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原子力発電

『日本の電機産業はこうやって甦る』より

二酸化炭素削減と原油高騰で注目を集める原子力

 太陽光・風力発電などの自然エネルギーとともに、原子力発電も、オイルショック以来再び脚光を浴びはじめている。その背景には、新興国の人口増加や経済成長に伴うエネルギー消費の爆発的な増加の下、地球温暖化問題に端を発する二酸化炭素排出量削減と、2008年以降の原油価格の高騰がある。

 環境問題は重要ではあるが、そもそも温暖化と二酸化炭素の因果関係は明らかでない。そして、米国のゴア元副大統領のノーベル平和賞受賞や欧州主導の排出権取引に象徴されるように極めて政治的な問題である。また、原油価格の高騰も、新興国の経済成長も理由にあるが、むしろコモデティファンドや投機マネーの方の影響が大きいとの指摘もある。しかし、リーマンショック後は、原油価格高騰も収まり、地球温暖化よりも、不況対策の色が濃くなった。米国ではニューディール政策の一環であり、日本ではインフラ輸出である。

原子カルネッサンス

 原子力発電関連市場は2010年代に拡大局面を迎えつつある。世界中で稼働している原発は、2010年時点で430基程度、約380Gwの出力である。これに対し、143基の計画があり、構想段階のものは331基ある。

 国別に見ると、世界最多は米国で、104基が稼働し、建設中が1基、計画中が9基、提案中が22基である。次いで59基が稼働中のフランス、55基が稼働中の日本と続く。中国は稼働しているのは13基だが、建設中が26基、計画中が37基、提案中が120基に及ぶ。インドも稼働中なのは19基だが、建設中が6基、計画中が18基、提案中が40基。ロシアは稼働中が32基、建設中が10基、計画中が14基である。このほか、提案中の原発ではベトナムの12基、UAEの10基、英国の9基などが多い。
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