Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

国民を信じる政府たれ。

2011-03-16 21:39:47 | アメリカ生活雑感
今日の“American Idol”の冒頭。
スティーブン・タイラーなど3人のジャッジから「日本を救おう」というメッセージが流れた。
今日のパフォーマンスをiTunesからダウンロードすると、その課金が義援金になるという。
“American Idol”からよもや「日本を救え」という言葉を聞くことになろうとは思わなかった・・・。

「AIDS撲滅」「ニューオリンズを救え」「スマトラを救え」「ハイチを救え」・・・今までいろんな救済メッセージを聞いてきたけれど、
いざ「日本を救え」と言われてみると、いったい何を言ってるの?と一瞬体が凍るのがわかる。
そして次の瞬間、ああ本当にとてつもないことが起こってしまったんだ、これは現実なんだ、と脱力してしまう。
ともあれ、世界各国からの温かい支援が、受ける側になったとき(私が受けるわけではないけれど日本国民として)涙が出るほどありがたい。


★ ★

原発の影響で、東京では子供を休ませて田舎の実家に避難させるケースが増えてきているそうだ。
目黒の友人からも「クラスでもう8人が休んで避難してしまった」とメールがきた。
体育も外遊びも中止だとも。
これは過剰反応なのか、政府の言っていることが信じられずに国民が自分で身(特に子供)を守るしかないと思い始めたのか。
これとは全く逆のケースだが、豚インフルのときの日本政府の過剰反応を思い出した。
関西方面への修学旅行が軒並み中止になったりした、あの一連の日本全国「関西に行くな運動」を。
用心するに越したことはないけれど、情報があまりに錯綜していて今時点でどう動けばいいのかがわからない。
これはとてもストレスがたまることだろう。


一方、アメリカのニュースではかなり深刻に受け止めている。
今朝のヘリコプターや陸上からの散水活動を専門家は「従事している人たちの身が極めて危険。これはsuicide machine(自殺マシン)だ。身を殉じてミッションに向かう彼らの勇気を称えるしかない」とコメントを寄せている。
多くの国民が救われるのなら、たとえ数人が被ばくしても致し方なし、という考え方に“義”はあるのか。
ふと、あのマイケル・サンデル教授の授業が頭によぎる。
先の友人はこうも言っていた。
「福島県一帯が日本政府に棄てられてる感じ。阪神とは全く違う状況。」
このミッションに向かう自衛隊・東電の人たちがどうか無事に任務を果たされることを祈るばかりだ。



また今回の停電の件。
上から押し付けるから混乱したわけで、最初から人々の性善説に頼ったほうがよかったのでは、という意見も出ていた。
「例えば山梨県で、『病院などは除いて可能な一般家庭や企業は明日の9:00~12:00はブレーカーを落として、節電に協力してくれ』と言うやり方の方が、ずっと日本人の心情に訴えることが出来、自分も震災からの復旧に協力しているという自尊心や満足感にも寄与できて、結果節電も進んだと思う」
まったく同感だ。


頑張って立ち直ろうとする人々の気持ちとはまったく逆の方向に行政は向かっているような気がする。


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