千葉県庁の裏金、その手口や金額に驚く。
全部「業者任せ」とか、裏金作りをしてくれた「業者に手数料」まで渡していたとか・・・
それ以上に驚くのは、「この時代になっても、そんなことをやっていたこと」
同時に思ったのは、「じゃ、いまだに堂々とやっている自治体は、全国のどこかにはあるのだろう」ということ。
実際、今回の報道で出てきたこと、
納品書の受領・保管の義務化を完全に実施していないのは、
「千葉も含め、宮城、秋田、山形、富山、石川、三重、滋賀、
兵庫、岡山、広島、愛媛、大分、鹿児島、沖縄の15県。
特に千葉や石川などの数県はすべての物品に対して
納品書を義務づけていない 」(朝日新聞/47都道府県の調査)
あなたのところは大丈夫?? と問いたい。
本質的な改革策はないのだろうか・・・
なお、千葉県が調査データを公表したので、最後にリンクしておく。
(関連)
9月9日
⇒ ◆千葉県庁裏金/03~07年度で30億円/県警、知事部局、教育庁、公営企業ほか約96%が不正経理
9月10日
⇒ ◆千葉県不正経理「40年前から」 カネ管理の業者証言 /7億円返還要求/プール金、現在も4億円超
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●納品書を義務付けず 千葉県、公金不正操作可能に
朝日 2009年9月12日5時30分
総額30億円の千葉県の不正経理のうち、使途不明金が1億1100万円にも上ったのは、県が物品納入の際に業者からの納品書の受領・保管を各部署に義務づけていなかったためだったことが県関係者の話などで分かった。納品書の受領・保管の義務がなければ受領を証明する書類を職員が勝手に作成することが可能で、裏金化した「プール金」は私的に流用することが容易になっていた。
県によると、納品書の受領・保管の義務がないため、実際に納品されていないのに書類上は納入したことにして代金を支払い、業者の口座に現金をプールするような不正経理が可能になる。県の追跡調査では、納品書がなく、物品も確認できなかったため、使途不明金としたのは総額1億1168万円に上った。
詐欺容疑で逮捕された職員も、こうして業者にプールされた資金の中から料亭の飲食代金などを支払っていた。
朝日新聞が47都道府県を調べたところ、納品書の受領・保管の義務化を完全に実施していないのは、千葉も含め、宮城、秋田、山形、富山、石川、三重、滋賀、兵庫、岡山、広島、愛媛、大分、鹿児島、沖縄の15県。特に千葉や石川などの数県はすべての物品に対して納品書を義務づけていない。
納品書の受領・保管を義務づけている都道府県のほとんどは、納品書と物品を複数の職員が確認・検印しなければ、支出できない仕組み。兵庫県や広島県は高額物品だけしか納品書を求めていないが、購入窓口を用度の担当課だけとしているため、一般部局では業者と接触できないようにしている。
千葉県管財課は「今後は納品書を徴収した上で、発注者以外の人物が納品を確認するようにしたい。速やかに規定を整備したい」としている。
●千葉県、裏金管理は業者任せ 不正経理問題
共同 9.11
約30億円に上る千葉県の不正経理問題で、架空発注などを繰り返して業者に預けているプール金約4億1800万円を管理する裏帳簿などが県側になく、多くは業者任せになっていたことが10日、県への取材で分かった。
県によると、不正経理にかかわったのは39業者で、月末になるとプール金の残高を知らせる電話をかけてくる業者がいる一方、破綻してプール金の回収が難しい業者も出ており、管理はずさんだった。
調査に当たった県総務課は「業者が着服しても分からない」と話している。
また業者へのプール金は調査対象となった2003年度より前から引き継がれており、いつからプールされたか分からなくなっているという。
このプール金のほかにも、調査対象以外の費目について自己申告させたところ、17部署がタクシー会社に計約18万円をプールしていたことが判明。調査対象の03年度以降に金の出し入れがなかったため、存在を知らない人も多かったという。
●千葉県不正経理 業者に手数料
NHK 9月10日 19時39分
千葉県庁で、30億円に上る不正な経理処理が行われていた問題で、実体のない取り引きを行って裏金のプールに協力した業者に、発注額の最大で25%前後が手数料として渡っていたことが、県の調査でわかりました。
千葉県庁では、平成19年度までの5年間に、およそ30億円に上る不正な経理処理が行われてきたことが明らかになっています。この中には、事務用品などを買ったことにして、代金を業者に支払い裏金としていったんプールさせたあと、商品券などの形で県に戻させたケースもありましたが、最大で25%ほどの額は、手数料としてそのまま業者に渡っていたことが、県の調査で新たにわかりました。
調査に対し、「業者に手数料を引かれていたことに気づかなかった」と答えている職員もいるということで、県は手数料が渡った経緯を詳しく調べるとともに、不正に渡った手数料の額を調べ、管理職の職員やOBに返還の負担を求めることにしています。
一方、この問題では、物品を購入したように装って、およそ4億1800万円をあわせて39の業者にプールさせていたことが明らかになっています。
千葉県は、業者が経営難に陥ったり倒産したりして、回収できなくなった場合についても、管理職の職員とOBに負担を求め、県に返還させる方針を決めました。
この問題で、千葉県の森田知事は「『税金を返せ』などと500件を超える電話やメールが県庁に寄せられており、ほんとうに申し訳ない。今、うみを出しきることが、県民の声にお答えすることだと思っています」と述べました。
●千葉県不正経理:携帯代を「差し替え」…業者証言
毎日 2009年9月11日 15時0分
千葉県庁のほぼ全部署が5年間に約30億円の不正経理をしていた問題で、職員が仕事で使う携帯電話の購入費用や通話料を業者に一時立て替えさせ、後から「事務用品代」名目で支払っていたことが11日分かった。
毎日新聞の取材に取引業者が証言した。また、庁内会議で注文した高級ずしの代金を「ペン代」などで精算し、県費で賄っていたことも判明。実際とは異なる名目で支出する不正な「差し替え」が日常的に行われていた実態が浮かぶ。【斎藤有香、倉田陶子】
千葉市内の物販会社の幹部によると、ある部署の職員から「職員が仕事で使う携帯電話が欲しい」と頼まれ、新品を購入して業者名で契約、提供した。その際「予算で(携帯電話は)認められていないので」と説明されたという。この業者は事務用品やOA機器を扱い、県とは長年の取引があるという。
業者は、携帯電話本体の購入費用と毎月の通話料金を事務用品代として請求したが、職員の指示に従い、通話料金の約1割を手数料分として上乗せし、支払いを受けていたという。
また、庁内の会議で注文した高級ずし数万円分の領収書を渡され、「差し替え」を求められたこともあったという。この時は「ペン代」や「ファイル代」として請求した。
幹部は「外勤職員なら携帯電話も必要だろう。なぜきちんと予算で認めないのか。すし代でも、うちは事務用品の会社で支払い代行屋じゃない。やりたくはないが、仕事をもらうために断れなかった」と話した。
業者の証言について、内部調査を進めてきた県行政改革推進室は「携帯電話代については調査で判明した。通話料の差し替えは不適正だが、電話自体は正当な業務に使われていたことを確認している。すし代については確認できていない」としている。
●30億円、県不正額突出
2009年9月11日 読売新聞
愛知14億9000万、岩手1億5000万…
千葉県で発覚した約30億円に上る不正経理は全国的にも突出している。会計検査院が自治体の不正経理を指摘した昨年10月以降、不正の実態が相次いで判明した愛知、岩手などと比較しても、「預け」と呼ばれる裏金作りが際だっている。公金に対するずさんな意識に、他県の職員からも驚きの声が漏れた。
これまでに発表された各県の不正額は、愛知で約14億9000万円(2001~08年度)、岩手で約1億5000万円(02~08年度)、熊本で約1億円(03~08年度)で、千葉を大きく下回っている。
会計検査院が指摘する「不正経理」の手口は6通りあるが、千葉ではすべて使われている。架空発注して代金を業者の口座にプールして管理させる「預け」は、千葉で約18億1100万円が確認され、不正額全体の6割を超える。私的流用の温床になるとされ、他県でも発覚したが、岩手33%、熊本21%(知事部局分)、愛知8%にとどまっている。
千葉の突出ぶりに愛知の調査担当者は「感覚的にむちゃくちゃなことをやっている」と驚きを隠さない。また、岩手の調査担当者は「預けは予算を使い切るために行っていた。岩手では私的流用は確認されなかった。千葉の調査結果にはびっくりした」と話す。
職員の公金意識について、熊本の調査担当者は「職員は私的流用がないと、不正という意識を持たないようだ」と嘆く。熊本では昨年7月、自主申告による調査で不正は確認されず、その後の再調査で発覚した経緯がある。
神奈川では、全庁調査を実施中で11月をめどに発表する予定。書類上は先に支払ったようにして年度をまたいで納品させる「翌年度納入」などが目立つが、「預け」は確認されていないという。神奈川では1997年春、国体旅費の不正流用が発覚しており、その後、各課の経理担当者を集め、再発防止などの研修を行っている。担当者は「不正流用後は綱紀粛正を徹底し、再発防止の効果が上がっている」という。
一方、千葉でも経理担当者を集めた研修を毎年実施しているが、職員のコンプライアンス(法令順守)意識を向上させるためのプログラムは取り入れていない。千葉の調査担当者は「公金に対する意識が低かったと指摘されてもしょうがない」と話した。
●詐欺罪で元職員に有罪判決 千葉県の不正経理
サンケイ 2009.9.14 22:42
千葉県の不正経理問題に絡み、県から公金約2146万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元県農林水産政策課副主査、明石剛誠被告(39)に対する判決公判が14日、千葉地裁であり、向井宣人裁判官は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年)を言い渡した。
向井裁判官は判決理由で「県民からの税金で賄われる貴重な公金を、ほしいままに私物化した悪質な犯行」と指摘した。
判決によると、明石被告は平成17年1月から19年3月、同課に勤務していた元職員(38)=詐欺罪で1審有罪=と共謀、架空の伝票を作成して事務用品の購入を装い、県から約2146万円をだまし取った。
だまし取った約2146万円は、県が平成19年度までの5年間に行っていた約30億円の不正経理の一部。明石被告らは週1回以上の頻度で高級料亭に通い、コンパニオンを呼び、1回1人あたり数万円を使っていた。
●発端は料亭のツケ「会社の金で払うか」 千葉不正経理
朝日 2009年9月13日
総額30億円の不正経理が発覚した千葉県の全庁調査の大きなきっかけは、架空の物品発注で県から公金をだまし取った容疑での元県職員3人(いずれも懲戒免職)の逮捕・起訴だった。14日に3人目の一審判決が出るが、これまでの公判や判決からは、職員たちの不正経理に対する悪意のなさや、公金に対する意識の低さが浮き彫りになっている。
起訴されたのは渡辺快和(38)=1日に有罪判決、14日に判決がある明石剛誠(39)の両被告、6月に有罪判決を受け、確定した元職員(36)の3人。渡辺被告は農林水産政策課の物品購入事務担当として、明石被告の後任だった。
検察側の冒頭陳述などによると、渡辺、明石両被告が公金の詐取を始めたきっかけは、明石被告が、千葉市内の料亭から04年12月ごろ、100万円のツケを請求されたことだったとされる。
この年の7月ごろから明石、渡辺両被告は同課の職員と料亭に行くようになった。この料亭に行ったことのある千葉市内の男性(40)は「驚くほど値段が高いわけではない」と言うが、両被告らは週1回以上通い、飲食だけでなくコンパニオンも呼ぶなどして、代金は1人1回数万円。高い時は1回10万円以上にのぼったという。
「会社のお金で払っちゃおうか。ナベちゃん伝票作ってよ。知ってる業者にお金用意してもらってよ」。明石被告が渡辺被告に要請し、渡辺被告も了承した。検察側は公判でこう説明した。
翌月から架空請求が始まった。渡辺被告の判決によると、05年1月から07年3月、3社から事務用品を購入したように装い、78回にわたって架空の請求書を業者に提出させ、自らは虚偽の支出伝票を提出して、計約2146万円を業者名義の口座に振り込ませた。こうした「預け」と呼ばれる手口で業者の口座にプールした公金を飲食費や遊興費にあてた。
「社会人としての倫理観の欠如、私生活の乱れがあったと思います」。公判で検察側に事件が起きた理由を問われた渡辺被告はこう証言した。
一方、元職員(36)は渡辺被告の後任として07年4月に同課に異動。「預け」の手口については「前任者から引き継ぎを受けた」と公判で証言した。08年3月から約半年間に、同様の手口で業者に計約150万円をプールし、愛人との遊興費として業者から融通してもらった現金の返済にあてた。
元職員のうち1人の弁護人を務めた弁護士は、不正経理について職員らに悪いことだという意識がなかったのではないかと指摘。「預け」などの手口も「正規のやり方ではないが、予算を使い切るために仕方のないことだ、という認識だったのではないか」と話した。(長崎潤一郎、伊藤舞虹、佐藤英彬)
●社説:自治体の不正経理 うみ出し切り再生図れ
秋田魁新報 2009/09/13
まだこんなことをやっていたのかとあきれてしまう。これまで何度も問題化しているのに、地方自治体の不正経理が後を絶たないのはなぜなのか。
今度の舞台は千葉県庁である。職員らが2007年度までの5年間で約30億円の不正経理を行っていた。それも約400ある部署のほぼすべてで確認されたというから、文字通り県庁ぐるみで不正を働いていたことになる。
不正経理にもさまざまなパターンがあるようだ。
(略)
不正経理は千葉県に限った話ではない。会計検査院の調査で、最近でも愛知県や岩手県など多数で確認されている。外部監査を導入している自治体でも発覚したというから深刻だ。
予算を年度内に使い切る慣習があるからだともいわれるが、果たしてそんなことが言い訳になるのだろうか。これではいつまでたってもコスト削減が進まず、住民本位の行政が実現するわけもない。
(略)
かつて本県でも多額の不正支出が発覚した。県庁の組織ぐるみの食糧費問題である。カラ出張やカラ雇用などで捻出(ねんしゅつ)した食糧費を職員の飲み食いなどに使い、裏金もあった。職員は忘れてしまいたいかもしれないが、決して忘れてはならない。
他県の問題をみて、では自分たちの足元はどうなのかと調査し、あしき慣習を一つ一つ断ち切っていれば今回のような問題は起きないはずだ。黙っていれば分からないと放置することが規律の緩みを生み、不正の一層の拡大につながるのである。
地方自治を確立するためにも、国が持つ権限や財源を大幅に移譲すべきだというのが地方の主張ではなかったか。今回の衆院選のテーマの一つでもあった。そんなときにこのありさまでは、はなはだ説得力を欠く。
不断のチェックが必要なことは言うまでもない。同時に、公金を扱う職員一人一人の意識改革も怠ってはならない。
更新日:2009年9月10日
経理問題特別調査結果について
平成21年9月10日
県民の皆様へ
まずは、このたびの県庁の不正経理問題について、県民の皆様に現知事として心からお詫び申し上げます。
私は4月に就任し、全庁調査を指示したことはもちろんのこと、内部調査だけでは甘いのではないかと考え、経理問題特別調査審査委員会を設置し、第三者の視点から厳しく検証をしていただきました。
その結果、5年間で30億円の不正経理という実態が判明いたしました。県民の皆様から「何をやっているのか。ふざけるな。」と、非難を浴びるのは当然のことと思います。
私は職員に対し、公務員としての初心に返り、私たちは県民の皆様から信頼される県庁を一丸となって作らなければいけない。森田県政はこのようなことは決して許さないし、やらせない。このことを肝に銘じるよう、厳しく言い渡しました。
今後は、私が先頭に立って、信頼回復に向けた再発防止策を確実に実施し、今後二度とこのようなことが起こらない県庁を作り上げてまいります。
県民の皆様には、本当に申し訳ありませんでした。
千葉県知事 森田 健作
経理問題特別調査結果報告書 概要 【PDFファイル/46KB】
経理問題特別調査結果報告書【PDFファイル/149KB】
千葉県経理問題特別調査外部審査委員会について
部署名:総務部 総務課 行政改革推進室
電話:043-223-4455
ファクス:043-225-1904
ご意見など、こちらからもお伺いさせていただきます。 |
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