Sunday Songbook Playlist

2007年11月25日 | Sunday Song Book

<11月25日プレイリスト>
[P. F. スローン特集 Part 3]
ANOTHER DAY, ANOTHER HEARTACHE/THE 5TH DIMENSION "UP UP AND AWAY" '67
ANOTHER DAY, ANOTHER HEARTACHE(DEMO)/P. F. SLOAN "CHILD OF OUR TIMES" '01('67)
CALIFORNIA DREAMIN'(INTRO)/THE MAMAS & THE PAPAS '66
TAKE ME FOR WHAT I'M WORTH/P. F. SLOAN "SONGS OF OUR TIMES" '65
THIS IS WHAT I WAS MADE FOR/P. F. SLOAN "SONGS OF OUR TIMES" '65
LOLLYPOP TRAIN/P. F. SLOAN "TWELVE MORE TIMES" '66
HE'S MY MAN/ANN-MARGRET '64
THE JOKE'S ON ME/TERRY STAFFORD '67
MISS CHARLOTTE/THE SIDEKICKS '68
ONE OF A KIND/P. F. SLOAN "MEASURE OF PLEASURE" '68
FROM A DISTANCE('06 VERSION)/P. F. SLOAN "SAILOVER" '06
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■内容の一部を抜粋
・近況
相変わらず家で曲書き。先週は家から一歩も外に出なかったとか。もうすぐできるそうだ。

・P. F. スローン特集
先々週は'60年代初期のデビューからサーフィン、ホット・ロッドが中心。先週はフォーク・ロック・ムーブメントの中のスティーブ・ヴァリとP. F. スローンのソング・ライターとしての活動、ほかの人に書いたヒット曲を中心にPart.2。今週はP. F. スローンのシンガー・ソングライターとしての作品、作家として人に提供したレアな作品。その後の活動を特集する。

・ANOTHER DAY, ANOTHER HEARTACHE
黒人5人組だがミドル・オブ・ザ・ロード的な方針で大ヒットしたグループ5TH ディメイション。「ANOTHER DAY, ANOTHER HEARTACHE」は1967年の大ヒット・アルバム『UP UP AND AWAY』に収められている。リズム・トラックはジム・ウェッブがアレンジしている。ドラムはハル・ブレイン。全米シングル・チャート45位。ちなみにタイトル曲「UP UP AND AWAY」はジム・ウェッブの作品。
'60年代、ソングライターはあらかじめ曲を書いて、それを売り込む形式が一般的だった。その曲を選ぶのがA & R(Artist & Repertory)で、そこからプロデューサーという職業が生まれた。スティーブ・ヴァリとP. F. スローンもたくさんデモ・テープを作り、それを出版社に売り込んでいた。「ANOTHER DAY, ANOTHER HEARTACHE」は元々はママス&パパスを想定した書いた曲。そのデモ・テープが2001年に『CHILD OF OUR TIMES』というタイトルで発売された。その中に収められた「ANOTHER DAY, ANOTHER HEARTACHE」を聴くとママス&パパスを想定していたことがよくわかる。デモ・テープだがハル・ブレインもジョー・オズボーンも演奏している。リハーサル・テイクのようなもので演奏が練れている。

・CALIFORNIA DREAMIN'(INTRO)
P. F. スローンはギタリストとしての腕前も相当なものだった。特にダンヒル・レコード時代はほとんど自分で弾いていた。ママス&パパスのジョン・フィリップスが「CALIFORNIA DREAMIN'」を作ったときに、P. F. スローンのもとに持って行って「何かアイディアはないか」と聞いたところ、P. F. スローンはヴェンチャーズの「WALK DON'T RUN」を提示して「こういうふうなギター進行にしたほうがいいんじゃないか」と言ったそうだ。それでイントロを二人で演奏して作ったという。最初に出てくる6弦がP. F. スローンで、12弦がジョン・フィリップスの演奏。

・TAKE ME FOR WHAT I'M WORTH
フォー・ロック・ムーブメントの時代、ボブ・ディランからの影響やルー・アドラーのサジェスチョンがあったりで(本当はルー・アドラーはフォーク・ロック・ムーブメントでそのまま作家として活躍してほしかったそうだが、どういうわけかP. F. スローンはシンガー・ソングライターの道を選んだ)、P. F. スローンはソロ・アルバムを発表することになる。
「TAKE ME FOR WHAT I'M WORTH」はサーチャーズに提供した曲のセルフ・カヴァー。ソロ・デビュー・アルバム『SONGS OF OUR TIMES』(1965年)から。

・THIS IS WHAT I WAS MADE FOR
P. F. スローンのソロ・アルバム『SONGS OF OUR TIMES』からタツローさんの好きな曲。このアルバムはほとんど弾き語りで、自分のギターとハーモニカで構成されている。20、21歳の頃の作品。グラス・ルーツのファースト・アルバムにも入っている。

・LOLLYPOP TRAIN
P. F. スローンのセカンド・アルバム『TWELVE MORE TIMES』から。元々はバリー・マクガイアのアルバムに入っていた曲。グラス・ルーツでもレコーディングされている。サイケデリック時代らしいタイトル。
P. F. スローンのソロ・アルバム1枚目、2枚目ともにプロデュースド・バイ・スティーブ・ヴァリ。スローン/ヴァリの共作が何曲か収められているし、P. F. スローンの単独の作品も入ってる。
元々はルー・アドラー以下ダンヒルの意向でフォーク・ロック、メッセージ・ソングを書きはじめたが、P. F. スローンは次第にポップ・ソングを書くことに飽き足らなくなり、1968年、ついにダンヒルを飛び出してソロ活動に邁進する。

・HE'S MY MAN
スローン/ヴァリ作品のガール・ポップ作品。1964年、アン・マーグレットに提供した「HE'S MY MAN」プロデュースド・バイ・ルー・アドラー。

・THE JOKE'S ON ME
1967年、テリー・スタッフォードに提供した「THE JOKE'S ON ME」。テリー・スタッフォードはエルヴィスのそっくりさんでデビューしたという。エルヴィスのカヴァーで知られている。作曲は珍しくスローン/ヴァリとジェリー・リー・オペルの三者のクレジットがある。

・MISS CHARLOTTE
サイドキックスは西海岸の4人組のロック・グループ。1968年の「MISS CHARLOTTE」はP. F. スローン単独の作曲。

・ONE OF A KIND
P. F. スローンはダンヒルを飛び出てソロ活動を行うがなかなかうまくいかない。1968年、南部のメンフィスに行ってサン・スタジオでトム・ダウドのプロデュースのもとレコーディング。『MEASURE OF PLEASURE』というアルバムをアトコ・レーベルから出したがヒットせず。そのアルバムから「ONE OF A KIND」。アルバムには「MISS CHARLOTTE」のセルフ・カヴァーも収められている。
この後、1972年に「マム」というコロンビアのサブ・レーベルから1枚アルバムを出すが、全く鳴かず飛ばず。この頃から精神的にも健康的にもいろいろとダメージがあり、1972年頃から20年近く隠遁する。

・FROM A DISTANCE('06 VERSION)
1994年、22年ぶりにアルバム『STILL ON EVE OF DISTRUCTION』を日本だけで発売(現在ではアメリカでも出ている)。そこから活動を再開して、昨年2006年に新譜を出した。最近は精力的にライヴやレコーディングをやっている。
昨年リリースされた『SAILOVER』から「FROM A DISTANCE('06 VERSION)」。「多分に日本のリスナーを意識しているものと思われます」とタツローさん。

・プレゼント
フォーシーズンズを取り上げたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』の観劇みやげでキャップを5名にプレゼント。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
12月02日・09日は、年末恒例「年忘れリクエスト大会」
12月16日・23日は、これも年末恒例「年忘れ夫婦放談(ゲスト:竹内まりや)」
コメント
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