Sunday Song Book #1155

2014年11月30日 | Sunday Song Book

2014年11月30日プレイリスト
「大滝詠一『BEST ALWAYS』特集(DISC 1を中心に)」
1. 12月の雨の日(SINGLE VERSION) / はっぴいえんど '71 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
2. 空飛ぶくじら / 大滝詠一 '72 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
3. ナイアガラ・ムーン(イン・ザ・プール '05 MIX) / 大滝詠一 '75 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
4. 楽しい夜更し / 大滝詠一 '75 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
5. 幸せにさよなら(NEW MIX) / ナイアガラ・トライアングル '76 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
6. 青空のように(SINGLE VERSION) / 大瀧詠一 '77 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
7. ブルー・ヴァレンタイン・デイ(SINGLE VERSION) / 大瀧詠一 '78 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
8. 恋のひとこと / 大瀧詠一&竹内まりや '03 "ベスト・オールウェイズ" 12月03日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組はまりやさんのゼビオアリーナ仙台公演(11月29日)の直前に収録しているという。まりやさんの33年ぶりとなる全国ツアー「souvenir 2014 LIVE」は11月22日(土)、23日(日) に広島県の広島グリーンアリーナで無事に初日が明けたとか。番組は今後、12月20日(土)、21日(日) の日本武道館まで、ちょっと前の前倒し収録になるそうだ。今週は12月4日(木) 、北海道の真駒内セキスイハイムアイスアリーナ。「広島終わった段階で今日は録音しておりますけれど、結構よいライヴだと思いますので、ご期待ください(笑)」と達郎さん。

・大滝詠一『BEST ALWAYS』特集(DISC 1を中心に)
今週12月3日に大滝詠一さんのベスト・アルバム『BEST ALWAYS』が発売されるのでこのアルバムを特集する。はっぴいえんど時代の1971年から2003年の「恋するふたり」まですべてのキャリアを網羅する、いわゆるレーベル越えのオールタイム・ベスト・アルバム。全35トラック、CD二枚組でDISC 1は'70年代、DISC 2は『A LONG VACATION』以降の'80年代から2000年代まで。DISC 1の'70年代の部分は達郎さんがかなりの部分で大滝さんと仕事をしている。ストリングス・アレンジ、ブラス・アレンジとかなりの部分で深く関わってるので、DISC 1を中心に。『A LONG VACATION』以降はかなり周知されてるものが多いけれど、'70年代はいろいろなエピソードともにたくさん作品もあり、曲の思い出話やレコーディングのエピソードをまじえつつ「大滝詠一 ベスト・アルバム『BEST ALWAYS』特集」。「日曜日の午後のひととき、今日は大滝さんのあま~いクルーナー・ボイスでお楽しみいただきたいと思います」と達郎さん。

・12月の雨の日(SINGLE VERSION)
1971年のはっぴいえんどのデビュー曲としてお馴染みの「12月の雨の日」。シングル・ヴァージョン。

「『A LONG VACATION』というアルバムはリック・ネルソンの曲から取ったものなので。『BEST ALWAYS』というのはリック・ネルソンのベスト・アルバムにこういうタイトルがあります。シャレですね、きっと。大滝さんが自分で付けられたんじゃないですけれど、スタッフの人たちが、たぶんシャレで付けたものだと思いますが。大滝さん、お亡くなりになってもう11ヶ月経ちますが、いよいよベスト・アルバム。今までもいろいろなかたちでベストのようなものはありますが、今回のベスト・アルバムはCD二枚組ではっぴいえんどのデビュー時からですね、2000年代のCBSソニー、ソニー・ミュージックのカタログまで網羅した、いわゆるレーベルを越えたですね、オールタイム・ベストでございます。いちばん大きな特徴はシングル・ヴァージョンが主に入っております。アルバムの曲でもシングル用にミックスされたもの、それらの多くが初CD化でございますけれども。大滝さん、昔から仰っていたんですが、新春放談でも仰ってましたけれども、アルバムはアルバムで、シングルはそのうちにそうしたシングルだけでベストを出すんだと、そのようなことを仰ってました。その本人の意志を継ぐかたちでこうしたベスト・アルバムが出ることになりました」と達郎さん。

・空飛ぶくじら
1972年の大滝さんの「恋の汽車ポッポ」に続くソロ・シングル第二弾「空飛ぶくじら」。達郎さんはまだ十代で聴いていた曲。大滝さんはクルーナー・ボイス、あまーいバリトンの歌い方をする人で、その特色がよく出ている。まだはっぴいえんどの活動中に出たシングルなので作詞は江戸門弾鉄こと松本隆さん。

・ナイアガラ・ムーン(イン・ザ・プール '05 MIX)
1975年にナイアガラ・レーベルを設立して、達郎さんのいたグループ、シュガーベイブのアルバム『SONGS』でナイアガラ・レーベルは立ち上がった。それに続いて発売されたのが『NIAGARA MOON』という名作アルバム。達郎さんは全面的にいろいろ関わってる。今回の『BEST ALWAYS』、DISC 1の1曲目にタイトル・ソングの「ナイアガラ・ムーン」のニュー・ミックスで、2005年の映画『イン・ザ・プール』のためにリミックスされたイン・ザ・プール・ミックスが入ってる。オリジナル・トラックからドラムを抜いて、いろいろとミックスを変えている。本邦初CD化。

『BEST ALWAYS』は曲が35トラックあるし、一曲一曲、達郎さんの思い出と共にを語ると時間がいくらあっても足らないので、本当に今日は舐める程度。小出しにしてまた後日フォローする予定。今週は発売記念で時間まで。特に達郎さんが関わってる仕事が多いDISC 1オンリー。『A LONG VACATION』以降のDISC 2は次の機会に。

アルバム『NIAGARA MOON』はストリングスとブラスは全部達郎さんがやっている。『NIAGARA MOON』はノベルティ中心のニューオリンズ・ビート、ロックンロール・ビートに溢れたアルバム。タイトル・ソングの「ナイアガラ・ムーン」はその中でもメロウな一曲。この曲を聴くと達郎さんは大滝さんと旅をしたこと、ライヴ・ツアーのバックはシュガーベイブで、達郎さんは「ナイアガラ・ムーン」の間奏でオルガンを弾いてたのを思い出すという。

・楽しい夜更し
アルバム『NIAGARA MOON』からはもう一曲選ばれていて、当時は大滝さんは麻雀が好きで、夜を徹して麻雀をやった中からできた曲で、それとニューオリンズ・ビートが合致するという若さならではの一曲「楽しい夜更し」。アーニー・K・ドーの「MOTHER-IN-LOW」のビート。ブラスは達郎さん。『NIAGARA MOON』以降『A LONG VACATION』の前までFUSSA45という大滝さんの自宅スタジオで録られている。木造の小さなスタジオに東京からブラスを呼んで、ニューオリンズのスタイルなのでサックス4本。大滝さんが口伝えでアレンジして「これを書け」と言って譜面に起こすのが達郎さんの仕事だった。昼間レコーディングして、夜になると朝の3時4時まで話して、夜が明けた頃に寝るという昼夜逆の生活。さんざんいろんな馬鹿話をした中から生まれた曲のひとつ。今聴くとFUSSA45のアンビエンスというか、独特のインディ感を生んで、いわゆる既成の歌謡曲の、スタジオで録られた音楽とは全く一線を画す、そういった音像になってるのが古びない理由。

・幸せにさよなら(NEW MIX)
1976年に大滝さん、伊藤銀次さん、達郎さんの三人で曲を持ち寄って作った『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』。ここからシングル・カットされたのがナイアガラ・トライアングルという名義で伊藤銀次さんの作った「幸せにさよなら」。三人で一節ずつ歌うという企画で、今回はシングル・ヴァージョンだけど歌う順番が違うもの。'90年代に新春放談でオンエアしたことがあり、それを再ミックスしている。本邦初CD化。オリジナルの「幸せにさよなら」のシングルは伊藤銀次さんからはじまるけれど、このニュー・ミックスは大滝さんからはじまる。達郎さんの位置は変わらないが銀次さんと大滝さんがひっくり返っている。もともとのアルバム・ヴァージョンは銀次さんが一人で歌っている。シングルは三人一緒に歌ってるわけではなくて、それぞれ別々に録っている。達郎さんは一回しか歌わせてもらえず、何か投げ捨てるような歌い方をしている。それに反して大滝さんは後からじっくり歌っている。「ズルいんです。なのでエライ不公平だと思ったりしたんですけれども」と達郎さん。アルバムではバイ・バイ・セッション・バンドでレコーディング。ドラムは上原裕さん、ベースは吉田建さん(?)、キーボードは坂本龍一さん、伊藤銀次さんのギター。シングル・ヴァージョンは細野晴臣さんのベース、松任谷正隆さんのピアノに差し替えてる。「16チャンで差し替えたものなので、上書きをしてしまったのでアルバム・ヴァージョンのマルチは残ってないというひどい話ですけれど(笑)。時代ですよ、時代」と達郎さん。

・SUBARUのインプレッサSPORTのCM
SUBARUのインプレッサSPORTのCMに「踊ろよ、フィッシュ」が使われていて、先週からオンエアがはじまり一年間流れる。
http://www.subaru.jp/impreza/special/

・ニュー・アルバム『TRAD』
まりやさんのニュー・アルバム『TRAD』が第56回輝く!日本レコード大賞の最優秀アルバム賞を授賞した。まりやさんのニュー・アルバム『TRAD』のクリスマス・パッケージを期間限定で販売中。DVD付きの初回限定盤を今年限りとなるクリスマス・デザインの三方製ボックスで包装したスペシャル・パッケージ仕様。赤のニット・デザインのパッケージがDVD付きの初回限定盤の上からかぶさるかたち。2014年11月18日(火)~12月25日(木)までの期間限定販売。期間内でも予定枚数が終了次第なくなるのでお早めにお求めくださいとのこと。

竹内まりや情報についてはスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/mariya/

・MIRACLE デビクロくんの恋と魔法
11月22日から全国公開がはじまった映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』は幸先のいいスタートで出足好調。音楽監修を達郎さんが担当している。中村航さんの小説「デビクロくんの恋と魔法」をもとに作られた作品で、この小説が「クリスマス・イブ」をモチーフに作られたものなので達郎さんのところにオファーがきたそうだ。監督は犬堂一心さん、主演は相葉雅紀さん、榮倉奈々さん、ハン・ヒュジュさん、生田斗真さん。
http://miracle-movie.com

・『BEST ALWAYS』ポスター
『BEST ALWAYS』のグッズでB2のポスターを10名にプレゼント。締め切りは今年いっぱい。

・プレゼント
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」プレゼント係
http://www.tatsuro.co.jp

大滝さんが亡くなって一年近く、いろいろなところで大滝さんの特集や、大滝さんについて語られた記事を達郎さんはたくさん読んでるそうだ。神格化というか手放しの賛辞というか、それはまぁいいんだけれど、今週紹介している'70年代はかなりの試行錯誤、前進後退を繰り返した証で、順風満帆で辿った道ではなく、そうした成果が'80年代に『A LONG VACATION』で開花するわけだが、そうした大滝さんのアプローチのやり方をむしろ注目して聴くべき。歴史がそういうことになってしまったので、細かいことに関しては年明けにでも再特集して言ってみたいと達郎さん。

・青空のように(SINGLE VERSION)
1977年の暮にリリースした『NIAGARA CALENDAR』。1月から12月までの歳時記的な曲を12曲、アナログなのでA面6曲、B面6曲収録している。達郎さんは大滝さんの全アルバムの中でこのアルバムがいちばん好きだし、深く関わっている。このアルバムからの先行シングルが「青空のように」。6月に当たる曲でシングル・ヴァージョンは初CD化。ブラスとストリングス、エンディングのファルセットは達郎さん。アルバムよりもシングルのほうが達郎さんは好きなのでCD化を喜んでいるとか。

今回の『BEST ALWAYS』にはクレジットが書かれてない。スタッフに訊いたら不明のものがとても多いとのこと。大滝さんは一人でレーベルをやっていたのでミュージシャンが誰かというそういうものの記録が完璧ではない。完璧なクレジットが不可能なのでクレジットは載せられなかったそうだ。

・ブルー・ヴァレンタイン・デイ(SINGLE VERSION)
『NIAGARA CALENDAR』から2月の歌「ブルー・ヴァレンタイン・デイ」。ストリングス・アレンジは達郎さん。この曲のウッド・ベースのクレジットがわからなくてUNKNOWNになっている。スタジオ・ミュージシャンを起用していたので、今のように余裕を持ったレコーディングではなかったので、データをきちっと整理する暇もなく、レコーディングに追われてたという事情もある。このシングルは年明けて1978年に後発のシングルとしてリリース。このシングル・ヴァージョンはレア。達郎さんの好きな曲でステージでもよくやっていた。大滝さんは岩手の生まれ。達郎さんの母親が仙台なので、そういう意味で発音がちょっと似ているところがあるとか。口をあんまり開けないで喋るという東北のひとつの特徴がある。「ブルー・ヴァレンタイン・デイ」でも"ゆううつさ"とたちつてとをあんまりはっきりと言わないところが似ている。

・恋のひとこと
今日の最後はDISC 2のいちばん最後に入っているまりやさんとのデュエット「恋のひとこと」。大滝さんの公式レコーディングとしては最後のレコーディングになった。2003年のまりやさんのアルバム『LONGTIME FAVOURITES』の「SOMETHING STUPID」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

12月07日は、「ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ Part 3」
http://www.tatsuro.co.jp
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