ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

留学

2010年10月13日 | 社会・政治

 今年日本から二人もノーベル賞受賞者が出たことは、誠に喜ばしいことですね。
 件の二人は、日本社会に理系重視を、日本の若い研究者に海外で武者修行することを、求めていました。
 我が意を得たり。
 まったく同感です。
 日本の学術研究予算は、平成16年度の国立大学等の法人化以来、目先の利益を追うような研究に多くの資金を投入してきました。
 これでは日本沈没です。
 一方中国は欧米先進国に多くの留学生を送り、急速に科学技術の力をつけてきているやに聞きます。
 
 日本もかつて、明治初期、多くの有為の若者が、国の期待を背負って欧米各国に留学しました。
 またかつての清国は、多くの留学生を日本に送り、彼らは革命思想にかぶれて帰ってくるばかりか、ついには清国を倒してしまう、という本末転倒のような結果になりました。
 しかしそれでも、周恩来が日本留学を望んだり(入試で失敗して帰国)、汪兆銘や魯迅など、後にそれぞれの立場で活躍する人材を輩出したり、それなりの成果はあったようです。

 むしろ8年前に中国人留学生ばかり受け入れて、それがほとんど東京で就労していたことがばれてつぶれてしまった酒田短期大学の例のように、現代の中国人留学生には問題がありそうです。
 昔はエリートしか留学できなかったのでしょうから、現在のように、就労目的の者はごくわずかだったのでしょうね。

 私が大学に入る頃、成績の悪い学生の間で、「飛ぶか?」という言葉が流行りました。
 日本の大学には難しくて入れないので、アメリカあたりの田舎の大学を目指そうか、というほどの意です。

 そんな不埒な動機で留学するのはよくありませんが、向学心に燃えて海外に出るのは立派なことです。
 私は関東の荒れ地で静かに糊口をしのぐばかりですが、未来に希望をもって、老いも若きも、海外に出て行ったらよろしい。
 

清国人日本留学生の言語文化接触―相互誤解の日中教育文化交流
酒井 順一郎
ひつじ書房
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チリ鉱山作業員救出

2010年10月13日 | 社会・政治
 チリの鉱山落盤事故で、長期にわたって閉じ込められている作業員の救出作業が、いよいよ始まるらしいですね。
 
  さぞ辛かったことでしょう。
 
  私は以前、東京都現代美術館で奇妙な作品に接したことがあります。
 完全な闇を演出した小さな空間に入っていくのです。
 その空間自体が美術作品だというのです。
 解説では、真なる暗闇と無縁となった現代人は、その真っ暗な作品世界で、最初は不安を、やがて安心をおぼえる、というのです。
 しかし私が感じたのは、心からなる恐怖、一種のパニック発作のようなものでした。
 一秒もいられない、と思いました。
 作者も作品名も覚えていません。

  また、被験者を囚人と看守に分けて被験者がどういう行動をとるかを描いた実話に基づいた映画「es」では、反抗的な囚人を懲らしめるために、真っ暗な箱の中に何時間も閉じ込める、という拷問を行っています。

 チリの鉱山で閉じ込められていた空間には灯りがあり、また大勢で励まし合うこともできたことから、私が体験した現代アートや「es」での拷問とは異なるでしょうが、それでも狭くて薄暗い空間に数カ月も閉じ込められるということが、どれだけ人の精神を傷つけ、体力を消耗させるか、察して余りあるものがあります。

 それだけに、今日の日をどれだけ待ちわびたことか、その喜びもひとしおでしょう。
 狭くて暗い空間に閉じ込められることが人に何をもたらすか、これから世界は目の当たりにすることになりましょう。

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マリオ・ジョルダーノ
ポニーキャニオン

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