Life in America ~JAPAN編

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Pちゃん、先生になる。

2008-04-10 06:04:42 | アメリカ生活雑感
Pちゃんの職場、FermiLabは知られざる世界有数の物理実験施設。
ひとつの町をすっぽり覆ってしまうほどの大きさの、アクセルレーターと呼ばれる重力加速器が地下に埋め込まれていて、素粒子の衝突実験が行われている。ここで働くのは世界中から集まった物理学者やその卵たちだ。

昨年、ついにイラク戦争の資金が足りなくなったあほブッシュは、こともあろうにこのFermiLabを含む国立研究所の経費削減という暴挙に出た。国の、いや世界の未来のサイエンスを担う研究所の経費を削るということが何を意味しているのか、あほだからわからない。
この法案がクリスマス休暇中のどさくさにまみれて議会で通されてしまい、研究所では少なくとも200人のレイオフ(解雇)という決定が下されたもんだからみんな戦々恐々としている。戦争は人事ではないのだ。
このあたりの町は、この施設で働く人たちで経済が成り立っている。当然地域をあげての大反対運動が起こり、イリノイ選出のオバマ氏も反対に一番に名乗りを上げた。未来を読めない大統領は早くに去って欲しいものだ。

さてこのFermiLab、存在は知られてはいてもいったい何をやっているのかはあまり知られていない(と思われる)。というわけで、もっと多くの人たちに存在意義をわかってもらうためにいろいろなイベントを開催している。
そのひとつが、地元の高校生のための“見学ツアー”。
コスモロジーや物理を専攻する高校生を招いて、実験施設内を約1時間にわたってご案内さしあげるというもの。これに付き合わされる、いやご案内役の栄誉を賜るのが下っ端であるポスドクのお役目。先週の土曜日、数人のツアーコンダクター役の一人としてPちゃんがこのお役目を頂戴することになった。

何しろ緊張しいのPちゃん、前の日からこのことで頭がいっぱいで仕事にならない。
しかも自分が熟知している施設ならまだしも、初めて足を踏み入れる施設に案内するとわかってパニック状態。
資料を作ったり、事前に見学に出かけたり(同じ施設の中とはいえ車で移動しなければならない距離)と大変な騒ぎ・・・。

(お~ピリピリしとるわ。ま~しゃぁないな。ほっとこ)


そして当日。
面白そうなので私もツアーにカメラマンとして参加することにした。
高校生たちは生意気にも数台の車を乗り付けてやってきた。
明らかに興味しんしんのヤツもいれば、時計ばっかり見て眠そうなヤツもいる。そんな彼らにPちゃんは一生懸命、声をからして説明している。もともと人に教えるのが大好きなPちゃん、質問を受けてけっこううれしそう。(私にはちんぷんかんぷんで質問さえできない・・)

帰り際、一人の男子学生に何かを質問されたPちゃん、
「んん~、それはいい質問だね~。そうだ、君、このテーマでPhD論文を書いてみたら!将来ノーベル賞がもらえるかも」とジョーク(?)を飛ばしていた。
案外このことがきっかけでこの学生くんは物理の道を進むかもしれない。Pちゃんがこの道に進んだのも、中学のときに学校で習った物理(宇宙)が頭から離れないくらい興味深かったからだと言っていた。

教育と刺激は大切だ。




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2 Comments

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筑波 (sushi)
2008-04-11 02:15:33
私も科学者時代に筑波にあるスプリング8っていう施設を使って何度か研究作業をしたことがあります。
物理学者じゃないんですが・・・。
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Unknown (shoko)
2008-04-12 07:54:00
筑波大からも研究者が駐在しているようですね。
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