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除草に革命 「紙マルチ」
【寺町 知正さん】2008年02月06日
かつて米作り農家の風物詩といえば、手作業の田植えと四つんばいになっての草取りだった。暑い時期の過酷な労働で腰を痛めることもあって嫌われた。
私は子ども時代から経験した。成人して自分の意思で有機農業を始めた時も、やはり手押しの除草機と四つんばいの草取りだった。
私は、小道具を自作して正確に1尺角に苗を植え、手押し除草機が縦と横に通れるようにした。その後、動力付き除草機を導入し、格段に楽になった。それでも、稲株の周りは手で除草しなければならなかった。
時代は進み、再生紙で作った「紙マルチ」を水田の表面に広げながら苗を植えていく専用田植え機が開発された。約10年前に田植え機を友人らと共同で購入して使っている。何と楽チンなこと。いったん田植えをすませたら、欠株や異物、草があっても紙が破れるから田に入らない。田植えの後、草取りは夏のほんの補助的作業になった。
この農法は田植え機がなくてもできる。
紙マルチは幅160センチ、長さ100メートル、重さ約25キロのロールなので、2人で紙の左右を持って水田に広げ、両側から手で苗を植えれば良い。バックして紙を広げつつ植えることもできる。切って幅や長さを変えても使える。変形水田にも有効だ。無農薬稲作に挑んだり、グループで楽しんだりもでき、教材向きといえる。現在では紙マルチに種もみを着けて直まきする方法まである。
この紙マルチは畑でも使える。
私は6月中旬に田植えをする予定だが、4月から5月にする地域もあるので、今年からぜひ試してもらえるように早めに紹介させてもらった。
次回は、桜の咲く頃に植えるヤマイモの簡易栽培のことに触れたい。 |