Sunday Song Book #1013

2012年03月11日 | Sunday Song Book

2012年03月11日プレイリスト
「東日本大震災一周年、追悼と復興祈念プログラム」
1. DON'T GIVE UP ON ME / SOLOMON BURKE "DON'T GIVE UP ON ME" '02
2. BLUE MONDAY PEOPLE / CURTIS MAYFIELD "THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY" '75
3. YOU ARE NOT ALONE / R. KELLY "LOVE LETTER" '10
4. MY ONE & ONLY LOVE / DORIS DAY "DUET" '61
5. 蒼氓 / 山下達郎 "サンデーソングブック 10th アコースティックライブ" '03
6. 希望という名の光 (2012 ACOUSTIC VERSION) / 山下達郎
7. いのちの歌 (PIANO & VOCAL VERSION) / 竹内まりや 01月25日発売ニューシングル
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■内容の一部を抜粋
・東日本大震災一周年、追悼と復興祈念プログラム
山下達郎: みなさん、こんにちは。山下達郎です。毎週日曜日午後2時からの55分間は、わたくし山下達郎がお送りいたします「TSUTAYA SUNDAY SONG BOOK」の時間であります。TOKYO FMをキーステーションといたしましてJFN全国38局ネットでお届けいたしております。本日3月11日は東日本大震災一周年。あれから一年が経ちました。一年経って震災の記憶が風化していくというような懸念も語られている今日この頃でありますが、私の個人的な印象では風化どころか緊迫感はむしろ増大している感すらあります。二万人に迫る死者、行方不明者。三十四万人以上の方々が今も避難者となっておられます。改めましてご家族、ご親類、ご友人を亡くされたみなさまに心よりお悔やみを申し上げますとともに、不自由な生活に耐えておられる避難者のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。とりわけ福島の原発事故による放射能汚染で被災され、避難を余儀なくされた方々のご心痛、また放射能汚染の不安を抱えながら、現地で生活されてる方々のご心情は察するに余りあり、重ねて心よりお見舞いを申し上げます。福島原発の情勢というものは依然として予断を許さないものがある上に、初期対処のまずさもあって、政府とか電力会社からもたらされる情報が一体どこまでが真実で、どれほどの隠蔽があるのか、多くの人々はこの一年、そして未だに深い疑心暗鬼にかられて過ごしております。更には震災と原発災害に追い打ちをかけるような、この間の台風被害、国際的にも金融不安や、タイの大水害、それらに伴う日本経済の地盤沈下といったそうした中でこの先復興にどれくらい時間がかかるのか想像もつきません。今いちばん優先されるべき課題はこの内憂外患の国難をいかに克服するかであり、それには挙国一致、大同団結が不可欠です。こんなときに民主も自民も、またどこぞの省庁もへったくれもありません。それなのに政治や官僚たちの、特にリーダーシップを発揮するべき上層部の人々こそ、相変わらずあーだこーだ百家争鳴で方針決定は遅々としてなかなか建設的方向に向かいません。彼らに更なる自覚と自戒を求めずにはおられません。さて、一年後の本日、2012年3月11日。地震発生時刻に当たる午後2時46分が、なんと私の「SUNDAY SONG BOOK」の放送時間内という大きなめぐり合わせとなりました。本来ならこの時間帯、私の番組取りやめていただいてJFN38局ネットで特別番組を放送したほうが適切なのではというようなことを申し上げたのですが、私の「SUNDAY SONG BOOK」の中で何かメッセージをという局側の要望をいただきました。そんなわけですので私なんぞには荷の重い役回りなんですが、ご指名いただきましたので、本日の山下達郎「SUNDAY SONG BOOK」は「東日本大震災一周年、追悼と復興祈念プログラム」と題しまして全国のリスナーみなさまに、あくまで私に出来る範囲でしかありませんが、一時の心の安らぎお届けできるようお送りしたいと思っております。昨年の3月震災直後にお送りしました「東日本大震災鎮魂プログラム」の際にも申し上げましたが、19年半続いております私のこの番組「SUNDAY SONG BOOK」はいつもはかなりマニアックな内容の音楽番組であります。ですので一周年目の本日も、基本的にはいつもこの番組を聴いてくださってるリスナーのみなさまのためのプログラムとして選曲と構成をしていることを予めご了承してください。ただどのような番組、どのような音楽であろうとも人の心のために作られてることは変わりはありません。2時46分になりましたら震災の犠牲になられた方々のために一分間の黙祷を捧げたいと思いますので、みなさま、予めご準備よろしくお願い申し上げます。昔からこの番組にリクエストをお寄せ頂くリスナーのみなさまの中にも被災された方々が沢山いらっしゃいます。いつもは濃いー音楽の話題を書いてお送りくださるみなさま方が、今回は一人の人間としてのあらわな、でもどなたも冷静で前向きな心情を書き綴ってくださいました。そうしたお便りも時間の関係で、これもごく僅かで申し訳なく思いますけれど、ご紹介してまいりたいと思っております。それでは山下達郎「SUNDAY SONG BOOK」、「東日本大震災一周年、追悼と復興祈念プログラム」はじめさせていただきます。

被災地のリスナーからのメッセージを中心に。
前半の洋楽作品は普段達郎さん自身が実際に心の平安に大いに役立ってる中から何曲か選んだとのこと。

・DON'T GIVE UP ON ME
ソロモン・バークの2002年のソロ・アルバム『DON'T GIVE UP ON ME』からタイトル・ソング。
「僕になにか足りなくても 僕が合格点じゃなくても 君の期待に今日は応えられなくても いつだって明日はある じゃなきゃ明日の夜がある だから堪えておくれ 遅かれ早かれ僕はちゃんとするから」という希望に満ち溢れた歌。

・BLUE MONDAY PEOPLE
達郎さんの生涯のヒーリング・ミュージック。カーティス・メイフィールドの1975年のアルバム『THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY』から「BLUE MONDAY PEOPLE」。

・YOU ARE NOT ALONE
R.ケリーの2010年のアルバム『LOVE LETTER』の隠しトラック「YOU ARE NOT ALONE」。もともとはマイケル・ジャクソンの1995年のプラチナ・シングル「YOU ARE NOT ALONE」のセルフ・カヴァー。
「君は独りじゃない 僕は君と一緒にいる 君が遠くに行っても僕はここに残っている 君は独りじゃない 僕たちが離れ離れになっても 君は僕の心の中にいる」といういい歌。

東京世田谷区の超常連の方から「キャラメル・ボックスという劇団のお芝居を観に行ったら、被災地の方々、仮設住宅で暮らす人たちはものすごく元気。悲しみや辛さを乗り越えるための元気で満ち溢れている。それに比べて東京のみなさんに元気がない。直接、被災したわけではない東京が震災前の元気を取り戻していないように思える。これから末永く東日本沿岸の方々を支えていくために、とにかく東京が元気にならないと、東京の人たちに元気になってほしいと力説されていたのが印象的でした」というお便り。

「これなかなかおもしろいお便りなので紹介しました。自分の場でできることをする、志が褪せない、落ちないように努力する、そういうことなんでしょうが。私も東京の人間として気持ちを新たにしなければならないと思います。どうもありがとう」と達郎さん。

・MY ONE & ONLY LOVE
1961年のアンドレ・プレヴィンとの共演アルバム『DUET』から「MY ONE & ONLY LOVE」。昨年の「静かな棚つか」ではジョニー・マティスのヴァージョンをオンエア。もともとはフランク・シナトラが世に広めた。

・蒼氓
達郎さんにとってとても重要な作品のひとつ、1988年の「蒼氓」。
2003年のSUNDAY SONG BOOK 10周年記念のアコースティック・ライヴのソースから。

・希望という名の光
今日のプログラムのために先日録音した「希望という名の光」のアコースティック・ヴァージョン。
「一部メディアに生歌との表記がありましたが、本日わたしは大分でライヴの当日でありますため生演奏不可能でしたので、スタジオで一発録音での演奏にコーラスをダビングしたものを使用しました」と達郎さん。

・黙祷
「さてまもなく午後2時46分となります。今日は政府主催の追悼行事をはじめ、全国の津々浦々で追悼の催しが開かれてることと思います。あれから一年。あの大震災で失われた多くのいのちを悼み、多くの財産、家、畑、工場、鉄道、クルマ、船、家畜、それらの失われたものの大きさに思いを馳せ、この先、決して容易ではありませんが、それでも未来に向かって引き続き、様々なかたちでの復興へ向けた努力が、一日も早く身を結ぶことを祈りつつ、そのためにこの国に生きるすべての人々が助けあい、心をひとつにできることを願いながら、只今から一分間の黙祷を捧げたいと思います。みなさまご準備ください。それではみなさま黙祷しましょう。黙祷」と達郎さん。

「こうした音楽番組は厄災や争いのない平穏な世の中でなければ続けられません。日本だけではなく世界中の災害と今もどこかで続いてる騒乱がひとつでも、少しでも穏やかになることを祈念しつつ山下達郎SUNDAY SONG BOOK 来週もまたセイムタイム、セイムチャンネルでみなさんごきげんよう。さようなら」と達郎さん。

・いのちの歌(ピアノ&ボーカル・バージョン)

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
03月18日は、レギュラー・プログラム「棚からひとつかみ」(予定)
http://www.tatsuro.co.jp
コメント (2)
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