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てらまち・ねっと



 実際に稼働している原発の運転を禁止する司法判断が初めて出された。昨日の大津地裁。

 Fuji News Network ★≪福井県の関西電力高浜原発3・4号機について、原発の70km圏内に住む滋賀県の住民らは運転停止の仮処分を申し立てていた。大津地裁は9日、事故対策についての設計や、津波対策などに疑問が残るとして、運転停止の仮処分を決定した。≫
 朝日★≪高浜原発から30キロ圏外で暮らす住民ら≫

 事業者の関西電力は、速やかに「高浜発電所3、4号機再稼動禁止仮処分の決定について」「高浜発電所3号機の停止について」等のコメントを発表(ブログ末で、リンク、一部転記)。

 4号機は、先の2月に再稼働したがトラブルが発生し自動停止している状態なので、残る3号機を今日10日に止めるという。

 ニュースを観ながら、現に動いている原発を「止めなさい」と命令する裁判官は、今の日本で、本当に勇気のある人だと思った。
 ニュースでは、日経★≪山本裁判長は高浜原発3、4号機について、再稼働前の14年11月の仮処分決定でも裁判長を務めており、この際は「再稼働が差し迫っていない」との理由から申し立てを却下していた。≫というから、きっちり判断したことは確か。

 再稼働を強行させた関西電力は、同じ裁判長に、厳しく指摘されたわけ。 関西電力は、≪今後の司法手続きで判断が覆らない限り運転は再開できず≫(日経)。

 毎日★≪同地裁で非公開で開かれてきた審尋では、耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」の算定方法など新規制基準の妥当性や、避難計画の実効性などが争点だった。≫

 朝日★≪弁護団長の井戸謙一弁護士は、金沢地裁の裁判長だった2006年3月、北陸電力志賀(しか)原発2号機(石川県志賀町)について「想定を超えた地震動で事故が起こり、住民が被曝(ひばく)する具体的可能性がある」として、運転差し止めを命じる判決を言い渡した。だが、二審判決で覆り、10年に確定。退官直前の11年3月には福島で原発事故が発生した。
 昨年4月に九州電力川内(せんだい)原発1、2号機の運転差し止めを求めた仮処分の申し立てを鹿児島地裁が却下。高浜原発3、4号機の再稼働を差し止めた福井地裁の仮処分決定(昨年4月)も昨年12月に同地裁の別の裁判長が取り消した。
 原発再稼働を司法が認める流れができつつある中、再びストップをかけた今回の決定。井戸弁護士は「画期的。全国の裁判所に与える影響は大きい」と評価したうえで、「原発立地県ではない滋賀県で原発を止めた。福島の事故の経験があったからこその決定だ」と語った。≫

 民事の裁判は、ふつうは訴えを起こした側が「問題を明らかにする」という「主張・立証責任」を負っている。そうなのに、事業の詳しい資料は相手側(事業者の被告)が持っているわけだから、住民側には極めて困難な状況に置かれている。しかし、今回は、「安全性の主張立証責任は事業者にある」と明確にした。

 毎日★(判決要旨)≪安全性の主張立証責任の所在/関西電力において根拠や資料などを明らかにすべきだ。主張及び疎明が尽くされない場合は、電力会社の判断に不合理な点があると事実上推認される≫
 ≪差し止めの必要性/・・・その安全性が確保されていることについて関西電力が主張を尽くしていない部分がある。3号機は1月29日に再稼働し、4号機も2月26日に再稼働したので差し止めの必要性が認められる≫

 なるほど、なるほど、分かりやすい。
 それで、怠慢を指摘された事業者は、≪2016年3月9日 関西電力株式会社 プレスリリース/高浜発電所3号機の停止について/(コメント)高浜発電所3、4号機再稼動禁止仮処分の決定について≫などを同社のHPに掲載した。

 今日は、これらを記録しておいた。
 (関連) 2015年4月5日 ◆高浜原発の再稼働認めず 福井地裁が仮処分/判決要旨を再整理/申立人代表は敦賀市議の今大地晴美さん

 ところで、12年目になった私のブログ、gooブログからの今朝の通知は、「開設から4.036日」「3月9日のアクセス数 閲覧数 5.057 訪問者数 1.243」だった。
 今の気温は「4.7度」。ノルディックウォークしたら、堤防の土手に「ツクシ」が生えてきていた。半月早い。
 
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●関電高浜原発3・4号機の運転差し止め 大津地裁仮処分決定
      日経 2016/3/9
高浜原発3号機(左)と4号機(福井県高浜町)
 関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを滋賀県の住民が求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、運転を認めない決定をした。東京電力福島第1原発事故後に再稼働した原発の運転を禁止する司法判断は初めて。仮処分決定は、訴訟の判決と異なり直ちに効力が生じるため、2基はいずれも運転停止の状態に追い込まれる。

 今後の司法手続きで判断が覆らない限り運転は再開できず、関電の経営にとって大きな打撃となりそうだ。

 2基は2015年2月に国の安全審査に合格。3号機は今年1月に再稼働し、現在も運転を続けているが、4号機は翌2月に再稼働しながら、直後にトラブルが発生したため停止している。

 争点は、耐震設計で想定する最大の揺れの強さである基準地震動を700ガル(ガルは加速度の単位)とした関電の想定や、原子力規制委員会が定めた原発の新規制基準の妥当性。

 住民側は関電の想定が「安全を担保するには不十分」とした上で、事故が起きれば、滋賀県の住民も被曝(ひばく)、琵琶湖が汚染され近畿地方の飲み水に影響が出ると主張。新規制基準も安全レベルは低く、実効性のある避難計画も策定されていないと訴えている。

 関電側は「安全性は確保されている」などと反論していた。

 住民らは仮処分申請とともに運転停止を求める訴訟を起こしており、大津地裁で係争中。

 山本裁判長は高浜原発3、4号機について、再稼働前の14年11月の仮処分決定でも裁判長を務めており、この際は「再稼働が差し迫っていない」との理由から申し立てを却下していた。

 2基を巡っては福井地裁でも争われ、昨年4月に再稼働を認めない仮処分決定を出したが、同12月に別の裁判長が取り消し、住民側が名古屋高裁金沢支部に抗告している。


●高浜原発3、4号機 大津地裁 運転差し止めの仮処分決定
     毎日 2016年3月9日
 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)を巡り、滋賀県内の住民29人が運転の差し止めを求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、住民側の申し立てを認める決定を出した。3号機は原子力規制委員会の新規制基準に適合したと認定されて1月末に再稼働したばかりだが、仮処分は即座に効力が発生するため、関電は9日中にも停止作業に着手する。稼働中の原発の運転を停止させる仮処分決定は初めて。

 決定に対し、関電は保全異議申し立てと仮処分の執行停止の申し立てを同地裁にする方針。しかし、判断には一定の期間がかかるため、いったん原発を停止させることにした。

 同地裁で非公開で開かれてきた審尋では、耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」の算定方法など新規制基準の妥当性や、避難計画の実効性などが争点だった。

 住民側は「基準地震動は想定される最大の揺れとはいえず、避難計画が適正かどうかの審査もされていない」などと主張。過酷事故が発生した場合には住民が被ばくし「人格権が侵害される」と訴えた。関電側は「最新の知見を踏まえて安全対策を講じており、放射性物質を異常に放出するような事態の発生は確実に防止できる」などと反論していた。

 高浜3、4号機を巡っては、福井地裁が昨年4月に再稼働差し止めを命じる仮処分決定を出したが、同12月の異議審で同地裁の別の裁判長が仮処分を取り消した。地元同意の手続きが完了していたため、関電は3号機を今年1月29日、4号機を2月26日に再稼働させた。ただ4号機は直後にトラブルが発生し、原子炉が緊急停止したままになっている。【田中将隆】

          ◇
 高浜原発3、4号機の運転差し止め決定を受けて、関西電力は「当社の主張を裁判所に理解いただけず、極めて遺憾で、到底承服できるものではありません。決定に従い、運転中の高浜原発3号機を停止いたしますが、今後、速やかに不服申し立ての手続きを行い、早期に仮処分命令を取り消していただくよう、安全性の主張・立証に全力を尽くして参ります」とのコメントを発表した。

●高浜3・4号機運転差し止め、地裁が仮処分決定
      読売 2016年03月09日
 大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを関電に命じる仮処分を決定した。

 運転中の原発を停止させる司法判断は初めて。仮処分決定は訴訟の判決と異なり、直ちに効力が生じるため、関電は9日中に運転停止の作業に入る見通し。

 関電は決定を不服として大津地裁に保全異議を申し立てる方針。今後の司法手続きで判断が変わるまで3、4号機を運転できない。

 滋賀県の住民29人が、大地震や津波で原発事故が起き、放射性物質で琵琶湖が汚染されるなどして生命に危険が及ぶとし、昨年1月に仮処分を申し立てた。

 高浜原発3、4号機は、東京電力福島第一原発事故を受けて施行された新規制基準を満たすとして昨年2月、原子力規制委員会の安全審査に合格。関電は同11月の再稼働を目指していたが、福井地裁が同4月、再稼働差し止めの仮処分を決定した。関電の申し立てによる保全異議審では、同地裁の別の裁判長が同12月の決定で差し止め決定を取り消した。

 これを受け、3号機は今年1月29日に再稼働し、現在は営業運転中。4号機は2月26日に再稼働したが、同29日に原子炉が自動停止するトラブルがあって運転をやめており、今月中旬以降の再開を目指していた。

●高浜原発運転差し止め 決定受け10日午後8時ごろに3号機を停止へ
       Fuji News Network 03/10
福井県の関西電力高浜原発3・4号機について、大津地方裁判所は、運転停止の仮処分を決定した。
<font style="background:#ccffff">高浜原発の70km圏内に住む滋賀県の住民らは、3号機と4号機の運転停止の仮処分を申し立てていた。

大津地裁は9日、事故対策についての設計や、津波対策などに疑問が残るとして、高浜原発3号機と4号機の運転停止の仮処分を決定した。
高浜原発3号機は、2016年1月に再稼働したが、稼働中の原発の運転停止を裁判所が命じたのは全国で初めて。

原告団の辻 義則代表は「安倍内閣をはじめとして、原発再稼働の流れが強まっているときに、その圧力に抗して、見事に県民の期待、そして琵琶湖を守ってほしいという期待に応えて、今回の決定を出していただいた」と述べた。

関西電力原子燃料サイクル室の木島和夫部長は「当社の主張を裁判所にご理解いただけず、極めて遺憾であると考えておりまして、到底承服できるものではない」と述べた。

関西電力は、大津地裁に対し、決定の取り消しと審理のやり直しを求める方針だが、決定を受けて、10日午後8時ごろ、高浜原発3号機を停止する予定。 (関西テレビ)

●運転中の原発、隣県住民が止めた 地元町長は「翻弄」
       朝日 2016年3月10日
 再稼働したばかりの関西電力高浜原発の原子炉から、再び「火」が消える。滋賀県の住民らが大津地裁で高浜原発3、4号機の運転差し止めを勝ち取った。運転中の原発を直ちに止める史上初の司法判断。東京電力福島第一原発事故から5年を目前に、会見で国に原発ゼロ政策にかじを切るべきだと訴えた。

 午後3時38分、大津地裁正門前で歓声が上がった。「やった」「止めたぞ」。雨の中、抱き合い、涙を流す数十人の住民らの前で弁護団のメンバーが掲げた紙には、「いのちとびわ湖を守る運転差し止め決定!」と書かれていた。

 「長年の苦労が実を結んだ。たくさんの人の願いが現実になりました」。高浜原発から30キロ圏外で暮らす住民らと喜びを分かち合ったあと、元裁判官で弁護団長の井戸謙一弁護士(61)は取材にこう語った。

 井戸弁護士は金沢地裁の裁判長だった2006年3月、北陸電力志賀(しか)原発2号機(石川県志賀町)について「想定を超えた地震動で事故が起こり、住民が被曝(ひばく)する具体的可能性がある」として、運転差し止めを命じる判決を言い渡した。

 だが、二審判決で覆り、10年に確定。退官直前の11年3月には福島で原発事故が発生した。「経験が生かせるはず」「原発を止められなければ、また同じことが起こる」。退官後は原発に反対する各地の住民らに寄り添い、脱原発の活動にも力を入れた。ところが、昨年4月に九州電力川内(せんだい)原発1、2号機の運転差し止めを求めた仮処分の申し立てを鹿児島地裁が却下。高浜原発3、4号機の再稼働を差し止めた福井地裁の仮処分決定(昨年4月)も昨年12月に同地裁の別の裁判長が取り消した。

 原発再稼働を司法が認める流れができつつある中、再びストップをかけた今回の決定。井戸弁護士は大津市で開いた記者会見で「画期的。全国の裁判所に与える影響は大きい」と評価したうえで、「原発立地県ではない滋賀県で原発を止めた。福島の事故の経験があったからこその決定だ」と語った。


 住民代表として会見に同席した辻義則さん(69)=滋賀県長浜市=は「政府はエネルギー政策を見直し、原発ゼロ政策にかじを切るべきだ」とする声明を読み上げ、「鳥肌が立つほど感動した。裁判所は勇気を持って県民の願いに応えてくれた」と喜んだ。

●<高浜運転差し止め>大津地裁決定(要旨)
     BIGLOBEニュース 毎日 3月9日
 高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定の要旨は次の通り。
■安全性の主張立証責任の所在
 関西電力において根拠や資料などを明らかにすべきだ。主張及び疎明が尽くされない場合は、電力会社の判断に不合理な点があると事実上推認される。

 福島第1原発事故を踏まえ、原子力規制行政が大幅改変された後の事案だから、関西電力は原子力規制行政がどう変化し、本件各原発の設計や運転のための規制が具体的にどう強化され、関西電力がこの要請にどう応えたかについて主張及び疎明を尽くすべきだ。

■過酷事故対策
 福島第1原発事故の原因究明は建屋内の調査が進んでおらず今なお道半ばの状況で、本件の主張状況に照らせば津波を主たる原因として特定できたとしてよいのか不明。その災禍の甚大さに真摯(しんし)に向き合い、同様の事故を防ぐ見地から安全対策を講ずるには原因究明を徹底的に行うことが不可欠。

 この点について関西電力の主張が不十分なのに、この点に意を払わないのならば、そしてこのような姿勢が関西電力ひいては原子力規制委員会の姿勢とするならば、新規制基準策定に向かう姿勢に非常に不安を覚えるものといわざるを得ない。


 地球温暖化に伴い、気象に経験したことのない変動が多発するようになってきた現状を踏まえ、災害が起こる度に「想定を超える」と繰り返されてきた過ちに真摯に向き合うならば、十二分の余裕をもった基準とすることを念頭に置き、常に他に考慮しなければならない要素や危険性を見落としている可能性があるとの立場に立ち、対策の見落としにより過酷事故が生じたとしても、致命的な状態に陥らないようにすることができるとの思想に立って、新規制基準を策定すべきものと考える。関西電力の主張の程度では、新規制基準及び本件各原発の設置変更許可が、直ちに公共の安寧の基礎となると考えることをためらわざるを得ない。

 関西電力は相当の対応策を準備していると言えるが、新規制基準以降に設置されたのか否かは不明(空冷式非常用発電装置や号機間電力融通恒設ケーブル及び予備ケーブル、電源車は新たに整備)。

 ディーゼル発電機の起動失敗例は少なくなく、空冷式非常用発電装置の耐震性能を認めるに足りる資料はなく、電源車などの可動式電源については地震動の影響を受けることが明らか。非常時の備えが完全であることを求めるのは不可能としても、また原子力規制委員会の判断で意見公募手続きが踏まれているとしても、このような備えで十分との社会一般の合意が形成されたといってよいかちゅうちょせざるを得ない。

 新規制基準で義務化された原発内の補完的手段とアクシデントマネジメントとして不合理な点がないことが相当の根拠や資料で疎明されたとは言い難い。

 使用済み燃料ピットの冷却設備も基本設計の安全性に関わる重要な施設として安全性審査の対象となるというべきだ。使用済み燃料の処分場さえ確保できない現状はあるが、使用済み燃料の危険性に対応する基準として新規制基準が一応合理的であることについて、関西電力は主張及び疎明を尽くすべきだ。

■耐震性能
 関西電力は調査から、本件各原発付近の既知の活断層15個のうち、FO-A〜FO-B〜熊川断層及び上林川断層を最も危険なものとして取り上げ、その評価で原子力規制委員会の審査過程を踏まえ、連動の可能性を高めに、断層の長さを長めに設定したとする。

 しかし、関西電力の調査が海底を含む周辺領域全てで徹底的に行われたわけではなく、それが現段階の科学技術力では最大限の調査ならば、その調査結果によっても断層が連動して動く可能性を否定できず、あるいは末端を確定的に定められなかったのだから、このような評価をしたからといって、安全余裕をとったとはいえない。

 関西電力がこのように選定された断層の長さに基づき、その地震力を想定するものとして選択した方式が、地震規模想定に有益であることは当裁判所も否定しないが、その基となったのはわずか14地震だ。サンプル量の少なさからすると科学的に異論のない公式と考えることはできない。

■津波への安全性能
 新規制基準の下で特に具体的に問題とすべきなのは1586年の天正地震の震源が海底であったか否かだが、これが確実に海底であったとまで考えるべき資料はない。しかし、海岸から500メートルほど内陸で津波堆積(たいせき)物を確認したとの報告もみられ、関西電力の津波堆積物調査やボーリング調査の結果によって、大規模な津波が発生したとは考えられないとまでいってよいか疑問は残る。

■テロ対策
 通常想定しうる第三者の不法侵入などについては安全対策をとっている。大規模テロ攻撃に有効な対応策を有しているかは判然としないが、新規制基準で対応すべき範ちゅうを超えている。

■避難計画
 福島第1原発事故を経験した国民は、事故時に影響の及ぶ範囲の圧倒的な広さと避難に大きな混乱が生じたことを知っている。地方公共団体個々によるより、国家主導での具体的で可視的な避難計画が早急に策定されることが必要で、この避難計画も視野に入れた規制基準を策定すべき信義則上の義務が国家に発生しているといってもよいのではないだろうか。このような状況を踏まえるなら、関西電力は万一の事故発生時の責任は誰が負うのか明瞭にし、新規制基準を満たせば十分とするだけでなく、避難計画を含んだ安全確保対策にも意を払う必要がある。その点に不合理な点がないか相当な根拠、資料に基づき主張する必要があるが、尽くされていない。

■差し止めの必要性
 本件各原発については、福島第1原発事故を踏まえた過酷事故対策についての設計思想や外部電源に依拠する緊急時の対応方法に関する問題点、耐震性能決定における基準地震動策定に関する問題点について危惧すべき点がある。津波対策や避難計画にも疑問が残るなど、住民の人格権が侵害される恐れが高いのに、その安全性が確保されていることについて関西電力が主張を尽くしていない部分がある。3号機は1月29日に再稼働し、4号機も2月26日に再稼働したので差し止めの必要性が認められる。


★  高浜発電所3号機の停止について   2016年3月9日 関西電力株式会社 プレスリリース
 本日、大津地方裁判所において、高浜発電所3,4号機の再稼動禁止の仮処分命令が出されたことから、当社は、稼動中の高浜発電所3号機を停止することとしました。

 今後の工程について、大津地方裁判所における決定後、速やかに電力需給状況や高浜発電所3号機を安全に停止させるための体制等について検討を行った結果、高浜発電所3号機は、平成28年3月10日10時頃に停止作業を開始し、3月10日20時頃に停止する予定としました。今後、停止作業を安全最優先で行ってまいります。

 なお、当面、電力の安定供給に必要な供給力を確保できる見通しです。以 上

★(コメント)高浜発電所3、4号機再稼動禁止仮処分の決定について 2016年3月9日 関西電力株式会社 
○本日、大津地方裁判所において、高浜発電所3、4号機の再稼動禁止を求める仮処分命令申立てが認められました。

○高浜発電所3、4号機は、新規制基準の適合性審査会合等で、当社が科学的・技術的観点から安全性についての説明を重ねてきた結果、原子力規制委員会から原子炉設置変更許可等をいただいております。

○大津地方裁判所において、仮処分の申立てがなされて以降、当社は、申立ての却下を求めるとともに、審査会合の中でご説明してきた内容も含め、発電所の安全性が確保されていることについて、科学的・技術的かつ専門的知見に基づき具体的に主張・立証してまいりました。

○本決定については、当社の主張を裁判所に理解いただけず、極めて遺憾であると考えており、到底承服できるものではありません。

○資源に乏しい我が国においては、安全確保(safety)の「S」を大前提に、エネルギー安定供給(Energy security)経済性(Economy)環境保全(Environmental conservation)の3つの「E」の同時達成を目指す「S+3E」の観点から、特定の電源や燃料源に過度に依存しないエネルギー供給体制を構築することが極めて重要であり、当社は、原子力が一定の役割を果たしていくことが不可欠であると考えております。

○本決定に従い、当社は安全を最優先とした工程で運転中の高浜発電所3号機を停止いたしますが、今後、決定文の詳細を確認のうえ、速やかに不服申立ての手続きを行い、早期に仮処分命令を取り消していただくよう、高浜発電所3、4号機の安全性の主張・立証に全力を尽くしてまいります。以 上

★高浜発電所4号機の原子炉施設故障等報告書の提出について 2016年3月9日 関西電力株式会社 
(高浜発電所4号機 発電機自動停止に伴う原子炉自動停止について)
 当社は、本日、高浜発電所4号機の発電機自動停止に伴う原子炉自動停止について、原子力規制委員会に原子炉施設故障等報告書を提出しました。
1.事象発生の状況
 高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力87万kW、定格熱出力266万kW)は、平成23年7月21日より第20回定期検査中のところ、平成28年2月29日14時01分に並列操作※1を実施した際、発電機が自動停止するとともに、タービンおよび原子炉が自動停止しました。
・・・・・・・(略)・・・


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