Life in America ~JAPAN編

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謝罪の心。

2005-08-17 00:43:40 | アメリカ生活雑感
昨日、8月15日は、おそらく人生で一番真剣に終戦記念日を考えた日だった。
というのも、今までは「踊りの真っ只中(阿波踊り最終日)」だったからだ。
昼間に放映された「徹子の部屋」では、今はすでに故人となられたゲストの、戦争に関する生々しい体験談を特集していて、
それを聞いているだけでとめどもなく涙があふれるのを止められなかった。
特に、淡谷のり子さんが戦時中、慰問に訪れた某所で平均年齢16歳という若い兵士を前に歌ったときのこと。
「(歌の途中で特攻の)命令が下ったら、彼らはすぐに出なければなりませんから、すみません」と言われ、
そうならないでくれと思いながら歌っていたら案の定命令が下り、彼らは本当にすがすがしい笑顔を淡谷さんに向け、敬礼ひとつ残してその場を立ち去っていった、
その笑顔が忘れられないという話には胸をえぐられるようだった。

夜は、NHKの特別視聴者参加討論番組「じくり話そう。アジアの中の日本」を見た。
昨今の半日運動にみられるアジアの中における日本の現状、それを私たちはどう捉えているのかを、
日本、韓国、中国という国々の視聴者が本音で語り合うものだった。
歴史問題、靖国参拝問題、領土問題、そして侵略の実態・・・。「加害者」「被害者」というコトバが飛び交い、
すべての問題がいかに両国に遺恨を残したままであるかを思い知らされた。
そして、悲しいかな、やはりというべきか、肝心の議論は平行線のまま終わった。

ふと、以前ペドロ(ドイツ)とこの問題について議論したときの彼の話を思い出した。
同じ敗戦国であり、同じ過ちを犯したドイツがなぜ遺恨を残さずにこれたのか。
それは「ドイツが国として破産してまで当該諸国に賠償責任を果たした」ということに加え、
ドイツ人そのものが彼らの過去の歴史の誤りを1年も2年もかけて学校で習うのだそうだ。
その結果、ドイツの子どもたちは「私たちは過去にとても恥ずべきことをした」という認識を常に謙虚に持っているのだという。
そして第2の注目すべきことは、 第二次世界大戦終結以来、ドイツ歴代の大統領と首相はみな異なる時期に
ドイツ国民を代表して反省、謝罪、悔悟を表してきたということ。
特に、1970年に当時の西ドイツ首相ブラント氏がポーランドを訪れ、ワルシャワのゲットー記念碑の前にひざまずき
「こうすべきであったのに、こうしなかったすべての人たちに代わってひざまずく」と表明、
1995年6月にもコール前首相は、イスラエルのホロコースト記念碑の前に両膝をつき、国家としての謝罪を重ねて表明した。
この「事件」は、ヨーロッパ中の国民の心を打つ出来事だったという。
それらのことがいかに「表面的な」謝罪でないかは、明らかで、だからこそ
被害を受けた近隣諸国との間には遺恨を残さず今に至るのだろう。

確かに、私たちは知らなさすぎた。
でも、今からでもできることは絶対にある。
次の世代に語り継ぐべきことは、必ずあるはずだ。
教える側が、自分たちの教わったあいまいなことに振り回されず、そしてさらに大切なのは
決して「卑屈」にならず、謙虚に正しい事実と向き合うこと。

それが、戦後60年、一度も戦争をしていない国が最後にしなければならない課題だと思う。
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2 Comments

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同感 (マー君のママ)
2005-08-22 16:18:47
うん、私もそう思う。



ドイツの話は知らなかった。

でも、ドイツ人とこれまで数回話した中で、彼らの戦争に対する考え方の真剣さに心を打たれるものがあった。



8月15日テレビをつけるとそれがたまたま26Chで、中国語のニュースだった。

南京大虐殺の映像が流れていた。

日本では絶対にテレビ放送しないような、吐き気を誘う映像の数々。

私達は知らないことが多すぎる。



決して「卑屈」にならず、謙虚に正しい事実と向き合うこと。

それができる日本になって欲しい。

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ありがとう (shoko)
2005-08-23 17:17:20
知らないから意見がブレる。そして言われるままに「卑屈」になるという図式が、すべてに表れているように思います。

マーくんも両親の国のそれぞれの歴史をきちんと学べればいいね。それがハーフの強みでもあるように思う。(ちょっと話はちがうけどね)



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