと言い訳します。
 怖ろしいのは、加害者がその言い訳を本気で信じていること。
 罪の意識がないのですね。そこがかえって悪質です。
 
 だからこそ、被害者は、不利益をこうむるのでは、とか、同じ組織の上司の発言だから、とか、相手に嫌われたくない、とか、余計なことは考えずに、職場の労務管理担当やら警察やらに相談し、表沙汰にすることが死活的に重要になってきます。

 私が平成18年12月28日以降、約7カ月にわたって、繰り返しパワーハラスメントを受けたことは、このブログに何度も書きました。
 私の場合、当初労務管理を担当する課長に相談しましたが、相談したこと自体を隠匿され、やむなく弁護士を立てることになってしまいました。
 そして、罵詈雑言を放った上司の言い訳が、「叱咤激励のためで、悪気はなかった」、でした。
 この種の事件としては典型的な経過をたどったわけです。

 しかし、事件を表沙汰にして本当に良かったと思っています。
 
 その件があった後も、その上司と私の先輩が喧嘩して、通常あり得ない人事異動が行われました。
 先輩は何も言いませんでしたが、職場でそのことを知らない者はいません。
 他にも女性職員で、出向から4月1日付けで戻る、という内示を出向先で貰い、書類上は戻ったのですが、同日付でまた別の組織に再度出向、という詐欺のような人事異動が行われました。これもその上司に嫌われたせいでしょう。
 しかし、彼女は何も言いませんでした。この件も、何かがおかしいと、職場の誰もが思っています。
 気付かないのは、愚かな裸の王様だけ。
 誰もが気づいていて、口にしないだけです。

 犯罪的な行動を取る加害者が誰よりも悪いことは当然です。
 しかし、黙って我慢する被害者もいけません。
 被害はきちんと声に出さなければわかりません。
 自分一人我慢すればいい、と思って我慢すると、第二、第三の被害者が出ます。
 人間なんて、変わるようでその本質は変わらないものです。

 そして、何より重要なのは、自分自身が加害者にならないようにすること。
 それには、人を見て態度を変える、ということは止したほうがよさそうです。
 こいつなら少々きついことを言っても大丈夫だろうとか、この女なら性的な冗談も笑ってすませるだろうとか、逆にこいつにはこのぐらいしないと分からないはずだ、とか。
 相手が部下であれ後輩であれ、仕事が遅かろうと頓珍漢だろうと、誰に対しても相手を尊重しなければいけません。
 相手が嫌がることは止めましょう、という幼稚園で習うようなことが、出世すると分からなくなる大人がいるなんて、なんとも情けないかぎりです。

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ノンフィクション

2010年10月15日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜、DVDで奇妙な映画を観ました。
 「ノンフィクション」です。
 フィクションであるはずのホラー小説がノンフィクションになってしまうフィクションです。
 つまり、あるホラー作家が小説を書くと、それが現実になってしまうのです。
 そのことに気付いて絶望したホラー作家は、二度とキイボードを打てないように両手の指を切断し、自殺を図ります。
 しかし未遂に終わり、精神病院に入院させられます。
 ありえない現実に気付いた精神科医が、ホラー作家誕生の秘密を探り、怖ろしい真実を突き止めます。

 カナダのホラー映画で、言語はフランス語です。
 ケベック州を舞台にしているようです。
 あまり期待していなかったのですが、テンポが良く、映像も美しいシーンに適度な残虐シーンが混じって、引き込まれました。
 キリスト教の司祭が重要な役割を果たしていますが、悪魔は登場しません。
 ただし、悪魔よりも怖ろしい、を崇拝するカルトが登場します。
 悪魔は一応、顔形の見える生き物っぽいイメージがありますが、は混沌としていて、誰でも心の内に持っている上に、その力は強大なので、悪魔以上に恐怖すべきものです。
 ただ映像化するために、陳腐とも言える方法でを描いているのが残念です。

 なお、下のパッケージのような場面はありません。イメージ映像なのでしょうが、映画を不当に安っぽく見せていると思います。

ノンフィクション [DVD]
エリック・テシエ,パトリック・セネカル
アルバトロス

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ワイセツな俳人

2010年10月14日 | 文学

 「どうもワイセツだからもう一度生やしてください」
 男が見てワイセツなら、女が見たら― と私は慄然として、また口髭を培養した。

 俳句界きってのダンディな紳士または好色漢、西東三鬼の自伝的作品「神戸」に見られる記述です。
 口髭を剃ったら顔がワイセツだと言うんですから、どれだけ好色な人だったのでしょうね。
 恋人が35人いたとか、よく知らない看護師に子どもがほしいから種だけくれと頼まれて実際に父になったとか、にわかには信じがたいエピソードが残っています。

 かくし子の 父や蚊の声 来たり去る

 前述のエピソードを知った上で想像すると、怖いですねぇ。

 恋猫と 語る女は 憎むべし

 憎むべしだなんて、お上手。猫好きな女とも関係していたようです。

 中年や 遠くにもれる 夜の桃

 なんとも香り高い、エロティックな句ですねぇ。いい年をしても、女色は止められなかったようです。 

 趣をがらりと変えて、

 水枕 ガバリと寒い 海がある

 西東三鬼自ら、この句を得たことで俳句の眼を開いた、と言った句です。
 高熱の中、うなされながらひらめいた句というだけあって、どこか不気味な、異界へ通じるような海の迫力が感じられます。
 海に関する句は多くはないですが、重要な句があります。
 
 求道者めいた芭蕉とも、郷愁の俳人蕪村とも異なった系統で、かといって自由律俳句ほどの激しさはなく、独特のユーモアを交えた、ダンディズムの俳句とでもいうべき世界を醸し出しています。
 
 晩年、胃がんを患い手術後、

 秋の暮 大魚の骨を 海が引く

 という壮大な句を詠みました。
 俳句の眼を開いたのは寒い海、人生の最後に到達したのは大海、海に始まり、女に狂い、海に終わった俳人の生きようでした。

 歯科医という立派な職業に就きながら、俳句というやくざな業にのめり込んだとは、物好きな人です。
 
 俳句は世界一短い定型詩。米粒に絵を描く絵描きがいるように、小さいほうへ小さいほうへと吸い寄せられていくわが国びとには、たまらない魅力にあふれた17文字なのでしょう。

神戸・続神戸・俳愚伝 (講談社文芸文庫)
西東 三鬼
講談社
西東三鬼句集 (芸林21世紀文庫)
西東 三鬼,橋本 真理
芸林書房



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仙谷官房長官の答弁

2010年10月14日 | 社会・政治
 今国会予算委員会における仙谷官房長官の活躍は目を見張るものがありますね。
 総理大臣への質問にもさっと手を挙げて颯爽と答えたり。
 怒鳴ってみたり、情に訴えたり、質問者に逆に質問してみせたり。
 元弁護士で、ディベートの達人だったとか。
 
 ディベートの達人といえば、海部元総理を思い出します。
 元総理は、早稲田大学雄弁会時代、海部の前に海部なし、海部の後に海部なし、とまで言われたディベートの名手だったそうです。
 
 ディベートというのはおのれの思想信条に関係なく、与えられた立場に立って白を黒と言いくるめるような一種のゲームです。
 だから海部元総理の言葉にも、仙谷官房長官の発言にも、弁舌こそ爽やかですが、説得力がないのでしょう。

 一方鈍牛とかあーうー宰相とか言われた大平元総理は、弁論術はまるでダメでしたが、発言をテープ起こしして、あーとかうーとか言うのを削除すれば、直しようがない完璧な文章になっていたそうです。
 考えながらしゃべるから、あーとかうーが入っちゃったんでしょうね。

 小泉元総理は言い切りの断定口調で人気を博しました。
 自分に抵抗する勢力は全て抵抗勢力だ、とか、イラクのどこが危険な地域なんて分からない、とか、これくらいの公約違反はたいしたことではない、とか、例えば森元総理なんかが言えば一発で首がとぶような問題発言も、この人が言うとなぜか許しちゃうんですよねぇ。
 北朝鮮に拉致を認めさせたのは見事ですが、日本を小さなアメリカのようにしようとした政策は良い結果を生んでいませんね。

 いずれにせよ、女房役の官房長官があんまり目立つのはよろしくないでしょう。
 
 菅総理におかれては、野党時代に見せた強い闘争心を発揮して、政治にあたっていただきたいと思います。
 テレビカメラの前でカイワレ食ったり、薬害エイズで頭を下げたりしたのと同じ要領で、尖閣諸島にでも上陸して視察したらいかがでしょう。
 大人しい総理では、イラ菅のあだ名が泣くというものです。
ザ・ディベート―自己責任時代の思考・表現技術 (ちくま新書)
茂木 秀昭
筑摩書房
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留学

2010年10月13日 | 社会・政治

 今年日本から二人もノーベル賞受賞者が出たことは、誠に喜ばしいことですね。
 件の二人は、日本社会に理系重視を、日本の若い研究者に海外で武者修行することを、求めていました。
 我が意を得たり。
 まったく同感です。
 日本の学術研究予算は、平成16年度の国立大学等の法人化以来、目先の利益を追うような研究に多くの資金を投入してきました。
 これでは日本沈没です。
 一方中国は欧米先進国に多くの留学生を送り、急速に科学技術の力をつけてきているやに聞きます。
 
 日本もかつて、明治初期、多くの有為の若者が、国の期待を背負って欧米各国に留学しました。
 またかつての清国は、多くの留学生を日本に送り、彼らは革命思想にかぶれて帰ってくるばかりか、ついには清国を倒してしまう、という本末転倒のような結果になりました。
 しかしそれでも、周恩来が日本留学を望んだり(入試で失敗して帰国)、汪兆銘や魯迅など、後にそれぞれの立場で活躍する人材を輩出したり、それなりの成果はあったようです。

 むしろ8年前に中国人留学生ばかり受け入れて、それがほとんど東京で就労していたことがばれてつぶれてしまった酒田短期大学の例のように、現代の中国人留学生には問題がありそうです。
 昔はエリートしか留学できなかったのでしょうから、現在のように、就労目的の者はごくわずかだったのでしょうね。

 私が大学に入る頃、成績の悪い学生の間で、「飛ぶか?」という言葉が流行りました。
 日本の大学には難しくて入れないので、アメリカあたりの田舎の大学を目指そうか、というほどの意です。

 そんな不埒な動機で留学するのはよくありませんが、向学心に燃えて海外に出るのは立派なことです。
 私は関東の荒れ地で静かに糊口をしのぐばかりですが、未来に希望をもって、老いも若きも、海外に出て行ったらよろしい。
 

清国人日本留学生の言語文化接触―相互誤解の日中教育文化交流
酒井 順一郎
ひつじ書房
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チリ鉱山作業員救出

2010年10月13日 | 社会・政治
 チリの鉱山落盤事故で、長期にわたって閉じ込められている作業員の救出作業が、いよいよ始まるらしいですね。
 
  さぞ辛かったことでしょう。
 
  私は以前、東京都現代美術館で奇妙な作品に接したことがあります。
 完全な闇を演出した小さな空間に入っていくのです。
 その空間自体が美術作品だというのです。
 解説では、真なる暗闇と無縁となった現代人は、その真っ暗な作品世界で、最初は不安を、やがて安心をおぼえる、というのです。
 しかし私が感じたのは、心からなる恐怖、一種のパニック発作のようなものでした。
 一秒もいられない、と思いました。
 作者も作品名も覚えていません。

  また、被験者を囚人と看守に分けて被験者がどういう行動をとるかを描いた実話に基づいた映画「es」では、反抗的な囚人を懲らしめるために、真っ暗な箱の中に何時間も閉じ込める、という拷問を行っています。

 チリの鉱山で閉じ込められていた空間には灯りがあり、また大勢で励まし合うこともできたことから、私が体験した現代アートや「es」での拷問とは異なるでしょうが、それでも狭くて薄暗い空間に数カ月も閉じ込められるということが、どれだけ人の精神を傷つけ、体力を消耗させるか、察して余りあるものがあります。

 それだけに、今日の日をどれだけ待ちわびたことか、その喜びもひとしおでしょう。
 狭くて暗い空間に閉じ込められることが人に何をもたらすか、これから世界は目の当たりにすることになりましょう。

es[エス] [DVD]
マリオ・ジョルダーノ
ポニーキャニオン

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フェーズ6

2010年10月12日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今年4月にロードショー公開された映画「フェーズ6」をDVDで観ました。
 フェーズ6とは感染症が世界的に流行し、人類に危機が訪れる状況を意味する段階のことです。

 感染すれば致死率100%のウィルスが大流行し、感染していない兄弟とそれぞれの恋人4人が、兄弟が毎夏訪れていたという思い出のビーチを目指して何日も車を走らせるロードムーヴィーです。 
 計画では、閉鎖されたホテルにこもってウィルスが死に絶えるのを待とう、ということですが、事実上は思い出のビーチに死にに行くというのが本当でしょう。
 途中、何人かの生存者に会いますが、みな絶望してニヒリズムに襲われています。
 そして旅をともにする4人も、全員がビーチにたどりつけるわけではありません。
 感染が知られれば、置き去りにするまでです。
 感染した他人を銃で脅して車から降ろし、置き去りにしながら、おのれが感染したとわかると連れて行ってくれと哀願する様は、人間の生きたいという本能を描いて見事です。
 
 感染症パニック映画でありながら、映像の趣は淡々とした旅情あふれるロードムーヴィーに仕上がっており、ショッキングなシーンが苦手な向きにはお勧めです。
 娯楽作というよりは、起こりうる近い未来を予見した社会的な作品と見ました。

フェーズ6 [DVD]
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ポニーキャニオン

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ちょんまげ

2010年10月12日 | 思想・学問

 昨夜「水戸黄門」の新シリーズを見ていて、ずいぶん太くて立派なちょんまげだなあと不思議に思いました。

幕末の侍の写真を見ると、頼りないほどまげが細く、さかやきの部分が広いんですよねぇ。

黒澤明の「影武者」なんかは、不自然なほど細いまげでしたが、きっと実際は現代人が思うより細かったんじゃないでしょうか。

時代劇のまげが立派に過ぎるんだろうと思います。

歌舞伎の鬘の影響ですかねぇ。

 

いずれにしろ、文明開化とともに、日本人はちょんまげを捨て、お相撲さん以外はざんばら髪へと移行しました。

 

お隣、李氏朝鮮においても、日清戦争後、日本が朝鮮最初の憲法と言われる洪範十四条を押しつけて、断髪令が施行されました。

日本とは違った、伸びるに任せた長い髪を束ねて髷を結っていたのを、西洋風の髪型にしろ、というわけです。

日本において、侍は廃刀令には激しく反発しましたが、ざんばら髪はわが国ではそんなに反対されませんでした。

しかし李氏朝鮮においては、断髪令は強烈な抵抗にあいます。

私の髪を切るならまず首を切れ、と叫んだ学者がいたとか。

さらには髪を切ったことを恥じて自殺する者が後を絶たなかったとか。

 

身体髪膚これを父母に受く。あえて毀傷せざるは孝の始まりなり。

 

という孔子の教えが、朝鮮民族の間に染み付いていたのがその理由ではないか、とある韓国人学者が分析していました。

要するに親からもらった体に一切傷は付けない、例え髪でもこれを切らない、ということのようです。

そうだとすると、近頃の韓国における整形ブームは解せませんねぇ。

 

中国・韓国は儒教、特にを大切にしますから、こういうことになっちゃったんでしょうね。

しかし髪を切ったくらいで自殺しなくても、と思いますが、信じるということは怖ろしいですね。

 

日本の儒学者は考よりもということを大事にしたようです。

を上に置くと、公益よりも自分の親や祖父母の利益を重要視してしまうので、王朝などは世襲ですし、家来の身分も世襲ですから、どうしても民百姓のことは後回しになってしまいます。

を上位の概念ととらえると、自分が仕える上様なり殿様なりの利益を考え、身内のことは二の次になりますから、自然と公益を重視し、年貢米などがきちんと徴収できるよう、民百姓のことを考えるようになりましょう。

この儒教の解釈の違いが、明治期の北東アジアにおいて、日本だけが帝国主義列強に名を連ねることになった理由ではないか、と先述の韓国人学者は述べていました。

さらには台湾は日本に支配されて幸せだったとか、朝鮮民族は中国ばかりに目が行って、欧米や日本を見ようとしなかったから植民地になってしまったとか、韓国人らしからぬ冷静な分析を試みています。

また、本来の儒教はを第一にしているので、日本の解釈は誤りだそうです。

誤りというか、儒教を受容したときに、日本人が日本の体制に合うように意図的に違う解釈をしたんではないでしょうか。


 仏教の無常感や因果応報、神道の清き明き心、儒教の忠とが混然一体となって、日本教ともいうべき、宗教の垣根を超えた思想とも倫理規範ともつかない漠然とした独特の空気が、わが国を覆ったような気がします。

そしてそれは現代日本にも厳然として在り、幼い頃からその空気に触れて成長することによって、この島国に生まれた人々は日本人に成るのではないでしょうか。

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コスプレ

2010年10月11日 | 散歩・旅行

 今日は千葉市中心部を散歩しました。
 陽射しが強烈で、大汗をかきました。
 10月とは思えません。

 途中、千葉城に立ち寄りました。
 石段を登っていくと、紫色の頭が見えました。
 なんだろうと登っていくと、奇妙な格好をした若いやつらが、大勢で写真を撮ったり談笑したりしています。
 看板があって、コスプレ愛好者の集まりを開いているが、一般の公園利用者には迷惑をかけないようにします、とありました。
 忍者やら武将やらお姫様やら船乗りやら。
 いずれ劣らぬ派手な、しかし安い衣装に身を包み、判で押したように人類にはそういう色の髪はあり得ませんというような、みょうちきりんな鬘をかぶっていました。
 そして少々見栄えの良い女の周りには、これも判で押したように薄汚いジーンズをはいてチェック柄のシャツを着た青年中年が、巨大なカメラを構えているのでした。
 写されたいやつは妙な安っぽい格好をして、写したいやつは薄汚い格好、対比が見事でした。

 それぞれアニメだかゲームだかのキャラクターをかたどっているのでしょうが、私のようなおじさんにもわかる、シャア少佐やラムちゃんやメーテルはいませんでした。
 知らずに訪れた千葉城公園で面白いものを見られました。
 おそらくああいう隠花植物のような手合いに会うことは滅多にないでしょうから、ただで見られて良かったかな。
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諦め

2010年10月11日 | 文学

 昨夜、NHKの日曜美術館の上村松園の特集番組で、彼女が使っていた絵の具が紹介されていました。
 強烈な赤の絵の具を見て、ふいに、ある歌を思い出しました。
 ちょうど、プルーストが紅茶にひたしたマドレーヌを食べて、はるか昔の記憶を鮮烈に呼び起されて、「失われた時を求めて」を書き始めたように。

 
 
草わかば  色鉛筆の赤き粉の  ちるがいとしく  寝て削るなり

 北原白秋の歌です。
 私はこれに13歳のときに初めて接し、自分は決して歌を詠むまい、と決めたのでした。
 この歌に感銘を受けながら、同時にこのようなレベルの歌を詠む才は自分にはないことを、思い知らされたのです。
 
 同じように、17歳の時に村上春樹の「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を読んで、自分が小説を書く意味はないな、と思いました。
 こんな小説を書く人がいるのに、自分がくだらぬものを書いても仕方ない、と思いました。
 しかし13歳の時との違いは、書くまい、と決めはしなかったことです。
 それでくだらぬものを書いては出版社に送るということをして、二冊、世に問いましたが、ほぼ黙殺されました。
 17歳のときの直感は当たっていたことになります。
 残念です。
 
 今、躁状態が起こる危険性があるからと、小説の執筆は主治医に止められています。
 代替行為のようにこのブログをほぼ毎日更新していますが、決定的に物足りない、というのが率直な気持ちです。
 もうあらゆることを諦めるしかないのかな、と思っています。
 病を抱えている以上、それも仕方ありますまい。
 何もしなくてもいいから毎日職場に通うことだけを、当面の目標にしています。
 味気なくはありますが、生活というものは、本来そうしたものなのでしょうね。
 ないものねだりはやめにして、三食の飯と、住まいを失わないように努めましょう。
 三食食えて布団で眠れて、たまには酒だって飲める。これを幸せと言うのでしょうから。

北原白秋歌集 (岩波文庫)
高野 公彦
岩波書店
失われた時を求めて(上)
鈴木 道彦
集英社
失われた時を求めて(下)
鈴木 道彦
集英社
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社

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おいしい食卓

2010年10月10日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 カニバリズムを扱ったB級映画、「おいしい食卓」を観ました。
 予算が少ないのも分かるし、狂気に満ちた、しかし美しい映像を撮りたかったことも分かるのですが、単なる安っぽいホラーに終わっています。
 役者が下手だし、説得力もない。監督のセンスは悪くないと思いますが、いかんせん技術がない。レンタルで100円でしたが、それも惜しいような作品でした。
 
 同じカニバリズムを描いた映画でも、名作「悪魔のいけにえ」シリーズがいかに素晴らしかったのか、この作品を観て痛感しました。

おいしい食卓 [DVD]
永岡久明
ティーエムシー
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マリリン・バーンズ,ポール・A・パーテイン,ガンナー・ハンセン
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悪魔のいけにえ2 [DVD]
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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