11月18日(日) 曇り。
大阪市長選挙の投票に地元の小学校へ出かけた。その後、ウディ・アレン監督作品『タロットカード殺人事件』をシネ・リーブル梅田で観た。
■タロットカード殺人事件
2007年11月18日(日)
シネ・リーブル梅田 シアター1
整理番号65番(12:30の回)
ウディ・アレン監督作品
スカーレット・ヨハンセン、ヒュー・ジャックマン、ウディ・アレン
[STORY]
アメリカ人学生サンドラ・ブランスキーは大学でジャーナリズムを専攻している。夏の休暇でロンドンに住む友人のヴィヴィアンの邸宅を訪ねていた。
ある日、サンドラはヴィヴィアンに誘われるまま、下町の劇場でマジック・ショーを観賞中、お喋りなマジシャン、スプレンディーニに指名され、箱に入った人間が消えてまた現れるというチャイニーズ・ボックスの中に押し込められる。
箱の中の暗闇でサンドラは三日前に急死したジョーという敏腕新聞記者の幽霊と遭遇。ジョーは三途の川の船上で掴んだ特ダネをサンドラに託すのだった。現在、ロンドンを騒がせている連続殺人事件「タロット殺人事件」の犯人が、高名な貴族ライモン卿の息子で、新進政治家のピーター・ライモンだというのだ。
半信半疑のサンドラはその夜、インターネットで事件と新聞記者ジョー、そしてピーター・ライモンのことを調べる。スクープをものにしたいサンドラは、翌日、マジシャンのスプレンディーニに、もう一度チャイニーズ・ボックスの中に入りたいとかけあう。箱の中でジョーの幽霊に会ったことを話すのだが、スプレンディーニは全く相手にしない。そこにまたジョーの幽霊が現れ、「ピーター・ライモンが犯人だという証拠を探せ」と告げるのだった...
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ウディ・アレンが仕事現場をイギリスに移し、ロンドンを舞台として撮影した監督作品の二作目。『マッチポイント』に続いてスカーレット・ヨハンセンを起用している。スカーレットはダイアン・キートン、ミア・ファーロ同様、ウディのミューズとなり、今年製作されたウディ・アレン・スパニッシュ・プロジェクトにも出演しているそうだ。
今回は『僕のニューヨークライフ』以来2作ぶりのウディ出演作で、ウディはマジシャンのスプレンディーニを演じている。最初から犯人がわかっていて、証拠を集め追及するドラマを業界用語で「倒叙」というらしいが、物語はコメディーの要素が入ったミステリーとして進んでゆく。名探偵ポワロとマープルで有名なアガサ・クリスティー小説のオマージュとなる探偵物語だ。
スカーレット演じるサンドラは変装こそしないが、ジャーナリズムを専攻する大学生で普段はめがねをかけてる。めがねをはずすとブロンドのセクシーな美女になり、ヒュー・ジャックマン演じるピーター・ライモンのハートを射止める。二人の出会いとなるプールの場面で、スカーレットは赤いセパレートの水着で濡れた肢体をさらすのだが、男ならイチコロとなるようなスタイルの良さで、ウディの演出にやられてしまう。実際、この場面は伏線として後で登場するので、そういう意味でも鮮烈な印象を残して置きたかったのだろう。
貴族といえども人間には変わりなく、欲望が破滅へと導くのだが、どんでん返しがあって、その部分はひっかかりがある。というかうまく騙されたわけなんだが、ネタバレになるので今はここで書かない。後から考えると本当にすぐれたシナリオなんだなと思った。最後に「アメリカ映画ならハッピーエンドなんだが」という台詞がありオチとなっている。いかにもシニカルなウディらしい一撃だった。