Sunday Song Book #1153

2014年11月16日 | Sunday Song Book

2014年11月16日プレイリスト
「竹内まりや『VARIETY 30th ANNIVERSARY EDITION』ミニ特集」
1. クリスマス・イブ / 山下達郎 "CDシングル 2014ヴァージョン" 11月19日発売
2. もう一度 / 竹内まりや
3. プラスティック・ラヴ / 竹内まりや
4. 本気でオンリー・ユー~LET'S GET MARRIED / 竹内まりや
5. ONE NIGHT STAND / 竹内まりや
6. アンフィ・シアターの夜 / 竹内まりや
7. とどかぬ想い / 竹内まりや
8. マージービートで唄わせて / 竹内まりや
9. シェトランドに頬をうずめて / 竹内まりや
"ヴァラエティ 30th ANNIVERSARY EDITION" 11月19日発売
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■内容の一部を抜粋
・近況
まりやさんの全国ツアーがいよいよ今週末からはじまる。リハーサルもファイナルでまとめに入り大体の曲順を決めたそうだ。「バンドのまとまりは順調に進んでおりまして、なかなか演奏難易度の高い曲が多いんですが、結構、みんな大変でございますが、がんばってやっております」と達郎さん。

・souvenir 2014 LIVE
まりやさんの33年ぶりとなる全国ツアーが11月22日からスタート。全国6都市9公演のアリーナ・ツアー。詳しい情報は竹内まりやスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/mariya/

11月22日(土)、23日(日) 広島県 広島グリーンアリーナ
11月29日(土) 宮城県 ゼビオアリーナ仙台
12月4日(木) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
12月9日(火) 福岡県 マリンメッセ福岡
12月13日(土)、14日(日) 大阪府 大阪城ホール
12月20日(土)、21日(日) 東京都 日本武道館

・VARIETY 30th ANNIVERSARY EDITION
まりやさんがアルファ・ムーンに移籍して第一弾となるアルバム『VARIETY』、ここから路線が華々しく変更することになるが、1984年のアルバム『VARIETY』が30周年を迎えたので、今週11月19日に『VARIETY 30th ANNIVERSARY EDITION』が発売になる。ニュー・デジタル・リマスター、ボーナス・トラック付きで発売される。今週は発売日前なので『VARIETY 30th ANNIVERSARY EDITION』特集。

・クリスマス・イブ
今年も「クリスマス・イブ」が発売されることになった。11月19日発売。このあいだ達郎さんはデパートに買いものへ行ったときに思いっきり「クリスマス・イブ」がかかって、思わずこそこそしてしまったという。今年31年目を迎えたが、今年は11月22日から全国公開がはじまる映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』のテーマ・ソングとして使われることになったので「クリスマス・イブ」のシングルが2014年期間限定ヴァージョンとして発売することになったそうだ。映画の中でまりやさんの「THE CHRISTMAS SONG」と達郎さんの「HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS」のメドレーがエンディング・テーマに使われることから、今年だけ「クリスマス・イブ」のシングルにメドレーを足したかたちで限定で発売される。詳しくはワーナーの山下達郎スペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/tatsuro/

・もう一度
ツアー前なのでまりやさんは体調管理を万全にしたほうがいいと達郎さんのほうから出演を断り、達郎さんがまりやさんに代わって『VARIETY』の解説をすることになったそうだ。アルバムにはまりやさんの曲目解説が付いてるので、今週はプロデューサー、アレンジャーとして関わった達郎さんサイドから見た『VARIETY』の曲の感想というか思い出話を中心に『VARIETY』ミニ特集。『VARIETY』の1曲目は「もう一度」。1984年4月25日に『VARIETY』は発売されたが先行シングルとして4月10日に発売。アルバムのレコーディングではいちばん最後にレコーディングされた曲で、当時のTBS系のドラマ「くれない族の反乱」のテーマ・ソング。レコーディングのパーソナルは青山純さんのドラム、伊藤広規さんのベース、難波弘之さんのピアノ、達郎さんのギター類、雑用諸々。バックグラウンド・コーラスも達郎さんが一人多重録音。完全にフォー・シーズンズのパターンで、トーケンズとハプニングスをちょっと胡椒を振りかけて、ビーチボーイズのにおいをちょっと振りまいた、'60年代のヴォーカル・グループのマター。女性シンガーのバックに男性シンガーのヴォーカルが入るというボブ・クルー得意のパターン。

・プラスティック・ラヴ
2曲目の「プラスティック・ラヴ」はアルバムのレコーディングではいちばん最初にレコーディングした作品。レコーディングのパーソナルは青山純さんのドラム、伊藤広規さんのベース、中西康晴さんのエレクトリック・ピアノ、達郎さんのエレクトリック・ギター、雑用諸々。ストリングスとブラスが入って厚めの音作り。もともとまりやさんは1978年にRCAからデビューしたが、そのときはシンガーとして活動していた。デビュー曲、セカンド・ヒットは加藤和彦さんの作曲。「SEPTEMBER」は林哲司さん、最大ヒットの「不思議なピーチパイ」も加藤和彦さん。2年とちょっとそういう形態でやっていたが、少しくたびれたということで一回休業して、その間に達郎さんと結婚。達郎さんが仲間と作ったムーン・レーベルに移籍して、その第一弾が『VARIETY』というアルバム。当初、『VARIETY』はそれまでのアルバムを踏襲するかたちでと考えていたので、作曲家に何曲かを依頼して、達郎さんが何曲か書いて、本人も何曲か書いてと考えていたそうだ。そうしたところ、2年休んでるあいだに河合奈保子さんに「けんかをやめて」とか中山美穂さんに「色・ホワイトブレンド」とか、アイドル歌謡に逆に曲を提供するということをやっていた。それをやってるうちに自分の曲も何曲か書き溜めていて、『VARIETY』の準備に入ったときに、まりやさんから「自分の曲を聴いてほしい」と言ってきて、いちばん最初に聴いたのがこの「プラスティック・ラヴ」だった。これがあまりによくてぶっ飛んで、その後に聴かしてもらった曲が片っ端からいい曲なので、これだったら全曲本人の曲で行けるかなと思ったのが、『VARIETY』のそもそものコンセプトだった。当時の音楽状況としては一度休業して結婚したシンガーが、全曲詞曲で再デビューするというのはひじょうにリスキーだったが、それがすごくいい結果を生んで『VARIETY』はというアルバムは今日でも聴かれるアルバムになっている。

・本気でオンリー・ユー~LET'S GET MARRIED
3曲目の「本気でオンリー・ユー~LET'S GET MARRIED」は結婚した当時の歌だったのでこういう曲が生まれたと本人が語ってるそうだ。英語詞の「LET'S GET MARRIED」というタイトルだったがタイアップになったので「本気でオンリー・ユー」が付いて「本気でオンリー・ユー~LET'S GET MARRIED」になった。いわゆるハチロクもので一人多重録音。伊藤広規さんのベース以外は達郎さんのドラム、パーカッション、ギター、キーボード、その他諸々。イントロのパイプオルガンの「ウェディング・マーチ」(メンデルスゾーン)だけは坂本龍一さんにお願いして、当時はサンプリング・マシーンの黎明期でイミュレーターとシンセサイザーのパイプオルガンを合わせたとか。当時、同じレコーディング・スタジオの上と下で、坂本龍一さんは『音楽図鑑』というアルバムをレコーディングしていた。毎日顔を合わせていたのでまりやさんが坂本龍一さんに「ウェディング・マーチ」を弾いてほしいとリクエスト。達郎さんと坂本龍一さんは昔からの知り合いだったのでこういうことになった。間奏のテナー・サックスはアーニー・ワッツでロサンジェルスまで行ってアーニー・ワッツのソロを録ってきたという。ハチロクで一人多重という曲は結構あるが達郎さんが気に入ってるトラック。

・ONE NIGHT STAND
『VARIETY』はシンガー・ソングライターというよりかは作家的なアルバムで曲調が幅広い。本人が一回やってみたかったという曲がずらっと並んでいる。4曲目の「ONE NIGHT STAND」はカントリー・ロック。まりやさん本人がイントロからピアノを弾いてはじまる。グルーピーの歌で、「人生の扉」と同じコンセプト、センチメンタル・シティ・ロマンスと達郎さんのバンドが合体して録ったとか。

・アンフィ・シアターの夜
全曲完走できないし、今日は時間がないので1曲飛ばしてB面へ。B面1曲目は「アンフィ・シアターの夜」。1985年から日本のレコーディング状況は全面的にデジタルになるので、1984年の達郎さんの『BIG WAVE』と『VARIETY』はアナログ・レコードの最後の作品になる。そういう意味でアナログ最後の輝きというかロックンロールなグルーヴ感が十分に出てるアルバムになっている。「アンフィ・シアターの夜」はいわゆるロックンロール・ソング。まりやさんが昔、アンフィ・シアターでキンクスを観て感動して作った曲。青山純さんのドラム、伊藤広規さんのベース、中西康晴さんのピアノ、達郎さんのサイド・ギター、リード・ギターは松浦善博さんでサザン・ロック風のグルーヴを弾かせたら日本で有数のギタリスト。最初に出てくるのが達郎さんのギターで、続いて出てくる野太いのが松浦さんのレスポール。

・アルバム『TRAD』のオリジナル・マグカップ
『TRAD』のグッズとして作ったオリジナル・マグカップをリスナー10名にプレゼント。『TRAD』だけに何の飾り気のないシンプルなマグカップで使い勝手があるとか。

・プレゼント
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」プレゼント係
http://www.tatsuro.co.jp

・ニュー・アルバム『TRAD』アナログ盤と『VARIETY 30th ANNIVERSARY EDITION』のアナログ盤
まりやさんのニュー・アルバム『TRAD』のアナログ盤が11月19日に発売されることになった。二枚組仕様の180グラム重量盤。『VARIETY 30th ANNIVERSARY EDITION』のアナログ盤は二枚組仕様の180グラム重量盤でボーナス・トラックの収録はない。こちらはCDとアナログ盤を同日に発売する予定だったが、アナログ盤は少し発売が遅れて12月10日に発売。

・とどかぬ想い
B面2曲目は「とどかぬ想い」。達郎さんの好きな曲で、ちょっとブレッドのテイストが入った曲。この曲は3人レコーディングで青山純さんのドラム、伊藤広規さんのベース、達郎さんがギター、キーボード、その他諸々。間奏のフリューゲルホーンはチャック・フィンデルでこれもL.A.に行って録音。

・マージービートで唄わせて
B面3曲目はビートルズ・ファンのまりやさんがマージービートへの思いを込めてレコーディングした「マージービートで唄わせて」。当時のステレオ感を再現するために'80年代にしては全然違う楽器の定位で展開しているそうだ。ビートルズというよりもジェリー&ペースメーカーズに近い。ドラムスは上原裕さん、ベースは伊藤広規さん、オルガンは難波弘之さん、達郎さんのアコギ、エレキ、12弦、パーカッション、その他。コーラスは杉真理さん、村田和人さん、伊藤銀次さんというブリティッシュ・ビート好きの3人。銀次さんを除いて全員1953,4年生まれのメンバー。この世代はブリティッシュ・ビートは基礎教養で、難波さんはバリバリのブリティッシュ派で、達郎さんもそれなりに聴いてるので、こうした雰囲気はみんな得意で楽しいレコーディングだったとか。

・ボーナス・トラック
いちばんの目玉は中森明菜さんに提供した「赤のエナメル」の竹内まりやヴォーカル・ヴァージョン。本当は『VARIETY』のときにレコーディングされたが結局収録されなかった。このときのレコーディング・トラックが残っていて、ほとんど仮歌でリズム隊の基礎しか入ってない未発表のテイク。それから『VARIETY』を出した直後に出た「プラスティック・ラヴ」 (12" Extended Club Mix)。当時は12インチのクラブミックスというエディットしたロング・ヴァージョンが流行っていた。達郎さんが二日かけて作ったいわゆるマスター・ミックスで、後にも先にもクラブミックスを作ったのはこれだけだとか。そのB面のオリジナルをリミックスしてディスコ向けに音圧を上げた「プラスティック・ラヴ」 (12" Original Length ReMix)。この他はカラオケで「アンフィシアターの夜」、「マージー・ビートで唄わせて」の未発表のカラオケ。それに「プラスティック・ラブ」と「本気でオンリー・ユー(Let's Get Married)」のカラオケという全7トラックを収録。

・MIRACLE デビクロくんの恋と魔法
11月22日から全国公開がはじまる映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』の音楽監修を達郎さんが担当している。中村航さんの小説「デビクロくんの恋と魔法」をもとに作られた作品で、この小説が「クリスマス・イブ」をモチーフに作られたものなので達郎さんのところにオファーがきたそうだ。監督は犬堂一心さん、主演は相葉雅紀さん、榮倉奈々さん、ハン・ヒュジュさん、生田斗真さん。
http://miracle-movie.com

来週は映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』の音楽を特集する予定。達郎さんが選曲した'60年代のオールディーズ・ポップスをちりばめていて、まるで「サンデー・ソングブック」の「棚つか」に近いような選曲。結構ベタな選曲だが最新リマスターで音が良い。

・シェトランドに頬をうずめて
アルバムのラスト「シェトランドに頬をうずめて」でミニ特集の締めくくり。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

11月23日は、「映画『デビクロ君の恋と魔法』劇中歌特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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