Life in America ~JAPAN編

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「A DAY WITHOUT IMMIGRANTS」

2006-05-05 03:54:53 | アメリカ生活雑感

今週の月曜日、全米で大きなデモがあった。
ブッシュの移民法改正方針に反対する、ヒスパニックの人たちによる大掛かりな“仕事ボイコット”だった。

移民の国アメリカは多くのメキシカン移民を抱えている。ここで生活していると、彼らの労働力がいかに大切かがわかる。コーヒーショップやスーパー、ケーブルテレビの工事に庭師、はたまた寿司屋のキッチンまで、ほとんどすべてがヒスパニックの人たちだ。
彼らの安価な労働力を得るために、アメリカ政府はたとえ彼らがイリーガル(不法滞在)とわかっていても知らん振りをしてきた。
しかし、そこにあのブッシュが彼らを締め出す法案を議会に提出したもんだからここにきて彼らの不満が爆発したというわけだ。

いわく、
「A DAY WITHOUT IMMIGRANTS」(移民のいない日)

「利用するだけ利用して、今になって締め出しかよ!冗談じゃないぜ」というわけで、この日だけはヒスパニックの人たちが職場を放棄して町中を練り歩いた。当然、スーパーもコーヒーショップも商売にならない。どこも軒並みお手上げ“閉店”状態。

メキシカンの友人の多いエミリアも、嘆いていた。
「メキシコでは1日働いてわずか1ドルという状態。彼らが少しでも自由とお金を求めてアメリカに来るのは当然で、アメリカはそれを受け入れ、享受してきたというのに。私の友達にも不法滞在している人がおるけど、電車に乗るたびに“手入れ”があるんやないかとビクビクするって言うとった。人間を人間として扱わないこの仕打ちにはホンマ腹が立つ!!」

今でも毎日、4thストリートに行けば日雇い労働のためにメキシカンがたむろしていて、大きなトラックが彼らを雇い先に連れて行くという。でも、労働だけさせて賃金を払わない悪質な雇い主もいるらしい。彼らにはそれを訴える力がないことを知っているからだろう。
もまったく、この国の、ご都合主義と弱いものいじめにはむかっ腹がたつ!

ドイツでは戦後に受け入れたトルコ人移民の人口が劇的に増えてしまい、政府は“ドイツ語をしゃべれないドイツ人たち”の扱いに頭を抱えているという。
対照的に、日本は移民や外国人の市民権に対して異常なまでに閉じられた国であり、それが在留外国人の中では不満となっている。
でもこうしてアメリカの移民政策の“成れの果て”を見ていると、国が国としてカタチを守っていくには「はじめから」ある種の厳格なルールが必要なのかもしれない、と思ったりもする。
でも、何がいったい“国”の定義なんだろうね。


サンフランシスコでは3万人、ロスでは40万人、
シカゴでは40万人、デンバーでは7万5000人の人たちが
町中を埋め尽くして抗議のラリーを行った。(火曜日の新聞より)

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