Motoharu Radio Show #100

2012年01月14日 | Motoharu Radio Show

2012/01/10 OnAir - 1st. Week - ナイアガラDJトライアングル
19.The Beach Boys:Don't Worry Baby
20.Matt Munisteri presents Brock Mumford:Orange Crate Art
21.植木 等:サーフィン伝説
22.Stevie Wonder:Never Dreamed You'd Leave in Summer
23.ハナ肇とクレイジー・キャッツ:ハイそれまでヨ
24.坂本九:悲しき六十才(ムスターファ)
25.Carpenters:We've Only Just Begun
26.レキシ:狩りから稲作へ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン
27.笠置シヅ子:七福神ブギ
28.ナイアガラ・トライアングル:A面で恋をして
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■内容の一部を抜粋
・ナイアガラDJトライアングル
今夜はいつもの番組枠を拡大して特別番組を二部構成でお送りする。ナイアガラ・トライアングル Vol.2のメンバー、大瀧詠一さん、杉真理さんをゲストに迎えてのDJショー。題して「ナイアガラDJトライアングル」。

・100回目
第二部はレギュラー・プログラムの時間帯、午後11時から午前0時までの1時間。今回の放送ではじまって100回目を迎える。

・Don't Worry Baby
次のお題は「ブライアン・ウィルソン」。
元春が好きなエピソードがある。パーティ会場で憧れのフィル・スペクターを見かけたブライアン・ウィルソンだが声がかけられずに柱の影でもじもじしていたという。いかにもブライアン・ウィルソンのシャイな性格がうかがえるエピソードだと元春。元春が選曲したビーチボーイズの「Don't Worry Baby」はフィル・スペクターの「Be My Baby」のような曲が書きたいと思って作った曲だと言われている。最近のインタビューでブライアン・ウィルソンは「Be My Baby」以上の曲はまだ自分では書けていないと話してるとか。「Be My Baby」というのは不思議な曲。単純な循環コードの曲だけれど未だに新しいアーティストを引きつける魅力がある。フィル・スペクターがプロデュースしたジョン・レノンの『Rock'n'Roll』アルバムにはアウトテイクに「Be My Baby」のカヴァー・ヴァージョンがある。このカヴァーも鬼気迫る表現で素晴らしいと元春。

・Orange Crate Art
杉さんの選曲。ヴァン・ダイク・パークスとのコラボレーションの「Orange Crate Art」をジャズ系のギタリスト、マット・ムニステリがカヴァーしている。元春は聴きながらフォスターとかの作曲家のマナーに沿ってる気がしたそうだ。大瀧さんは「眠れよい子よ」と聞こえたとか。

・サーフィン伝説
大瀧さんにとってこのお題は難しかったそうだ。ブライアン・ウィルソンといえばビーチボーイズ。ビーチボーイズといえばサーフィン。サーフィンといえば植木等さんの「サーフィン伝説」。
タイトルに伝説がついてるのは'90年代に「スーダラ伝説」で当てて、以来伝説がシリーズ化されたらしい。録音は1995年くらいで伝説シリーズもそろそろネタ切れ。大瀧さんが「サーフィン音頭」というアイディアを前に持ってて(結局実現しなかったが)、それがスタッフの手により「サーフィン伝説」に仕立てられたとか。植木等さんと大瀧さんは1976年から付き合いがあり、1980年代に「実年行進曲」を一緒にやったそうだ。植木さんのレコーディングには一時間ぐらいセレモニーがあるそうだ。まず無駄話があり、一時間ぐらいしてから「譜面ある?」と訊くんだとか。譜面を見ながらこの音がおかしいとかいうのが儀式であり、歌がはじまると譜面を無視するのだとか。

・片寄明人さんのコメント
『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』が発売されたときは中学2年生になったばかりの頃だったとか。当時、レコード購入者の中から抽選で大瀧さんのDJパーティに招待されるという企画があったそうだ。そのイベントには杉さんと元春もゲストで出演することになっていたという。運よく抽選で当選してDJパーティが行われた池袋のデパートに行くと大瀧さん一人のDJパーティになっていて杉さんも元春も出なかったそうだ。一番前の座席で見ていると大瀧さんが片寄少年を見て「こどもがいるな」と仰ったんだとか。そのDJパーティのエピソードで覚えてるのは何かの曲、「ハートじかけのオレンジ」だったかもしれないが、2ヴァージョン聴いて違いがわかれば福生スタジオで雇うというクイズがでたことで、答えはタンバリンが入ってるか入ってないかだけの違いだったという。そのときに貰った大瀧さんのサインは今でも実家に大事に取ってあるそうだ。
片寄さんからのお題は「センチメンタル」。昨今、よく言われる「泣ける曲」の選曲。

・ゴーストライター
片寄さんがプロになって大瀧さんと再会したときに、大瀧さんは「僕のゴーストライターをやらない?」とまじめに訊いたそうだ。もちろん冗談だったのだが、片寄さんはそれでビビってしまって未だにトラウマになってるという。「悪いことした(笑)。あの人なんかいじめやすいのかな(笑)。フフフ」と大瀧さん。

・Never Dreamed You'd Leave in Summer
「泣ける曲」として元春が選曲したのはスティービー・ワンダーの「Never Dreamed You'd Leave in Summer」。邦題は「夏に消えた恋」でマイケル・ジャクソンが亡くなったとき、その追悼式でスティービー・ワンダーはこの曲を歌ったという。「君が夏にいってしまうなんて思いもしなかった 秋には元気にやってるよと言っていたのに どうして君はいなくなってしまったのか」という別れの曲。元春のオールタイム・泣ける曲だという。いちばん最後のライン「どうして君はいっちゃったの」を聴くとキュンとしてしまうらしい。

・ハイそれまでヨ
杉さんの選曲はハナ肇とクレイジー・キャッツ。センチメンタルではないが泣けてくる曲。
植木等さんはフランク・シナトラのようなクルーナー志望で、日本でいうとディック・ミネさんに憧れていたという。

・悲しき六十才(ムスターファ)
大瀧さんも杉さんと同じネタ。ネタがかぶって泣けてくるそうだ。坂本九さんの「悲しき六十才(ムスターファ)」。大瀧さんの実体験が入ってるという。「ムスターファ」というトルコの歌があり、トルコ語がわからなかった青島幸男さんがその頃ヒットしていた「悲しき十六歳」をひっくり返して六十歳にして適当にでっち上げたそうだ。
「まぁ、六十歳が悲しいのなら、私本年六十四歳になるのに、いったい私はどうしたらいいのでしょう、というのがオチです」と大瀧さん。

・We've Only Just Begun
次のお題は「事始め」。元春の選曲はカーペンターズの1970年のヒット「We've Only Just Begun」。ポール・ウィリアムズ作詞、ロジャー・ ニコルズ作曲。「二人の人生ははじまったばかり」と結婚についての歌らしい。

・カーペンターズ
カーペンターズはいろいろな作家が曲を書いている。バート・バカラックが曲を書いた「Close To You」はよく知られている。大瀧さんが最初にバカラックを知ったのは「Baby It's You」、ウォーカー・ブラザーズの「Make It Easy On Yourself」。ハーブ・アルバートは「This Guy's In Love With You」がヒットしたので第二弾をバカラックに依頼したところ、「昔の曲があるけどどうだ」とサジェストされたらしい。しかし、ハーブ・アルバートは自分には合ってないからと断り、それを聞いたカーペンターズが自分たちが歌うと取り上げたのが「Close To You」だった。
杉さんは当時「こんなのロックじゃないから」とカーペンターズを聴かなかったらしい。ビートルズの曲を何曲か取り上げてて「Ticket To Ride」のハード・ロッキンなサウンドがカーペンターズ版になるとソフトになりすぎてて「えぇ~?」という感じだったらしい。あとになって改めてカーペンターズの音楽を聴いて「スミマセンでした~」となったそうだ。

・狩りから稲作へ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン
「事始め」というお題で杉さんが選曲したのはレキシの「狩りから稲作へ」。日本が縄文時代、狩猟社会から稲作をはじめることになったが、それを取り上げてる曲だという。レキシというユニットには堂島孝平さんも参加したりしているらしい。「狩りから稲作へ」はラップが素晴らしいそうだ。レキシはすべて歴史を題材にして歌ってるという。大瀧さんはこの曲を聴いてピート・シーガーの「Turn Turn Turn」を思ったとか。聖書から詩を作ったのが「Turn Turn Turn」。歴史上最も古い詩とされている。ディランのアルバム『John Wesley Harding』は聖書の中のいろいろな物語から作詞したものだと元春。

・七福神ブギ
「事始め」ということで大瀧さんが選曲したのは笠置シヅ子さんの「七福神ブギ」。大瀧さんは毎年正月に七福神めぐりをしているそうだ。服部良一さんは戦前からブギを書いてるらしい。笠置シヅ子さんで大ブレークしかけたところで戦争がはじまったとか。だから「東京ブギウギ」は戦後になってからのヒット。もしも戦争がなければもっと凄いことになってたと思うと大瀧さん。「東京ブギウギ」はかなり年を取ってからのヒットだが戦後の暗い世相を吹き飛ばしたいという思いがあったのではないかと大瀧さんは分析している。

・A面で恋をして
ヴォーカルのレコーディングはスタジオに3本マイクを立ててレコーディングしたそうだ。『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』のバック・カバーのモノクロの写真がそのときのもの。杉さんは大瀧さんの歌入れが見られるということでドキドキしたという。大滝さんは歌入れを絶対人に見せないことで知られている。歌詞の振り分けも素晴らしい。元春の「ドライブルル~」は大瀧さんからの指示で行われた。元春はデビュー・シングル「アンジェリーナ」ですでに歌詞を擬音化して入れていたが、人の曲でこんなことをやってもいいのかという戸惑いがあったとか。杉さんは前のアルバムに「悲しきクラクション」という曲があり、松本隆さんが仕掛けたのか、偶然なのかわからないが、「クラクション鳴らして」という歌詞を歌うことになり、収まるべきのところに収まってるという気がしたという。元春は大瀧さんのことだから二重にも三重にも四重にも五重にもトリックが仕掛けられてるはずだと。「40周年になったらまた新たな秘話が更に出てくるんじゃないでしょうか」と大瀧さん。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
1月17日火曜日
コメント
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