一日一度どかんとストームがやってきて、外に一歩出ると肌に湿った空気が肌にじっとりと吸い付く。
いよいよシカゴの夏到来だ。
この間までときたま雪さえちらつくような天気だったのに、まったくアメリカちゅうところは天気までおおざっぱや。
夏といえば屋外イベント。屋外イベントといえば、音楽。音楽といえば、Blues!
というわけで、今年もやってきた「シカゴ・ブルース・フェスティバル」(6月5日~8日まで)
今年は25周年のくぎりの年でもあり、出演陣も超魅力的だ。4日間ここで寝泊まりしたい気分だ。
先日、数少ない日本人のお友達のひとりであるクニコさんから「一緒に行かない?」とお誘いを受け、初日の木曜日に彼女のママ友達も募って“日本人駐妻(私を除く)ブルースフェスツアー”を決行した。
夜半まではイリノイ各地にストーム警報がでていて大嵐が吹き荒れていたが、朝には雨は止みお昼ごろには太陽が照りつけて蒸し蒸しねっとりとした空気が肌を包む。
午前11時(←自分だけだとありえない時間帯!)にシカゴ美術館前に日本人駐妻ママさん(私以外)総勢5人が大集合。
この方たち、日ごろは子どもたちの学校の行事やら送迎やらご主人の世話やらなんだかんだで一人の時間を持つこともおろか、滅多にシカゴダウンタウンに来る機会もないんだそうだ。みなさん私よりシカゴ暦はうんと長いのに、中には「(いつもは車で通り過ぎるだけなので)ミシガン通りを歩いたことがない」という方も。もちろん、ブルース・フェスティバルも初めての経験らしい。ああ、もったいなや。
そんなお母さんたちを、この遊びにだけは抜かりのない“不良主婦”が不肖ながらご案内させていただくとこになったわけ。
とはいっても、彼女たちに与えられているのはたったの2時間ぽっきり。1時にはここを出て再び子どもたちをお迎えに行かなければならないんだって・・。
私って、相当自由だったのね。
かくして私は2年ぶりとなるブルース・フェスに胸を躍らせていざゆかん!
今日の“ツアー”メンバー
さて、初日の一発目に見にいったのは、日本人ブルースギタリストでアメリカ在住22年目のSHUNこと菊田俊介氏が出演する、ギブソン・ステージの「パトシリア・スコット&J.W.ウィリアムス」のステージ。
SHUNさんを初めて見たのは昨年6月のカリフォルニア“Russianriver Blues Festival”。
“ブルースの女王”ココ・テイラーバンドの専属ギタリストが日本人だったことをはじめて知り、演奏後にさっそくごあいさつにうかがったのが1年前。シカゴに来てから早く生演奏を見たいと思いつつもなかなか実現できなかったので、今日はその夢がやっとかなうというわけだ。
平日の昼間ということもあって最初こそ人もまばらだったが、途中から熱いサウンドに誘われてどんどんと観客が集まってきた。初日のスターターとして申し分のない重すぎず軽すぎずの心地よいブルースサウンドが、グランドパークを吹き抜ける風に運ばれていく。私たちはステージ正面の道路で踊りながら声援を送る。
ふと後ろを振り返るとそこはシカゴの高層ビル群がそびえ立ち、太陽の光できらきらと輝いている。「あ~シカゴやな~」と感じる一瞬だ。
サンフランシスコでもなくNYでもなく。日常とビジネスが隣り合わせになって融合しているのがシカゴなのだ。
(撮影/クニコさん)
(画像)
(画像)
SHUNさんたちのステージの途中で、早くもお母さんたちはもう帰る時間。
ひとりになったあとは再びギブソンステージに戻りさっきのバンドを最後まで楽しみ、そのあとはMississippi Juke Jointステージで“A Day with Jimmy Burns featuring the Chicago's Round Robin”、U.S.Cellular Porchステージで“Professor Fernando Jones Columbia College Blues Ensemble”と“David “HoneyBoy”Edwards and Friends (Billy Branch, Louisiana Red, Paul Kaye, Aron Burton, and Johnny Yard Dog Jones) ”、
Maxwell Street Cornerで“ Piano C. Red”と続けて見る。
全体的に今年の演奏は「熱い」。で、音が「厚い」。
どのステージに行ってもその場を立ち去りがたいくらいの熱気が迫ってくる。
特に、1915年生まれ御年92歳(まもなく93歳)のギタリスト、David “HoneyBoy” Edwards。
椅子に埋もれるように腰掛け、思いのままに口ずさむブルースにバンドのメンバーも合わせるのに必死。急にリズムが変わったり終わったりするのも、なんだかこの人なればこそ許されるという感じ。「自宅の玄関先の階段に腰掛けて、一人でギターを爪弾いて歌っているじいさん」という風情がいい。ここまでくればもう無形文化財の域だ。そんな彼に、観客も惜しみないスタンディングオベーションを送るのだった。
(画像)
1933年生まれのPiano "C" Redは、昼間はタクシードライバー、夜はブルースピアニストとして、Muddy Waters, B.B. King, KoKo Taylor, Buddy Guy, Little Walter, and Junior Wellsなどのシカゴのミュージシャンらと40数年競演を続けてきた。(彼のキャブに乗ってみたい!)2006年3月、ガソリンスタンドで銃撃されて麻痺が残りしばらくの間彼の演奏を見ることができなかったが2007年のブルースフェスから復活を遂げたという。
(画像)
ここまで見たところで急にさっき飲んだビールがふんわりと回ってきて睡魔に襲われた。よっこいしょっと木の陰に腰を下ろしたらそのまんま爆眠。
心地よいミシガンからの風にそよがれ、ブルースサウンドを聴きながら意識が遠のいていく・・・まさに極楽だ。
1時間近くも昼寝したあとで、Mississippi Juke Jointステージで“ Jimmy Burns Blues Band ”を聴く。
決めのきいたブルース・ロックのリズムが、起きぬけの体の五臓六腑に染みわたる。
さぁ、今日はここまでとしよう。
とにかく初日をたっぷり楽しんだし、週末にまたふたりで来ようっと!
(おまけ)
午後8時すぎ、家に帰るとPちゃんが汗だくになりながら玄関前の芝刈りをしていた。
「楽しかったあ?」
「うん。楽しかった。さぁ、ごはんだごはんだ!」
いよいよシカゴの夏到来だ。
この間までときたま雪さえちらつくような天気だったのに、まったくアメリカちゅうところは天気までおおざっぱや。
夏といえば屋外イベント。屋外イベントといえば、音楽。音楽といえば、Blues!
というわけで、今年もやってきた「シカゴ・ブルース・フェスティバル」(6月5日~8日まで)
今年は25周年のくぎりの年でもあり、出演陣も超魅力的だ。4日間ここで寝泊まりしたい気分だ。
先日、数少ない日本人のお友達のひとりであるクニコさんから「一緒に行かない?」とお誘いを受け、初日の木曜日に彼女のママ友達も募って“日本人駐妻(私を除く)ブルースフェスツアー”を決行した。
夜半まではイリノイ各地にストーム警報がでていて大嵐が吹き荒れていたが、朝には雨は止みお昼ごろには太陽が照りつけて蒸し蒸しねっとりとした空気が肌を包む。
午前11時(←自分だけだとありえない時間帯!)にシカゴ美術館前に日本人駐妻ママさん(私以外)総勢5人が大集合。
この方たち、日ごろは子どもたちの学校の行事やら送迎やらご主人の世話やらなんだかんだで一人の時間を持つこともおろか、滅多にシカゴダウンタウンに来る機会もないんだそうだ。みなさん私よりシカゴ暦はうんと長いのに、中には「(いつもは車で通り過ぎるだけなので)ミシガン通りを歩いたことがない」という方も。もちろん、ブルース・フェスティバルも初めての経験らしい。ああ、もったいなや。
そんなお母さんたちを、この遊びにだけは抜かりのない“不良主婦”が不肖ながらご案内させていただくとこになったわけ。
とはいっても、彼女たちに与えられているのはたったの2時間ぽっきり。1時にはここを出て再び子どもたちをお迎えに行かなければならないんだって・・。
私って、相当自由だったのね。
かくして私は2年ぶりとなるブルース・フェスに胸を躍らせていざゆかん!
今日の“ツアー”メンバー
さて、初日の一発目に見にいったのは、日本人ブルースギタリストでアメリカ在住22年目のSHUNこと菊田俊介氏が出演する、ギブソン・ステージの「パトシリア・スコット&J.W.ウィリアムス」のステージ。
SHUNさんを初めて見たのは昨年6月のカリフォルニア“Russianriver Blues Festival”。
“ブルースの女王”ココ・テイラーバンドの専属ギタリストが日本人だったことをはじめて知り、演奏後にさっそくごあいさつにうかがったのが1年前。シカゴに来てから早く生演奏を見たいと思いつつもなかなか実現できなかったので、今日はその夢がやっとかなうというわけだ。
平日の昼間ということもあって最初こそ人もまばらだったが、途中から熱いサウンドに誘われてどんどんと観客が集まってきた。初日のスターターとして申し分のない重すぎず軽すぎずの心地よいブルースサウンドが、グランドパークを吹き抜ける風に運ばれていく。私たちはステージ正面の道路で踊りながら声援を送る。
ふと後ろを振り返るとそこはシカゴの高層ビル群がそびえ立ち、太陽の光できらきらと輝いている。「あ~シカゴやな~」と感じる一瞬だ。
サンフランシスコでもなくNYでもなく。日常とビジネスが隣り合わせになって融合しているのがシカゴなのだ。
(撮影/クニコさん)
(画像)
(画像)
SHUNさんたちのステージの途中で、早くもお母さんたちはもう帰る時間。
ひとりになったあとは再びギブソンステージに戻りさっきのバンドを最後まで楽しみ、そのあとはMississippi Juke Jointステージで“A Day with Jimmy Burns featuring the Chicago's Round Robin”、U.S.Cellular Porchステージで“Professor Fernando Jones Columbia College Blues Ensemble”と“David “HoneyBoy”Edwards and Friends (Billy Branch, Louisiana Red, Paul Kaye, Aron Burton, and Johnny Yard Dog Jones) ”、
Maxwell Street Cornerで“ Piano C. Red”と続けて見る。
全体的に今年の演奏は「熱い」。で、音が「厚い」。
どのステージに行ってもその場を立ち去りがたいくらいの熱気が迫ってくる。
特に、1915年生まれ御年92歳(まもなく93歳)のギタリスト、David “HoneyBoy” Edwards。
椅子に埋もれるように腰掛け、思いのままに口ずさむブルースにバンドのメンバーも合わせるのに必死。急にリズムが変わったり終わったりするのも、なんだかこの人なればこそ許されるという感じ。「自宅の玄関先の階段に腰掛けて、一人でギターを爪弾いて歌っているじいさん」という風情がいい。ここまでくればもう無形文化財の域だ。そんな彼に、観客も惜しみないスタンディングオベーションを送るのだった。
(画像)
1933年生まれのPiano "C" Redは、昼間はタクシードライバー、夜はブルースピアニストとして、Muddy Waters, B.B. King, KoKo Taylor, Buddy Guy, Little Walter, and Junior Wellsなどのシカゴのミュージシャンらと40数年競演を続けてきた。(彼のキャブに乗ってみたい!)2006年3月、ガソリンスタンドで銃撃されて麻痺が残りしばらくの間彼の演奏を見ることができなかったが2007年のブルースフェスから復活を遂げたという。
(画像)
ここまで見たところで急にさっき飲んだビールがふんわりと回ってきて睡魔に襲われた。よっこいしょっと木の陰に腰を下ろしたらそのまんま爆眠。
心地よいミシガンからの風にそよがれ、ブルースサウンドを聴きながら意識が遠のいていく・・・まさに極楽だ。
1時間近くも昼寝したあとで、Mississippi Juke Jointステージで“ Jimmy Burns Blues Band ”を聴く。
決めのきいたブルース・ロックのリズムが、起きぬけの体の五臓六腑に染みわたる。
さぁ、今日はここまでとしよう。
とにかく初日をたっぷり楽しんだし、週末にまたふたりで来ようっと!
(おまけ)
午後8時すぎ、家に帰るとPちゃんが汗だくになりながら玄関前の芝刈りをしていた。
「楽しかったあ?」
「うん。楽しかった。さぁ、ごはんだごはんだ!」
ただ、どうしても上の子供たちの学校からのお迎え、そして、習い事と時間的な制約があるため、ダウンタウンのような遠くには、行きづらいのだと思います。英語も自信がないと、なかなか思い切っていけないという方もいるし、電車での行き方がわからないという方もいました。
私もときどき子供のお迎えを他のお母さんにお願いして、ダウンタウンに長居するときもあります。
今回のブルースフェスティバルは、少しの時間とはいえ、しょうこさんの案内で、効率的に回れて、みんな本当に楽しかったと思います。ありがとう!
まぁそれも、子どものいるいない、もしくは子どもの年齢によるのかもしれませんね。それプラス本人の性格かな。
ともあれ、日本人はどうしてもかたまりがちになるので、たまにはいろいろ冒険してみるのもいいかも。
私はいつもはひとり行動なので、今回はみなさんの思い出にご一緒できて楽しかったです。
またいろいろ情報交換しましょう。