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てらまち・ねっと



 私たちが、課税や追徴課税、許認可、運転免許の停止、生活保護認定などに納得できない時に対処するための制度が「行政不服審査制度」。
 違法、または不当な行政処分があった場合、国民に不利益が生じないよう、国民みずからが取り消しを求める手続きを定めた制度。

 先週の報道で、6月6日、この制度を規定している行政不服審査法が50年ぶりに大改正されて、可決成立したと流れた。
 市民運動をやっていて、いろんな局面で、行政不服審査法に基づく審査請求、異議申し立てをいろいろとやってきた私は、「請求を申立ながら、やり方を覚える」という現場主義。
 しかし、まだ、よく見えない改正の要点。
 とはいえ、制度が変わることが決定した以上、ちゃんと認識しておかないといけないから・・・・

 今回の一般質問で、情報公開制度のことを問いかけようと思っていたが、「通告日である一昨日」の前日、こちらに変えることに方針転換。かろうじて、一昨日の昼の通告期限に間に合わせた。
 その通告文を今日のブログにする。

 併せて、調べた基礎データなども載せておく。

 実際の一般質問は6月23日(月)。私は午後2時過ぎごろの見込み。
       山県市議会/定例会日程

 明日は次の質問、教育長に対する質問を載せる予定。
 なお、一問目は、昨日、6月11日ブログ ⇒  ◆一般質問の通告/市長の「収支報告書の不記載、虚偽記載、業者との不透明な関係について」

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★ 総務省  行政不服審査法関連三法案の概要
  行政不服審査法案
  行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
  行政手続法の一部を改正する法律案
★1.公正性の向上~点検の強化(審理の見える化)~
(1)審理において、職員のうち処分に関与しない者(審理員)が、両者の主張を公正に審理(第9条)
(2)裁決について、有識者から成る第三者機関が点検(第43条)
(3)審理手続における審査請求人の権利を拡充


★2.使いやすさの向上~国民の利便性~
(1)不服申立てをすることができる期間を60日から3か月に延長(第18条)
(2)不服申立ての手続を審査請求に一元化
(3)標準審理期間の設定(第16条)、争点・証拠の事前整理手続の導入(第37条)などにより、迅速な審理を確保
(4)不服申立前置の見直し


(一般質問の通告文/印刷用データ)  ◆行政不服申立制度の大改正の影響について 印刷用PDF 2ページ 169KB

以下、通告文 ↓
●質問事項 行政不服申立制度の大改正の影響について  (答弁者 総務課長)
 行政不服審査制度は、課税や追徴課税、許認可、運転免許の停止、生活保護認定など国や地方自治体の全ての行政処分について、違法、または不当な行政処分があった場合、国民に不利益が生じないよう、国民みずからが取り消しを求める手続きを定めた制度である。行政処分の取り消しや変更を求めるために異議を申し立てると、その処分が妥当であるかどうかが審査される。

手続きが簡易で手数料もかからないため、労災認定や情報公開制度の非開示決定に対する審査などでも広く活用されている。

1962年、昭和37年に制度ができてから大きな見直しが行われてこなかったが、半世紀ぶりの抜本的改正と銘打って、先の6月6日、参院本会議で可決、成立した。
審査の公正性や利便性を高める仕組みなどを盛り込み、2年以内に施行とされている。
 そこで、総務課長に問う。

1.【申立期間の延長】

 不服申立期間を現行の「処分決定後60日」に対して、野党4党案は「6カ月」に延長としたが、政府案の「3カ月」で決定した。
現在でも、直接、裁判所に訴える場合は「6か月」の期間が認められていることから考えると、改正してなお「3カ月」というのは、権利保護として不整合だとは考えないか。

2. 【異議申立ての手続きを「審査請求」に一元化】
 行政に対する異議申し立てを廃止し審査請求に一元化する、という。
例えば、道路運送車両法の場合の異議申立先は、現在は国土交通省の出先機関である地方運輸局(長)だが、審査請求に一元化されると、請求者は東京の本省まで出向かなければならなくなり、国民の権利救済行使の制約になる、との指摘がある。
このような認識で良いのか。

例えば、県や市の情報公開条例における処分への不服申し立ては、各自治体の条例なので、通常はいわゆる「上級庁」がないから異議申立になるのが基本。この異議申立はどのようになるのか。

例えば、市税の賦課処分に対する不服申し立ては、現在と比べて、どのようになるのか。
その他、市民に身近なことで、認識しておくべき事例は何があるか。

3. 【不服申し立ての前置制度の廃止・縮小】
 現在、不服申し立てを経た後でなければ裁判所に訴えられない、と定める法律は少なくない。現在の前置制度はどのように変化するのか。

4. 【処分した職員が審査に加わらない制度】
 現在、例えば、住民税や生活保護では、課税額や可否を決める部署の職員が不服審査に加わるなどしているので、公平性に問題がある。
そこで、中立性を保つため処分に関与していない職員による審査を義務付ける、とされている。つまり、改正法では当事者でない職員が中立的な立場から審査する「審理員」制度を導入するという。
県や山県市においては、どのようになり、どのように機能し得るのか。

5. 【第三者機関の設置】
審査結果が妥当かを有識者がチェックする第三者機関も設け、救済を求める国民が使いやすい制度にする、審査結果を監視する第三者機関は、国や自治体に行政不服審査会も設ける、という。
山県市においては、どのようになり、どのように機能し得るのか。

6. 【行政手続法改正】
今回の一連の改正で、国民の権利利益の保護の充実のための手続きを整備したという。
 「処分等の求め」及び「行政指導の中止の求め」とはそれぞれ、どのようなことをいい、どのような時にどのような形で国民が行使できるのか。
山県市においては、どのようになり、どのように機能し得るのか。

7. 新旧比較や今後についてのまとめ
行政にはいろいろな処分があるが、当事者である国民にとって、「国」、「県」、「市町村」のそれぞれの処分に対しての不服申し立ては、どのような筋道になるのか。改正前と改正法施行後と比較して説明されたい。
国民、あるいは市民にとってどのような影響があるのか。
 情報公開条例、行政手続条例、その他の市の条例の規定と運用にはどのような影響が出るのか。
施行に向けて、市はどのように対応していくことになるのか。
                                    以上  

●行政不服審査法で対案提出=4野党
      時事(2014/05/12-16:39)
 国や地方自治体の行政処分に対し国民が取り消しや変更を求める手続きを定めるため政府が提出している行政不服審査法改正案に関し、民主、結い、生活、社民の野党4党は12日、対案を衆院に提出した。政府案が不服申立期間を処分決定後3カ月としているのに対し、4党案は6カ月とした。 

●政処分の不服申立期間、3カ月に延長 改正法が成立
       日経 2014/6/6 12:20
 国や地方自治体の行政処分の取り消しや変更を求める際の手続きを定めた改正行政不服審査法が6日、参院本会議で可決、成立した。不服申立期間を現行の「処分決定後60日」から「3カ月」に延長するほか、審査結果が妥当か有識者がチェックする第三者機関も設け、救済を求める国民が使いやすい制度にする。大幅改正は1962年の法制定以来初めてで、2年以内に施行する。

 行政不服審査制度は、許認可や課税などを巡って違法、または不当な行政処分があった場合、国民が取り消しを求める手続きを定めた制度。手続きが簡易で手数料もかからないため、情報公開制度の不開示決定や労災認定に対する審査などで広く活用されている。

 住民税や生活保護では、課税額や支給額を決める部署の職員が不服審査に加わるなど公平性に問題があるとの指摘があり、改正法では当事者でない職員が中立的な立場から審査する「審理員」制度を導入。審査結果を監視する第三者機関として国や自治体に行政不服審査会も設ける。

●申立期間、3カ月に延長=改正行政不服審査法が成立
            時事(2014/06/06-10:32)
 国や地方自治体の行政処分に対し、国民が取り消しや変更を求める際の手続きを定めた改正行政不服審査法が6日の参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。審査制度を利用しやすいよう、不服申立期間を現行の処分決定後60日から同3カ月に延長するほか、第三者機関による審査結果の点検を義務付ける。
 
 行政不服審査制度は、課税や生活保護認定など全ての行政処分について、国民に不利益が生じないよう迅速に救済することを目的としている。大幅な法改正は1962年の制定以来初めて。

●改正行政不服審査法が成立 申し立て期間を延長
           北海道 (06/06 11:16)
 行政処分に不満がある場合の申し立て期間延長などを盛り込んだ改正行政不服審査法が6日の参院本会議で可決、成立した。これまで申し立てができる期間は、処分を知ってから60日以内だったが、3カ月にして利用しやすくする。大幅改正は1962年の法制定以来初めてで、2年以内に施行する。

 不服審査制度では、交通違反の取り締まりや生活保護の支給認定などに異論がある場合、国や地方自治体に、行政処分の取り消しや変更の裁決を求めることができる。

 現状では、行政処分を担当した職員が不服申し立てを審査する場合があり、中立性を保つため処分に関与していない職員による審査を義務付ける。

●行政不服審査法 参院で成立
      NHK 6月6日 11時04分
行政不服審査法 参院で成立
国民が不当だと思った行政処分の取り消しなどを求める行政不服審査制度について、審査の公正性や利便性を高める仕組みなどを盛り込んだ行政不服審査法が、6日の参議院本会議で賛成多数で可決され、成立しました。

行政不服審査制度は、追徴課税や運転免許の停止などといった、国や地方自治体の行政処分に不満がある場合に異議を申し立てると、その処分が妥当かどうかを審査する制度で、昭和37年に制度ができてから抜本的な見直しが行われていませんでした。
52年ぶりとなる今回の見直しでは、審査の公正性を高めるため、その行政処分に関わっていない職員が審査に当たることや、審査の判断が妥当かどうかを、有識者でつくる第三者機関が最終的にチェックする仕組みを新たに導入するとしています。
また、不服の申し立てができる期間を、これまでの「60日以内」から「3か月以内」に延長するなどとしています。
こうした内容を盛り込んだ行政不服審査法は、6日の参議院本会議で採決が行われた結果、共産党を除く各党などの賛成多数で可決され、成立しました。

● 行政不服審査制度の見直し関係の政府データにリンク
      ★   行政不服審査制度の見直しについて(案)/平成25年5月 総務省行政管理局 20ページの解説
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ★ 総務省トップ > 行政不服審査法

行政不服審査法関連三法案が閣議決定されました(平成26年3月14日)
  ★ 概要PDF、不服申立前置の見直しについてPDF

  ★  第186回国会(常会)提出法案
第186回国会(常会)提出法案
国会提出日 法律案名 資料
平成26年3月18日 地方自治法の一部を改正する法律案 概要 【99 KB】
• 要綱 【106 KB】
• 法律案・理由 【228 KB】
• 新旧対照条文 【546 KB】
• 参照条文 【607 KB】
 (所管課室名)
自治行政局行政課

平成26年3月14日 行政不服審査法案 概要 【565 KB】
• 要綱 【146 KB】
• 法律案・理由 【273 KB】
• 参照条文 【211 KB】
 (所管課室名)
行政管理局行政手続室

平成26年3月14日 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案 概要 【565 KB】
• 要綱 【215 KB】
• 法律案・理由 【808 KB】
• 新旧対照条文 【2252 KB】
• 参照条文 【1087 KB】
 (所管課室名)
行政管理局行政手続室

平成26年3月14日 行政手続法の一部を改正する法律案 概要 【565 KB】
• 要綱 【53 KB】
• 法律案・理由 【84 KB】
• 新旧対照条文 【174 KB】
• 参照条文 【219 KB】
 (所管課室名)
行政管理局行政手続室

●行政不服審査制度の抜本的大改正の流れに背く労災保険審査制度および公務災害審査制度の大改悪に反対する緊急共同アピール
         行政不服審査制度の抜本的大改正の流れに背く労災保険審査制度および公務災害審査制度の大改悪に反対する緊急共同アピール
       2008年4月10日
       日本労働弁護団  過労死弁護団全国連絡会議
       全国労働安全衛生センター連絡会議
       働くもののいのちと健康を守る全国センター

1. 労災保険審査制度
 労災保険は、仕事が原因で怪我をしたり病気になったり死亡した労働者とその家族の生活を守る命綱である。
 
 この労災保険給付について、支給するか否か、また、いかなる内容の保険給付を行うかを決定するのは、全国各地にある労働基準監督署長である。労働基準監督署長の決定に不服がある労働者や遺族は、各都道府県毎に設けられた労働局の労災保険審査官に審査請求を行って救済を求めることができる。労災保険給付に関する審査請求は2005年度に1540件であり、毎年千数百件の審査請求がある。
 この審査制度は、各種の労災事故や過労死、石綿疾患等々の職業性疾病に関する労災保険給付が適正になされるために、重要な役割を果たしてきた。

 その上で、従前、審査請求は二段階の制度とされ、審査官決定で救済がなされない場合には、東京にある労働保険審査会に再審査請求をすることとされている。

2. 行政不服審査制度全般の抜本的大改正とその方向性
 総務省では、行政不服審査制度全般の抜本的大改正を目指す行政不服審査法の改正案を今国会に上程すべく準備を進めている。
 日本の行政不服審査請求の総数は2005年度に1万1226件あり、その中で労災保険給付に関する審査請求の件数は13.7%を占めている。このため、労災保険給付に関する審査請求の今後の在り方について、どのような制度設計を行うのかは、行政不服審査制度の全般的在り方とも関わる重要な問題である。

 総務省が設けた行政不服審査制度検討会の最終報告書(2007年7月)では、今後の行政不服審査制度の在り方に関する基本的な方向性として、① 審査請求と再審査請求の二段階の制度を改め、審査請求に一元化し、② 行政処分庁の直近上級庁が審査請求を扱い、③ 独立性のある審査担当者である「審理員」を確保し、④ 審査手続の場で当事者が原処分庁に直接質問したり証拠の開示を求めたり審査担当者に意見を述べることができる対審構造とすること等、が示されていた。

3. 労災保険審査制度の制度変更案
 従来、労災保険を巡る行政不服審査制度の内容は、行政不服審査法の特別法である「労働保険審査官及び労働保険審査会法」で定められていた。
 厚生労働省は、行政不服審査法の抜本的大改正が準備されるのに併せて、「労働保険審査官及び労働保険審査会法」に代わる「労災保険に係る処分についての不服審査等に関する法律」(仮称)を制定しようと準備を行っており、本年4月8日、労働政策審議会(会長菅野和夫)に法案要綱を諮問し、同審議会(労働条件分科会労災保険部会)はこれを承認する旨の答申をした。

 しかるに、この法案要綱の内容は、総務省が設けた行政不服審査制度検討会の上記の最終報告書が指し示している方向とは全く逆の内容のものである。すなわち、① 労働基準監督署長の決定に不服がある場合、まず、同署長に対して再調査請求を行うことを義務づけ、この手続を経た上でなければ労働保険審査会に審査請求ができないものとして、二段階の審査請求制度を事実上温存しており、簡易迅速な手続が指向されていない。しかも処分をした労働基準監督署長が再調査を行うのは救済手続としての実効性が期待できない。② 労働基準監督署の直近上級庁である各都道府県労働局内に設置された労働災害補償保険審査官が審査請求を扱うのではなく、全国に1カ所しかない労働保険審査会(東京)のみが審査請求を扱うこととされており、国民の権利利益の救済に資するものとはされていない。

 さらに、審査請求を扱うとされる既存の労働保険審査会には多くの問題がある。その第1点は、救済率が年平均4~6%程度と低く(2005年度は4.5%)、司法判断に比べても行政追認の姿勢が顕著なことである。さらに、その第2点は、事務処理能力の欠如が顕著なことである。すなわち、労働保険審査会は、長期未済事件を大量に抱えている(2005年度に新規請求件数が463件であるのに、同年度末の未処理残事件数は1164件)。また、事務処理能力の欠如を補うために、「再審査請求事案に係る専門的事項に関する業務の委嘱」と称して、審査請求事件の事実関係の整理等を厚生労働省関係OBに外注している(2005年度の委嘱数は343件)。審査能力や事務処理能力の欠如は目を覆うばかりである。したがって、厚生労働省が企図している労災保険審査制度が実現された場合には、「遠い」「遅い」「悪い」と呼ばれてもやむを得ない労働保険審査会が、労災保険審査制度を担うことになり、権利救済機関としての十分な役割を果たすことを期待することは困難である。

 したがって、厚生労働省が企図している労災保険に関する新たな審査請求制度は、行政不服審査制度の全般的改革が目指している方向(簡易迅速で公正な手続により、国民の権利利益の救済を図り、行政の適正な運営を確保する)とは全く逆行するものであると言わざるを得ない。私達は、このような制度変更に強く反対する。

4. 労災保険に関するあるべき審査請求制度
 私達は、労災保険を巡る審査請求制度について、行政不服審査制度全般に関して既に示されている前記の基本的な理念や方向性に即して、改正がなされるよう求める。

 すなわち、① 審査請求手続は、二段階とせず、一段階とし、② 審査請求手続を担う組織は、各都道府県の労働局毎に設け、③ 審査請求手続を担う組織は第三者機関として独立性を確保し、④ 審査請求手続は対審構造とする、ことを求める。
 
特に、この中の③について注意を喚起するに、地方公務員の災害補償制度の場合には、すでに、地方公務員災害補償基金の都道府県支部毎に審査会が設けられており、この審査会での審査は弁護士や学識経験者等が担ってきた。このように行政からの独立性が相対的に高い組織が審査手続を担ってきたことにより、民間労働者の場合より地方公務員の方が遙かに高い割合で救済が図られてきた。このことは、労災事件を取り扱う専門家の間では公知の事実である。このことに照らしても、行政から相対的に独立した第三者機関を設けることは、労災保険の審査請求制度の場合において、喫緊の課題である。

5. 公務災害に関する審査制度の改悪
 地方公務員の公務災害については、民間労働者の労災保険制度とは別に、地方公務員災害補償制度が設けられている。総務省は、今回の行政不服審査制度改革の中で、厚生労働省の企図と連動し、地方公務員の公務災害災害に関する審査制度を一段階化し、地方公務員災害補償基金の支部審査会を廃止することを検討している。

 基金本部は、過労死事件等において、「本部協議」を行い、支部長の判断と異なる「公務外」の意見を述べて、救済を拒絶している。従来、本部審査会は、司法判断や支部審査会よりも救済率が低いのであり、このような本部審査会に一本化すれば、地方公務員の権利救済を図ることと逆行することになる。
 求められるのは、支部審査会が担ってきた救済機関としての実を挙げることにあるのであり、本部審査会を審査請求機関とすべきことではないのである。
 よって、私達は、地方公務員災害補償に関する審査制度の改悪にも強く反対するものである。

●行政不服審査法案に関するコメント(総務省ヒヤリング資料)
    2009/12/3 学習院大学 櫻井敬子
・・・・・・・・(略)・・・
一 行政不服審査法という法律の存在価値について
(1)行政不服審査法は、不服審査の「一般法」とされるが、それは同法の適用範囲の広さを
意味しておらず、モデルの提示という理念レベルの意義をもつにとどまる。同法の役回り
は、実際上は、各法律に設けられた個別的な不服審査規定が適用されない部分のすき間を
埋める点に認められ、補充的役割を持つにすぎない。換言すれば、同法は、わが国の行政
不服審査制度にとっての実際上の重要性は相対的に低く、この点、建前論と実際上の有用
性との間に比較的大きい落差がある(ニッチ的、補充的法律であると認識するのが正しい)。

○全体として、手続きは形骸化の傾向が顕著である。行政事件訴訟法上は自由選択主義が
原則であり、処分を受けた場合にただちに訴えを提起してもよいし、審査請求をしてもよ
い(8 条 1 項)。しかし、実際には個別法で不服審査前置主義が採用されている例が多く、
原則と例外の逆転現象があることはつとに指摘されてきた。不服審査前置主義がとられて
いる場合、国民は手続上やむなく不服審査
・・・・・・(略)・・・

○結論
有効に機能する行政不服審査制度に対する潜在的なニーズに対し、現行制度はほとんど
応えておらず、根本的な改革が必要である。
改正案は、現行制度の問題ある骨格をそのまま維持しているばかりか、手続をいたずら
に重くするものであり、ほぼ評価に値しない。


二 あるべき改正のポイント
(1)現行行政不服審査法の有効性は限られたものであり、早急に改正を行わなければなら
ないような深刻な弊害は認識されていない。微修正を加える余地があるとしても、その実
際上の適用例の少なさに鑑み、基本的には現状のまま、軽い手続を温存するのが相当であ
る。改正案では、実際には、再調査の請求⇒審査請求⇒行政不服審査会という 3 段階を経
なければ裁判所に訴えられないことになりかねず、国民からみれば、裁判所の3審制と合
わせると6審制となりかねない。大した必要性もないのに公正さの名のもとに膨大な手続
を置き、国民の権利救済を困難にする改正案であり、そのような負担を国民に強制するこ
とを正当化する余地はない。


(2)行政不服審査の改革の方向性は、裁判所にすり寄るのではなく、行政による紛争解決の
仕組みであることのメリットを生かすものであることが必要である。改正案の方向はこれ
に逆行している。 ・・・・・・・・(略)・・・

●法律家になるための勉強 行政不服審査法が大幅改悪、これからどうなる?
        008年05月16日
最近、民法の勉強ばかりをやってて、行政法の勉強がおろそかになっていました… イカンイカン。 行政法の判例のHPを探しているところです。
http://www.hiraoka.rose.ne.jp/C/000urt-index.htm
を見つけました。 素晴らしいのですが、この他に、もっと事件を簡潔にまとめてあるHPはどこかにないものかと…

ところで、行政不服審査法が大幅に改正(改悪?)され、法曹界では論議を呼んでいるようです。 なにしろ、異議申立や再審査請求がなくなる… 今年の試験では一体どんな問題がでるのか、見当もつきません。 で、どんな経緯で改正されるのか、検索しました。

ずさんな行政不服審査、刷新 今国会に法改正案
http://j.people.com.cn/2008/02/18/jp20080218_83982.html

総務省は、国や自治体の処分に対し、国民が不服を申し立てる行政不服審査制度を大幅に改める方針を固めた。行政処分に関与した職員が審理にあたったり、20年以上も裁決しなかったりするなど、公正・迅速と言い難いケースがみられるためだ。同省は処分にかかわっていない職員に審理を担当させ、第三者機関への諮問手続きの導入を柱とする行政不服審査法改正案を今国会に提出し、成立から2年後をめどに新制度を導入したい考えだ。1962年の施行以来初の全面改正となる。 行政不服審査は訴訟より手続きが簡素なメリットがある半面、公正さや客観性、迅速さに欠ける問題点が指摘されてきた。総務省の調査では、国の機関に対する申し立てのうち05年度に裁決や決定を出したのは約1万6700件。このうち申立人の主張が認められたのは約2500件にとどまり、裁決・決定までに1年を超えたものが約2300件もあった。原子力安全・保安院が原発工事などに関する81年の申し立てにいまだに裁決を出さないなど、事実上たなざらしにされる例もある。

現在2種類ある申し立てのうち、審査請求では反論書の提出など申立人の主張をより詳しく聞き取る手続きが定められているが、異議申し立てではこうした手続きが規定されておらず、不公平で分かりにくいとの指摘があった。改正案では二つの手続きを一本化して「審査請求」とし、これらの手続きを整備する。 さらに、これまでの異議申し立てでは、処分内容の起案・決裁などに直接関与した職員が、その処分に対する不服申し立ての審理にあたることもあったため、改正案では処分に関与していない職員を「審理員」に任命する。また、有識者による合議制の第三者機関を国や自治体に新設し、申立人の権利・利益に重大な影響を与えるケースなどはこの機関に諮問する。

改正案では審理の長期化を防ぐため、各役所が数カ月程度の標準審理期間を定めるよう努める、とする。一方、現在は裁決になお不服がある場合に再審査請求を認めるケースがあるが、救済率が1割未満と低いことなどを理由に廃止する。

行政不服審査制度
課税、ゴミ処理場やマンションの建設許可、飲食店の営業許可など行政の様々な決定・処分や、公害病の認定などやるべき処分をしないことに不服がある場合、行政機関に申し立てる制度。処分をした役所に対する「異議申し立て」と、処分をした役所に指揮・監督権を持つ「上級行政庁」である中央省庁などへの「審査請求」の2種類ある。例えば県民税や市町村民税を不当に課税されたとする場合、課税処分をした知事や市町村長に異議を申し立てる。国土交通省の地方整備局など出先機関に対する情報公開請求が不開示となった場合は、上級庁の同省に審査請求する。 「asahi.com」 2008年02月18日

しかし、本家の「朝日新聞」の記事が消えてるのに、中国の人民報に残っているなんて… こんな制度があってないような国が、ワザワザ日本の心配をしてくれてるんでしょうか?!

しかし、異議申立や再審査請求がなくなれば、覚えることも減るので、テストは簡単になるかもしれんけど、人権が犯されるのではないかと心配です。 そして異議申立がなくなり、審査請求一本になるなら、市役所の負担は軽減されるけど、県庁の仕事はカナリ増えるのでないのか、と…


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