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日本人の気質とお釈迦様の教え

『創造こそあなたと会社を成長させる』より

震災が映しだした日本人の気質

 仮設住宅を案内してくれた人がぽつんと「先生、ここでは毎日葬式があるんですよ。その原因は病死、孤独死か自殺ですよ」と言った。そしてその人は、そのまま黙りこんでしまった。この沈黙の中には、政府に対する無言の抗議が含まれている気がした。被害者をいつまでもこんな粗末な仮設住宅に閉じ込めている国に対して、私は無性に腹が立った。私は、あの仮設住宅の粗末さを思うと、今年の冬はどうなるのだろうと心を痛めている。

 これらの事例は、日本人の特徴をよく表している。そのことを列挙してみよう。

  一.いかなることにも冷静沈着である。

  二.自然との共生の精神が身に付いている。

  三.お互いが助け合う精神が強い。

  四.自己主張をしない。

  五.政府の言うことに従順に従う習性がある。

  六.忍耐力がある。

  七.とっさの判断と行動がとれないことがある。

  八.未来を見通す能力がない。

 これらの日本人の特徴は、本書を読んでいただいている皆さん自身のことである。

 皆さんが、創造性を高めて、あなた自身を成長させたり、あなたの会社を成長させるためには、あなた自身のことをまずよく知っておく必要がある。あなた自身を知るきっかけを作ってくれたのが三・一一なのである。

創造の極意-お釈迦様の教え

 ドイツのノーペル賞作家、ヘルマン・ヘッセの書いた『シッダールタ』(高橋健二訳、新潮文庫)という本に、こんな一節がある。

  「書くことは良い」

  「考えることは良い」

  「賢明さは良い」

  「忍耐はなお良い」

 私は大学生のときにこの本を読んだ。読み終えて雷に打たれたような衝撃を受けた。釈迦というと、まさに仏様で、この世の人ではない。別世界の人で、私には全く関係ない人だと思っていた。

 この本を読んで、釈迦も生身の人間であり、やはり悩み、苦しみ、欲情もあり、金銭欲もあったと知ると、自分の苦しみも悩みも消え去る気持ちになり、お釈迦様が急に身近な存在になった。
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