●憲法解釈変更、1日午後に閣議決定=集団的自衛権の行使可能に-与党が正式合意へ
時事 2014/07/01-05:13
自民、公明両党は1日午前の安全保障法制整備に関する協議会で、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を容認する閣議決定案について正式に合意する。これを受け、政府は午後の臨時閣議で新たな憲法解釈を決定。安倍晋三首相は首相官邸で記者会見し、行使容認の意義や必要性を訴え、自衛隊法改正など関連法整備の進め方を説明する。
閣議決定案では、憲法前文の「国民の平和的生存権」や同13条の「生命、自由および幸福追求に対する国民の権利」を根拠に、「憲法9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を取ることを禁じているとは到底解されない」と指摘する。
自衛権発動について政府は従来、(1)わが国に対する急迫不正の侵害の発生(2)他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使-の3要件を掲げていた。閣議決定案では(1)を緩和し、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」で、国民の生命などが「根底から覆される明白な危険がある場合」の自衛権発動は可能との新解釈を打ち出す。その際の武力行使は「国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある」と明記する。
また、国際貢献への新たな対応にも言及。国連平和維持活動(PKO)に関しては、離れた場所で襲撃された文民要員らを自衛隊が救援するための武器使用を認め、「駆け付け警護」を可能にする。多国籍軍への後方支援では、他国の武力行使と一体化しないことを維持しつつ、「非戦闘地域」の概念を廃止して活動範囲を拡大する。
国連安保理決議に基づく武力行使を伴う集団安全保障措置への参加は、難色を示す公明党に配慮して明記しない。ただ、政府・自民党はシーレーン(海上交通路)での機雷掃海を想定し、自衛措置として開始した活動が集団安全保障に移行した場合でも活動を継続できるとの立場。法案化の段階で与党内の対立が再燃する可能性もある。
政府は新たな解釈について、年末に改定する日米防衛協力の指針(ガイドライン)に反映させたい考え。前提条件が整ったことを踏まえ、米側との協議を加速させる。
●自民党の高村副総裁「日本人なら勉強しろ」
産経 014.6.28
「地方議会であっても、日本人であれば慎重に勉強してもらいたい」
自民党の高村正彦副総裁は27日の記者会見で、岐阜県議会と那覇市議会で自民党議員が集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を批判する意見書を提出、可決されたことを批判した。
高村氏は「いまだかつて一つの閣議決定に当たり、これだけ慎重にやったことは私の経験では知らない」と強調。さらに「自国の存立を全うするため必要な自衛の措置をとることを憲法は禁じていない」とした昭和47年の自衛権に関する政府見解に言及し、「この見解を出したときも与党の事前了承はなかった」と述べ、丁寧な議論を積み重ねているとアピールした。
岐阜県議会は24日、「慎重な検討を求める」意見書を、那覇市議会は20日に「安倍内閣への抗議」の意見書をそれぞれ可決した。
●集団的自衛権の行使、公明が了承 1日閣議決定
日経 2014/6/30 17:14
公明党は30日、国会内で開いた党会合で、集団的自衛権の行使容認問題について、対応を執行部に一任することを決めた。執行部は容認する方針を既に固めている。与党は7月1日の協議会で行使容認を正式に合意する見通し。
自公両党の党内手続きを経て、政府は1日夕の臨時閣議で行使容認を決定する方針。閣議後に安倍晋三首相が記者会見し、国民に直接、説明する予定だ。
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