Life in America ~JAPAN編

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仕事の切れ目が命の切れ目?

2012-05-01 17:11:25 | アメリカ生活雑感
アメリカは、先進国で唯一「国民健康保険制度」がない。
キリスト教がベースの国のくせに、病気の隣人の分を自分たちが負担するのは絶対嫌だ、自分で払えないやつは死んでしまえ、皆保険はソーシャリズムだ、という考えが驚くほど根強い。

じゃぁみんなどうしているかというと、年間100億近い給料をもらっているCEOを長とする利益追求型保険会社の、これまたバカ高い保険を買って身を守るしかない。
企業に雇用されていたら企業がそのほとんどを負担してくれるが、個人経営者や無職の人たちはそれらを全額自己負担しなければならない。
普通の保険でも家族分で月に10万円以上もする。
当然、保険に入っていない(入れない)人たちが多く、その人たちはもしもの自己や病気にあうとたちまち財産全てを失ってしまうことになる。
今アメリカで家を売りに出している4人に1人が、「医療費が支払えないための差し押さえ」だというから聞いてあきれる。

仕事の切れ目わずか数週間の間、保険に入らずにいたある研究者が交通事故にあってヘリコプターで病院送りになり、命はとりとめたがその後請求された額は5000万円だったとか。
これは冗談ではなく、実話である。

しかし、あきれてばかりいられない。うちもこれが目の前の現実となりつつあるからだ。
アメリカでは仕事の切れ目が命の切れ目。
仕事と次の仕事の間にもし病気にでもなったら、しゃれにならない。
つまり、保険がきくうちにすべての健康チェックをすませておかねばならない。

というわけで、先週からはせっせと医者がよい。
眼医者に行って視力の再検査をし、婦人科検診をすませ、今日は歯医者で歯のクリーニングまでしてきた。

オバマさんがどんなに頑張って国民皆保険を導入しようとしても、保険会社が大きな政治的力(金)をもっていてそれに買収された薄汚れた政治家どもがこぞって反対し一向に先に進まない。
本当に国民を守る気はあるのか、と言いたくなる国だ。

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