ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

叱咤激励?

2010年10月15日 | 社会・政治
 大分県日田市役所の55歳の主幹(課長補佐級)が仕事の打ち合わせをしていた女性職員の下半身に触ったことが発覚し、主幹は停職三カ月の処分を、上司の部長と課長は訓告処分をくらった、とのことです。
 事件から発覚まで、一年以上たっていたそうです。
 その間被害者の女性は、事件を表沙汰にして、不利益を受けないか悩み続けていたようです。
 痛々しいかぎりです。
 主幹は「魔がさした」と言っているようですが、一年以上女性職員に謝罪することもなかったのですから、大したことではない、と思っていたのでしょうね。
 
 この手の事件は、ほとんどがそうですね。
 セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント、さらにはネグレストや児童虐待、ドメスティック・バイオレンス。
 加害者は叱咤激励のため、とかスキンシップとか、しつけとか、相手のためを思ってしたこと、などと言い訳します。
 怖ろしいのは、加害者がその言い訳を本気で信じていること。
 罪の意識がないのですね。そこがかえって悪質です。
 
 だからこそ、被害者は、不利益をこうむるのでは、とか、同じ組織の上司の発言だから、とか、相手に嫌われたくない、とか、余計なことは考えずに、職場の労務管理担当やら警察やらに相談し、表沙汰にすることが死活的に重要になってきます。

 私が平成18年12月28日以降、約7カ月にわたって、繰り返しパワーハラスメントを受けたことは、このブログに何度も書きました。
 私の場合、当初労務管理を担当する課長に相談しましたが、相談したこと自体を隠匿され、やむなく弁護士を立てることになってしまいました。
 そして、罵詈雑言を放った上司の言い訳が、「叱咤激励のためで、悪気はなかった」、でした。
 この種の事件としては典型的な経過をたどったわけです。

 しかし、事件を表沙汰にして本当に良かったと思っています。
 
 その件があった後も、その上司と私の先輩が喧嘩して、通常あり得ない人事異動が行われました。
 先輩は何も言いませんでしたが、職場でそのことを知らない者はいません。
 他にも女性職員で、出向から4月1日付けで戻る、という内示を出向先で貰い、書類上は戻ったのですが、同日付でまた別の組織に再度出向、という詐欺のような人事異動が行われました。これもその上司に嫌われたせいでしょう。
 しかし、彼女は何も言いませんでした。この件も、何かがおかしいと、職場の誰もが思っています。
 気付かないのは、愚かな裸の王様だけ。
 誰もが気づいていて、口にしないだけです。

 犯罪的な行動を取る加害者が誰よりも悪いことは当然です。
 しかし、黙って我慢する被害者もいけません。
 被害はきちんと声に出さなければわかりません。
 自分一人我慢すればいい、と思って我慢すると、第二、第三の被害者が出ます。
 人間なんて、変わるようでその本質は変わらないものです。

 そして、何より重要なのは、自分自身が加害者にならないようにすること。
 それには、人を見て態度を変える、ということは止したほうがよさそうです。
 こいつなら少々きついことを言っても大丈夫だろうとか、この女なら性的な冗談も笑ってすませるだろうとか、逆にこいつにはこのぐらいしないと分からないはずだ、とか。
 相手が部下であれ後輩であれ、仕事が遅かろうと頓珍漢だろうと、誰に対しても相手を尊重しなければいけません。
 相手が嫌がることは止めましょう、という幼稚園で習うようなことが、出世すると分からなくなる大人がいるなんて、なんとも情けないかぎりです。

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ノンフィクション

2010年10月15日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜、DVDで奇妙な映画を観ました。
 「ノンフィクション」です。
 フィクションであるはずのホラー小説がノンフィクションになってしまうフィクションです。
 つまり、あるホラー作家が小説を書くと、それが現実になってしまうのです。
 そのことに気付いて絶望したホラー作家は、二度とキイボードを打てないように両手の指を切断し、自殺を図ります。
 しかし未遂に終わり、精神病院に入院させられます。
 ありえない現実に気付いた精神科医が、ホラー作家誕生の秘密を探り、怖ろしい真実を突き止めます。

 カナダのホラー映画で、言語はフランス語です。
 ケベック州を舞台にしているようです。
 あまり期待していなかったのですが、テンポが良く、映像も美しいシーンに適度な残虐シーンが混じって、引き込まれました。
 キリスト教の司祭が重要な役割を果たしていますが、悪魔は登場しません。
 ただし、悪魔よりも怖ろしい、を崇拝するカルトが登場します。
 悪魔は一応、顔形の見える生き物っぽいイメージがありますが、は混沌としていて、誰でも心の内に持っている上に、その力は強大なので、悪魔以上に恐怖すべきものです。
 ただ映像化するために、陳腐とも言える方法でを描いているのが残念です。

 なお、下のパッケージのような場面はありません。イメージ映像なのでしょうが、映画を不当に安っぽく見せていると思います。

ノンフィクション [DVD]
エリック・テシエ,パトリック・セネカル
アルバトロス

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