Sunday Song Book #1170

2015年03月15日 | Sunday Song Book

2015年03月15日プレイリスト
「ジミー・ウエッブ特集 Part 3」
1. THIS IS WHERE I CAME IN / THE CONTESSAS '65
2. TAKE IT EASY / DON RAY SAMPSON '66
3. MY CHRISTMAS TREE / THE SUPREMES "MERRY CHRISTMAS" '65
4. ONE STANDS HERE / JOHNNY MANN SINGERS "GOODNIGHT MY LOVE" '67
5. 5:30 PLANE / CONNIE STEVENS '70
6. THIS IS YOUR LIFE / BUDDY GRECO '68
7. WHATEVER HAPPENED TO CHRISTMAS / FRANK SINATRA "SINATRA FAMILY WISH YOU A MERRY CHRISTMAS" '68
8. NAME OF MY SORROW / RICHARD HARRIS "A TRAMP SHINING" '68
9. THEN / THE VOGUES "TURN AROUND, LOOK AT ME" '68
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■内容の一部を抜粋
・近況
曲書きをしているため今週は前倒しで収録しているという。確定申告が15日までなので領収書の整理をしてるそうだ。
「わたしもう一所懸命ですね、領収書整理して、ちゃんとやらなければなりませんが。なにしろ去年、一昨年あたりは忙しいので、4ヶ月分ぐらい溜まってしまいますとですね、鬼のように領収書があります。延々夜中一人でやってたりしますが。なんか辛気臭い話ですみませんけれど。この番組をお聴きの方も自営業の方たくさんいらっしゃると思いますが、大変ですね、確定申告。本当に(笑)。ちゃんと税金はいいところに使ってもらいたいものだと思いつつ、下らないことを言っとりますが(笑)」と達郎さん。

・ジミー・ウエッブ特集 Part 3
ジミー・ウェッブ特集は全3回の予定だったが全然間に合わないので来週も引き続いて特集することになったとか。先週まではヒット・ソング中心だったが、今週からは達郎さんの好きなジミー・ウェッブの作品と、せっかくなので少しレアなものも入れて選曲したという。「ギャンブル & ハフのように5週間続くかわかりませんけれど」と達郎さん。
今回の特集のため音を集めたそうだが、思ったほどCD化されてなくて、'50年代初期のリーバー & ストーラー、キャロル・キング、そうした人たちに比べて圧倒的にジミー・ウェッブの作品はCD化されておらず、昔CD化されたものも、今は廃盤で手に入らないので、YouTubeで聴くしかないとか。せっかくなので隠れた名作を中心に今回はお届けするそうだ。ヒット曲は一曲もない。

・THIS IS WHERE I CAME IN
3月1日の放送でオンエアした4人組の白人ヴォーカル・グループ、ザ・コンテスサッスの1965年のシングル「I KEEP ON KEEPING ON」。あの曲はB面で今日はA面の「THIS IS WHERE I CAME IN」。作詞作曲、アレンジ、コンダクト、ジミー・ウェッブ。イーというマイナーのインディー・レーベルから出ている。テルマ・ヒューストンとかリチャード・ハリスがその後、カバー・バージョンを発表した。

・TAKE IT EASY
同じくイー・レコードから1966年に発売されたドン・レイ・サンプソンという男性シンガーの歌で「TAKE IT EASY」。曲の面白いつまらないは別にして資料的価値があるもので、二十歳そこそこのジミー・ウェッブのアレンジのやり方とか興味深い一曲。

・MY CHRISTMAS TREE
3月1日の放送で触れたいちばん最初に印税をもらった曲が、シュープリームスのクリスマス・アルバム『MERRY CHRISTMAS』に入ってる「MY CHRISTMAS TREE」で、350ドルという印税をもらったとジミー・ウェッブ本人はインタビューで語っている。1965年の「MY CHRISTMAS TREE」。後にテンプテーションズもカバーする。駆け出しのソングライターとってシュープリームスのようなビッグ・ネームに曲が使われるのはうれしくてしょうがないもの。

・ONE STANDS HERE
'60年代の後半にいきなり脚光を浴びて時代の寵児になったジミー・ウェッブ。作風はどちらかというとやさしいメロディなのでバート・バカラックとかロジャー・ニコルスとかそうした人たちと同じでミドル・オブ・ザ・ロード系のシンガーにたくさん取り上げられることになった。そんなような中から割と出来のいい曲を選曲。
ウェストコーストで活躍したスタジオ・コーラス・グループのジョニー・マン・シンガーズのアルバム『GOODNIGHT MY LOVE』に収められてる「ONE STANDS HERE」。もともとは1967年にジミー・ウェッブ自身のユニット、ストロベリー・チルドレンの名義でシングルがリリースされたもののカバー。ジョニー・マン・シンガーズの「GOODNIGHT MY LOVE」はクレジットを見るとアレンジをしている人はラブ・ジェネレーションのジョン・バーラー。

・5:30 PLANE
コニー・スティーヴンスの1970年の「5:30 PLANE」。プロデューサーがディック・グラッサー、アレンジがアーニー・フリーマンなのでボーグスのプロダクション。もともとは1967年にピカルディ・シンガーズが先で、ジミー・ウェッブが自分でやっている。達郎さんはコニー・スティーヴンスのバージョンの方が好きなんだとか。

「ソングライター、ジミー・ウェッブの特集。当初は3週間で終わる予定だったんですがとても無理です。来週も引き続き(笑)、行きます。三月全部やっちゃおうかな。ソロまで辿り着かないんです、このままいくと。今日は割とコレクター向けのカルトなやつですけれど、来週はもうちょっと戻ってですね、有名なところを少しフォローしようと思っておりますが。いろいろ考えましたけれどもジミー・ウェッブは結構研究してる人がたくさんいるのでですね、なるべくオンエアされないCDになってないやつを努めて選ぶようにしております。今日がいちばん濃いかもしれません」と達郎さん。

・アルバム『TRAD』がマエストロ賞
昨年出たまりやさんの7年ぶりのオリジナル・アルバム『TRAD』が第七回CDショップ大賞2015年部門賞「マエストロ賞」を受賞。これはCDショップの店員さんが選ぶもので「長年に渡り音楽シーンを牽引し、目覚ましい功績を残しながら、今尚第一線で活躍しているアーティスト作品に贈られる賞です」と書いてあるそうだ。

・出雲市特別功労表彰
まりやさんは島根県の出雲出身で、2013年に「愛しきわが出雲」という曲を作ったり、そうした楽曲の提供と、出雲を全国に情報発信するのに貢献したとして、出雲市から特別功労者として表彰されたそうだ。詳しい情報はワーナーの竹内まりやスペシャルサイトをご覧くださいとのこと。
http://wmg.jp/mariya/

・芸術選奨 文部科学大臣賞
達郎さんが昨年行われた“Maniac Tour ~Performance 2014~”の功績が認められて平成26年度(第65回)芸術選奨 文部科学大臣賞(大衆芸能部門)を受賞した。
詳しい情報はワーナーの山下達郎スペシャルサイトをご覧くださいとのこと。
http://wmg.jp/tatsuro/

「褒章というものはいろいろご意見ございましょうが、ミュージシャンにとっても一人でやってるわけじゃありませんので、私の場合はスタッフがたくさんいますので、例えばレコード会社のスタッフは福井の親戚にこれで報告するとですね、そういう仕事をやってるのかという、そういうスタッフを含めた褒章だという解釈で、まぁ下さるものはありがたくいただくという、そういう感じでやっております。それもこれもリスナーのみなさまのご支援の賜物と厚く厚く御礼申し上げます。今後とも精進してまいりたいと思っております」と達郎さん。

・THIS IS YOUR LIFE
バディ・グレコはフィラデルフィア出身のクラブシンガー。1940年代、50年代にベニー・グッドマンと一緒に活躍した一昔前の人。この人は楽曲選曲に長けてる人でたくさんアルバムを出している。1968年のシングルで「THIS IS YOUR LIFE」はプロデュースがジミー・ウェッブとジミー・ボーエン、アレンジがジミー・ウェッブ本人でやってる珍しいパターン。資料によるとこれがオリジナル・レコーディングで、このあとフィフス・ディメンションとかテルマ・ヒューストンがカバーしている。

・WHATEVER HAPPENED TO CHRISTMAS
残りはすべて1968年の曲でペシミズムに満ちた歌。
フランク・シナトラが三人の子供たちと一緒にクリスマス・アルバム『SINATRA FAMILY WISH YOU A MERRY CHRISTMAS』を1968年にリプリーズからリリース。この中に一曲ジミー・ウェッブの作品が収められている。「WHATEVER HAPPENED TO CHRISTMAS」も暗い歌で"クリスマスは一体どこに消えたのか どうしてしまったのか 君は何があったのか いいクリスマスはみんな消えてしまった"という歌。この曲はシナトラがソロで歌っていてシナトラの声で救われる。一度こうしたことになるとスタンダード然とした曲が書ける。作風の広さ、しかも作詞作曲だからすごい。アレンジはドン・コスタ。

・NAME OF MY SORROW
リチャード・ハリスの1968年のアルバム『A TRAMP SHINING』から「NAME OF MY SORROW」。この曲も悲しい歌で別れた女の子をずっーと列挙して"彼らがみんな僕の悲しみの名前だ で今は君なんだ"というオチの歌。'60年代のジミー・ウェッブの作品はほとんどが恋は成就しない。それがこういう甘美なメロディで「美しいペシミズム」という世界。

・THEN
ジミー・ウェッブが'60年代末にソングライターとして時代の寵児になったので、コロンビアが勝手にジミー・ウェッブのデモ・テープを出してしまった。それが実質的にジミー・ウェッブのファースト・ソロ・アルバムになり、本人は再三にわたり不満を述べてるという。歌がとにかく拙いのでそれが嫌だという話だが曲は粒より。その中から「THEN」はとても悲しい歌。"あの頃 あの頃未来はとても輝いて映ってた あの頃すべてうまくいってた でも今はとても寂しい夜を過ごしてる 君のことをあれこれ思いながら あの頃は気にすることなんてなしに愛し合ってた あの頃は二人はいつもそこにいた でも今は別れた二人 君のことをあれこれと思いながら あの頃は泣くことはなかった 今は死ななきゃという気分 君のことを思って"という暗い歌。 この歌を同じ年にヴォーカル・グループのザ・ボーグスがカバーした。ヒット曲「TURN AROUND, LOOK AT ME」のカップリングでアルバム『TURN AROUND, LOOK AT ME』にも収められた。アーニー・フリーマンのアレンジでディック・グラッサーのプロデュース。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2015年03月22日は、「ジミー・ウエッブ特集 Part 4」
http://www.tatsuro.co.jp
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