Life in America ~JAPAN編

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近隣戦争。

2014-10-02 14:47:59 | アメリカ生活雑感
全てがそうとは言わないが、研究職の人というものは少しだけ世間ずれしているところがある。
人よりも数字やデータと仲良くしている時間のほうが長いせいかもしれない。

Pちゃんは、そのバカ正直でまっすぐな性格のせいで、人から誤解されることが多い。本人には悪気はなくても、つい“ごもっとも”なことを、言っても仕方のない人に言ってしまうクセがある。そのため、思わぬ敵を作ることがある。


そらが積もり積もって今、お隣さんのとの間でかなりの冷戦が勃発している。

そもそものきっかけは「タバコ」。
マイケル(隣人。40代半ば)は大のチェーンスモーカー。タバコのアレルギーがあるPちゃんにとってはそれだけで天敵なのだが、自分の敷地で吸う分にはこちらは何も文句は言えない。
ところが、マイケルはしばしば我が家の敷地内(芝生)でくわえ煙草をふかし、その吸殻をそのあたりに捨てていくのでさすがにPちゃんが注意。
そのときは、わかったよ、というようなそぶりで特に何も言わずにその場を立ち去ったらしい。
しかし、その後も一向に態度を改めない。どころか、以前にもまして嫌がらせのようにうちの前で煙草をぷかぷか吸うようになってしまった。

そして第2の原因は、犬のふん。
マイケルは2匹の小型犬を飼っているのだが、この2匹を裏庭にしばらく放し飼いにして好き放題おしっことウンチをさせるのである。後始末をすればいいが、こちらが見ていないと平気でそのまま放置するのだ。
これに怒ったPちゃん、もちろん厳重注意した。
それでも、もちろん無視。

「ああいうタイプは口で言われると腹が立つだろうから、ひとことメモを残せば?」と私。
ほんのメモでよかったのに、あのくそまじめでKYなPちゃんは、2枚にもわたる手紙を朗々と書いてしまったから、それがよけいにマイケルを怒らせることになってしまった。

ある日、犬のうんちを我が家の芝生の前に置き去りにしたところを目撃してしまったPちゃん、(よせばいいのに)マイケルのうちのドアをノック。奥さんのペギーが恐る恐る出てきたら、うしろからマイケルの怒号が。

「Fuck You! 今食事中だ。帰らんかいこのドアホ!」

何を言われるよりも侮蔑の言葉を浴びせられることを嫌うPちゃん、ここで完全にプッツリ。
「君がそのような態度に出るのなら、こちらはポリスを呼ぶからそのつもりで」

あー始まっちゃったよ。。。(つまり、どっちもどっちなのよねー)
そして、こんなつまらんことで呼ばれたポリスが到着した時には、マイケル夫妻はそそくさと車で逃走してしまった後だった。

これが決定的となって、それからはもうマイケルは完全に私たち血と顔を合わせても完全無視状態になってしまった。
奥さんのペギーも、まるで死人のように目の前を通り過ぎるだけ・・・不気味。
この夫婦、もともと非常に不気味なので私もなるべく付き合わないでいたのだ。
それでもPちゃんは、顔を合わせると普通に「Hi」とか「Hello」とか挨拶をしていたというから(もちろんマイケルは無視)、何ともお気楽な話。

それでもって、私が留守にしていた3週間の間にことはもっと深刻になっていった。
マイケルの吸ったタバコの煙が直接我が家の窓から入ってくるので、Pちゃんができるだけ怒らせないように丁寧に「悪いがもうちょっと離れて吸ってくれないか。家の中にタバコの煙が入ってくるんだ」と注意。
すると何と、マイケルは中指を立てて
「Fuck You!お前なんか死んで地獄に落ちればいいんだ!」とわめいたらしい。

あまりのことにPちゃんはブチ切れ、「いったいアンタは毎週教会に熱心に通って何を学んでいるんだ?なにがクリスチャンバリューだ!」と言い返したんだそうだ。
あっらー、それって彼らにとっては一番言われたくないセリフだわね。
宗教のことに触れたらおしめーよ。もちろん、私は心の中では同じことを思っていたんだけれども。


しかしそれにしても、このマイケルという男。そこまで私たちのことなめまくりやがったのね。
それなら仕方あんめー。金輪際、おめーとはお隣だとは思わねーし人間とも思わないからそう思え!(と、私もプツン。実は切れると私のほうが数倍怖い)
だいたいこの男、昔はすごいアル中だったというから、それで頭が少しおかしくなってしまったんだろう。
仕事にも就かず、いや、就いたと思ったらすぐ首になる、の繰り返し。近所でも相当変人として煙たがられている。

そんな奴をまともに相手にした私たちが間違っていたのだ。
「馬の耳に念仏」とはこのこと。まるでテロリストに「人殺しはいけませんよ」と注意しているようなもの。
それなのにPちゃんは、何かあるたびにしつこく彼に注意するので、余計にマイケルを怒らせ偏屈にさせてしまっている。・・・ということに気づいていないPちゃんも、やはり相当おかしい。。。

ああ、世の中には狂った奴らが大勢いる。
アメリカで怖いのは、こういうやつらがいつでも銃を買えることだ。もう頼むから挑発しないでくれよー。