Life in America ~JAPAN編

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2012年大統領選~化け物たちが集まってきた

2011-08-20 15:14:47 | アメリカ生活雑感
アメリカでは4年に一度、おかしな政治家たちが恥ずかしげもなくバカ面をさらけ出して私たちを楽しませてくれる。
そろそろそのときがやってきたようだ。

2012年のアメリカ大統領選挙に向けて、候補者たちの正体が明らかになってきた。
見ものは、オバマ政権(民主党)からの奪回を狙う共和党候補の面々。
前回(2008年)もずいぶん笑わせてくれたが(いや、最後は笑いごとではないくらい緊迫したが)、今年の候補たちもものすごい。
のちに立候補を取りやめたが、あの“ただの大富豪”ドナルド・トランプまで立候補を表明し、一時は恰好のお笑いネタになっていた。
常々思ってはいたけれど、自分に“その器”があるかどうかを知らない人が、大統領候補に限らずアメリカには多いようだ。
要するに、“国民皆自信過剰国家”なのではないかと思う。

その代表格が、2008年に共和党の副大統領候補になったサラ・ペイレン(アラスカ知事)。
ただの目立ちたがり屋のキリスト教超保守派で、ブッシュ同様宗教で国を動かそうとする超危険人物だ。
(彼女については過去にもさんざん書いたので参照ください)

今回、彼女が大統領に立候補するかどうかはまだ明らかになっていないが、もしそうなったらやっかいなことになりそうだ。

そのサラ・ペイレンとキャラ的にだぶるのが、ミネソタ州女性下院議員、ミシェル・バックマン。
ペイレン同様超保守派の彼女が立候補してまず騒がれたのが「同性愛者への強い偏見」。
夫のマーカス氏とキリスト教保守派団体系の心理カウンセリング施設をミネソタ州内で共同所有しているが、
この施設の元受診者で同性愛者の男性が、2004年に施設で祈りと聖書を通じた性的指向の転換“治療”を受けたと証言、バックマンは世間から批判を浴びた。
マーカス氏は過去にも、同性愛について「野蛮人(同性愛者)は教育しなければならない。しつけが必要だ」と発言している。
夫婦そろってアホなのである。

今アメリカで一番重要なことは、まずこの低迷した経済を立て直すこと。
しかし彼女が大統領になってまずやらなければならない緊急課題は、「妊娠中絶の全面禁止」と「同性婚の全面廃止」らしい。

このバックマンという御仁、物事をちゃんと調べずに口から出まかせを言い放つ点てもペイレンと酷似しているようだ。
「ユニバーサルヘルスケア(日本のように政府が管理する国民皆保険制度)は社会主義である」と主張してみたり、
地球温暖化はでたらめだ、と吠えてみたり、ロシアを「ソビエト連邦」と呼んだり。
つい最近では、サウスカロライナ州での選挙活動中、エルビスの命日を誕生日と間違って「ハッピーバースデー、エルビス」と絶叫するなど、もうパッパラパー丸出しだ。

 魔女。


★ ★

もうひとりの要注意人物である共和党の有力候補が、つい最近立候補を表明したテキサス州知事のリック・ペリー。 
あほブッシュが大統領になった後、テキサス州知事を継いで着実に保守派の支持を得てきた。
この男ももちろん、ブッシュと同様路線を行く。
先週、「地球温暖化は存在しない。人類が影響を及ぼしたわけでもなんでもない。そんな証拠はどこにもない。科学者たちは研究資金欲しさに研究結果を“ねつ造して”報告しているにすぎない」と公の場で発言、サイエンティストたちを激怒、震撼させた。
もちろん進化論は信じず、キリスト教の天地創造説を信じている。よって遊説先で子どもに地球の年齢を聞かれても答えることができない。

 ブッシュに続いてアメリカをぶっつぶす!
  

西から上ったお日様が東に沈~む~、のバカボンも驚くあほさ加減のこのふたりが、いけしゃあしゃあと大統領候補に名乗りを上げる、そんな国なんである。

とこんなことを考えていたら、昔見た『Idiocracy』(邦題:『26世紀青年』)という映画を思い出した。

<ストーリー>
“平均的アメリカ人”の代表として軍人ジョー・バウアーズは、米国国防総省の極秘プロジェクト「冬眠プログラム」の実験台に選ばれた。売春婦リタとともにタイムカプセルに入り冷凍保存されたのである。しかしいつしか忘れ去られ時は過ぎ……目覚めたときには西暦2500年となっていた。あまりにレベルが下がった26世紀のアメリカは、バカな大統領率いる“ばかたち”による“ばかたち”のための合衆国となっていた……。
平均レベルだったジョーは「今までにないハイレベルのIQ人物」としてあがめられ、大統領にまつりあげられる・・・

この映画、ただのおバカ映画とバカにすることなかれ、なかなか奥深いアメリカの“今”が描かれている。
副大統領になりそこねたかと思ったらTVのリアリティー・ショーホストになっていい気になっているサラ・ペイレン、
自分の下半身を写真にとってTwitterに流したことがばれた、NYのアンソニー・ワイナー議員、
家政婦に隠し子を産ませていたシュワルツネガー、カリフォルニア知事、・・・とまぁ、映画を自で行くような滑稽な人たちが政治家なのだから。

これを見ながら2012年の大統領選を観戦すると、何倍も楽しくなること請け合いだ。
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