マジック・スリム氏が待っていると指定されたところは、シカゴダウンタウンから少し北部にあるさびれた安モーテル。
受付で彼の本名(モリス・ホルト)を告げると、特に怪しむでもなく「あそこの部屋だよ」と指をさされた。
1階の奥のほうに、扉があきっぱなしになっている部屋が一つ見えた。
本当にあんなところにいるのか??
ちょっと緊張して開いている扉をノック。目の前にはで~んと椅子に腰かけて煙草をくゆらせている大男の姿が。
あの~、マジック・スリムさんですよね?という私に向こうもきょとん。
ルームサービスか何かとでも勘違いしたのか、それがどうした、というような雰囲気。
「こんにちは。私、SHOKOと申します。実は●●さん(マネージャー)からここでインタビューをするように言われてきました。お聞きですか?」
「へ?」
「いえ、ですから、あのう、日本のために何か一言メッセージをいただけないでしょうかと伺ったのですが」
「あーあー、そういやそんなこと言うとったなぁ・・」
かなりおぼつかない様子だったので、横に腰をかけて、耳元で大きな声でゆっくりと
「あのね、おじいちゃん(とは言わないが・・)、今日本は大変な状況にあるんです。今年のJapan Blues Festivalの冒頭で、過去にご出演のブルースミュージシャンの方々から応援メッセージをいただければと思いまして」
そして彼のリアクションに私は文字通り椅子から転げ落ちそうになった。
「え゛?日本で何かあったん?」
知らない・・・この人は何も知らないのだ。
じゃぁマネージャー氏はいったいどんな前ふりをしていたのか?「誰か来るってさ」くらいのもんだろう、きっと。
さすが、おおざっぱなアメリカ。
ざっくりとしたブルースミュージシャン。
3月に日本を大きな地震&津波が襲ったこと、死者・行方不明者を合わせると何万人もなること、
今もなお、人々は避難生活を余儀なくされていること、
その中で今年の「Japan Blues Festival」が開催されることになり、少しでも日本の人たちに希望と勇気を与えたいという意図から、過去出演のみなさんにコメントをいただいて回っていること・・・・をひとつひとつ一から説明した。
ようやく事の経緯がわかったスリム氏、快くOK。
ビデオを録るとわかり、ぼろぼろのTシャツの上に青いシャツを羽織り、すきっ歯の前歯をきちんと入れ直し、
テーブルの上にあった帽子をひょいと被って、瞬く間にただのじいさんからブルースマンに変身しスタンバイしてくれた。
メッセージはほんの20秒足らずの短いものだったけれど、とても今この場で一瞬で考えたとは思えないくらいちゃんとしたメッセージで、ちょっとじいんときた。
(このメッセージは是非青森の会場でご覧ください!)
無事に録画が終了したあとは、厚くお礼を言い、去年青森の方たちに頂いた「ねぶたの扇子」をお礼に渡すといたくお喜びのご様子。
とても気さくな、心の温かい人だった。
終わってみるとあっけなかったけれど、一人目のコメントがいただけて、しかもそれがマジック・スリム氏で、かなり肩が軽くなった。
しかし。
この年代のブルースマンというものは、本当に世情に疎いということを目の当たりにした。
きっと新聞も全く読まなきゃ、テレビも見ない、昼間は寝て夜出かけていくそんな毎日なんだろうな。
こんなビッグネームでも、ちゃんとしたホテルではなくこんなうらさびれたモーテルに泊まっているのだ。
以前Shun氏もブログに書いていたが、一部を除いてブルースミュージシャンはみな貧乏で、
保険にも入っていない(払えない)人たちが多いそうだ。何のかんの言っても、黒人たちの本当のの生活はこうなのかもしれない。
Thank you, Magic!
さて、家に帰ると、次の方からメールのメッセージが・・・
(まだまだつづく・・・)
受付で彼の本名(モリス・ホルト)を告げると、特に怪しむでもなく「あそこの部屋だよ」と指をさされた。
1階の奥のほうに、扉があきっぱなしになっている部屋が一つ見えた。
本当にあんなところにいるのか??
ちょっと緊張して開いている扉をノック。目の前にはで~んと椅子に腰かけて煙草をくゆらせている大男の姿が。
あの~、マジック・スリムさんですよね?という私に向こうもきょとん。
ルームサービスか何かとでも勘違いしたのか、それがどうした、というような雰囲気。
「こんにちは。私、SHOKOと申します。実は●●さん(マネージャー)からここでインタビューをするように言われてきました。お聞きですか?」
「へ?」
「いえ、ですから、あのう、日本のために何か一言メッセージをいただけないでしょうかと伺ったのですが」
「あーあー、そういやそんなこと言うとったなぁ・・」
かなりおぼつかない様子だったので、横に腰をかけて、耳元で大きな声でゆっくりと
「あのね、おじいちゃん(とは言わないが・・)、今日本は大変な状況にあるんです。今年のJapan Blues Festivalの冒頭で、過去にご出演のブルースミュージシャンの方々から応援メッセージをいただければと思いまして」
そして彼のリアクションに私は文字通り椅子から転げ落ちそうになった。
「え゛?日本で何かあったん?」
知らない・・・この人は何も知らないのだ。
じゃぁマネージャー氏はいったいどんな前ふりをしていたのか?「誰か来るってさ」くらいのもんだろう、きっと。
さすが、おおざっぱなアメリカ。
ざっくりとしたブルースミュージシャン。
3月に日本を大きな地震&津波が襲ったこと、死者・行方不明者を合わせると何万人もなること、
今もなお、人々は避難生活を余儀なくされていること、
その中で今年の「Japan Blues Festival」が開催されることになり、少しでも日本の人たちに希望と勇気を与えたいという意図から、過去出演のみなさんにコメントをいただいて回っていること・・・・をひとつひとつ一から説明した。
ようやく事の経緯がわかったスリム氏、快くOK。
ビデオを録るとわかり、ぼろぼろのTシャツの上に青いシャツを羽織り、すきっ歯の前歯をきちんと入れ直し、
テーブルの上にあった帽子をひょいと被って、瞬く間にただのじいさんからブルースマンに変身しスタンバイしてくれた。
メッセージはほんの20秒足らずの短いものだったけれど、とても今この場で一瞬で考えたとは思えないくらいちゃんとしたメッセージで、ちょっとじいんときた。
(このメッセージは是非青森の会場でご覧ください!)
無事に録画が終了したあとは、厚くお礼を言い、去年青森の方たちに頂いた「ねぶたの扇子」をお礼に渡すといたくお喜びのご様子。
とても気さくな、心の温かい人だった。
終わってみるとあっけなかったけれど、一人目のコメントがいただけて、しかもそれがマジック・スリム氏で、かなり肩が軽くなった。
しかし。
この年代のブルースマンというものは、本当に世情に疎いということを目の当たりにした。
きっと新聞も全く読まなきゃ、テレビも見ない、昼間は寝て夜出かけていくそんな毎日なんだろうな。
こんなビッグネームでも、ちゃんとしたホテルではなくこんなうらさびれたモーテルに泊まっているのだ。
以前Shun氏もブログに書いていたが、一部を除いてブルースミュージシャンはみな貧乏で、
保険にも入っていない(払えない)人たちが多いそうだ。何のかんの言っても、黒人たちの本当のの生活はこうなのかもしれない。
Thank you, Magic!
さて、家に帰ると、次の方からメールのメッセージが・・・
(まだまだつづく・・・)